ならなかったので
おかしいんだよ、
マイル因子は薄い筈なのに・・・
その癖、カレンチャンがマイラーになる始末・・・
例の温泉宿
バクシン!バクシン!
今日もサクラバクシンオーは
「バクシ~ン・・・バクシ~ン。」
疲れて寝ている
「ったく、無防備にも程があるぞ?」
アオハル杯を制したチームキャロッツは
続くURAファイナルズで接戦と
壮絶な競り合いの後
「勝った・・んだよな。」
人の膝の上で
バクシンバクシン言いながら眠るコイツは
まぁ、正直役得だ
「どこかの
いい勝負だよなコイツは。」
正直、普段は一つに纏めている腰に届く長い後髪
さらさらしてどこにも引っ掛からない
「風呂上りでもこうして纏めてるって事は、
小さい頃からの癖なのかな?」
ただ、さらさらし過ぎて
三つ編みにするいたずらが出来ない
「ふむ。」
そうだ、と、思い、纏めているリボンを解く
「・・・やば。」
んんっ!と、寝返りを打つサクラバクシンオーの
乱れる長い髪はヤバイ
「~っ///」
ここまでこうすれば解る人は解るだろう
俺は、サクラバクシンオーを
『一個人の女性として好きなのだ』
常に弱き者の立場に立ち支え
頼られれば例え苦手な事でも全力
長距離ウマ娘家系から産まれた
『スプリンター』でも、長距離は未だに諦めない
中等部を終え、高等部も数える日数しか残っていない
でも、走る事は辞めない
「流石に短距離×3本で長距離は悪かったかな?」
納得させる為とは言え、流石に罪悪感が湧いて来る
「サクラバクシンオー。」
最低限のメイクでここまで美人なのだ
この結んでいない長い髪を降ろした
浴衣着はさぞ似合うだろう
「お~い。」
バクシン~
と、寝言で返して来る
「一旦起きろ~。」
バクシ~ン~・・・
ダメだ、起きる気配がない
「さて、どうした物か。」
正直、隣の部屋に布団は敷いてある
・・・ただ、くっつけてあるのは
気のせいだと思いたい
「はぁ。」
そっと頭を一旦降ろし
「よっと。」
お姫様抱っこで抱える
「動くなよ~。」
そのまま布団へ向かう
「うし。」
降ろして・・・抱き着かれる訳でも無く
そのまま眠りこけるサクラバクシンオー
「ったく。」
腰の帯を一旦解いて少し緩めてから、
結び目を再度しっかり結ぶ
「これなら息苦しく無いだろ。」
って、い、意外と胸あるんだな、コイツ
いかんいかん、掛け布団を掛ける
「なんか疲れたな。」
一旦元の部屋に移動し
乱れた食器を纏め、
仲居さんが持って行きやすい様にする
フロントに電話を入れ
後は来るのを待つ
「さてはて。」
今後について少し考える
シンボリルドルフ会長の様に
ドリームカップ
(中等部・高等部を修了した
ウマ娘が参加できるウマ娘の大会)
これに出ると言うのも一つの道だ
「ただ、それだと
現役のウマ娘達と練習場所が被るか。」
幾ら巨大なトレセン学園とは言え
芝3600・ダート2500対応(右・左・可)が各一本ずつ
室内トレーニングルームも定員がある
プールトレーニングは夏場は良くても
温水プールに変えられるとは言え
冬場にはよくない
「かと言って地方はなぁ~。」
サクラバクシンオーの生まれも北海道
まぁ、結構な比率で元『北海道民』または、
父母のどちらかが北海道民
トレーニングの為に北海道へ向かい
レースの為にこの
関東にあるトレセン学園に一旦寄宿し、翌日
本戦会場へ向かいレースをする
・・・負担以外何者でもない
「ん~。」
結婚、と言う事もよぎる
「問題はコイツがソレを理解してくれるか。」
まぁ、『おバカ学級委員長』として
大体わかるサクラバクシンオーの知名度よ
恋愛と、結婚、理解出来るのだろうか?
「・・・だめだ、纏まらん。」
部屋に響くノック音
仲居さんに食器を片付けて貰い
「あら?お連れさんは、もう?」
「えぇ、今まで沢山頑張って来ましたから。」
「・・・トレーナーさん、
今度も『手放すのですか?』」
実を言うと、サクラバクシンオーは
22人目の担当ウマ娘なのだ
「悩んではいますね、
ただ、今までのウマ娘達に申し訳が立たなくて。」
「・・・皆さん、トレーナーさんの
『幸せ』を願って居ましたよ?」
「ん?」
「トレーナーさんから離れたウマ娘の方々は、
皆さん、ここに『何度かお泊りになっているのですよ?』
あの時が懐かしいと、
そして、
『私達は幸せを見つけたよ?
