一応読まなくても物語はわかります。
書士隊本部のある塔は叡知の塔と呼ばれており書士隊の資料が全て集まっている。
そして、その最上階は書士隊のリーダーであるギルドマスターの部屋だ。
この書士隊はハンターズギルドも兼任しており書士隊のリーダーがギルドマスターを兼任している。
その為か、書士隊リーダーと言うよりはハンターズギルドのギルドマスターと言うイメージが強い。
塔の最上階に登ると突き当たりに執務机と椅子があり、左側には応接用と思われるローテーブルとソファが。
右側の壁には一面の本棚。
執務机の前には女性がいた。
濃紺色の髪は太めの三つ編みに結われておりキリッとした鋭い目付きで碧眼。赤いアンダーリムの眼鏡をかけているしゅっとした端正な顔立ち。
Fはありそうな大きな胸に括れた腰、スラッとした手足でまるでモデルのような体型。
服装は着崩して胸が半分くらい出てる上部が白で足下が桜色のグラデーションになっている着物に白い羽織を肩から羽織っており赤い帯には扇子が差し込まれていて手にはパイプタバコを持っており煙を吹かしている。
そして、この女性の耳も尖っており、タバコを持つ手の指は4本だった。
つまり、彼女も龍人と言う事になる。
「ボス!調査から戻りました!」
「えぇ、待っていたワ。
早速報告を聞かせて貰おうかしら。」
女性が言った。
私の知っているギルドマスターと違う。
やはり、ここは私の知っているリブラスでは無い様だ。
「はい。その前にこの人の事を。
この人は私がアンジャナフに襲われていた所を助けてくれた旅のハンターさんです。」
「アリスと言います。」
「そう。ワタシはシエルよ。
この街のハンターズギルドのギルドマスターと書士隊のリーダーを兼任しているワ。
今回はウチの編纂者を助けてくれてありがとうネ。」
シエルがそう言ってたばこを吹かす。
吹かした煙は花の香りがしたのでどうやらたばこはたばこでも普通のたばこでは無い様だ。
「いえいえ、今にも食べられちゃいそうでしたし。
それに、私もここら辺に来たばっかなので腕試しはしたいと思ってたんです。」
「凄いんだよ!大剣で顎にバーンって!
それでアンジャナフ怯ませて今度はリオレイア希少種を呼んで空飛んで来たんだから!」
ノアが興奮しながら言った。
「じゃあ、そこに寝ているリオレイア希少種はアナタのだったのネ。」
シエルがそう言って窓の外を指差す。
「はい。私のオトモンのヒメです。」
「リオレイア希少種を手懐けるなんて相応の実力は持ち合わせているみたいネ。
どうかしら?このギルドで働いてみない?」
シエルがそう言って私の目の前に歩いてきた。
「そうですね、今は行く宛も無いですしそうさせて貰います。」
「決まりネ。なら、編纂者を付けないといけないわネ。
そうね、ここで会ったのも何かの縁。ノア、アナタがアリスのバディになりなさい。」
シエルが言った。
そういえばノアは編纂者だと言っていたな。
「わぉ!これからよろしくね、相棒!」
「よろしく、ノア。」
2人で向かい合ってお辞儀をして微笑む。
ゲームの頃もハンターを選ぶと編纂者がパートナーとして付いてくれた。
ワールドと同じ仕様だ。
「さて、本題に戻って・・・調査結果を報告して頂戴。」
シエルがそう言って椅子に座る。
「はい。遺跡森の奥にある遺跡へと続く道に多数の倒木がありその調査をしました。
倒木には何かに切られた様な傷が付いていてその周囲には補食跡も発見されました。
恐らく、肉食のモンスターだと思われます。」
「他に情報は?」
「残念ながら。周囲を調査してみた物の他に痕跡はありませんでした。
恐らく普段は別の場所に棲んでいるのではと推測します。」
ノアが言った。
森の木々が斬られた様な感じで倒れている・・・か。
「あの、それってもしかしてディノバルドではないですか?
肉食で尻尾が刃の様になっているディノバルドなら木を斬り倒してもおかしくはありません。」
私が言った。
「ディノバルドね。確かに、その線は否定できないワ。
この辺にディノバルドの生息は確認できていないけれど移動してきたと言う可能性も考えられるわネ。
アリス、ノア。
アナタ達にディノバルドの調査を命じます。
今回の任務、危険な為ハンターをもう一人付けるわ。
3人で調査を成功させなさい。」
シエルがそう言ってたばこを吹かす。
「わかりました。」
「わぉ!ディノバルド!見たこと無いモンスターだよ!
楽しみだね、相棒!」
ノアがそう言って微笑む。
モンスターへの恐怖心は無い様子だ。
初めてのちゃんとしたクエスト、頑張らなくちゃな。
*キャラ設定*
アリス
18歳 女性
職業:ハンター
得意武器:大剣、竜鎖棍、弓
『金月ノ夜叉』の2つ名を持つ手練れのハンター。
ゲーム時代はトッププレイヤーであり、全てのモンスターのソロ討伐を達成している。
武器は全てリオレイア希少種の武器で揃えている。
普段から物腰柔らかく丁寧な話し方をしており誰にでも優しく接するが敵対すれば冷酷で慈悲無く対応する。
オトモンとしてリオレイア希少種のヒメを連れており2つ名の所以となっている。
ヒメとのコンビネーションは抜群で元々高い戦闘能力を更に高めている。
ノア
90歳 女性 龍人族
職業:編纂者
アリスとパートナーとなった書士隊所属の編纂者。
好奇心旺盛でモンスターへの恐怖心が全然無く知識欲の方が勝っている。
元気一杯な性格だが頭も良く、モンスターの知識も豊富。
その高い知識を活かしてハンターのサポートもこなす編纂者で現在リブラスにいる編纂者からも一目おかれている。
ハンター用の剥ぎ取りナイフを武器として使用しており、その他にも罠や粉塵等サポート用のアイテムを持ち歩いている。
パートナーとなったハンターの事を相棒と呼び、シエルの事をボスと呼ぶ。
また、口癖は「わぉ!」であり、XXの酒場の看板娘、ミルシィと良く似ているが彼女の子孫に当たる。