響SIDE
「ああ。そうだ、織斑。お前のISの事だが、準備まで時間がかかる。」
「へ?」
「予備機が無いそうだ。予備機が無いから、学園が専用機を用意するそうだ。」
三時限目の授業の前、ふと思い出したように、織斑先生が言うが、当の本人(一夏)は状況についていけないようだ。
「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」
「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」
「ああ~。いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ」
周りがざわつく
「響。つまり、どういうことだ?」
「ISは世界で467機あるけど、それぞれの国によって割り振られてるISコアの数が違うし、467以上は、篠ノ之博士が製造を拒否してるからなお貴重。本来なら国や企業のパイロットが優先されて専用機を持つ。」
「だから、一夏にIS専用機が与えられるのは、異例中の異例なんだ。」
「へ~なるほどな~」
467機は、IS委員会が確認してる数だけどね。実際は、それ以上あるのだけれど。
まあ、それはまた別のお話。
「しかしお前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意される。理解出来たか?」
「あれ、じゃあ響はどうなるんだ?」
「ああ、立華だが、もう専用機を持ってるから用意する必要が無い。」
織斑先生の説明を聞いてこっちを見てくる一夏。首にある十字剣を見せると納得した表情をする。
「あ、あの、先生。篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか………?」
女子の一人がおずおずと手を上げて、織斑先生に質問する。篠ノ之という名字は全国を探せば珍しくもないようなそうでもないよな気もするけど、今の世の中篠ノ之と言えば博士の関係者かもと考えてしまっても不思議ではないよな~この場合実際妹やし
「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ」
織斑先生はそう言うが、ダメでしょ~簡単に個人情報もらしちゃあ~ただでさえISの関係で姉妹関係があまりよろしくないのに。やっぱり一夏の姉だね。人の心に鈍感なのは一緒ですね。そう心で思ってると、出席簿が目の前に現れる。
「やめて下さい、織斑先生。その技(出席簿アタック)は効きますから。やめて下さい。」
「…次はないぞ。」
「ハ、ハイ。」
危ない、あと少しで当たるとこだった。
「ええええーっ! す、すごい! このクラス有名人の身内がふたりもいる!」
「ねえねえっ、篠ノ之博士ってどんな人!? やっぱり天才なの!?」
「篠ノ之さんも天才だったりする!? 今度ISの操縦教えてよ!」
篠ノ之博士の身内と知るなり、篠ノ之さんの周りに集まる女子たち。ホントフリーダムだね。
「あの人は関係ない!」
篠ノ之さんが突然大声を上げた。その事に、篠ノ之さんの周りに集まっていた女子達はポカンとする。
「……大声を出してすまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない」
そう言って、篠ノ之さんは窓の外に顔を向ける。女子達は盛り上がったところに冷水を浴びせられた気分のようで、それぞれ困惑や不快を顔にして席に戻った。
「さて、授業をはじめるぞ。山田先生、号令」
「は、はいっ!」
そう言って、授業が始まるのだった。