今度はトレーナーさんの番ね?』と。」
まぁ、この仲居さんも『元ウマ娘』
この方の娘さんも担当していた過去がある
「・・・お酒、貰えますか?」
「はい、こちらに。」
仲居さんとゆっくり飲む
仕事は他の『娘達に任せて来たのだとか』
「あの子、何時も聞いて来るんですよ?」
「あはは、元気そうで良かったです。」
「『トレーナーさんの
良いウマ娘は見つかったの?』って。」
「アイツ。」
「私としては、娘を貰って欲しかったんですよ?」
「それは、初耳ですね。」
「それに、私も『担当して欲しかった』」
「それは、ごめんって、
何度も土下座したでしょうに。」
まだまだ未熟な新人トレーナー時代
とあるチームの
サブトレーナーして研鑽を積んでいた頃
サブトレーナー卒業試験として
『ウマ娘個人を担当し結果を残す』
その際、チームメンバーから選べと言われ
正直、地獄を垣間見た
20人近く居るウマ娘から追いかけられる毎日を
「そうね、でも、い~や。」
「はぁ、変わらないな、その口癖。」
「えへへ~。」
見掛けはウマ娘現役時代と変わらず
この見掛けで既にいい年なのだ
「バクシンオーちゃん、
凄かったわね。」
「あぁ、レース前の偏頭痛に始まり、
なんのきっかけか腹痛もこじらせるし、
無茶し過ぎて貧血でぶっ倒れるし。」
「それでも、レースには
しっかりと調整して来て結果は。」
〔短距離1400m1200m無敗〕
「これは、今までの
スプリンターウマ娘では出来なかった、
恐らく今後も
越えられるウマ娘は居ないでしょうね。」
「あぁ。」
その反面、生活能力は壊滅気味で、
兎に角捕まえて置かないと
何をしでかすかわからなかったし
シンボリルドル会長もエアグルーヴ副会長も
偏頭痛持ちにしてしまう始末だった
「それに、アナタの好みのウマ娘でしょ?」
「言うなよ。」
うふふ、このトレーナーの好みは、
この長い髪のウマ娘の子
そして程よい胸の大きさ
なにより栗毛ラブなのよコイツ!
「ねぇ?今からでも遅くないわよ?」
そう言って、少しだけ服を乱して見るけど
「____駄目だ。」
そぅ、このトレーナーは怒る顔が怖い
そして、ウマ娘を大切にする思いは
誰よりも強いと断言できる
「そう、だね。」
コイツ、このトレーナーは
6年前の担当の子が
危うく交通事故に巻き込まれる寸前
そして、その重傷の身で
当時の『実験が好きなウマ娘から痛み止めを奪い取り』
(今のヤバい子はアグネスタキオンと言うらしいけど)
そのウマ娘のGⅠレースに駆け付ける異常者
勿論、そのウマ娘の子は勝利を飾るも
ウイニングライブを放り投げ
このトレーナーを病院へ担ぎ込んだ
「あの子、二度あんな事しないでって、
今でも怒ってるんだからね?」
「・・・悪かったよ。」
「い~や。」
当然、かつての担当ウマ娘達が
病院に駆け付けたのは言うまでもない
なによ?私も駆け付けたわよ
「ふぅ、久しぶりに
「あら、珍しい。」
このトレーナー、トンでも酒豪で
テキーラだろうがウォッカ(お酒の方よ?)だろうが
あの『スピリタス』すら潰れない化け物だったりする
「・・・あ~ぁ~、
バクシンオーちゃんなのか~。」
「だな。」
かつての担当ウマ娘達で『レーンのルーム』があり
(別名ラ〇ンって言うそうね?)
って、月一程度連絡を取ってたりする
そして
『トレーナーが酔う時がきっとそのウマ娘だろう』と
「ちゃんと幸せにしてあげなさいよ?
その横顔は泣きそうな顔
だけど
「わかった、約束する。」
「そ、それじゃ。」
▽
はわ~っ!?
寝たふりをしていたら
とんでもないオハナシを聞いてしまいました!!
と言うか
ウマ娘事件では知らない人は居ない
『あの交通事故の張本人ですと~っ!?』
しかも私は22人目だったんですか~っ!?
