天才隊員と一人の吸血鬼   作:Aゼノン

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ブラックトリガー争奪戦Ⅰ


第3話 迅悠一

半年後

 

ボーダー本部

 

〔ゲート発生!ゲート発生!遠征艇が着艇します!付近の隊員は注意してください!〕

 

『待ちくたびれましたな 』

 

鬼怒田開発室長はそう喋る。

 

〔トップチームの帰還です!〕

 

ボーダー本部 会議室

 

『これが今回の遠征の成果です。お納めください。城戸司令』

 

風間は持ち帰って来たトリガーを渡す。

 

『ご苦労。無事の帰還何よりだ。ボーダー最精鋭部隊よ』

 

城戸司令はそう喋る。

 

風間の隣には、A級2位 No.1スナイパー 当真勇とA級1位 太刀川隊 No.1アタッカー 太刀川慶がいる。

 

『おお!素晴らしい!未知の世界のトリガー!これでトリガー技術は更なる進化を遂げるぞ!』

 

鬼怒田は喜んでいる。

 

『鬼怒田さんさ~ 遠征艇もうちょいでっかく作れねぇ?オレ足なっげーから窮屈で死にそうだったぜ』

 

当真はそう鬼怒田に喋る。

 

『バカ言え!あれよりでかいのを飛ばそうと思ったら、トリオンがいくらあっても足らんわい!』

 

『ありゃそーなの?』

 

鬼怒田に怒られる当真。

 

『…さて、帰還早々で悪いが、お前達には新しい任務がある。現在玉狛支部にあるブラックトリガーの確保だ』

 

城戸司令は任務のことを喋る。

 

『ブラックトリガー…!?』

 

『玉狛?』

 

風間と太刀川は驚く。

 

『三輪隊、説明を』

 

『はい』

 

三輪隊 スナイパー 奈良坂が立つ。

 

『12月14日午前 追跡調査によりネイバーを発見。交戦したところ、ブラックトリガーの発動を確認。その能力は「相手の攻撃を学習して自分のものにする」。その後、玉狛支部の迅隊員が戦闘に介入。迅隊員とそのネイバーに面識があったため一時停戦。そのネイバーは迅の手引きで玉狛支部に入隊した模様。そして、現実に至ります』

 

『ネイバーがボーダーに入隊!?なんだそりゃ!』

 

当真は驚く。

 

『玉狛なら有り得るだろう。元々玉狛の技術者はネイバーだ。今回の問題はただのネイバーではなく、ブラックトリガー持ちだということだな。玉狛にブラックトリガーが二つとなれば、ボーダー内のパワーバランスが逆転する』

 

風間は報告があった内容を整理して説明する。

 

『そうだ。だが、それは許されない。お前達には、なんとしてもブラックトリガーを確保してもらう』

 

城戸司令はそう喋る。

 

『「ブラックトリガー」の行動パターンは?一人になる時間帯とか決まってんの?まさか、玉狛の全員を相手するわけにはいかないだろ?』

 

太刀川はそう喋る。

 

『現実もうちの米屋と古寺が監視しています。「ブラックトリガー」は毎朝7時ごろ玉狛支部にやってきて、夜9時から11時の間に玉狛を出て自宅に戻るようです』

 

奈良坂はそう報告する。

 

『チャンスは毎日あるわけだねぇ。ならば、しっかり作戦を練って…」

 

『いや、今夜にしましょう。今夜』

 

根付の話に割って入ったのは、太刀川である。

 

『『今夜!?』』

 

根付と鬼怒田は驚いている。

 

『太刀川さん。いくらあんたでも相手を舐めないほうがいい』

 

三輪は太刀川にそう喋る。

 

『舐める?何でだ三輪?相手のトリガーは「学習する」トリガーなんだろう?今頃、玉狛でうちのトリガーを「学習」してるかもしれない。時間が経つほどこっちは不利になるぞ。それに長引かせたら、見張りしてる米屋と古寺に悪いだろ?サクっと終わらせようや』

 

太刀川はそう説明する。

 

『なるほどね』

 

『…確かに早いほうがいいな』

 

当真と風間は賛成である。

 

『それでいいですか?城戸司令?』

 

太刀川は城戸司令に許可を求める。

 

『いいだろう。部隊はお前が指揮しろ太刀川』

 

『了解です』

 

城戸司令は太刀川を部隊の指揮官として指名する。

 

