ウマ娘ショートストーリー?   作:扶桑畝傍

57 / 65
ヒシアマゾン回


トレ公~

 

 

ジャッジャッジャッ

 

中華鍋を振りまわしながら

炒飯を仕上げていく

 

「追加、半チャー2、餡掛け多め。」

「っす。」

 

 

(あ゛~、もうやりたかねぇ)

煙草をふかしながら、

公園のベンチで一服する

 

ホントは今日は休み

しかも『有給』

にもかかわらず、人がいないとかで、

厨房のヘルプで呼び出された

 

昼時のピークを終えての一服は

誰にも邪魔されたくはないんだけど

 

「___、団体が来るから、

 大盛炒飯、パーティー用を30人前だ。」

「あ゛?」

「頼むよ、今、他の連中にも

 ヘルプ掛けてるからさ。」

付けてまだ吸える煙草を地面に叩きつけ

靴で消す

「食材は?」

流石に拾って、

煙草スタンドの吸い殻入れに入れる

「米は炊けてるんだけど、

 他がまだ下拵えが済んでない。」

「ちっ。」

 

 

でたよでたよ、直前キャンセル

既に炒め始めた炒飯は

弁当パックに詰めて、

一つ200円で店頭に並べて

なんとか売りさばいたけどさ・・・

 

家に着き

余った炒飯をレンチンすべく

皿に乗せ直す

 

ブ~ン・・・チ~ン

 

無言のまま食べ進める

 

PCを立ち上げ、

『ウマ娘』を開く

 

『よ、トレ公、今日のログインボーナスだよ?』

(今日は、アマさんか)

ホーム画面はランダムにしており

服は制服にしている

 

勝負服は、なんとも目のやり処に困るからな~

 

『ところでトレ公?』

 

(あれ?こんなセリフあったか?)

 

『トレ公~聞こえてるか~』

 

まさかな~、と、思いつつ

 

イヤホンマイクのマイクスイッチを入れる

 

「ひ、ヒシアマゾン?」

『お、聞こえた聞こえた

 ちゃんと繋がってるみたいだね!』

(まさか話せるとは)

『いや~ホントに話せるなんて

 ありがたい話だね~』

「ぁ、あぁ、そうだな。」

『なんだいトレ公、元気ないな?』

「ん?

 まぁ、バイトの休みが潰れてな、

 有給が無駄になった。」

『あれま、とんだブラック企業だね~』

「まぁ、町中華の飲食店だからな、

 急に他のバイトが

 飛ぶのはよくある事だけどな。」

『ぁ~、そっちも似たような事があるんだねぇ、

 トレ公さ、料理出来るんだよな?』

「ん?まぁ、それなりにな。」

『じゃぁさ?トレ公、

 料理、教えてくれないかい?』

「PC越しに?」

『ぁ~』

「まぁ、レシピなら

 今まで作って来たのを残してるから、

 それで構わないなら良いけど。」

『本当かい?!

 いや~、最近オグリの奴が

 他の味も出来るのかいとか、

 聞いて来てさ、

 トレセン学園の食堂メニューは

 網羅されちまってるし、

 アタシが今まで作って来たのも

 味は知られてるからさ』

「アイツか、

 ふむ、アマさんが作って来た物を

 一通り教えてくれるか?」

『はいよ、お安い御用さ』

 

 

かれこれ3時間は話し込んで居ただろうか

アマさんとの料理談義は、楽しかった

 

『いや~、いろんなアレンジがあるんだねぇ』

「あくまで俺の味覚だからな?」

『そこはアタシの

 トレ公なんだから信じてるさ』

「随分な信頼で。」

『そりゃそうさ、

 トレ公のお陰で

 トリプルティアラも

 シニア3冠も獲らせてくれたんだ、

 それを信用出来ないとか

 頭が湧いてるとしか思えないね』

「それは言い過ぎじゃないか?」

『ぁ~、軽率だったね』

『あ、居た居た、

 アマさんどうしたんだい?』

『お、フジじゃないか、

 どうしたんだい?』

『それはこっちのセリフだよ?

