ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース   作:ゲオルギーJr

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大洗編最終話です。




vs大洗編エピローグ

「おい、サザーランドはまだ帰っていないのか!?」

 

聖グロリアーナの会長室―――。

生徒会長の幸子は色めきだっていた。

 

 

「恐れ入りますが会長、これは撃墜されたかと……」

「アイツはエースパイロットだろう!?そう簡単には落とされないはずだ!」

 

二人が発艦してから既に数時間が経過し、日も沈み始めた頃合いだった。

順調にいっていれば、とっくに学園艦に帰還しているはずだ。

 

 

「仮に相手がエースだった場合は、敗北の可能性もあり得ますが……」

「くそっ!とにかく、大洗(向こう)の会長に問い合わせるか……」

 

会長秘書の推測は当たっていた。

二人は撃墜され、大洗の捕虜になっていたのだ。

 

 

 

 

*

 

 

 

大洗女子学園、捕虜収容所―――。

 

 

「この部屋ね……」

 

ムサシから鍵を受け取ったサザーランドは、メイヨーが捕らえられている部屋に着いた。

 

 

ゴンゴンゴン

「メイヨー、ここにいるのね?」

「その声は……、先輩ッ!?」

 

「待ってなさい、今開けるから」

 

鍵を使い、部屋の扉を開ける。

 

 

「メイヨー、大じょ―――

「せんぱあああいっ!」

 

サザーランドが入室した途端、メイヨーが抱きついてきた。

 

 

「うっ、うっ……、ぜんばい、よがっだぁよぉ……」

「よしよし、心配かけてごめんね」

 

泣きながらハグをするメイヨーを、サザーランドは慰めた。

 

 

「あなたが無事で、何よりだわ」

「うっ、ごめんなさい……、ごめんなさい……」

 

ひたすらに謝るメイヨー。

 

 

「どうしてあなたが謝るのよ?」

「だっでぇ……、私が弱いせいで、先輩の足を引っ張っでぇ……」

 

メイヨーは今回の敗北の責任が自分にあると思っているようだ。

 

 

「あなたに罪は無いわ。悪いのは私よ」

「え”っ……、どうじででずが……?」

 

だがサザーランドがそれに異を唱える。

 

 

「私は冷静さを失っていたわ。

 そのせいで、あなたのアドバイスを聞こうとしなかった。

 もし、あなたの言葉に従っていれば、こんなことにはならなかったでしょう。

 僚機の助言を無視して、挙句の果てには撃墜される……。

 パイロット失格ね……、私……」

 

落ち込むサザーランドを今度はメイヨーが励ました。

 

 

「そんなことないですよ。

 先輩は立派なエースパイロットです。

 だってそうじゃなきゃ、アドバイスどうこう言う前に落とされてますから」

 

健気な後輩の姿にサザーランドは涙を流した。

 

 

「うっ……、ありがとう、メイヨぉっ……」

「こらこら、後輩の前で泣いてどうするんですか?」

 

 

この戦いで二人は敗北した。

だが、その敗北によって二人の絆は深まった。

空戦道とは、勝利だけが全てではない。

敗北からどう立ち上がり、何を学ぶのか―――?

それを理解した者だけが、真に強いパイロットになれるのだ。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

翌朝―――。

 

 

「ふぅ、やっぱり艦上が一番安心するわね」

「そうですね、空気が美味しく感じますもん」

 

艦内深くにある収容所を抜けて、二人は学園艦の上層部に来ていた。

これから連絡船に乗り、母校の聖グロリアーナに戻るためだ。

 

「さあ、船着き場まで行きましょう」

「そうですね先輩、あまり時間もありませんし」

 

 

連絡船へ向かう二人―――。

 

 

「…………」

 

途中、サザーランドは、ある生徒とすれ違った。

 

 

「ん?どうしましたか、先輩?」

 

「……いや、何でもないわ。行きましょう」

 

 

その生徒は、つい最近別の高校から転校した生徒だった。

 

 

「クラスのみんなと、仲良くなれるかな……?」

 

 

後にこの転校生が、大洗女子学園に奇跡をもたらすのだが、

それはまた、別のお話し……。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

KURWA(クルヴァ)!!」*1

 

 

炎上し、墜落する戦闘機―――。

それはボンプル高校のエースパイロットの機体だった。

 

 

「ポーランド制圧完了~!なんちゃって」

「ああ、1939年でしたっけ?」

 

それを撃墜した二人のパイロット―――。

一機は全体が真っ赤なシャア専用の機体に80の数字が書かれ、

もう一機は機首に黒いチューリップ模様が描かれ、352の数字が確認できた。

 

 

「何はともあれ、これで一歩前進って感じ~?」

 

真っ赤な機体に乗ったパイロットが喋った。

 

「そうですね、センパイ。計画は順調です。センパイが間抜けなことしなければ、ですけど」

 

もう一機のパイロットがそれに答える。

どうやら二人は先輩と後輩という関係のようだ。

 

 

「いいじゃん?次どこ行っちゃう~?」

 

典型的なギャルのような口調で、先輩の方が話しかける。

 

「うーん、アンツィオ辺りがいいんじゃないですかね?あそこ弱そうですし」

 

後輩の方が、さらっとアンツィオの悪口を言う。

 

 

「よっし!じゃあ次はアンツィオ確定~!いこっか、ハルトマン?」

 

「ま、精々相手がポンコツじゃなければいいですけどね。いい加減退屈ですよ」

 

二機はどこかへ飛び去っていく。

 

 

「ウチの<エース狩り>は止まらないって感じ?」

 

「センパイ次第ですかね?つまらなかったら、私は抜けますよ」

 

 

二人の機体の翼には黒十字が描かれていた―――。

 

 

*1
ポーランド語で「ちくしょう!」的な意味




お疲れ様でした。第二章完結です。
ちなみに次の章では新しいエースが二人登場する予定です。

一番好きな学校は?

  • 大洗女子
  • 聖グロリアーナ
  • サンダース付属
  • アンツィオ
  • プラウダ
  • 黒森峰
  • 知波単
  • 継続
  • その他(BC自由等)
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