ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース 作:ゲオルギーJr
学園艦の日常
とある学園艦の会長室―――。
そこで四人の生徒が重苦しい空気の中、会話をしていた。
「今なんとおっしゃいました?廃校って……」
質問を投げかけた生徒は、空戦道用のジャケットを着ていた。
どうやら戦闘機パイロットのようだ。
「まー、確定したわけじゃないどねー」
その生徒の対面で、大きな椅子に座っている人物。
小柄で赤みのかかったツインテールの少女は、この学校の生徒会長だった。
「もうダメだぁ!我が校はおしまいだぁ!」
会長の横にいた生徒が突然、泣き叫びだす。
片眼鏡をかけたこの人物は、利口そうな見た目とはギャップが感じられる印象だった。
「ほらほら泣かないの、桃ちゃん」
泣いている生徒を慰める、もう一人の女性。
この三人が、学園を纏める生徒会メンバーであった。
「会長、何か私に出来ることはありませんか?
この学校のエースパイロットとして……」
そのパイロットはエースだったようだ。
背中には634の数字と<MUSASHI>の文字が書かれていた。
「んー、残念ながら君に頼めることは無さそうだよ。
その仕事は、この子に任せるつもりだからねぇ」
そう言って会長は、ある生徒の写真を見ていた。
「会長、その生徒は……?」
片眼鏡の生徒が質問する。
「転校生だよ。つい最近、黒森峰から来たんだってさー」
写真の生徒は、ボブヘアーでパッとしない印象だった。
「その転校生に何の用が……?」
「この子、戦車道やってたんだってさ。もしかしたらいけるかなーって」
会長は再びパイロットの方に視線を向ける。
「だからさ、いつも通り過ごしてていいよ。ムサシちゃん」
「……分かりました、会長。失礼します」
そう言ってエースパイロット、ムサシは部屋を後にした。
その後ろ姿は、どこか悲しみと悔しさを感じられた。
*
「ほら、後ろから敵が来てるわよ」
「えっ!?わー本当だ!」
聖グロリアーナの、ある一室にサザーランドとメイヨーはいた。
二人が今やっているのはフライトシミュレーターによる訓練だった。
「あー、落とされちゃいました……」
これはメイヨーに対する訓練で、サザーランドはその指導に当たっていた。
自分のウイングマンになってもらう以上、最低限の実力は付けて欲しい。
そう考えた彼女は、空戦におけるノウハウをメイヨーに教育していた。
「はい、そこまで。今のは何がダメだったか分かる?」
「うーん、何でしょうか?立ち回りは悪くなかったと思うんですが……」
シミュレーターでの動きをリプレイする。
「ほらここ。あなた背後を確認せずに、敵に突っ込んだでしょ?」
「あー、言われてみれば……」
「いい?空戦では、背後とか上方は死角になりやすいの。
当然、相手はそこを狙ってくるわ」
「なるほど……、死角が出ないように周りに気を配れ、ってことですね?」
人は戦闘機に乗っていると、前方ばかりに目が行きやすい。
それが命取りになることを、サザーランドは熟知していた。
「そういうこと。次回からは、そこを意識してね」
「勉強になりました、先輩!」
キンコーンカンコーン
正午を知らせるチャイムが鳴り響く。
「あら、もうお昼ね。一緒にランチタイムにしましょうか?」
「そうですね、先輩。お腹も空きましたし」
*
聖グロリアーナの生徒食堂―――。
お昼時には昼食を食べる生徒たちでいつも賑わうこの場所は、
食事と楽しい会話が出来る憩いの場でもあった。
「うーん、色々ありますね。どれにしようかな……」
食券の券売機の前で、メイヨーは悩んでいた。
「私は、これ一択ね」
サザーランドは迷うこと無く、ボタンを押した。
「ローストビーフ丼ですか?先輩」
「私の大好物よ。世界で一番好きかもしれない。
メイヨーも早く決めなさいよ」
急かされる形で、メイヨーもボタンを押した。
「うーん、無難にサンドイッチとかにしますか」
「決めた?じゃあテーブルを確保しましょう」
正午における食堂の席取りは早い者勝ちだ。
モタモタすると、テーブルが埋まってしまう。
「ふぅ、なんとか確保できましたね」
「そうね、あと五分遅かったら座れなかったわ」
ギリギリで席を確保した二人は、受付に向かった。
「はいはい、サンドイッチとビーフ丼ね」
「お願いしまーす」
席に座る二人。
周りはすっかり、他の生徒でいっぱいだ。
「相変わらず、お昼時は混むわね……」
「そうですね、券売機に行列できてましたもん」
水を飲みながら料理を待つ二人。
そこに見覚えのある人物がやってきた。
「おうおう、お二人さんもランチかい?」
整備班の班長、清美だ。
「丁度いいや、一緒に食おう!」
「隣空いてますから、座っていいですよ」
「私たちが確保した席なんだけどね……」
奥に詰めるように三人が座る。
丁度そのタイミングで、料理がやってきた。
「はい、ミックスサンドとミートパイ。
それとローストビーフ丼大盛りね」
出された丼ぶりは、ボウル並の大きさだった。
「すごい量ですね、先輩……」
「相変わらずだねぇ、お前さん」
「私のスタンダードよ」
軽く引き気味の二人をよそに、サザーランドは黙々と食べ始めた。
「先輩が食いしん坊だなんて意外でした……」
「エースは食う量もエース、ってことさね」
そんなこんなで三人は昼食の時間を食堂で過ごした。
結局、食べ終わるのが一番早かったのはサザーランドだった。
*
聖グロリアーナの会長室―――。
「どういうことだ?これは……」
生徒会長の英山幸子が目を通していたのは、ここ数日の周辺空域を通った航空機のデータだった。
そこには、無断で空域に侵入した他校の戦闘機も含まれていた。
「妙に侵入回数が多い学校があるな……」
「はい、あまりにも異常な回数かと」
サザーランドがアンツィオのエース、ジェノバを落として以降、アンツィオからの領空侵犯は露骨に減っていた。
その代わりに、ある学校からの戦闘機が回数を増やしていた。
「大洗女子学園……、何故この学校が……?」
「分かりません。何か企んでいる可能性もありますが……」
大洗女子学園―――。
茨城県大洗港を母港をするこの学園艦は、どちらかと言えばマイナーな学校だった。
戦闘機の保有数も、そこまで多くないはずだ。
そんな学校が何故、頻繫に空域に侵入してくるのか―――?
「目的は分からんが、いい加減灸をすえるべきだな」
「いかがいたしますか、会長?」
何度も侵入され、スクランブル発進を繰り返されては堪ったものではない。
幸子は、何としても大洗女子を止めたかった。
「アイツを、サザーランドを呼んでくれないか?」
「エースパイロットを……、ですか?」
生徒会長は再び、エースを呼び寄せた。
聖グロと大洗との戦いが近づきつつあった―――。
というわけで今回登場したのは、カメさんチームの三人でした。
今後も本家からのキャラクターはちょくちょく登場する予定ですが、ストーリーに大きく絡むことは無いです。
一番好きな学校は?
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大洗女子
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聖グロリアーナ
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サンダース付属
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アンツィオ
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プラウダ
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黒森峰
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知波単
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継続
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その他(BC自由等)