出鱈目に振るわれるアンノウンの刃を何とか弾きながら後退、先程までいた位置に視界の端から迫っていた火球が距離を詰めようとした彼に直撃し地面を転がる。ノイズとの実戦で横槍回避を学んでいなかったら今頃転がっていたのは俺だ。
「アッチィィィイイイーーー!?!?!?」
「だから邪魔するんじゃないわよ!」
結果的に自身の攻撃を身を挺して防いだ彼に怒号を浴びせるヒートD。連携もなにも無い、ぞれぞれが自分勝手に攻めてくる。そのおかげでこちらはなんとか戦えているけど、ノイズと違い自ら考えて行動する相手との命のやり取りは始めてで普段よりも疲弊してる。
あのヒートドーパント滅茶苦茶に火球撃って来るじゃん!?
95:白狐
アイツら、連携もそうだが戦い方が素人のそれだな
96:匿名転生者
だけどビッキー、マンティスロードの二刀流に苦戦してるし、火炎剣の火の力はヒートドーパントと違い周囲の自然を気にして使えてないゾ
97:ケミーキャプター
クソ!せめてビッキーがキングオブアーサーを持ってたら、剣2本で戦えるのに!
98:ぼっち・ざ・リンク
>>97 響の今の実力じゃ二刀流なんてしたら寧ろ剣に振り回されて不利になるだけだ
99:匿名転生者
あぁ!ビッキーが吹き飛ばされた!!
100:匿名転生者
せめて水系統の力を扱えるブックがあれば……ッ!
101:匿名の博麗
今戻って来た。ビッキー、新しく手に入れたオレンジのブックを使いなさい
102:匿名転生者
なんで?
103:匿名の博麗
勘よ!
104:白狐
良いか?そのカマキリの振り下ろしを受けに弾いたらそのまま蹴りを入れて火の怪物にぶつけろ。そうすればフォームチェンジの隙を作れるはずだ!
105:セイバービッキー
>>101 >>104
分かりました、やってみます!
106:匿名転生者
あぁ、そうか!ガングニールって一種の哲学兵装でもあったわ!
107:匿名転生者
>>106 神殺しの槍と信じられた事で付いた神秘か!
108:ぼっち・ざ・リンク
今だ響!
正面から来る火炎放射を転がる事で回避し、立ち上がったところに接近して来たアンノウン。その斬撃を受け流そうとしたその時、視界の端にあるスレかられいさんの合図を受け、彼の刃を上に弾くと事前に言われてたようにヒートDの方へと蹴り飛ばす。
「ちょっと!重いわよ、どきなさい!!」
「うるせぇ、暴れるな!起き上がりにくいだろうが!!」
喧嘩する彼らを他所にホルダーから取り出したブックを起動させる。
『神撃の歌姫・ガングニール』
火炎剣を納刀したベルトの中央のスロットにセットし抜刀。
『烈火抜刀! 二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る! ワンダーライダー!』
中央の白ライン…… 確かクッキングキノコさんが言うには【ライドミッド】に変化が訪れる。白を基調に僅かな金の装甲、そして隠れた黒とオレンジのスーツが差し色となっている。胸部中央には赤いクリスタルが煌めき、それを隠すように首元の長いくすんだ白色のマフラーが靡いている。頭部の【ミッドマスク】には後方に向けて矛先の様な角が新たに生えているようだ。
『ドラゴン!ガングニール! 二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!』
【仮面ライダーセイバー ドラゴン神撃の歌姫】に姿を変えた瞬間、何処からともなく歌が聞こえてくる。それはまるで新フォームの活躍を盛り上げる挿入歌の様に感じ、自然と肩の力が抜けた。それでもいまは戦いの最中と気を引き締め、火炎剣片手に駆けだす!
