今回の話中に説明が無い要素についてはそこで触れています。
また、わからない所や原作と違うところ等は感想で質問して頂ければご説明致します。
モンスターハンターアルテミスオンライン。
モンスターハンターライズ発売の翌年に発売された最新作のモンスターハンターだ。
ライズまでの全てのフィールドが実装されており、モンスターも歴代のモンスター全てが実装。
そして、最大の特徴はハンターだけでなくライダーとテイマーも選べると言う所だろう。
プレイヤーはハンター、ライダー、テイマーから1つを選び、キャラクリエイトを行う。
選んだ職業により扱える武器やオトモ、アクションが変わってくるし、一度選ぶと後から変更は出来ない。
どれを選んでもストーリーとしては変わらないが一部のクエストの内容がハンター、ライダーなら狩猟、テイマーなら狩猟またはテイムに変わる。
そんな最新作のモンスターハンターは過去最高の売り上げを叩き出し、オンラインゲームとしても最高峰のゲームまで上り詰めた。
そんなアルテミスオンライン発売から3年。
名前を知らない人は居ないとまで言われる有名な1人のプレイヤーがいた。
数々の高難易度クエストをソロでクリアし、ハンターランクはもちろんカンストの999。
ここ最近のクエスト成功率は100%と実力も去ることながらら見た目は可愛らしい少女の姿でとても歴戦の狩人とは思えない。
そんなプレイヤーの名はアリス。
全プレイヤーが口を揃えてトッププレイヤーだと言うこのゲーム最強のプレイヤーだ。
身長155cm程で腰までの艶やかな桜髪ロングストレートで真ん丸な赤い瞳で眠たそうなとろんとした眼、小さく、そこまで高くない鼻に小さな口。
柔らかいほっぺたで丸顔で童顔な顔立ち。
華奢な体つきでぺったんこな胸に括れた腰、周りの人に少し心配される位白い肌な幼児体型。
服装は黒いノースリーブのブラウスに赤いネクタイ、赤いプリーツミニスカートで黒いオーバーニーソックス。
茶色い革の編み上げブーツにスカートには銀色の四角いバックルの付いた茶色い革のベルト。
肩から黒い膝下までのコートを羽織っておりコートの両肩には金色の肩章が付いている。
様々なクエストで手に入れてきた限定の重ね着装備だ。
アリスはいつもの様にゲームにログインする。
ログイン先は調査拠点リブラス。
アルテミスオンラインでのメイン拠点である都市だ。
プレイヤーはこの都市にある王立書士隊の調査班所属として物語がスタートする。
プレイヤーの集まる場所、集いの泉。
調査拠点リブラスの中心にある自然に出来た泉の周りを石レンガで囲み噴水のように仕立てた場所で全プレイヤー共通のゲーム開始地点だ。
本来ならログインすれば集いの泉に来るはずだった。
しかし、今私がいるのは森の中。
にも関わらずオトモは居ない。
私はハンターの為オトモは2匹同行が許可されている。
もちろん、私もクエストには欠かさず2匹のオトモを同行させているのだがそのオトモ達が見当たらない。
試しに指笛を鳴らして呼んでみるも現れる気配は無し。
これは・・・どうしたことか。
幸いなのは武器は持っていた事。
このゲームでは武器が戦闘中に換装可能でその関係で武器はクエスト開始と共に腰に付けた小さな笛になる。
