ブラスターマスターゼロ3 IFストーリー 作:通りすがりのヌ・ナセ草
自分の抱えている秘密を打ち明ける。言葉にするのは簡単なその行為にどれほどの『勇気』と『覚悟』が必要なのか私は知っている。
抱えている秘密が辛く、残酷なほどその行為に伴う痛みと苦しみは大きくなっていく。
だけど、それと同時に私達を支えてくれる絆の強さと温もりも私は知っている。その絆があったからこそ、私は今こうして、貴方の隣にいることが出来るから。
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ロボット工学の分野で名を馳せる天才少年、ジェイソン・フラドニック。彼は、地底で発見した超惑星間万能戦闘車両『ソフィア-Ⅲ』に乗り、地底世界で出会ったサポートロイドの『イヴ』と謎の生物『フレッド』と共に、地底世界に巣食うミュータントと戦い、その脅威から地球を救った。
だが、戦いの果てに、イヴがミュータント細胞に侵蝕されてしまう。
彼女を救うため、ジェイソンは新たに開発した機体『G《ガイア》-ソフィア』で宇宙へと旅立った。
イヴの生まれ故郷である『惑星ソフィア』に、きっと彼女を救う方法があると信じて。
過酷さを増していく旅の道中、様々な惑星に立ち寄ったジェイソンたちは、かつての乗機ソフィア-Ⅲと同じく、ミュータントを倒すために造られた『MA《メタル・アタッカー》シリーズ』の機体と、そのパイロットやサポートロイドたちと出会い、時に戦い、時に協力し合い、絆を深めていった。
彼らの協力を得て、超次元空間での戦いの果てに、イヴは奇跡的にミュータントの侵蝕を克服し、超次元空間を支配するミュータントの王『ゼオグ』を倒した。
そして、MAパイロットたちに別れを告げ、傷ついた機体を『G-ソフィアSV』へと改修し、ついにジェイソンたちは、惑星ソフィアにたどりついたのだった。
……そして、この先は本来の道筋から外れた2人の物語。少しのきっかけで変わった物語である。
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「ん……?イヴ、ちょっといいか?」
「ジェイソン、どうかしたの?」
私達の長かった旅の目的地、惑星ソフィア。超次元空間を抜けた先に待っていたその惑星へと真っ直ぐ進んでいると、G-ソフィアを操縦していたジェイソンが何かに気づいて私を呼んだ。
「どうやらG-ソフィアのエネルギーのシステムに異常があるみたいなんだ。そっちでも調べてみてくれないか?」
「え!?ちょっと待ってて……」
私は急いで各システムを調べていく。G-ソフィアからG-ソフィアSVへと改修をした際に何か問題があったのかもしれない。そう考えながらも幸いな事にシステム異常の原因はすぐに見つかり、解決方法もそこまで難しくない事が分かった。ただ、修理する状況に問題があった…。
「ジェイソン、ごめんなさい……原因は分かったんだけど、直すのに一度何処かに止めてもらわないといけないみたいなの」
「そうなのか……。目的地を目前にして立ち往生になっても仕方ない。何処か着陸出来る場所を探してみよう」
「本当にごめんなさい……私がもっとしっかりチェックしておけばこんな事にはならなかったのに……」
「イヴが謝ることじゃないさ。むしろ改修作業は俺も一緒にやっていたんだから俺も気づくべきだったんだ」
ジェイソンが落ち込む私にフォローを入れてくれる。彼のこういう優しさや気遣いに私は地球で一緒に戦っていた時から何度も救われてきた。
「ジェイソン……ありがとう。ふふっ、地球にいた時の事を思い出しちゃった。あの時も今みたいにお互い謝ってばかりだったね」
「あー、そう言われてみると俺達ってあまり変わってないんだな」
「ううん、変わってるよ。ジェイソンはあの時よりもずっとずっと私の事を大切にしてくれてるもの……」
地球でのミュータントとの戦い、私が侵蝕されてからの宇宙での戦い、多くの戦いの中でもジェイソンは私をずっと助けてくれた。そんな彼に私はもっと多くの恩返しをしたい。そう思えるほど私は彼に大切にされてきた。
だからだろうか、そんな彼に打ち明けられていない秘密があるという事実に私の心がズキリと痛む。
「……イヴ?」
「っ!そ、そうだ!着陸出来る場所だったよね!少し待ってて」
私はジェイソンの心配そうな声を遮る様に、慌ててキーボードを操作して情報を集め始めた。見知らぬ宙域で着陸出来る小惑星を探すのは難しいけど惑星ソフィア周辺ならばG-ソフィアの中に残っているデータから何か見つけられる可能性がある。
「何か見つかればいいんだけど……あ、ここならどうにかなるかも」
「ここは……廃棄された軍事基地?」
運良くG-ソフィアの中から見つけたのは私達が今いる場所から割と近いところにある小惑星のデータだった。データには少し前まで惑星ソフィアの軍隊、SF《ソフィアフォース》が使っていたが今は使われていない施設が存在するという事が表示されていた。
「廃棄されているとはいえ無闇に入ったらマズそうだけど、この状況じゃ仕方ないか」
「もし誰かいたら事情を説明してみようよ。力を貸してくれるかもしれないし」
「そうだな。とはいえ長居はしないほうがいいだろうから直したらすぐに出発する気でいよう」
そう言って私達はかつて軍事基地だった施設が存在する惑星に進路を変更して進み始めた。
ジェイソンにはああ言ったが、私自身は誰もいない事を強く願っている。今の私の身体に起きてしまっている変化を誰かに伝える、そんな事は考えたくないから……