「ハッ!」
走る勢いを殺さぬ様に振る抜いた火炎剣はすれ違いざまにヒートDの横腹を切り裂く。思ったより勢いが乗っており、刃が肌に触れたその瞬間に摩擦で火花が舞いヒートDを吹き飛ばした。
「調子に乗るな、立花響!!」
仲間 ……いや、偶々俺と言う敵が一緒なだけの彼女の様子などに興味がないアンノウンが鎌を振り下ろしてくるが、流れる歌に合わせ踊るように受け流しては逆に隙を見て切り刻んでいく。
「これも試してみよ」
「よそ見をするな!グェッ!?」
腕を振り上げたアンノウンの喉元を蹴りダウンさせると再び納刀。そしてこの前手に入れたもう一つのブックを手に取りページを開く。
『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は…』
本を閉じると空いているスロットにセット、火炎剣を抜刀する共に3冊が一気に開き絵が繋がる。
『烈火抜刀! 奇跡の西遊ドラゴン! 増冊!ガングニール! 烈火二冊!ウッキウキのお猿も加わり、火炎の剣が舞い踊る!』
新たに西遊記の孫悟空の力を宿した仮面ライダーセイバードラゴン神撃の歌姫西遊ジャー…………いや、【西遊ドラゴン神撃の歌姫】に変わる。
「ころころ姿を変えて調子に乗ってるじゃないわよ!!」
放たれた火球に対し左腕の手甲【タイセイガント】から伸縮自在の棒を伸ばし遊撃。火炎の斬撃が使えない今、火炎剣の間合いの外に対抗するにはちょうど良いなこれ。少なくとも自分の火による周辺の被害を気にする必要が無くなりホッとし、火球を片手間にアンノウンと斬り合う。
やがてヒートDは火球が通用しないと悟り、打撃でこちらを攻撃してくる。あちこちで火の手が上がる自然公園の中、戦いに終止符を打つ為にアンノウンの武器を遠くへ弾き飛ばす。その後にソードライバーの左腰の方のホルダーに火炎剣を納刀。そのまま拳を握りしめ格闘戦を仕掛けてく。
当てては当てられ、弾いては弾かれて、泥臭い肉弾戦。それでもこちらは数の不利を感じさせない互角の勝負を展開。できるだけ挟まれ無いように、大振りになら無いように、それでいて時には大胆に攻める!
やがて向こうがしびれを切らし距離を取った瞬間、右足を軸に回転しながらホルダーから火炎剣を抜刀。れいさんの見様見真似の居合切りで胴体を切り裂き後方へと大きく吹き飛ばした。体勢を崩した彼らを後目に火炎剣を地面に突き刺すとガングニールのページを押し込む。
『神撃の歌姫・ガングニール』「ハァーーッ!」
そのまま拳を振るうと投影された2本の槍が彼ら目掛けて放たれた。防御もする余裕が無かったようで直撃を受けた2体の怪人は爆炎の中へ消えて行く。やがて煙が晴れるとそこに倒れていたのは1組の男女だった。
「どういう事?」
423:匿名転生者
ドーパントは分かるけどアンノウンから人が出てくるの可笑しくね??
424:クッキングキノコ
う~ん?妙ですね…………
425:匿名の博麗
取り合えず、襲い掛かってきた理由を聞きなさいよ
426:ケミーキャプター
今さらだけど、ビッキーは彼らの顔に覚えはある?
