昭和石ノ森特撮世界転生~最強怪人を添えて~   作:大回転スカイミサイル

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第11話「仮面ライダー編その一 本郷猛という男」⑥

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本郷猛は苦戦していた。

 

『ギェーギェギェッ!この狭い建物の中では仮面ライダーになることはできまい!』

 

壁をガリガリとその鎌で削りながら、かまきり男はゆっくりと本郷へと近づいていく。

 

「くっ……!だが、ちか子さんは逃げた!お前の目論見通りにはならない!」

 

本郷はそうして、目の前の椅子を持ち上げてかまきり男へと振り下ろす―――

 

バガンッ!

 

しかし、椅子はかまきり男の鎌に遮られ、虚しく破砕されるのみである。

 

『ふっふっふ……ここに来ているのが俺だけだと思ったか、本郷猛!すでに別働隊が雨宮ちか子とこの研究所の所員たちを捕らえていることだろう!』

 

「なんだと!?くっ……!」

 

本郷はそうして悔しそうにしつつも、かまきり男から如何にして逃げおおせるかを算段していた。

 

『ギェーギェッ!ここから脱出しようとあがいているな?手にとるようにわかるぞ!だが、貴様はここで終わりだ!』

 

そうして、かまきり男はどこからともなく鎖付きの鉄球らしきものを取り出す。

 

『これはとびきり上等の爆弾だ。この建物を貴様ごと吹き飛ばすには十分な威力を持っている!後1分で起爆するぞぉ……ふはははっ!』

 

かまきり男は哄笑する―――そう、玻璃が心配していたとおり、かまきり男はこの中央地震研究所そのものを吹き飛ばすために爆弾を持ってきていたのだった。

 

「なんだと!?」

 

『お前などもう再改造しなくても良い!ここで死ぬのだ、本郷猛!はーっはっはっは!』

 

かまきり男はその爆弾を本郷猛の手の届かない場所へと放るため、ヒュンヒュンと振り回した。

 

そしてすぐにも放り投げられ、天井へと突き刺さり屋根裏へと落ちていく。

 

『それではさらばだ!この研究所ごと吹き飛び、そして貴様はこの研究所の爆破犯にでもなってもらおうか!』

 

「ちっきしょぉぉ!そうはさせるか!!」

 

本郷は普段絶対言わないような罵倒をして、かまきり男を逃すまいとするが―――かまきり男はすでに部屋の外へと出ていこうとして―――

 

そこに、巨人がいた。

 

正確には巨人ではないが、しかし巨大な頭部を持つそれはたしかに巨人に見える。

 

「どこへいこうと言うのかね、ショッカー怪人・かまきり男よ……フンッ!!」

 

それは紛れもなく―――「貴様、グランザイラス!?」と本郷が叫んだとおり、それは―――

 

「最強怪人グランザイラス、参上させてもらった。トォッ!」

 

グランザイラスはそれだけいうと、ジャンプして天井を破り、そしてその手に爆弾を持って―――

 

「これが切り札か……くだらんな」と言って、爆弾をバキリと握りつぶす。

 

爆弾というものは、基本的には正規の手段でしか爆発しないものだ。

 

グランザイラスの膂力で一気に潰された爆弾は起爆することはなく、ただのガラクタと高性能火薬の混合物となって地面に落ちる。

 

『き、貴様!首領の言っていた、世界の外の―――!?』

 

「そんなことはどうでもいい。お前はこれ以上ここで喋るな―――本郷猛、私が脱出させてやろう」

 

何をか言わんとしたかまきり男の言葉を遮り、グランザイラスは本郷猛に近寄り、そして。

 

「何を……!?」

 

「安心しろ、ショッカーの別働隊は全員私が始末した。今頃は立花藤兵衛が雨宮ちか子を保護しているだろう―――さあ、変身せよ仮面ライダー!」

 

異形はそうして天井へと目を向けると、その瞳からレーザー光線を放つ。

 

ガドゥン!ボッガァ!!