『さて、夜まで作戦立てるか』

 

『襲撃地点の選定が先だな』

 

『なるほど』

 

太刀川と風間は話し合いながら、部屋を出る。

-太刀川慶…この人は昔から苦手だ…-

 

三輪は心の中でそう思っている。

 

一方、早沼支部

 

『この三角の食べ物は何?』

 

メリュジーヌはおにぎりのことを喋っている。

 

『それはおにぎりと言って、大昔から食べられていた物だよ。食べやすくて得られるエネルギーが多いのよ』

 

東堂はそう説明する。

 

『おにぎりには米が使われているから、炭水化物を多く得られるんだ。よくあるだろ?「腹が減っては戦ができぬ」』

 

立花はそう説明する。

 

メリュジーヌは何も言わずにおにぎりを一口食べる。

 

『これは美味いね。日本の食べ物は、美味しい物いっぱいあるね』

 

メリュジーヌはそう説明する。

 

『そういえば、咲夜さんが帰ってくるみたいよ』

 

星野がそう喋る。

 

『咲夜さん、どこに行ってるのですか?』

 

立花は星野にそう問う。

 

『海外のほうに行ってるの。回収するトリガーがあるからって。五条さんのお願いなのや』

 

星野はそう説明する。

 

『早沼支部は玉狛支部同様に特殊トリガー開発部門なのよ。咲夜さんは、早沼支部最初の特殊トリガー使いなのよ。元々、他国から回収したブラックトリガーの技術を盗んだけどね』

 

東堂はそう説明する。

 

『まだ僕達は会ったことないから、会うのが楽しみだね』

 

『そうだなメリュ』

 

-咲夜さん…どんな人だろう-

 

『みんな、お昼は終わりよ。今日の夜、任務よ』

 

『任務?今日は防衛任務はないですよ?』

 

星野がそう喋る。

 

『玉狛の迅君からお願いがあったからね。内容を説明するわ』

 

-迅?確か、ボーダー本部 S級隊員の一人って言っていたはず…-

 

そして、夜。

 

〔目標地点まで残り1000〕

 

太刀川隊、当真、風間隊、三輪と奈良坂はバックワームを展開して目的地のほうに向かっている。

 

『おいおい三輪。もっとゆっくり走ってくれよ。疲れちゃうぜ』

 

太刀川は三輪にそう喋る。

 

-やっぱりこの人は苦手だ-

 

〔残り500〕

 

『止まれ!』

 

太刀川の声で全員止まる。

 

太刀川達の先に迅が立っていた。

 

『迅…!!』

 

『なるほど、そう来るか』

 

三輪と太刀川はそう喋る。

 

『太刀川さん久しぶり。みんなお揃いでどちらまで?』

 

後から来た隊員が太刀川と合流する。

 

『うおっ!迅さんじゃん!なんで?』

 

当真は驚く。

 

『よう当真。冬島さんはどうした?』

 

『うちの隊長は船酔いでダウンしてるよ』

 

『余計なことを喋るな当真』

 

風間が話に入ってくる。

 

『こんな所で待ち構えてたってことは、俺達の目的もわかってるわけだな?』

 

太刀川は迅にそう問う。

 

『うちの隊員にちょっかい出しに来たんだろ?最近、うちの後輩達はかなりいい感じだから、邪魔しないでほしいんだけど?』

 

迅はそう喋る。

 

『そりゃ無理だ…と言ったら?』

 

『その場合は仕方ない。実力派エリートとして、かわいい後輩を守んなきゃいけないな』

 

迅は迅のブラックトリガーに手をのせる。

 

『なんだ迅?いつになくやる気だな』

 

『おいおいどーなってんだ?迅さんと戦う流れ?』

 

太刀川と当真はそう喋る。

 

『「模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる」隊務規定違反で厳罰を受ける覚悟はあるんたまろうな迅?』

 

風間はそう喋る。

 

『それを言うなら、うちの後輩だって立派なボーダー隊員だよ。あんたらがやろうとしていることもルール違反だろ?風間さん?』

 

迅は風間にそう喋る。

 

『「立派なボーダー隊員」だと…!?ふざけるな!ネイバーを匿ってるだけだろうが!!』

 

三輪はキレる。

 

『正式な手続きで入隊した正真正銘のボーダー隊員だ。誰にも文句は言わせないよ』

 

迅はそう喋る。

 

『なん…』

 

