ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース   作:ゲオルギーJr

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新しい生徒会長が登場します。



プレジデント・オブ・サンダース

サンダース付属学園艦、会長室──―。

 

 

「いけ、ロッキー!ドラゴなんかやっつけちゃえ!」*1

 

その奥の席で、ポップコーンを頬張りながら映画を見ている人物がいる。

そう、彼女こそサンダース付属の生徒会長、もといプレジデントだ。

 

 

コンコンコン

「President. Are you ok now?」(会長、今いいですか?)

 

そこへノックをする生徒。

ミニットマン達が到着したのだ。

彼女は仕方なく、今見ていた映画を中断する。

 

「あーオーケーオーケー、入っていいよー」

 

許可が降りたので、三人は扉を開けた。

 

「Hello president. It's me!」(こんにちは会長、私ですよ!)

 

「ここがサンダースの会長室ね……」

「すごく豪華ですね、先輩」

 

入室すると、煌びやかな照明と立派なソファーが出迎えた。

その奥には大きな会長専用のデスクが置かれている。

聖グロの会長室と比べても、かなり豪勢な造りだった。*2

 

 

「おーミニットマン。よく来たね。そちらのお二方は?」

 

「ああ、こちらは聖グロリアーナのPilotです。プレジデントに用があると……」

 

奥に座っている女性は、以前幸子が見せた写真の人物とピッタリ一致していた。

 

「初めまして。私は聖グロリアーナのエースパイロット、サザーランドです」

「同じくメイヨーです!」

 

「聖グロのお客さんかー。まあとりあえず、そこに座りなよー」

 

緩い口調でプレジデントに誘導され、二人がソファーに座る。

驚くほど柔らかい感触で、ふんわりとした座り心地だった。

 

 

「とりあえず自己紹介ねー。私、サンダース付属の生徒会長、寺野久米子(てらのくめこ)、よろしくねー。

 みんなからは、プレジデントって呼ばれるよー」

 

サンダース付属生徒会長、寺野久米子──―。

生まれつきの障害の影響で、車椅子に乗っている女性。

お金と映画をこよなく愛するこの人物が、サンダース付属の全生徒のトップに立つ存在だった。

 

 

「お二人はパイロットなんだって?この私になんの用かなー?」

 

「ああ、かいちょ……じゃなくてプレジデント。

 今日は手紙を渡しに来ました。聖グロ(私たちの)の会長からです」

 

サザーランドは幸子から受け取った手紙を渡した。

 

「おおー、サンキュー。さっちゃんからねー」

 

「さっちゃん???」

「……もしかして私たちの会長のことですか?」

 

久米子は聖グロの会長、幸子のことを親しみを込めてさっちゃんと呼んでいた。

 

「そうだよー。まあ私以外が使うと怒るから、注意してねー」

 

聖グロとサンダース付属の生徒会長は、互いに親しい関係のようだ。

少なくとも、久米子の側にとっては──―。

 

 

「ふむふむ……。あーこの件についてかー。ありがとう、確かに受け取ったよー」

 

久米子は手紙を読むと、デスクの引き出しに入れた。

 

「さあて、せっかくここに来たんだから、少しお話しでもしようかー」

 

「お話し、ですか?」

「いいですよ。今は時間ありますし」

 

手紙を渡した時点で、幸子からの依頼は達成された。

時間を持て余した二人は、久米子の話を聞くことにした。

 

 

「いやー、ビジネスの話なんだけどさー、戦闘機の話。

 君たちの学校、ウチの戦闘機買ってかない?今なら特別価格で売ってあげるよー?」

 

「それは何の戦闘機でしょうか、プレジデント?」

 

いきなりのセールストーク。

久米子は優れたマネジメントを持っていて、サンダースの資金調達を支えていた。

 

「F2Aバッファローって言うんだけどさー、ウチ今余らせてんだよねー。

 それの在庫処分をしたくてさー。売り先を探しているんだー。中古だけど、状態は良いよー?」

 

「メイヨー、F2Aバッファローって?」

「アメリカの戦闘機です。性能はイマイチだった気がしますが……」

 

F2Aバッファローは、大戦初期に運用されたアメリカ海軍の戦闘機だ。

性能が低く、本国ではより性能の高いF4Fワイルドキャットに取って代わられた機体だった。

その代わり、ある国では重用されたのだが……。

 

 

「結構です、プレジデント。こちらには十分、他の機体がありますので」

 

結局、サザーランドは久米子のビジネストークを断った。

 

「ああそうかい?じゃあ戦車はどうかな。ウチのシャーマンは──―」

 

「いやもういいですから。というかお金の話は会長同士でお願いします」

 

とめどなく続きそうな営業トークを、サザーランドは切り上げた。

 

「それは残念。折角のビジネスチャンスだったのになー」

 

「プレジデントは立派なBusinessmanだからね」

 

「まあ、サンダースの会長がどういう人物なのか、これで分かりました」

「この学校がお金持ちな理由が分かった気がします……」

 

お話しも済んだところで、三人は会長室を後にした。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

「そういえば、どうして会長はわざわざ手紙にしたんでしょうか、先輩?

 メールとか電話でも良いような気がしますが……」

 

会長室から帰る途中、メイヨーが疑問を投げかけた。

 

「知らないわよ。盗聴対策とか?」

 

By the way(ところでさあ)、君たちはこれからどうするんだい?」

 

ミニットマンが二人に質問する。

すでに当初の目的は達成し、母校に帰っても良いタイミングだ。

しかし、折角サンダースに来たのだ。

サザーランドは、久しぶりの友人と遊びたい気分だった。

 

「特に予定は無いわ、ミニットマン。少し遊んでいこうかしら?」

 

「Sounds good bro」(いいね、友よ)

 

「わあ、私も遊びたいです、先輩!」

 

三人は意気投合し、サンダースで暇を潰すことにした。

 

「どこに行きますか?テーマパーク?ゲームセンター?」

 

「何言ってるのよ、メイヨー?私たちと言えば、あそこしか無いでしょう?」

 

「Let's go!」(行こう!)

 

メイヨーが引っ張られる形で、三人は学園艦の奥へと進んでいった。

 

 

 

 

*1
映画<ロッキー4>の終盤のシーン。主人公でアメリカ人のロッキーが、ソ連のボクサー、ドラゴと戦っている場面。

*2
アメリカの大統領執務室をイメージすると分かりやすいかも。




アメリカの大統領って、あらゆる面で国のトップなので、日本の首相なんかより全然格が違うんですよね。
退任後も一生専属のボディーガードが付くんだとか。

一番好きな学校は?

  • 大洗女子
  • 聖グロリアーナ
  • サンダース付属
  • アンツィオ
  • プラウダ
  • 黒森峰
  • 知波単
  • 継続
  • その他(BC自由等)
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