この笛を吹く事で常に真上で待機している装備を積んだガブラスが武器を落としてくれるのだ。
後は自身の装備している武器を投げれば勝手にガブラスが回収してくれる。
私は試しに大剣の笛を吹くと真上からガブラスの鳴き声と共に大剣が落ちてくる。
金色の刀身に持ち手には白い包帯が巻かれた大剣でハイジークリンデの最終強化としてアルテミスから追加された武器、
攻撃力1600で毒550、会心25で素紫と中々優秀な大剣だ。
このゲームで追加された最終強化武器は作成難易度がかなり高い代わりに他の武器と一線を画す様な性能になっている。
このジークリンデも作成に紅玉5個要求してきたりとかなり難易度は高め。
だが作れれば敵無しと言う性能だ。
私は肩にかけていたコートに袖を通し、大剣を背中に納刀すると森の中を歩き始める。
ここがどこかわからないが生息するモンスターや周りの景色で特定できるかも知れない。
木々の間を抜けて行くと少し広い広場に出た。
そこには1人の少女の姿があった。
少女は座り込んでおりその目の前にはアンジャナフの姿。
って事はここはアンジャナフの生息する森フィールド。
しかし、こんな広場は古代樹の森に無い。
つまり、リブラスの付近にある新フィールド『遺跡森』だ。
この広さならマップの5番あたり。
確かそこならアンジャナフも出るはず。
見た感じ座り込んでいる少女はハンターでは無さそうだしここは助けなきゃ不味いよね。
私は大剣の柄に手をかけて走り出す。
「大剣武技【早業】ムーンテンペスト!」
私がそう言いながら大剣で切り上げながら円を描く。
このゲームの新規アクション、武技の1つだ。
円を描くように切り上げ、ジャンプ攻撃に派生できる武技で使い勝手も良く大剣では動きも早い部類なので割りと使う武技だ。
ムーンテンペストがアンジャナフの顎にヒットするとアンジャナフが怯んでその場に倒れる。
「逃げるよ!こっち!」
私が少女の手を取って走り出す。
しかし、急に引っ張られて足が縺れる。
その子の手を引いて走ろうとするがその子の身長は立ち上がっても85cm程度しかなかった。
ライトブラウンの髪はポニーテールに結われており、腰下まで伸びている。
幼い顔立ちでくりくりとした紫色の瞳に柔らかそうな丸顔。
寸胴の様な体型で服装は白いブラウスの様な服にカーゴパンツの様な側面にポケットのついた黒いズボンと膝上までの赤いプリーツスカートでどうやらズボンとくっついているらしく、所謂スカンツと言う物だろう。
そして靴は茶色に赤い靴紐の編み上げブーツ。髪は白い大きなリボンで留められている。
左腰には茶色い鞄の様な物が腰に留められており鞄からは赤い背表紙の本が見える。
どうやらあれは本専用の鞄らしい。
それだけなら普通の少女なのだがその少女の耳はエルフの様に尖っており、手を見ると指は4本しか無い。
そう、彼女は龍人族だった。
「ごめん!」
私はそう言うと少女を抱き抱えて走り出す。
大剣なんて比じゃない程軽い少女だ。
ハンターだけあって今の体は少女を抱き上げても余裕で走れるし全然息が切れない。
後ろからは足音が段々と近付いてくる。
これは・・・このままじゃ追い付かれるな。
ポーチの中にあれがあればいんだけど・・・
うん。ある!
2周年記念で手に入れたハンター限定アイテム『騎竜の呼び笛』!
