昭和石ノ森特撮世界転生~最強怪人を添えて~   作:大回転スカイミサイル

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第15話「仮面ライダー編その一 本郷猛という男」⑩

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結果として言えば、先ごろ考えていたことは―――無駄であった。

 

前世の物語どおりに、舞台は大阪へと移ると思われ、私は関わることはないと思っていたのだ。

 

私には小学校に通うという使命があったし、何より私のような子供を連れて行くような危険なことをするとも思えなかったのだが。

 

そう、私を放置して立花さんが大阪に行くのはどうかということで―――

 

どうも本郷さんが立花さんになにか言ったらしく―――

 

私は、大阪阪神大学の大山博士の研究室で、大山博士に変装している立花さんやルリ子さんと一緒にいるのであった。

 

我々は忘れていた―――立花藤兵衛は―――少年ライダー隊という役に立ってるのか立ってないのか微妙にわからないおガキ様軍団を組織する人物だったのだと―――!

 

あ、これ私もカメレオン男に捕まって人質にされるパターンだな……?

 

私はいずれ立花さんが組織する組織を、リアルに考えたらおガキ様大量虐殺が起こりかねないあの組織を、如何に穏当に運用するかを考えつつ嘆息する。

 

―――まあ大首領のことだから、些事として気にしないかもしれない―――というか、原作はそうだったのではないだろうかと、私は頭を捻った。

 

「いやぁ~……本物の大山博士に頼んで変装してみたものの、ショッカーの奴。さっぱり姿を見せん!」

 

「うふふふっ」

 

その思考を中断して、変装して不機嫌になっている立花さんとそれを見て笑うルリ子さんに、私は「いやあ真面目に今来られても困るんですけどねえ」と苦笑する。

 

「へっくし!!」

 

―――立花さんのくしゃみとともに、変装用の付け髭が宙を舞う。

 

ああ、やっぱりこうなるのか。

 

これが監視中のカメレオン男に見られていて、バレてしまうのだ。

 

そうしてしばらくして―――本郷さんから立花さんへ電話が来て、そして。

 

部屋の気配が変わる。

 

ガラスがぴしりと割れる音。

 

間違いない。

 

私は、来る!と直感してルリ子さんの前に立つ―――

 

瞬間、机の上に置かれたナチスの鉄箱の上に、薄っすらと碧色の手が置かれているのがわかった。

 

「手、手が……?!」

 

「な、なんだ!?」

 

ルリ子さんと立花さんが驚くが、私だけは驚かない……予想、いや、予定通りだ。

 

現れたのは不気味なカメレオンを模した怪人―――ショッカー怪人、カメレオン男。

 

仮面ライダー第6話、第7話に登場する幹部怪人。

 

またの名を死神カメレオンとも言い、その能力は周囲の景色に溶け込み、透明化する姿消しだ。

 

その能力でこの部屋に侵入し、ナチスの鉄箱を奪取しようとしてきたのである。

 

『驚くことはあるまい……お前の待ちかねていたショッカーが来たぞ……!ヒ~ヒッッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒ―――!』

 

「来たぞじゃねーよ!死ね!!」

 

私は立花さんが何かを言う前に、灰皿をぶん投げた。

 

バギンッ!

 

ガラスの灰皿は、死神カメレオンが払った手で吹き飛ばされ、壁にぶつかり盛大に砕け散る。

 

『ヒッヒヒヒヒヒ……どうやら俺が来るのがわかっていたようだな……本郷猛の協力者……ショッカーの敵、立花藤兵衛!そして緑川ルリ子と―――桃山玻璃!』

 

「くっ……やっぱり灰皿くらいじゃどうにもならないかぁ!」

 

「おい、ハリ!無茶をするな!それにしても俺のことは先刻ご承知ってわけか!そうとなりゃ話は早い!」

 

立花さんはその付け髭を強引に引き剥がして、カメレオン男へと躍りかかる。

 

「本郷が来るまでこっから逃さんぞ!」

 

だが、虚しいかな。

 

ピュウン……

 

小さな音ともにカメレオン男はその姿を透明化させた。

 

「くそっ!こいつっ!」

 

立花さんはあっという間に、透明化能力に翻弄されて……

 

ばきんっ!