427:セイバービッキー
>>425
了解です
>>426
知らん。初対面だ
428:匿名転生者
謎が謎を呼ぶ……
倒れる男女の元へ警戒しながらも変身を解いた響がゆっくりと近づいていく。そんな彼女の足音に気が付いた彼らは鋭い視線を響に向け、これ以上近づく事を無言で拒むのだった。
「なぁ、なんで俺を狙う?」
その眼力に冷や汗を掻きながらも疑問を問いかける。その問いに彼らは恨みの籠った声色を響に投げつけるもだった。
「なんで?決まってるでしょ!あんたが私の息子を見殺しにしたからよ!」
「え……………?」
「俺の親戚もお前に殺された!」
血走る瞳を向け、震える身体を動かし上半身を起こした女性が固まる響に問答もようで言葉の刃で傷をつけていく。
「あんたは覚えてないでしょうけど、私はあんたの近所で暮らしてたのよ!10年前に旦那と息子を置いて海外に単身赴任し、帰ってきたら家族の訃報を義両親から聞かされたわ。涙が枯れるまで泣いた時ね立花響、あんたが私の家族を犠牲にして生き残った事を知った。だから復讐しに来たのよ!!」
「俺だってそうだ。俺の親戚だってあの近くに住んでいた。まだ5ヶ月の赤子と共にな!あんな力を持ってるくせに、自分の身だけ守ったクソ野郎のお前は絶対に許さないからな!!」
二人の言葉を聞き、顔を青くしながら後ずさる響。受け止める言葉に込められたのは恨みと悲しみ。声にならない声を零しながら頭部を左右に振るう。
「ち、違う!あの時、俺は……」
「なにが違うと言うのだ?」
震える声で当時の事を語ろうとした響を刃と共に遮る影。動揺からまともに動けず、なんとか身体を捻る事で左頬を掠る程度済んだようだが体勢を崩し横たわる。
「ッチ!運の良い奴だ」
悪態を付きながら剣先を響に向けるのは黄色の怪物。
体勢を立て直す暇も無く命を奪わんと刃を突き刺す。その連撃を泥まみれになりながらも転がる事で何と躱しいていく響。
(俺が見殺しにした?あの時は仮面ライダーの力は___ いや、言い訳だ。あの時、洸さん達が死んだから手に入ったんじゃ遅かったんだ。今の様に戦う覚悟があれば、火炎剣烈火は答えてくれたはずなのに…… 俺は、俺は、俺は__)
彼の言葉を受けた事で心の傷口が痛み、誰に向けた訳でもない懺悔を零す。その結果、目の前が真っ暗に迫りくる刃に気が付く事なく貫かれる
「なに!?」
____はずだった。
「……………え?」
怪物の刃が響の瞳に突き刺さる寸前、巨大な骨の手がそれ拒み怪物ごと叩き飛ばした。驚愕する響を他所に骨の根元、響の懐にしまわれた一際分厚いスカスカのワンダーライドブックが浮かび上がる。それを目にした瞬間、瞳が青白く輝き生気が抜け、揺らりと立ち上がるとブックを手にした。
『プリミティブドラゴン!』『ブレイブドラゴン! ゲット!』
そのブック【プリミティブドラゴンワンダーライドブック】を開き、抜け落ちたページをブレイブドラゴンで埋めるとベルトに装填。
「____変身」『烈火抜刀!』
首の骨を鳴らし、低く唸るような声と共に逆手に持った火炎剣を抜刀。すると変身音と共に背後に立つ所々欠損している骨の龍に抱きしめられる響。
『バキッ!ボキッ!ボーン! ガキッ!ゴキッ!ボーン! プリミティブ……』
赤と青の炎が晴れ、龍が自信を覆う鎧へと変化。
「ウァァァーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」『……ドラゴン!』
【仮面ライダーセイバー プリミティブドラゴン】が咆哮を上げると、音と言う衝撃のよって周囲の地面が爆ぜる。
「この怪物め!」
「正体を露にしたわね!」
周囲の被害も気にせずに乱雑に攻撃を仕掛けるセイバー。その姿に恐怖と怒りを抱いた襲撃者は地面に落ちたスタンプの様な物を拾うと自身に押印。その姿を再び怪人に変えてセイバーに攻撃を仕掛けていく。
「ウァァァーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「理性無き獣に落ちるか、哀れだな」
黄色の怪物へ飛び掛かるも容易くいなされ、地面に着地した瞬間をヒートDの火球が襲う。迫りくる火球も気にも留めず、むしろ全身に浴びながらヒートDへ標的を変え接近。
「キャァァァアアアアーーーーッ!!」
