ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース 作:ゲオルギーJr
あの有名な戦闘機が登場しますよ。
「あー……私たちの学園艦が遠のいていきます……」
「当たり前でしょう。別の学園艦に向かってるんだから」
聖グロリアーナから発艦した二人―――。
サザーランドとメイヨーは会長の命令の元、大洗女子学園へ飛んでいた。
「いや、分かってますよ。でも不安だなぁ……」
「あなた、他の学校の空域に侵入するのは初めてよね?」
「そうですね。どうやって戦えばいいんでしょうか、先輩?」
「とにかく、相手に撃墜されないように意識しなさい。
落とされて他の学校に捕まると面倒なことになるから」
撃墜され、自分たちとは違う学校に救助されると捕虜になる。
メイヨーはこの事実を頭の中では理解しつつも、実際にどうなるのかは未体験だった。
「不吉な質問かもしれないですけど、落とされた場合って相手の捕虜になりますよね?
捕虜ってどういう風に扱われるんですか?」
「そんなこと聞いて何になるの?今は目の前の戦いに集中しなさい」
思いがけないサザーランドの冷たい答えに、メイヨーは怯んでしまった。
「いや……、その……、すみません、先輩……」
そうこうしているうちに、遥か遠くの海に何かの影が見てきた。
「見えてきたわ。あれが大洗の学園艦ね」
「あれが大洗女子学園……」
大洗女子学園の大きさは聖グロリアーナの半分程度しかない。
それが見えてきた、ということはかなり接近しつつある状況だ。
『ザ……ちら大洗……ザザ……すか?』
「何か無線が入ってきました、先輩!」
「大洗の管制塔ね。無視していいわよ」
大洗の管制塔から無線が入る。
つまり、大洗女子学園の空域に完全に入った、ということだ。
『こちら大洗女子学園管制塔です。そちらの所属を教えてもらえますか?』
「うー……何か今、自分が悪いことをしてる気がします……」
「少なくとも良いことではないわね。他校の空域に勝手に入ってるんだから」
管制官からの無線を無視する二人。
折しもそれは、以前自分たちが撃ち落としたアンツィオのパイロットと同じ行動だった。
*
大洗女子学園、パイロット待機所―――。
スクランブル発進を控えた生徒たちが、何かを囲うように座っている。
「リーチっす!」
パイロットたちが遊んでいるのは麻雀だった。
大洗では、待機中の暇つぶしに麻雀を打つのが恒例行事となっていた。
ジリリリリリ
「あー、タイミング悪いっすね。続きは後っすか」
侵入を知らせるサイレンが鳴り響く。
仕方なく、今の対局を中断するように思えたが―――。
「いや、その必要はない」
「え?」
一人のパイロットが、自分の牌を倒し始めた。
「ロン。
「……マジっすか。エースは麻雀でも強いんすか?」
役満を決めたのは大洗のエース、ムサシだった。
彼女は空戦道のみならず、麻雀でも高い実力を持っていた。
「まあな。さぁ行こうか」
対局を終わらせ、緊急発進に向かうパイロットたち―――。
「大洗の空は、私が守る」
そこにはエースパイロットの姿もあった。
サザーランドは再び、エース対決に臨むことになる。
*
「メイヨー、警戒しなさい。そろそろ迎撃機が来る頃合いよ」
「いよいよですね。訓練の成果を出してみせます!」
大洗の空域に侵入から5分―――。
いつ迎撃機が来てもおかしくない状況だった。
「前方に複数の機影を発見しました!」
「来たわね。
敵を目視し、戦闘に入る。
メイヨーは敵戦闘機の詳細確認を試みる。
「零戦……!先輩、あれは零戦ですよ!」
「大洗、そんな戦闘機を持っていたのね」
零式艦上戦闘機、通称零戦―――。
日本人にとって最も有名であろう戦闘機。
それが、大洗の主力戦闘機だった。
「本物の零戦を見ることが出来るなんて……」
「喜んでる場合じゃないわよ、メイヨー。戦闘の準備をしなさい」
先輩の指示通り、メイヨーも戦闘態勢に入る。
相手は三機。発艦したばかりで、高度は低い。
状況はこちら側が有利だ。
「上から仕掛けるわよ」
「はい、先輩!」
上空から降下し、敵に奇襲をかける。
「来たか……、散開!」
だが相手も、それを察知し回避機動を取る。
「かわされました!」
「格闘戦ね、上等よ!」
聖グロと大洗、それぞれの編隊は同高度で分散し始める。
二対三のドッグファイトの始まりだ。
「待ってください、先輩。零戦と旋回勝負をするのは……」
「何か言った、メイヨー!?」
メイヨーはアドバイスを試みる。
しかし混戦の最中サザーランドに、はっきり伝えることが出来なかった。
「相手は聖グロっすか」
「このスピットファイア、中々のやり手と見た」
大洗側も格闘戦に応じる。
零戦使いなだけあって、ドッグファイトは得意分野だ。
「零戦が何よ、私には及ばないわ!」
「先輩……、零戦に格闘戦を挑むのは……」
一方のサザーランドも乗り気だ。
しかし対照的にメイヨーは消極的だった。
彼女は零戦とドッグファイトするのは危険だと考えていた。
「スピットファイアの実力、見せてあげる!」
しかし、その心配は届かなかった。
サザーランドはすっかり、自分と機体の性能を信じ切っていた。
「やばいっすよ、このスピット!」
「落ち着け、アラシ。ペースを取り乱すな」
そんな心配をよそに、サザーランドは零戦相手に善戦していた。
「悪いっすね、ムサシさん。ここで離脱するっす」
「三番機、こちらも被弾、離脱します!」
次々と大洗の戦闘機を撃墜し、残りは一機となった。
「さあ、あともう少しよ!」
「すごい……、先輩。私の心配は無用でしたか」
メイヨーは敵と距離を置きつつ、飛んでいた。
撃墜されないことを優先するためだ。
「そうか……、後は私だけか……」
残り一機となった、大洗女子学園。
最後に残った零戦には、634の数字が書かれていた。
「楽しいな……空戦というものは……」
大洗のエース、ムサシ。
彼女は心の底から空戦道を愛していた。
「残りわずかのパイロット人生、悔いの残さない勝負にしよう」
だからこそ、今の自分たちの状況が受け入れられなかった。
「これも会長のためよ!」
「尋常に勝負!」
向き合う二人のエース。
聖グロと大洗の対決の行方は、誰にも予測出来なかった―――。
次回は、いよいよ二回目のエース対決です。
スピットファイアと零戦、軍配が上がるのはどちらでしょうか?
一番好きな学校は?
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大洗女子
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聖グロリアーナ
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サンダース付属
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アンツィオ
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プラウダ
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黒森峰
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知波単
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継続
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その他(BC自由等)