ブラスターマスターゼロ3 IFストーリー 作:通りすがりのヌ・ナセ草
「ジェイソン!上から次元断層が来るわ!」
「くっ……想像以上に戦いにくい相手だ」
アルビノディグローラーの罠により部屋に閉じ込められた俺達は相手の次元断層に苦しめられながらもなんとか戦い続けていた。
壁には次元断層を張られていないおかげでガイアシステムは使えるのでエネルギーの心配はいらないのが救いだ。
「どうにかして相手に隙を作って攻撃を叩き込まないと」
「出たり消えたりする次元断層の所為で攻撃に適したタイミングが計算出来ないわ……」
「ミューも目が回る〜」
アルビノディグローラーはワームホールを使って常にこちらに対して有利な位置を確保しており、イヴの計算やミューの探知を掻い潜って攻撃を仕掛けてくる。
「どうにかアイツの動きを止めないとこちらがやられてしまう……!」
「ジェイソン!危ないっ!」
「しまった……!」
考える事に意識が向いてしまったのか、それとも焦りが出ていたのだろうか、イヴの声で気づいた時にはG-ソフィアに相手の吐き出した岩が直撃し、凄まじい衝撃が俺達を襲っていた。
「っ……2人共、大丈夫か!?」
「わ、私は平気……ミューは大丈夫?」
「ら、らいじょ〜ぶ〜……」
ミューは今の揺れで目を回してしまったようだがそれに構っている暇はない。
すぐに体勢を立て直してアルビノディグローラーを探すとヤツは俺達に隙が出来たと判断したのか、その大きな口を開けてエネルギーをチャージしていた。
(あれは止められない……!どうにか回避を……)
レーザーが放たれる前にどうにか相手の攻撃範囲の外に逃げようとするがその前に巨大なレーザーが俺達を襲う。
「…………?」
レーザーに飲み込まれたと思い、目を瞑っていたがいつまで経っても衝撃が襲って来ない。
不思議に思って目を開けると俺達の目の前では放たれたレーザーと同じ物が俺達の方からも放たれ、相手の攻撃を相殺していた。
「これはいったい……!?」
「パパ!あれ!」
ミューの言葉に振り返ると、そこにはさっき別れたばかりのディグローラーがワームホールから顔を出していた。
「今のはコイツが……?」
俺の言葉は通じていないだろうが、まるで応えるようにディグローラーが凄まじい咆哮を上げる。
自分と同じミュータントが相手とは言え、自分達の女王に危害を加えようとした事に対して怒りを露わにしているのが感じられた。
「ジェイソン、この子も戦ってくれるみたい!」
「まさかミュー以外のミュータントと一緒に協力して戦うなんてな……」
言葉が通じるミューではなく、かつて戦っていた相手と協力する。不思議な感覚に包まれながらも俺は頼もしさを感じていた。
「これならアイツを追い込めるかもしれない!」
俺達がG-ソフィアを再度発進させるとそれに合わせるようにディグローラーがワームホールへと潜る。
新手の増援にアルビノディグローラーは一瞬止まったが先程と同じ様にワームホールへと潜って行く。
「イヴ!相手の位置は計算出来るか!」
「えっと……あれ!?」
「パパ!右から出てくる!」
イヴが何かに驚きそれについて尋ねるよりも早くミューが指示を出してくる。ミューの探知を信じて俺はすぐに右を向く。
その瞬間、お互いの牙で傷つけ合いながら絡み合う様に2体のディグローラーがワームホールから飛び出してくる。
「アイツをワームホールから引き摺り出してきたのか!?」
「でもこれなら攻撃出来るわ!」
「ああ!行くぞ!」
俺達に加勢をしてくれているディグローラーに攻撃を当てないように位置を調整しながら『多弾頭波状ミサイル』を放つ。
だが放たれた攻撃は全て敵の強力な外殻に阻まれ、大したダメージを与えられていないようだ。
「G-ソフィアの攻撃でも貫けないのか!?やはり口内を狙うしかないか……」
「あの子にどうにか口を開けさせられないか指示を出してみるわ!」
「頼む!!」
イヴの指示を聞いたのかディグローラーが大きく体を捻って、アルビノディグローラーを壁に叩きつけた。
ダメージ自体はほとんどないのだろうがその拍子に相手の口が開くのが見える。
「今だ!!」