 

爆発が連続で響き、天井に大穴が開き空が見えると―――

 

グランザイラスは、本郷猛の胴体を掴み、そして。

 

「そうか!わかったぞ!!」

 

「噂通り聡明だな。その通り」

 

本郷はそのグランザイラスの笑みすらこもった言葉に首肯し、体の力を抜く。

 

『貴様ぁ!』「もう遅い」

 

そのまま、赤子をたかいたかいしてやるような仕草で、グランザイラスは本郷を空高くへと放り投げる。

 

そして―――

 

彼は空中で何回も、何回も回転しながら、徐々に、徐々に仮面ライダーの姿へと変身していく。

 

改造人間・本郷猛はベルトの風車に風圧を受けることで、仮面ライダーへと変身するのだ。

 

「絶望しろ、ショッカー怪人・かまきり男。お前を麗しの地獄へ送る、髑髏を想起させる飛蝗の仮面がここにすぐにも降り立とう」

 

グランザイラスは、その応接室と思われる部屋の中央にあったソファに、慇懃に腕を組み、足を組んで、深く腰を下ろす。

 

「……貴様は藁のようにではなく、震えながら死ぬのだ」

 

手は出さないということなのだろうか、グランザイラスは瞑目する。

 

―――そこに。

 

「計画のことを話してもらうぞ、かまきり男!」

 

スタリ、と地面に軽い音を立てて仮面ライダーが落ちてきた。

 

「そうら、反撃せねば死ぬぞ、ショッカー怪人」

 

くっく、と含み笑いをしてグランザイラスは立ち上がり、背を向けて歩き出した。

 

「……今は何が目的かは聞かない。だが、感謝だけはする!すまない!」

 

「感謝を示すなら、ありがとうと言ってほしいな。日本人の悪い癖だ」

 

そうしてグランザイラスは、仮面ライダーの答えを聞かずに、空へと飛び上がる。

 

「では最後に一つだけ忠告だ、仮面ライダー!東長沼の常楽寺を探せ!そこに此度の悪魔の計画の証拠が眠っているだろう」

 

そうしてグランザイラスは火の玉となって消えていった。

 

『ぬ、うう……基地の場所まで割れているだと……あれは何者なのだ!?』

 

「それを貴様が知ることはないッ!トォ!!」

 

うろたえるかまきり男に、仮面ライダーが躍りかかる。

 

もはや戦闘員もおらず、かまきり男の戦闘力は仮面ライダーには及ばない。

 

ドゴォ!

 

「トォ!」

 

『ギェェーッ!!』

 

仮面ライダーの拳がかまきり男へと突き刺さり、悲鳴を上げて怯んだ。

 

「なんのためにちか子さんを狙った!?」

 

『それを貴様に教える義務はない!死ねぇー!』

 

鎌をブンブンと仮面ライダーにぶつけようと振るかまきり男だが、すでに精神が限界に達していたのだろうか、精彩を欠いていた。

 

そして大ぶりの鎌を仮面ライダーはがしりと受け止め、そして背負投げだ。

 

ドォン!

 

かまきり男は背中からソファーに激突する。

 

その隙を逃す仮面ライダーではない。

 

「答えないのなら、私の手で探すだけだ!トォーッ!!ライダーキィーーーック!!」

 

『ギェェェェェェーーーッ!!?』

 

かまきり男の断末魔が響く。

 

かまきり男は、そうして糸が解けるように溶けて消えていく。

 

まるで、最初からなにかもなかったかのように。

 

―――仮面ライダーは本郷猛の姿に戻り、かまきり男の鎌でずたずたにされた自分の服を見下ろして。

 

「猛さん!」

 

「無事か本郷!」

 

研究所へ戻ってきた立花藤兵衛とちか子を見つけた。

 

「ええ、無事です。しかし……」

 

本郷は空を、天井に開いた穴から見える夜空を見上げて、星を睨む。

 

(一体、あの怪人は……)

 

自らに加勢したグランザイラスへと、心中で疑問を投げかけるのであった。

 




耳が痛くて寝られない……
だから投稿するお!!!
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