2周年記念イベントでは各職業毎に別の職業を体験できる特殊アイテムが手に入るクエストが開催された。
ハンターなら騎竜の呼び笛。
1体だけだが捕獲したモンスターをオトモンにでき、オトモとして連れていけるアイテムだ。
ちなみにライダーには『武器指南書』と呼ばれるアイテムで自身の使えない武器種の武器を1つだけ使用可能にするアイテム、テイマーには『絆のリボン』で1体だけだがオトモンに絆技が使える様にするアイテムだ。
騎竜の呼び笛で呼び出せるモンスターはテイマー仕様のオトモンの為絆技は使えないし鞍や手綱も無い為操作も難しいがハンターがモンスターを使えるのはこの騎竜の呼び笛だけだからかなりレアだ。
クエスト自体も超高難易度で2周年記念とか言うくせにクリアさせる気が無いクエストだった。
ミラボレアス、アルバトリオンの同時狩猟でしかも防具無しとかクリアするのに何回挑戦したか・・・
だが、そのお陰で私はこの騎竜の呼び笛を手に入れられて、こうして手元にある。
手元にあるからには使えるはずだ。
私が笛を吹くとピーっという甲高い音が空に響いた。
すると、モンスターの咆哮が聞こえ、それと共に木々の間から見える空に金色の翼竜が見えた。
森を抜けるとそこにはリオレイア希少種が飛んでいた。
「ヒメ!」
私が叫ぶとリオレイア希少種は高度を下げて私の手が届く所まで低空飛行してくれる。
私が翼に手をかけて飛び乗るとリオレイア希少種はすぐに高度を上げて空高く舞い上がる。
このリオレイア希少種こそ私のオトモン『ヒメ』だ。
「すごい!これってリオレイア希少種!?」
「うん。ヒメって言うの。私のオトモンだから安心して。」
私がそう言って頭を撫でるとヒメは嬉しそうにこちらを見てからまた前を見直す。
「リオレイア希少種ってテイム出来るんだね。
ってか、君ってテイマーだったんだ。てっきりハンターかと・・・」
「ううん、ハンターだよ。
これはこの呼び笛で飼い慣らしただけだから私のオトモンはこの子だけ。
それに、呼び笛使わないとクエストでも呼び出せないし、場所によっては連れていけないしね。」
私が言った。
騎竜の呼び笛には制限があって、ライダーやテイマーのオトモンは何処へでも同行可能だが騎竜の呼び笛で呼んだオトモンは呼べない場所がある。
この笛はあくまでも呼び出す笛の為例えば空を飛べないジンオウガは孤島と言うフィールドには呼び出せない。
また、海を泳げないモンスターは海底洞窟と言うフィールドでは呼び出せなかったりとそのオトモンが物理的に来れないフィールドには呼び出せないのだ。
まぁ、本職じゃないのに使えるんだからそれくらいの制約はあるよね。
「ヒメ、リブラスに向かって。」
私が言うとヒメは唸ってリブラスへと進路を変える。
「あ、そういえば助けて貰ったのに自己紹介してなかったね。
私はノア。リブラスの書士隊に所属する編纂者だよ。」
「私はアリス。旅のハンターって所かな。
一応無所属になるから。」
私が言った。
ゲームのリブラスにノアと言う少女は登場しない。
だから、このリブラスは知らない世界なのではと思った。
それに、この子も私の事を知らなかったし。
「ね、
「金月の夜叉?えっとどっかで聞いたような気もするけど・・・確か昔の英雄だっけな?
リブラスに帰れば資料もあると思うけど・・・」
ノアが言った。
薄々感ずいてはいたがここはゲームの世界じゃ無さそうだ。
多分、ゲームの世界線から何年も時が経った時代らしい。
金月ノ夜叉は私の2つ名。
ここがゲームの世界なら編纂者でも知っているはずだ。
NPCにもそう呼ばれてるからね。
ヒメが向かう先に大きな塔と川にそって広がる街が現れた。
あれが調査拠点リブラス。
そして、あの塔が書士隊本部だ。
確か塔の近くに飛竜広場と言うライダーやテイマーの飛竜が発着する場所があったはずだ。
そこにヒメを向かわせる。
「ヒメ、そこにランディングして。」
私が言うとヒメが唸って速度を落としながら高度を下げていく。
そして地面に足を付いて5歩位走るとヒメはその場で座り込んで私達を下ろしてくれた。
「ありがとう、ヒメ。少し休んでいて。」
私がそう言って生肉を口元に持っていくと嬉しそうに生肉を食べる。
周りの人達が驚いた様子で私達を見ていた。
まぁ、リオレイア希少種って言うだけあって珍しいモンスターだからね。
それこそ、古龍に並ぶレベルで珍しい。
「助かったよ。
そうだ!シエル団長に報告しなきゃ!
君も付いてきて!」
ノアがそう言って塔の内部へと走り出して行った。