 

「ぐぅっ……!」

 

背後に回られた立花さんは、カメレオン男の持った鉄箱で背中を殴られて昏倒した。

 

「マスター!マスター!あぁっ!」

 

ルリ子さんの悲鳴が響く―――ここで私がグランザイラスの力を使う訳にはいかない……

 

『ふっふふふ……貴様らには人質としてきてもらうぞ!舐めた真似をしたそこの小娘にもな……ヒ~ヒヒヒヒヒ……!』

 

「お願い、ハリちゃんだけは!」

 

『そうはいかん!』

 

ルリ子さんがかばってくれるが、言うことを聞くショッカーでもなく……私たちは諸共に捕まって、ショッカーのアジトへと連行されたのであった。

 

 

 

―――そういうわけで、ですね。

 

人質になった私はルリ子さんと共に、ショッカー基地にて立花さんのネタばらしを聞くお時間になったのでした。

 

「開イタ!」

 

『ヒィヒヒヒヒヒヒ……』

 

「ナ、ナイ!?中身ガ!?」

 

今回のゲスト、ハインリヒ博士なる片言のドイツ人が、カメレオン男と一緒に大騒ぎである。

 

そう、既にナチスの鉄箱は大山博士によって開けられて、中身は本郷さんが今持っているのだ。

 

この世界の技術水準は推定おかしい。

 

先の人工地震装置を原作で完成させたちか子博士や、仮面ライダーX劇中にて無限エネルギーシステムRS装置の理論と設計を完成させた南原博士、そして人間の心を持つ人造人間を作れる光明寺博士……

 

表の世界の科学者たちでも、時に暗黒組織が狙いたくなるほどの超技術を開発しているのがこの世界である。

 

ショッカー首領は楽しんでいるのだろうが、まあ手下どもには想定外だろうさ。

 

とはいえ、私たちが捕まっちゃうのは本郷さんの方に想定外も想定外だろうけど。

 

「はっはっはっはっはっは!いくらナチスドイツの科学で作った箱かもしれんが、26年も昔の話だ!科学は日に日に進んでいるんだぞ!まして本郷の恩師・大山博士は原子物理学の天才だ!箱はとうの昔に開いていたのさ!」

 

まして、繰り返すがこの世界の技術水準は元の世界よりはるかに高い。

 

ちゃんとそのくらい想定しとけよ悪の組織ぃ。

 

「わっはっはっは!どうだ悔しいか!」

 

いやあ立花さん煽る煽る。ついでに私も煽っておくとする。

 

「ホントバカですね。別にナチスって言っても、改造人間もいないし別段本当に超科学を使っていたわけでもないでしょうに。あはっ、でももしあなたみたいなのがいたら、キャプテンアメリカがナチスドイツを滅ぼしていたかもしれませんね。バーカ」

 

べぇ、と舌を出してカメレオン男をさらに煽ってみた。

 

一回こういうこと言ってみたかったんだよなあ!

 

『ええい黙れッ!』

 

「あははははっ!今頃、中身は本郷さんがどこかに捨ててますよ!うふふふ!」

 

私が最後に煽ってやると―――

 

バシィッ!

 

「うっ……!」

 

痛ってぇ……!

 

立花さんじゃなくて私を殴ってきやがった……!

 

「やめて!ハリちゃんが死んじゃうわ!」

 

『黙れ!こうなれば全員嬲り殺しにしてくれる!』

 

カメレオン男は、怒りのままに私の首をつかんで、そして―――

 

『待てカメレオン男!その愚かな人間どもは大事な人質になる!』

 

やっべ、首が折られる、と思った瞬間響いたのは首領の声であった。

 

「何!?俺たちが人質だと!?」

 

まあそりゃそうだろう。どう考えてもそうなる。

 

―――しかしこのショッカー首領、私の正体など先刻お見通しなのにこの演技……

 

全く、恐ろしい面の皮の厚さだよ!

 

『そうだ!本郷の持つ地図!それと交換する人質だ―――そこの子供が言うように捨てていたのであれば、当然処刑してくれるがな!』

 

……もしかして、私に変身するように煽ってるのだろうか。

 

だが、それはそれで好都合ではあるが―――

 

「馬鹿を言え!貴様らの道具に使われるくらいなら、舌噛んで死んでやる!」

 

立花さんがそうして自殺を図るが―――それはカメレオン男によって顎を捕まれ阻止される。

 

ガッ!

 

立花さんのみぞおちにカメレオン男のパンチが突き刺さり、あえなく気絶してしまった。

 

そしてカメレオン男は、『ヒィヒヒヒヒヒヒ』と不気味な鳴き声を上げながら、私とルリ子さんの首を絞める―――

 

やがて私たちは気絶し、基地の外に運び出されるだろう。

 

運ばれる場所は大阪万博の跡地―――アミューズメントゾーンとして作られたエキスポランドだ……

 




EXPOCITYどころか、大阪自体1回した行ったことないでやんす……
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