他の三次創作も増えてきてワクワクがとまらねぇ。
それは雪ダルマと言うにはあまりにも大きすぎた。
黒く、赤く、ジャアクだった。
それはまさに巨大『ジャアクフロスト』だった。
ことの始まりは陸将殿がガイア連合に国へのクーデターの案を持ちかけてきたことだ。原作を知ってる身としてはゴトウ部隊のクーデター=真1開始なので断固拒否である。
クーデターを言い出した原因は陸将殿がオカルトに関わるようになって国の不甲斐なさを直視したからだそうだ。ゴトウ部隊がこれまでに絶望的なレベル差のある悪魔と出会っていないことも原因の一つだろう。
人数や連携で埋めきれないほどの『個の暴力』を教えると共に改めて組織の上下関係を叩き込むために始まったのがこの『ゴトウ部隊 VS ショタオジ』の絶望的な演習である。ガイア連合の人間なら全力で逃げてるところだ。
一応ゴトウ部隊の勝利条件がかなり緩く設定されているが、ガイア連合内でのトトカルチョが不成立になったくらいの勝ち目の無さである。ちなみに自衛官ニキは強制的にゴトウ部隊での参加である。
結果は見事なまでのショタオジの完封勝ち。力によって条件を飲ませるガイア式交渉術・力によってゴトウ部隊の手綱をガイア連合が管理することに成功した。ちなみに他にもガイア式交渉術・技(術)やガイア式交渉術・金も存在する。
なお副次的な効果としてガイア連合内での自衛隊への対応が優しくなっていたりする。ショタオジにやられた仲で親近感を得た者、ショタオジに蹂躙されたとはいえその戦闘能力(特に対人戦能力)を見直した者などが増えたのだ。
中には“自衛隊アンチの無覚醒転生者俺♂がデモニカ訓練行ってみたwww”と実況スレを建てた男がゴトウ部隊の優しさに触れゴトウ部隊箱推しになった珍事態も起きてたりする。オタクに優しい陽キャで自分を護ろうとしてくれる姿にコロリと堕ちたのだ。ガイア連合の人間であっても護るべき市民、特に無覚醒ならば尚更だと言われ、スレ主の心の奥の乙女心に火が点いた時はスレも大盛り上がりだった。流れが速すぎて追うのが大変だったのでよく覚えている。
そんなこんなでショタオジが試験的に使用した『巨大ペルソナ』の影響を各地で調査し、ペルソナ使い幹部でその報告会が行われた。その結果はほぼ影響なし。
集まったからついでにペルソナ使い合同訓練行おうぜとなり、武闘派ペルソナ使いたちがぶつかり合っている。ボク? スライムニキと一緒に端で見学ですがなにか。
「見学なのはいいけどそのプラカードは何?」
「タルタロスのメンバー募集」
『攻略メンバー募集!!』『装備アイテム報酬は応相談』『やりがいのある仕事です』と並べられたプラカードを掲げて座り込んでいるなう。戦闘力の高いショタオジと人望のあるスライムニキの近くで座っているのには意味はない。ホントダヨ。
実際のところ今回の合同訓練に参加しているのはペルソナ使い幹部とその仲間、あとフリーのボクくらいなものだ。わざわざこんな募集に応じる奴はいない。
「『巨大ペルソナの影響の調査でタルタロス周辺調べなきゃいけないんでタルタロス行けないっすわ。いやー残念だなぁwww』と影時間にハム子ネキと会うたび煽ってたから、頑張って勧誘はしてましたってポーズしとこうかなって」
「なんでイナバニキは虎の餌皿で昼寝するような真似ばかりするの」
どうせ他のペルソナ使いと会うと仲間欲が高まるから煽っても煽らなくても結果は同じ。なら煽れるだけ煽ったほうがお得かなって。
ちなみにこの合同訓練が終わった後はほとぼりが冷めるまで旅行に行く予定である。まあ3日もすればなんとかなるでしょ。ハッハッハ。
「戦闘力がないとこういう時もどかしくなるよね」
「では今回練習してきた新技をお見せしましょう」