 寮長が来ないって、

 みんなが騒いでたからね?』

『へ?』

「あ。」

 

時間を見れば既にPM10:00を過ぎていた

 

『わ~っ!?とととトレ公!!』

「はいはい、

 また、時間が合う時にな?」

『フジ!見回り行くぞ!!』

『りょ~かい、今行くよ』

 

 

翌月

 

PLLLLLL

「はい、今日は有給ですが。」

〈すまん、また飛ばれた!!〉

 

プツン

 

「(放送禁止用語&罵詈雑言の大全集)」

 

ピッ

 

 

無言で振るう中華鍋

 

片っ端から客の料理を作る

 

常連客は気づいたようだ

 

「ぁ、あんちゃん、

 だいじょ「お客さん、注文は?」ぁ、

 五目半チャーハンと

 醤油ラーメン「奥の席へどうぞ」ぁ、はぃ。」

 

 

翌日

 

辞表を書いて店長に叩きつけようと店に来たら

 

常連客と近所の人が集まっていた

 

「あぁ、あんちゃん。」

 

シャッターの張り紙には

 

《一身上の都合により閉店しました》だけ

 

電話をかけるも繋がらない

 

 

その日の事を覚えていない

 

常連客だった人から聞いたら

 

俺はシャッターを強引にぶち開け

店に突入

住居兼店舗だったので

上に居るだろうと靴のまま駆け上がると

 

既に家財道具も無く

店長に繋がる物は何一つ残って無かった

 

そして、俺の有給は全て無駄に消えた

 

後から判明したのは

店長が、従業員の女性に手を出し

奥さんにバレて離婚

更に、その女性にも愛想をつかされ

資金繰りが悪化

競馬で一山当てようと

《俺に来る筈だった給与》を使いこみ失敗

闇金にまで手を出し

 

あの日の夜、夜逃げしたらしい

 

なんで知ってるかって?

 

その夜逃げ屋は

《俺の知り合いだった》ので

シバイテ、ゲロさせた

 

そして、店長を捕獲

身体中を《雑巾絞り》の系に処した

 

 

結局、給料は労基署から雀の涙しか入らず

 

『ぁ~、トレ公、災難だったねぇ』

「あぁ、たまった物じゃねぇよ。」

『やぁ、アマさん』

『って、フジ、まさか?』

『いや、今日はまだ時間は大丈夫だよ?』

『んじゃなんだい?』

『それが、オグリちゃんがね』

『え゛っ、ま、まさか?』

『うん、このままじゃ

 トレセン学園の食糧庫が不味い事になるんだ』

『ま、マジかい』

「アマさん?」

『そうだ!』

 

画面から手が出て来る

 

「うん?」

 

すぽっ

 

 

やぁ、俺だ

 

画面から手が出て来て

いつの間にかアマさんの目の前に出たんだ

 

「トレ公、トレセン学園にようこそ!

 早速だけど、食堂に着いて来てくれ!!」

 

って、連れて来られた

 

「よ~し、トレ公!

 オグリの舌を満足させるよ!!」

「アマさんの料理は美味しいからな、

 楽しみだ♪」

「・・・アマさん、中華鍋は?」

「あいよ!」

巨大炊飯器の中身を見る

 

「卵と出汁、うし、やるか。」

「うん?男性の方?」

「あぁ、俺はヒシアマゾンのトレーナーだ、

 オグリキャップ。」

「おぉ!アマさんのトレーナーさんは

 どんな料理が出来るんだい?」

「何でも来い、

 舌で満足させてやる。」

「おぉ~っ!!」

 

途中から、アマさんと

料理対決になって

最終的に

ヒシアマゾンの専属トレーナー兼

トレセン学園食堂の副料理長になった

 

「トレ公~!!」

「あ゛?」

「すまん!!またオグリだ!!」

「ったく、しゃ~ね~な~。」

携帯灰皿に煙草をしまい

ブレスケアを噛む

 

「今日の食材は?」

「あぁ、魚メインで頼む。」

「あいよ!」

 

ま、充実してるからいっか

 




ヒシアマゾンのトレーナーさん

苦労人目
アホみたいに幅広い料理が出来る科
愛煙家でトレセン学園の
喫煙所が癒し場なトレーナー

メインは中華鍋で振り回す

そして、イタズラウマ娘には、
中華鍋の鉄槌を下す

オタマと中華鍋で叩く

ヒシアマゾン

お母さん目
勝負服がアカン科
そのままトレセン学園の寮母に就職したウマ娘

引退後、トレセン学園の寮母に
そのままトレーナーに
『調理』され、そのままゴールインした

トレーナーの知り合いの夜逃げ屋

トレーナーにシバかれ
いとも簡単にゲロった
中華鍋を被されオタマでガンガン叩かれれば
そりゃぁ、大抵の人は音を上げる

常連客の人

トレーナーの無表情調理に
余計な事を言えなくなった

レシピを受け継いでおり
その店舗兼住宅を買い取り
新たに食堂をオープンした

オグリキャップ

異次元胃袋目
食っちゃ寝で屈腱炎が治る科!!
最近は20kg程で(一食)
満足できるようになったウマ娘

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。