『いや迅、おまえの後輩はまだ正式な隊員じゃないぞ』

 

太刀川はバックワームを解除する。

 

『玉狛での入隊手続きが済んでても、正式入隊日を迎えるまでは、本部ではボーダー隊員と認めていない。俺達にとってお前の後輩は1月8日までは、ただの野良ネイバーだ。仕留めるのになんの問題もないな』

 

『へぇ…』

 

-今わかった。俺が太刀川さんを苦手な理由…とことなく似てるんだ。この人と迅は…-

 

三輪はそう思っている。

 

『邪魔をするな迅。お前と争っても仕方ない。俺達は任務を続行する。本部と支部のパワーバランスが崩れることを別としても、ブラックトリガーを持ったネイバーが野放しにされている状況はボーダーとして許すわけにはいかない。城戸司令はどんな手を使っても玉狛のブラックトリガーを本部の管理下に置くだろう。玉狛が抵抗しても遅いか早いかの違いでしかない。おとなしく渡したほうがお互いのためだ。それとも、ブラックトリガーの力を使って本部と戦争でもするつもりか?』

 

風間はそう喋る。

 

『城戸さんの事情は色々あるだろうが、こっちにだって事情がある。あんた達にとっては単なるブラックトリガーだとしても、持ち主本人にしてみれば命より大事な物だ。別に戦争するつもりはないが、おとなしく渡すわけにはいかないな』

 

迅はそう喋る。

 

『あくまで抵抗を選ぶか…お前も当然知ってるだろうが、遠征部隊に選ばれるのはブラックトリガーに対抗できると判断された部隊だけだ。他の連中相手ならともかく、俺達の部隊を相手にお前一人で勝てるつもりか?』

 

風間はそう喋る。

 

『俺はそこまで自惚れてないよ。遠征部隊の強さはよく知ってる。それにA級の三輪隊。俺がブラックトリガーを使ったとしても、いいとこ五分だろ…』

 

迅はそう喋る。

 

『「俺一人だったら」の話だけど』

 

『何…!?』

 

ある隊が現れる。

 

『嵐山隊!現着した!忍田本部長の命により、玉狛支部に加勢する!』

 

『嵐山…!』

 

『嵐山隊…!?』

 

風間と三輪は驚く。

 

『忍田本部長派と手を組んだのか…!』

 

太刀川はそう喋る。

 

『まだいるよ』

 

迅の後ろからバックワームを来た隊が現れる。

 

『どうにか間に合ったわ。迅君』

 

早沼第一である。

 

『早沼支部…早坂か…!』

 

『あら?久しぶりですね風間さん?それに太刀川君も』

 

早坂は風間にそう喋る。

 

『早坂貴様!玉狛側に着くつもりか!!』

 

三輪はそう喋る。

 

『五条さんの師の息子のためよ。それにこの子達の楽しみを潰さないでほしいね』

 

早坂はそう喋る。

 

『やはりか。お前達二人は早坂の隊に入隊したのか』

 

風間は立花とメリュジーヌのことを喋る。

 

『これは厄介なことになったな』

 

『好都合です。早沼支部のブラックトリガーも回収予定でいます。十六夜が海外から戻ってくる前に』

 

三輪は太刀川にそう喋る。

 

『いいタイミングだ嵐山。助かるぜ』

 

『三雲君の隊のためと聞いたからな。彼には大きな恩がある』

 

嵐山はそう喋る。

 

『木虎もメガネ君のために?』

 

『命令だからです』

 

木虎は迅の質問に答える。

 

『二人共、今日は存分暴れていいぞ。こんなことめったにないからな』

 

迅は立花とメリュジーヌにそう喋る。

 

『わかりました!』

 

『いつも以上の連携で行くよ凛』

 

『わかったメリュ』

 

-仲良がいいライバル同士だ-

 

『嵐山と早坂さん達がいれば、はっきり言ってこっちが勝つよ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる。俺だって別に本部と喧嘩したいわけじゃない』

 

迅はそう喋る。

 

『なるほど…「未来視」のサイドエフェクトか…ここまで本気のお前は久々にみるな。おもしろい。お前の予知を覆したくなった!』

 

太刀川が弧月を抜く瞬間、迅以外の隊員は後ろに下がる。

 

『やれやれ。そう言うだろうなと思ったよ』

 

迅はブラックトリガー「風刃」を起動する。

 

 

 

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