その隙を逃さずにG-ソフィアの主砲を撃ち込むとアルビノディグローラーの悲鳴が響き渡る。
「やはり口内なら効くのか!」
「……ごめんね。でも、私達はやられるわけにはいかないの」
イヴが悲しそうな声でそう言うのが聞こえた。イヴの気持ちも分かるが俺達が倒れてしまえば王の資格が移ってしまう。
そうなればミュータント達が再び全宇宙を襲ってしまってもおかしくない。
「パパ!白いのがまた潜っちゃった!」
「ミュー!イヴ!2人が頼りだ!頼んだぞ!」
俺達の攻撃に怯んだのかアルビノディグローラーは暴れながら再びワームホールへと潜ってしまう。
だが先程の様に2人の計算と探知能力、そしてディグローラーの協力があれば再びヤツを引き摺り出す事が出来るはずだ。
「あれ?パパ!白いの逃げてる!!」
「なにっ!?」
自分が不利な状況だと悟ったのだろう。だがこのまま逃すわけにはいかない。
先に追ったであろうディグローラーを追うように俺達も急いで走り出す。
「ミュー、アルビノディグローラーはどっちへ向かっている?」
「えっと……あっちの方!」
「えっ?そ、そんな!ジェイソン!」
ミューの指差す方向を確認してモニターを見ていたイヴが突然焦ったように大きな声をあげる。
「ど、どうしたんだ!?」
「あの子砂漠地帯の…ママ達の方に向かって進んでるわ!!」
「なんだって!?」
俺達から逃げるのに必死でジェニファーさん達の方へ逃げてしまったというのか、それとも分かっていて向かったのか……とにかく今は通信で状況を報告しなければならない。
「ジェニファーさん!ジョッキ!誰でもいい!聞こえていたら返事をしてくれ!」
『…………こちらジョッキ。そんなに慌ててどうした?』
「そっちにボスミュータントが向かっているんだ!以前戦ったヤツの姿を白くしたミュータントだ!!」
『なにっ!?ティセ子!聞こえたな!』
『こ、こっちでも反応を確認出来まし……えぇっ!?反応が2つ!?』
「以前戦ったことがあるヤツも一緒に向かってるんだ!だけど気を付けてくれ!そいつは俺達の味方なんだ!」
『ミュータントと共同戦線だと!?……ハッハッハッ!!面白い事もあるものだ!ティセ子!急いで準備をするぞ!』
俺の報告を聞いた2人がすぐに準備を整え始める。2人も頼れる仲間であり、アルビノディグローラーにも遅れは取らないだろう。
だが心配なのはジェニファーさんだ。彼女は普段こうやって戦いに参加する立場ではないはずだ。
「ジョッキ、ジェニファーさんは近くにいないのか?」
『彼女は今俺達が作った休憩所で作業をしているところだ。安心しろ、そこならミュータントに攻め込まれる心配は無い』
『マ、マグたんも一緒なので万が一の時も大丈夫です……』
ジョッキとティセットの言葉を聞いて後部座席にいたイヴの安堵の声が聞こえた。
「俺達も急いでそっちに向かう。それまで耐えてくれ!」
『お安い御用だ!行くぞ!ティセ子!!』
『は、はいっ……!』
2人の返事を聞いたあと通信を切る。俺は急いで来た道を引き返し、2人の元へと急ぐ。
「そうだ。ミュー、再度ディグローラー達の場所を……ど、どうしたんだミュー?」
「えっ?えっと、パパどうしたの?」
「あ、いや……念の為ディグローラー達の場所をもう一度調べておいてほしいんだ」
「任せて!……うん、やっぱり真っ直ぐあっち行ってるー!」
「そうなのか、ありがとう……」
先程ディグローラーの場所を再度調べてもらおうとミューの方を向いた時、外を見ていたミューの瞳は普段の明るいものではなく、怒りや苛立ちを感じている様な、いつもの様子からはとても信じられないものだった。
(何かを隠している様子は無いが……俺達の知らない何かがあるというのか?)
再びミューの様子を見てみるがそこにはいつもの様に明るい表情で意気込んでいる姿があるだけだった。
何か嫌な予感を感じながらも俺は急ぐ事に集中した。
今回も読んでいただきありがとうございます
イヴがそばにいるからこそ出来るミュータントとの共闘、やりたかった事の一つだったりします
ディグローラーが仲間になったら正直強すぎる気もしますが…w
今回も感想などありましたらよろしくお願いしますー