てこてこと数歩スライムニキから距離をとり、ペルソナを呼び出す。イナバシロウサギに自身のMAGを大量に流し込みつつペルソナ内に留める。
「いくよ『ハリボテ ダイマックス』!」
一定量のMAGが溜まるとポケモンのダイマックスのようにミョインミョインと巨大化する。その大きさに離れて訓練していた人もこちらを見る。
「おおー、ショタオジの巨大ジャアクフロストみたい」
「あれを参考に考えたからね。あれと違って戦闘力ないハリボテだけど」
強力なパワーを得た結果巨大化したジャアクフロストとMAGで膨らませただけのイナバシロウサギでは見た目は近くても根本的に異なる。巨大ロボットとアドバルーンだと思っていただきたい。そもそも巨大化の維持でスキルを使えないくらいいっぱいいっぱいなので戦力的には通常形態より落ちている件。
「いやでも凄いよコレ」
ポンとスライムニキの手がイナバシロウサギの足に触れる。あっ。
ボシューと触れた部分からMAGが噴き出たのをキッカケにイナバシロウサギのあちこちからMAGが噴出し、みるみる姿が小さくなり、最終的に通常形態となりぶっ倒れるイナバシロウサギ。
ついでにその反動でぶっ倒れるボク。流石に負荷がデカすぎた。
「しっかりしろイナバニキ!」
「うう、撃墜マークはスライムニキのところにお願い……がくっ」
「イナバニキーー!!」
「えっ、『最後にタルタロス攻略に行きたかった』って言ってなかった?!」
ハム子ネキ? 流れるように遺言を捏造するんじゃありません。
ホワイトボードのスライムニキの横にゴテゴテバカデカ撃墜マークが貼られ、ボクはスライムニキが銃の訓練をするのをショタオジと共に見学。チューインソウルを膨らませるのがうまくいかない。
「メシア教のペルソナ使いの様子はどうなの?」
「週末デビルバスターだったのが仕事辞めて専業デビルバスターになったらしいですよ。元気に悪魔を殴ってるみたいです」
ショタオジと雑談しながらスライムニキを冷やかす。もうちょい右右、あっ行き過ぎた。
銃というのは対人間に特化した武器だ。必然仲間に誤射しないように細心の注意を払う必要がある。悪魔との戦闘中に連携で使えるようになるためには周りの声に惑わされない集中力が求められる。
なので雑談に惑わされるようではまだまだだ。心を鬼にして雑談を続ける。けしてからかっているわけではない。
「イナバニキは銃を使わないの? ペルソナ側の影響とか?」
「うーん、終末後の弾薬の安定供給とか色々気になるところがあるんですよね。
あと心のモラウ師匠が『テメェの足より遅い飛び道具持ってどうする』ってダメ出ししてます」
「下手すれば自分の撃った弾に後ろから追突か。何というかマヌケな光景だね……」
それが死因とか死んでも死にきれねぇ……。
その後、3日間各地に旅行に行ってきたボクは4日目にドルイド土産をハム子ネキに手渡そうとしたところを捕獲されたのであった。弁護士を呼んでくれ。
ハム子:仲間の質で承太郎ニキに煽られ、イナバニキと探索したことを邪神アンチニキに煽られ、仲間との絆をスライムニキに(無自覚に)煽られ、ショタオジには普通に煽られた。3日間の空白を経た彼女の心はとても穏やかに凪いでいた。野花を摘むように優しくイナバニキの腕を捕り交渉した結果3日間の臨時パーティを組むことに成功した。
深緑の智将“グリニデ”:知力とカリスマと圧倒的パワーを併せ持つ「冒険王ビィト」のボスキャラ。全冥力を自己バフに使うという男の子の好きな闘い方をする。今回の話には関係ないはず。
イナバ:なんとか生存。万力のような力で掴まれた腕が痛い。計算は完璧だったはずなんだけど。実はイナバ本人の煽りと雲隠れ、どちらかがなければ「いつもよりしつこい勧誘」で済んでいたことをお前に教える。