ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース   作:ゲオルギーJr

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第三章スタートです。
主人公サイドに、新しい戦闘機が登場します。



withサンダース編(第三章)
新機体、新天地


聖グロリアーナ学園艦、会長室──―。

 

 

「サザーランド、只今帰還しました」

「メイヨー、右に同じです!」

 

大洗の捕虜となった二人はその後解放され、

連絡船に乗って、母校に無事(無事?)帰還したのだった。

 

 

「うむ、よろしい。よくぞ帰ってきた」

 

生徒会長の幸子も、二人の無事を確認する。

元はと言えば彼女の命令が悲劇の始まりだったが、本人は気に留めてない様子だ。

 

 

「遅れました、会長。相手が強敵だったもので……」

「もう捕虜は勘弁です……」

 

「そうか、それはご苦労だったな。どうだ?久しぶりの母校は?」

 

解放されてから初めて戻る母校、聖グロリアーナ──―。

二人とも肩の荷が降りた気分だった。

 

 

「やっぱり安心しますね」

「早く自分のベッドで寝たいです……。収容所のベッドはボロボロでしたから……」

 

「そうかそうか。そんな二人に良いニュースと悪いニュースがある。どちらから聞きたい?」

 

二人に対する二つのニュース。ひとまずは、良い方を聞くことにした。

 

「じゃあ、良いほうで」

 

「良い方のニュースはお前たちの機体についてだ。

 スピットファイアとハリケーンは両方とも失っただろう?」

 

二人の機体は先の戦いで大洗のエース、ムサシによって撃墜され、跡形もなく海の藻屑と化した。

 

 

「そこでだ、お前たちに新しい機体を用意してやった。

 詳しい話は、整備班の班長に聞け。既に手配してある」

 

「新機体ですか……。ありがとうございます」

「どんな機体か楽しみですね、先輩!」

 

新しい機体、パイロットにとっては嬉しい知らせだ。

 

 

「さて次は、悪い方の話をしようか」

 

幸子の雰囲気が豹変する。

 

「……何でしょうか、会長?」

「ちょっと怖いです……」

 

「なに、ちょっとしたお使いに行ってもらうだけの話だ。

 この手紙を、ある人物に渡して欲しい」

 

幸子はサザーランドに手紙を一通渡した。

 

 

「これは一体……」

 

「とても重要な手紙だ。絶対に中を見るなよ?

 

ドスの効いた声で幸子は二人を脅した。

 

 

「ひいぃー!絶対見ません!見ませんからぁ!」

「……で、これを誰に渡せば?」

 

怯えるメイヨーをよそに、話を続ける。

 

 

「サンダースの生徒会長だ。二人にはサンダース付属高校に行ってもらう。

 そこでその手紙を、向こうの会長に渡してくれ」

 

「サンダース付属高校と言うと……?」

「あの無駄にデカいとこですね」

 

 

サンダース大学付属高校──―。

長崎県を本拠地としている、日本でも最大クラスの学園艦だ。

幸子の依頼は、そこの生徒会長に手紙を渡して欲しいという内容だった。

 

 

「サンダースの生徒会長さんは、どんな人なんですか?」

 

「そうだな……、これを見てくれるか?」

 

すると幸子は、棚から一枚の写真を取り出した。

 

 

「この写真は……?」

 

「これは今年の2月頃に撮影した、三校合同の会長会談の記念写真だ」

 

写真には三人の人物が写っていた。

全員椅子に腰掛けていて、何とも偉そうな雰囲気だ。

一番左に幸子が座っており、

真ん中に小柄で腰に布をかけた女性、

右には異常に太い眉毛をした女性が座っていた。

 

 

「左から順に聖グロリアーナ、サンダース、プラウダの生徒会長だ。

 それで、この真ん中にいる人物に手紙を渡してもらいたい」

 

「この写真、何というか……」

「分かります、先輩。歴史の教科書で似たような写真ありますよね」*1

 

とりあえずサンダースの会長について分かったところで、幸子は話を切り上げた。

 

 

「さあ、サンダース付属高校に行け!これは会長命令だ!」

 

「分かりましたよ……、会長」

「せっかく、母校に帰ってきたばかりなのに……」

 

大洗から戻ってきたかと思えば、即サンダース行きにされる。

幸子の人使いの粗さに二人は、またしても権力濫用の片鱗を見た。

 

 

 

*

 

 

 

「お~、無事だったかお二人さん!心配したよ!」

 

サンダース付属へ出発するために滑走路へ赴いた二人は、班長の清美と再会した。

 

 

「色々大変でしたよ、もう……」

「ただいま、きよみん。まあ、すぐまた出発しちゃうのだけどね」

 

「いやあ、本当に良かった。やっぱりエースがいないと寂しいからねえ!」

 

再会を祝したところで、次の話題に移る。

 

 

「ところで、きよみん。私たちの機体についてだけど……」

 

「おう。分かっているよ。こっちに来な!」

 

格納庫の奥へ進んでいく。

そこには会長が手配した、二人の新しい戦闘機が用意されていた。

 

 

「まずはエースパイロット様のサザーランド!

 以前使ってたmk.Vbの強化型だ。

 その名もスピットファイアmk.IXさ!」

 

スピットファイアmk.IX──―。

大戦中期の1942年頃から配備された、mk.Vの強化型。

プロペラの枚数が3枚から4枚に増え、各種性能も向上している。

これからの活躍も期待できるだろう。

 

 

「なるほど。これがあれば、もっと戦いやすくなるわね」

「羨ましいです、先輩!」

 

 

「メイヨーのお嬢さん、あんたの機体もあるよ。

 この頑丈な戦闘機こそ、タイフーンmk.Ibさ」

 

タイフーンmk.Ib──―。

分厚い翼を持ち、20mm機関砲を四門搭載した戦闘機。

操縦性に若干難があるものの、堅牢で落とされにくい機体だ。

経験の浅いメイヨーにとって、うってつけの新型機だろう。

 

 

「おー、これがホーカー・タイフーンですか!

 これからは、これが私の搭乗機になるんですね!」

 

「スピットファイアもタイフーンも、既に整備と補給は済ませてある。

 いつでも飛べる状態だよ!」

 

二人は早速、新鋭機に乗り込み、エンジンを始動させる。

 

 

「悪くないわ、この感触。マーリンエンジンも強化されているわね」

 

「これがセイバーエンジンの音ですか。何だか興奮してきました!」

 

新型機の乗り心地は良好。

そのまま滑走路へ移り、発艦態勢に入る。

 

 

「管制塔へ。こちら33番サザーランド。発艦許可をお願いできる?」

「こちら85番メイヨー!私の方もお願いします!」

 

「こちら管制塔。二機に発艦の許可を出します」

 

管制官からのゴーサインを受け、二人は発艦していく。

新たな機体を携えて、サザーランドとメイヨーは新天地へと飛んでいった。

目的地は、サンダース大学付属高校だ。

 

*1
1945年のヤルタ会談の写真のこと





こうやってストーリーが進むにつれ、主人公とかの機体が強化されていくのが好きなんですよね。
わかる人いますか?

一番好きな学校は?

  • 大洗女子
  • 聖グロリアーナ
  • サンダース付属
  • アンツィオ
  • プラウダ
  • 黒森峰
  • 知波単
  • 継続
  • その他(BC自由等)
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