天才隊員と一人の吸血鬼   作:Aゼノン

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ブラックトリガー争奪戦Ⅱ


第4話 激突

7ヵ月前

 

『ボーダーのトリガーには、色々種類があるの。ボーダーのトリガーについて軽く解説するよ』

 

星野がそう喋る。星野の前に立花とメリュジーヌがいる。

 

『B級以上のトリガーは、合計8種類までセットできて、攻撃用や防御用、そしてオプショントリガーを切り替えながら戦うわけ。こっち側が利き手用のメイントリガー。こっち側が反対の手用のサブトリガー。両手で2種類同時に使えるの』

 

『ほう、組み合わせで色々やれるわけね』

 

メリュジーヌは理解する。

 

『メリュちゃんが使うスコーピオンは軽量型で、体のどこからでも出し入れができて刃の形状を変えられるの。耐久性は低いから、受け太刀とかすると簡単に折れるの立花君が使う弧月はスコーピオンと違って重さがそこそこあって形や長さは変えられないけど、バランスの取れた攻撃力と耐久力があるの』

 

星野はそう説明する。

 

『なるほど…』

 

立花は理解する。

 

『あとは、オプショントリガーの種類だけど…トリオン消費が高いやつもあるから、ちゃんと細かく説明するね』

 

『『はい』』

 

そして、現在

 

風間隊三人がスコーピオンで攻めて来る。

 

時枝と木虎、早坂はアステロイドで風間隊に打つ。

 

風間はシールドを展開して防ぎ、歌川は迅のほうに走る。

 

迅の後方から立花が現れて、歌川のスコーピオンとぶつかる。

 

スコーピオンの刃と弧月の刃と何度もぶつかり、歌川が攻撃した隙に立花は体勢を低くして、弧月を下から振る。

 

歌川はスコーピオンで守ったが、スコーピオンは折れて左腕に入る。

 

『くっ!』

 

『浅いか…』

 

太刀川は迅のほうに向かい、弧月を振る。迅は風刃で守る。刃を後方に吹っ飛ばした後、旋空を放つ。

 

迅と嵐山は上に飛ぶ。

 

嵐山はメテオラを地面に放ち、煙幕を張る。

 

『煙幕を張った後に来るのが…』

 

太刀川の少し先には、東堂がキューブを展開している。

 

『フルアタックが来るぞ!』

 

太刀川が言ったすぐ、東堂のアステロイドが両手から放たれる。

 

風間隊や太刀川、後方にいる隊員はシールドを張る。シールドが割られ、ダメージが入る隊員がいる。

 

太刀川達は一旦、家のほうに隠れる。

 

『うひー!流石迅さん!嫌な地形選ぶぜ!射線が全然通んねーじゃん!』

 

当真は遠くからイーグレットで狙うが、射線が通らないから撃てない。

 

迅、嵐山隊、立花とメリュジーヌは後方のほうに飛び、距離を置く。

 

早坂と東堂はバックワームを展開して、身を隠す。

 

『6人まとまってるとなかなか殺しきれないな。それに加えて、早坂と東堂はどこかに身を隠した』

 

太刀川はそう喋る。

 

『しかも迅はまだ風刃を一発も撃っていない。トリオンを温存する気だ。それに東堂がいると、前に出れない』

 

『風間さん。こいつら無視してブラックトリガー獲りにいっちゃダメなんですか?うちの隊だけでも』

 

風間隊の菊地原が通信でそう喋る。

 

『玉狛には、木崎達がいる。それにあっちも分散すると予測しているはずだ。ここで戦力を分散するのは危険だ』

 

『なるほど…了解』

 

菊地原は理解する。

 

『出水。俺と風間隊とスナイパー三人は、総攻撃で迅をやる。お前は三輪と米屋と組んで嵐山隊と早沼支部を足止めしろ。東堂と真っ向で撃ち合えるのは、お前しかいない』

 

『了解』

 

出水は太刀川の命令を理解する。

 

『玉狛と忍田派、早沼が手を結んだということは、十六夜が回収中の含めて、ブラックトリガー4つと本部隊員の3分の1。戦力の上で完全に我々を上回ったということだ。ブラックトリガーの奪取はより緊急性を増した。失敗は許されないぞ三輪』

 

風間は三輪にそう喋る。

 

『わかってます風間さん』

 

迅達のほう。

 

『次はこっちを分断しに来そうだな』

 

『その場合はどうする?』

 

『別に問題ないよ。何人か嵐山達に担当してもらうだけでも、かなり楽になる。風間さんがそっち行ってくれると嬉しいんだけど、こっち来るだろうな』

 

迅はそう喋る。

 

