ガールズ&ファイター 聖グロリアーナのエース 作:ゲオルギーJr
内容はタイトルまんまです。
アンツィオ高校、学園艦―――。
「うーん、僕は今日も美しいねぇ」
エースパイロットのジェノバは、鏡を見ながら髪型を整えていた。
「左様でございます、ジェノバ様!」
その隣に僚機を担当するシラクサが立っている。
ヘアアクセサリー一式を揃え、ジェノバの手伝いをしているようだ。
「ふふふ、この学園艦の女子全員が僕に釘付けという訳さ!」
「行きましょう、ジェノバ様!」
ジェノバはヘアセットを終え、部屋を出る。
もちろん、シラクサも一緒だ。
「さて、今日は艦内のどこへ行こうかな?」
この日、二人は休日だった。
そのため、暇つぶしに学園艦を散歩することにしたのだ。
「ジェノバ様、コロッセオなんて如何でしょう?」
「コロッセオかあ。いい選択肢だね、シラクサちゃん!」
コロッセオとは、艦の中心に位置する建物だ。
闘技場のようなこの場所は、アンツィオでも人気のスポットだった。
「じゃあコロッセオに決定!行こうか、シラクサちゃん?」
「はい!ジェノバ様!」
そう言って二人は、学園艦の中心へと向かった。
*
「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」
「……何だ、この集会は……!?」
コロッセオに着いた二人。
そこには生徒たちが集まって、熱狂的なムードに包まれていた。
どうやら何かの集会のようだ。
「分かりません。しかし、騒がしいですね」
「この集会の主催者は誰だ?アンツィオの静寂を乱す者は……?」
集まった生徒たちの輪、その中心に誰かが立っている。
「よーし、お前たち!今日も元気そうだなぁ!」
その生徒は緑色のドリルヘアーで、手には教鞭を持っていた。
どうやらこの生徒が<ドゥーチェ>と呼ばれているらしい。
「くっ!この僕よりも注目されているだと……!?」
ジェノバが嫉妬していると、どこから別の生徒がやってきた。
「お、あんたも戦車道希望者っすか?ウチはいつでも歓迎っすよ!」
黒い髪で少しボーイッシュな雰囲気の生徒だ。
言動から察するに戦車道の選手だろう。
「これは戦車道の集会かい?随分と騒がしいね」
「そりゃ、ノリと勢いがウチのモットーっすからね!」
アンツィオ高校の戦車道は一昨年ぐらいまでは人数が足らず、チームの結成もままならない状態だった。
それがここ最近では、多くの生徒が戦車道履修生となっていた。
「おかしいな。僕の認識では、ここの戦車道は死に体だったような……」
「それは!我がドゥーチェ・アンチョビのおかげっすよ!おーい姐さ~ん!」
生徒が呼びかけると、ドゥーチェと呼ばれる人物がやってきた。
「やあやあ初めまして!君は新しい履修生かな?だったら歓迎するぞ!何せウチの戦車は―――」
「待った。僕は空戦道のパイロットだ。しかもただのパイロットじゃあ無い。エースパイロットだ!分かるか?エースパイロットだぞ!」
ジェノバがパイロットだと知ると、ドゥーチェ・アンチョビは肩を落とした。
「なーんだ、パイロットの人じゃないか。ペパロニ、この人じゃ戦車道やれないぞ」
「えーマジっすか。それは残念っすね……」
落ち込む二人を見ていたジェノバ。
すると急にアンチョビの元へ寄ってきた。
「ふーむ、君。悪くないね……。僕のファンクラブに入らないかい?」
「な、何を言い出すんだ急に!」
「ジェノバ様から直々にスカウトだなんて!これは中々ない名誉ですよ!」
「ドゥーチェ、この人もしかしてナルシストって奴じゃないっすか?」
偶然起きた、空戦道エースと戦車道隊長の出会い―――。
それは思わぬ方向へ向かい始めた。
「いいか?我々にはなぁ、最終兵器のP40があるんだぞ!」
「うん?なんで戦車道なのにP40なんか持ってるんだい?」
P40という言葉に両者の勘違いが生まれてくる。
「文句あるか!P40はれっきとしたイタリアの戦車だぞ!」
「何を言ってるんだい?P40はアメリカの戦闘機だろう?」
「あー、これは面倒ごとになってきたっすよ……」
「ジェノバ様と対等に話せるなんて……、妬ましい!」
段々収拾がつかなそうになってきたとき、別の生徒が現れた。
「ドゥーチェ、何をしてるんですか?」
金髪のロングヘアーの少女、何とも場違いな雰囲気の生徒だ。
だがパンツァージャケットを着ているので戦車道の選手であることは間違いなかった。
「このパイロットの人がなぁ、P40は戦闘機だ、って言ってくるんだ!」
「おかしいのは君だよ。P40が戦車だなんて言うのは初めて聞いたぞ!」
「なぁカルパッチョ、何とかできないっすか?」
そのカルパッチョという生徒はジェノバとアンチョビの勘違いに気が付いたようだ。
「あー……。多分パイロットさんが言ってるP40は戦車のP40じゃなくて、アメリカの戦闘機、カーチスP-40ウォーホークのことではないでしょうか?」
「そういうことか。それをもっと早くいってくれよ!」
「そもそも戦車のP40なんて僕は今まで存在すら知らなかったぞ!」
聡明なカルパッチョの助太刀によって、エースと隊長はようやく理解しあえたようだ。
「いや、でもパイロットの人と話すのも新鮮でいいな!」
「こちらこそ、中々珍しい経験をさせてもらったよ」
二人が握手を交わす。
「私はアンツィオ戦車道の隊長、アンチョビだ」
「僕はアンツィオのエースパイロット、ジェノバさ」
気が付けば周りには戦車道の選手と空戦道のパイロットが集まっていた。
「また会う機会があればいいな!」
「そうだね。その時は、一緒に戦ってあげてもいいよ?」
戦車道と空戦道―――。
二つの道が、これから交わるのかどうか。
それが分からなくとも、同じ学校の生徒として親近感が湧いたのは確かだろう。
いずれチームを組んで、戦車と戦闘機のタッグが見られる日も近いかもしれない―――。
もし本編を書き終えたら、各校の戦車道と空戦道がタッグを組んで戦う話を書きたいと思ってます。
まあ、大分先になりそうですが……。
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