ば、バクシンして逃げるべきでしょうかっ!?
「サクラバクシンオー、
起きてるな?」
うげっ!?ば、バレましたっ!?
「うぅ、はぃ。」
「聞いてたろ?」
「はぃ。」
あぁ~・・・この声のトーンは怒って居る時と
ん?ほぼ?
「サクラバクシンオー、
高等部も後数えるだけの日数だな。」
「ぇ?えぇ、はい。」
あれ?
「卒業試験は俺が面倒を見るから。」
「それは助かります!!」
あれれ?
「後、会長も副会長も、
せめて卒業式までは
おとなしくしてくれと言っていたな。」
ん~?
「それと。」
「あの、トレーナーさん?」
「なんだ?」
「あの、それ、寝る前にお話しましたよね?」
「そ、そぅ、だったか、すまん。」
んん~?
「ぇ~っと。」
なんでしょうか?
今まで見た事が無いトレーナーさんですね?
なにかを言おうとしてるのでしょうか?
「ぁ~。」
「あの、トレーナーさん?」
お前が好きだ、結婚してくれ
「はぃ?」
「な、なんども言わせるな。」
はて?記憶にあるトレーナーさんで、
こんなにも顔を真っ赤にしているのは
見た事がありませんね?
「へ、返事、貰えないか?」
「返事?ですか?なんのでしょうか?」
「おい、聞いていたろ。」
「はい、好きだと言う事と、結婚ですね?」
「だから、その返事だ。」
「はぁ?返事と言われても、
私はトレーナーさんを好きですよ?
何時も頼ってくれますし、
助けて貰ってます、レースの御助言も
沢山していただきましたから。」
「ぁ~///」
「そして、結婚とは
何の事でしょうか?」
「おい。」
「確か、男女の一つの形・・・でしたか?
これって、トレーナーさんと私の関係では
無いのでしょうか?」
「ぅぉ~///」
「なにか間違ってるのでしょうか?」
「確かに、俺は男のトレーナーで、
ウマ娘は必然的に女性だな。」
「では、結婚と言うのは
なんなんですか?」
「あ゛ぁ゛~っ!!もう!!」
壁ドン
「ひぇっ!?」
「俺はお前と結婚して!!
家庭を持ちたいの!!
お前との子供も欲しいんだよ!!
わかるっ!?わかるよね!!」
「はぁ?」
「ほんとお前って、
バカ!!」
頭を押さえつけキスをする
「・・・こ、これで、わかったか?」
「ほぇ~、これがせっぷ・・・く?」
「接吻!!キス!!
好きな子にしかしない事!!」
「おぉ!!トレーナーさんも
私の事を好きなんですね!!
嬉しいです!!バクシンです!!」
「んで?サクラバクシンオー、
俺と結婚してくれるのか?」
「必要なんですか?」
「ひ!つ!よ!う!」
「もぅ夜中ですよ?
その様な大声は周りに迷惑が掛かります!」
「お前と言う奴はっ!!」
「トレーナーさん!!うるさいですよ!!」
「誰のせいだ!!」
「えぇっ!?私なんですか!?」
▽
全く、正直、心臓がバクシンしまくりです
それに、家族・ルームメイト以外に、
髪を降ろした姿は
そこで気づいて下さいよ!!
トレーナーさん!!
「わかるまで何度でも言ってやる!!
お前が大好きだ!!
サクラバクシンオー!!」
「なんの!!
私の方が大大大大バクシン的
大好きなんですよ!!」
「なにぉう!?」
「あの~、流石に苦情が来てるんだけど?」
「「あ、バクシン的に、ごめんなさいです。」」
「なにそれ。」
▽
その後、ドリームカップでも
スプリンターとして走り続け
『ママでもスプリンターウマ娘』として、
ギネスブックにも記録されたりしてる
あれぇ?
滅茶苦茶長く書いてしまった・・・
ベテラントレーナー
とあるチームの元サブトレーナー
(トレセン学園一筋)
イケオジ
最初はバクシンオー?
バカシンオーの間違いじゃ?と思っていた
サクラバクシンオー
このベテラントレーナー以外で
もし担当していたら
ただのスプリンターウマ娘で
終わっていただろうと言われた
結婚式でもバクシン的結婚式をしでかし
『世界で最高にバクシン的な結婚式』と
ギネスブックに殿堂入りした
ママになっても
未だに漢字を書き間違え
娘達に教えられる毎日