『風間隊のほうは俺とメリュでやります。今の実力じゃ、歯が立ちませんが、足止めぐらいにはなります』

 

立花はそう喋る。

 

『そうなると、後ろ盾がないね。三対二だと、僕達のほうが不利』

 

メリュジーヌはそう喋る。

 

『そこは私に任せてちょうだい!お姉さん、みんなの分まとめて全力でサポートするわ!』

 

早坂はそう言う。

 

『うちの隊を足止めする役なら、たぶん三輪隊ですね。三輪先輩のレッドバレットがある』

 

時枝がそう喋る。

 

『どうせなら、分断されたように見せかけて、こっちの陣に誘い込んだほうが良くないですか?』

 

『そうだな。賢と連携して迎え撃とう!』

 

木虎が喋った後、嵐山はそう喋る。

 

『東堂。援護を頼む』

 

『わかりました嵐山さん』

 

太刀川達が動く。

 

『お、来たな。うまいことやれよ嵐山』

 

『そっちもな迅』

 

迅は別のほうに向かう。立花とメリュジーヌは迅についていく。

 

そして、嵐山隊と東堂は三輪、米屋、出水と会う。

 

『嵐山隊…なぜ玉狛と手を組んだ?玉狛はネイバーを使って何を企んでいる?』

三輪は嵐山にそう喋る。

 

『玉狛の狙いは正直よく知らないな。迅に聞いてくれ』

 

『なんだと…!?』

 

-三輪がここまで怒るのは初めて。ネイバーは凄く憎いんだね-

 

東堂はそう思っている。

 

『ネイバーはボーダーに入れるなんて、普通はありえない。よっぽどの理由があるんだろう。迅は意味のないことはしない男だ』

 

嵐山はそう喋る。

 

『そんな曖昧な理由でネイバーを庇うのか!?ネイバーの排除がボーダーの責務だぞ!!』

 

『お前がネイバーを憎む理由は知ってる。恨みを捨てろとか、言う気はない。ただ、お前とは違うやり方で戦う人間もいるってことだ。納得いかないなら、迅に代わって俺達が気が済むまで相手になるぞ』

 

嵐山はそう喋る。周りが沈黙と化す。

 

『やるならさっさと始めようぜ。早くこっちを片付けて、太刀川さんに加勢しなきゃなんないからな』

 

出水は両手からキューブを展開。

 

『そう簡単に片付けられると思ってるの出水?』

 

東堂は出水に喋る。

 

『久しぶりにお前と撃ち合えるからな。けど、ゆっくりと遊んでる場合じゃないからな。最初からフルモードで行くぜ…東堂』

 

東堂もキューブを展開。

 

-出水先輩…攻撃態勢に入った!-

 

嵐山隊のスナイパーは、イーグレットで出水を狙撃。

 

出水はフルガードで防ぐ。

 

『なんちゃって…佐鳥見っけ』

 

『うっわ!釣られた!フルアタックと見せかけてフルガードかよ!相変わらずイヤらしいな出水先輩は!』

 

佐鳥はそう喋りながら移動する。

 

『陽介。スナイパーを片付けろ』

 

『オッケー』

 

米屋は佐鳥がいたところに飛ぶ。

 

『木虎!』

 

『カバーに入ります!』

 

木虎は佐鳥を逃がすため、米屋の相手をする。

 

『十六夜さんがいなくても大丈夫なのか東堂?』

 

出水は東堂にそう喋る。

 

『それ私のために言ってるの?それとも、十六夜さんが来るか来ないかと知るため?』

 

『どっちだろうな!』

 

出水は両手からアステロイドを放つ。同時に東堂はアステロイドとハウンドを放つ。

 

そして、立花達は。

 

迅は太刀川の弧月を後方に飛びながら防ぐ。それに続いて風間が接近してくる。

 

立花は弧月で風間の足止めに入る。刃同士ぶつかる。風間の持っているスコーピオンの腕から、反対側のトリガーのスコーピオンが出てくる。

 

立花は避けるが、首にかすり傷を負う。

 

風間の横から斬ろうとするメリュジーヌ。それに気づいた菊地原がスコーピオンで防ぐ。

 

メリュジーヌは一旦下がる。歌川と菊地原は構える。

 

-二人かかりはキツい。かすり傷ぐらいは-

 

メリュジーヌは菊地原と歌川に突っ込む。二人に近づくギリギリでグラスホッパーで横に逃げ、スコーピオンで菊地原の左腕を落とす。

 

-早い!-

 

歌川はメリュジーヌの動きを思っている。

 

奈良坂はメリュジーヌの左足をイーグレットで落とし、その後に小寺と連携して迅を狙撃する。

 

迅は奈良坂と小寺の狙撃を避ける。

 

