ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース 作:ゲオルギーJr
継続・プラウダ会議
「ここで、会場の中立高校に中継が繋がりました。そちらの様子はどうでしょうか?」
「はい、ここ中立高校では今日午前中からプラウダ高校、
及び継続高校の会長同士の交渉が行われています」
長野県の中立高校からのテレビ中継──―。
ここで行われている会談に、日本のあらゆる学校の目が注がれていた。
プラウダ高校と継続高校、その二校の首脳会談である。
「すでに会談が始まってから五時間が経過しますが、今のところ動きはありません」
「分かりました。また情報が入り次第、現場からお伝えします」
中断されるテレビ中継。
いったい中では何が起きているのだろうか?
*
「ちょっと!早くそっちの隊長を出しなさいよ!じゃないとしゅくせーするわよ!」
中立高校の会議室で会談は進んでいた。
何やら一人の生徒が騒いでいる。
「このカチューシャ様を待たせるなんて、いい度胸じゃない!」
カチューシャ、と名乗るその生徒。
小学生並の体格をした少女は、とても高校生とは思えない風貌だった。
「落ち着いてくださいカチューシャ。ここは会議の場ですよ」
そのカチューシャの隣に座る女性。
冷静で大人びた雰囲気のその女性は別の意味で高校生らしくなかった。
凄まじいギャップを感じるこの二人だが、プラウダ高校の側にいる。
それもかなりの重役の扱いだ。
「いや、同志カチューシャの言う通りだ。いつまで我々を待たせる気かね?」
長い会議机の端に座る生徒。
察するに彼女がプラウダ高校の生徒会長だろう。
途轍もなく太い眉毛が目を引く人物だ。
「申し訳ありません。現在所在不明でして……」
その反対側。
継続側の端に座っているのが継続高校の生徒会長だろうか。
精神的に、かなり疲弊している様子だ。
「どういうことかね?君は継続高校の生徒会長だろう?
なぜ自校の生徒一人の居場所すら掴めないのかね?」
問い詰めるプラウダ高校の会長。
「そう言われましても……。くまなく捜索した結果ですので……」
問い詰められる継続高校の会長。
どうやら継続高校の生徒を巡っての話のようだ。
「我々が必要としているのは君のところの戦車道隊長だ。
その本人が不在ならば、この会議は意味を成さない」
「はい……。承知しております……」
継続高校の戦車道隊長。
それがこの会議のキーマンだった。
だが肝心のキーマンが不在で話が進まない状況だった。
「もう良い。時間切れだ。交渉決裂だろう。我々は失礼する」
「私たちも行くわよ、ノンナ!」
「はい、カチューシャ」
いつまで経っても進まない会議に痺れを切らしたプラウダ高校の三人。
ついにイスから立ち上がり、会議室を去ってしまった。
「…………」
部屋に残ったのは継続高校の会長ただ一人。
絶望的な表情を浮かべる彼女は何を思っているのだろうか──―?
*
「ふあぁ~。最近は平和ですね、先輩」
聖グロリアーナ学園艦でくつろいでいる二人。
サザーランドとメイヨーは、平和な日常を過ごしていた。
「そうね。少し退屈に感じるくらいだわ」
サンダース付属から帰還した後、通常のパイロット任務に戻った二人は平凡な毎日を送っていた。
たまにスクランブル発進をするくらいで、後は座学とシミュレーション訓練といった程度。
少し前までのドタバタ騒ぎが嘘のような生活だ。
「よくよく考えたら、これが普通のパイロット生活なのよね」
「そうですよね。ちょっと前までが異常だっただけですよね」
サザーランドの言う通り、これが通常のパイロットのライフスタイルだ。
色々な学園艦を飛び回る生活は、はっきり言って異常な日々だった。
「やっぱり会長の命令が無いのが大きいかしら?」
「言われてみれば、最近は呼び出しも来ませんね……」
これまで散々二人を振り回してきた生徒会長の幸子。
だがここ数日は不気味なまでに動向が見られなかった。
もちろん無茶な命令が出されるよりはマシだが、あまりにも静かすぎて逆に気になる程だ。
「でも良かったじゃないですか。やっと落ち着ける環境になって」
「う~ん、どうも嫌な予感がするのよね……」
サザーランドの脳裏に浮かぶ予感。
それは遅かれ早かれ、現実になりつつあった。
*
聖グロリアーナ学園艦、会長室──―。
生徒会長の幸子はテレビを凝視していた。
それは中立高校の会談の中継映像だった。
「そろそろ時間だが……」
腕時計を見ながら視聴する幸子。
ちょうどその時だった。
『あっ、只今プラウダ高校の一団が会場から出てきました!』
会議室から退室し、外に出たプラウダ高校の生徒たちは多くの報道陣に囲まれていた。
そこにはプラウダの生徒会長の姿もあった。
「さあ、何を話す?」
インタビューを受ける様子を注視する幸子。
彼女はプラウダ高校の会長の言動に注目していた。
『今回の交渉は決裂に終わった。次回の会談の日時は未定だ』
そう言って中立高校を後にするプラウダ高校の一団。
それを見た幸子が、ため息をつく。
「やはり、こうなったか……」
テレビを消し、紅茶を口にする。
「プラウダの会長の野望は阻止せねばならんな」
すると幸子は秘書を呼びつけて、こう言った。
「作戦会議を開く。サザーランド共を連れてこい。それとアイツもだ」
またしても会長直々の招集命令だ。
サザーランドの悪い予感は的中した。
そう遠くないうちに、再びどこかに出撃することになるだろう。
それは今までよりも遥かに大規模な戦いとなることを、まだ誰も予想していなかった。
少なくとも、幸子を除いて──―。
章タイトルはプラウダ編ですが、継続高校も重要な立ち位置になっていきます。
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