『奈良坂さん!当たんないです!』

 

『いいから黙って撃て。迅さんには、予知のサイドエフェクトがある。かわされるのは仕方ない。当てるんじゃなく動きを制限するつもりで撃て。迅さんの対処能力を攻撃の密度で上回るんだ』

 

奈良坂は小寺にそう喋る。

 

『ふい~』

 

当真はゆっくりと休んでいる。

 

『当真さん。あんたも少しは撃ったらどうだ?』

 

奈良坂は当真にそう喋る。

 

『ああ~?外れる弾なんか撃てるかよ。スナイパーとしてのプライドが許せねー。「かわされるのは仕方ない」?そんなだから、いつまでたってもナンバー2なんだよお前は。そんなわけで俺は三輪達の方に行くぜ。迅さん達はお前らに任せた』

 

『なんだと!?』

 

当真は三輪達のほうに向かう。

 

『いや、それでいい奈良坂。確かに当真はその方が活きる駒だ。でも、お前らがいなくなられたら困るぞ』

 

太刀川はそう喋る。

 

『どんどん下がりますね。ブラックトリガーのくせに』

 

菊地原はそう喋る。

 

『包囲されないためには、当然の行動だろう。突出するなよ。浮いた駒は食われるぞ』

 

風間はそう喋る。

 

『でも、どうします?このままだと、警戒区域外まで行くんじゃありません?それに早沼の二人の動きも厄介ですよ?』

 

歌川はそう喋る。

 

『いや、それはない。迅は市民を危険にさらさない。あのアタッカー二人もそうだろう』

 

-しかし、確かに消極的すぎる。何を考えている?-

 

太刀川はそう思っている。いつもの迅ではない。

 

-迅さんに狙撃は通用しない。なんなら…小寺…!-

 

小寺は立花に狙撃をしようと構える。

 

だが、小寺の右腕に誰かのイーグレットが当たる。

 

太刀川達は驚いている。

 

 

『なるほど。後ろに早坂がいるのか』

 

撃ったのは早坂である。

 

早坂はアイビスに切り替え、太刀川達のほうに放つ。

 

〔狙撃注意!〕

 

太刀川は後方に下がる。周りは煙幕。

 

『警告か…嫌なことをしてくる』

 

風間はそう喋る。

 

『ずいぶんとおとなしいな迅。昔のほうがまだプレッシャーあったぞ』

 

太刀川は迅にそう喋る。

 

『まともに戦う気なんかないんですよ。この人は単なる時間稼ぎ。今頃きっと玉狛の連中がネイバーを逃がしてるんだ。あの二人は対して強くはない』

 

菊地原はそう喋る。

 

『おいおい君、僕達を甘く見ないほうがいいよ。足を掬われるよ?』

 

メリュジーヌはそう言う。

 

『迅達は予知を使って守りに徹しながら、こちらのトリオンを確実に削っている。あの早坂の狙撃は頭に当たってもおかしくなかった。余裕がありすぎる。こいつらの狙いは、俺達をトリオン切れで撤退させることだ』

 

風間は迅の狙いに気づいた。

 

『あらら…』

 

『どうします迅さん?これまずい展開ですよ?』

 

立花はそう喋る。

 

『…なるほど。あくまで俺達を帰らせる気か。「撃破」より「撤退」させたほうが、本部との摩擦が小さくて済む』

 

『戦闘中に後始末の心配とは、大した余裕だか』

 

太刀川と風間はそう喋る。

 

-風間さん達はモタモタやってるんだ…?「トリオン切れを狙ってた?」買い破りだ。ただ逃げ回ってるだけじゃないか。この人とは、遠征前の訓練でも何度か戦ったけど、大して強いとは思わなかったぞ…相打ちOKなら、すぐに片が付く-

 

菊地原はそう思っている。

 

『風間さん。やっぱりこの人は無視して玉狛に直行しましょう。僕らの目標は玉狛のブラックトリガー。この人を追い回したって時間の無駄だ』

 

『確かにこのまま戦っても埒が明かないな。玉狛に向かおう』

 

風間は菊地原の意見に賛成する。

 

『やれやれ…やっぱこうなるか…』

 

立花は迅のほうを頷いて弧月をしまう。

 

『旋空…』

 

『旋空を放つ気か?』

 

太刀川達は立花の旋空を警戒する。

 

迅は風刃の本来の力を解放する。隣にあるコンクリートの壁を切り、菊地原の隣の壁からブレードを出す。

 

〔戦闘体 活動限界 ベイルアウト〕

 

菊地原は首を切られ、ベイルアウトする。

 

『出たな「風刃」』

 

太刀川そう喋る。

 

『仕方ない…プランBだな』

 

風刃より光の帯が出ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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