刀身を握りしめた火炎剣を突き刺しヒートDの肉体に傷をつけていく。
「調子に乗るな!」
「ガァァアアアッ」
一方的にヒートDを切り刻むセイバーの背後から自身の得物【慙愧の
「あがががが!?」
「ガルゥッ!」
両腕から鈍い音を出しうめき声を荒げるマンティスロードを自身の元へと引き寄せ、頭部に生えた剣のような一本の角【ソードクラウン】を頭突きの要領で切り付ける。
「あいつ等じゃ、役不足か…… まぁ、第二実験の結果としては上出来だな」
なんとか体勢を立て直しセイバーに挑んでは一歩的にやられ地面を転がる二体の怪人の様子を傍観しながら誰に聞かせるでもない言葉を呟く。視線の先で行われる1対2の戦闘はセイバーの一方的な蹂躙で終わる。
しかしそれも仕方ない事だろう。なぜなら突然の襲撃に動揺や周囲へに気配りで本領を発揮できてなかった響に数の利も生かせずに負けたふたりが、周囲へ被害も気にせずに先程よりも強力な力を本能のままに振るうプリミティブドラゴンに負けるのは火を見るより明らかだった。
『神撃の歌姫・ガングニール ゲット!』『烈火抜刀! プリミティブ…………ドラゴン!』
ブレイブドラゴンからガングニールへとブックを差し替えると火炎剣をベルトから抜刀。表紙側に付いた破れ朽ちたページがまるで鷲掴むように抑えると、左肩の装甲【トラディションバインド】に描かれた拍子が変化。
自信の失った伝承をガングニールの力で補強・無理やり開放するその姿は【仮面ライダーセイバー プリミティブドラゴン 神撃の歌姫】。神すら絶つと言われる槍を手にした骨龍はその矛先を敵対者に向ける。
『グラップ必殺読破!』『グラップ必殺斬り!』
三度ドライバーに納刀するとプリミティブドラゴンワンダーライドブックの表紙を押し込みすぐさま抜刀。逆手に持った火炎剣をその場で振るうと眼前に本様な力場が生成され、その中から無数の黒き拳がロケットパンチの如く放たれ2体の怪人を打ち砕く。
「ッガハ!!」
「ウゥ……………!」
「ヴゥゥゥ……………ッ!」
爆風に吹き飛ばされ生身のまま地面に打ち付けたふたり。痛みで蹲る両者の明日の朝日を拝むどころか、今宵の突きを見上げる事も出来なくさせるため一歩、また一歩と距離を詰めるプリミティブドラゴン。そして刀身を握りしめた火炎剣を女性の頭部目掛けて振り下ろす。
情勢が恐怖で表情を歪め視線をそらす___
男性が恐怖のままにこの場を這って逃げる___
この状況を見ている事しかできない掲示板の民が制止の声を荒げる___
頭部に刃が突き刺さるその瞬間、発砲音と共にセイバーのマスクを中心に火花が咲く___
「バァァアアア……………?」
ゆったりと発砲音の元へ視線を向けるセイバー。それに釣られるかのようにこの場の視線が銃口をセイバーに向ける影へ集まり、怪物が驚愕の声を発する。
「お前は!?」
ピンク色に輝く集を手にした金髪の少女は制服の上に羽織った裏地がピンクのパーカーを風になびかせ、燃え盛る火の手を背に勝気な笑みを浮かべる。猫耳のヘッドフォンと猫の尾、なにより頭部に輝く光の輪が特徴の彼女が力良く宣言するのだった。
「モモイ、参上!」
彼女の名は【才羽モモイ】、そしてまたの名を……
「ガァァアアア……………ッ!」
「からの~~~~」『レックス!』
猛獣な獣様に飛び掛かって来るセイバーの姿を正面から見つめながら懐から取り出した掌サイズの印鑑、ティラノサウルスのレリーフが正面に付いたソレを起動。その後、振り下ろされた刃を回避すると腹部に付いたベルトに印鑑を押印。
『Come on!レ・レ・レ・レックス!』「……変身!」
体重を乗せた蹴りを後方へ転がる事で回避し印鑑をベルトにセット、爪を振り下ろすように放たれた斬撃を正面から受け止めて爆炎の中に消えて行く。
『バディアップ! オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス~!』
天に上る火柱を中から切り裂き異形の姿となった彼女、【仮面ライダーリバイ】へと変身したモモイが恐竜の被り物をしたもう一人のライダーと共に佇む。黒いライダー【仮面ライダーバイス】がリバイの横から背後へと移動しその瞳でトイレ小屋の屋根に座る怪物を睨みつける。
「一気に行くぜ!」
「あぁ!」
リバイの決め台詞と共にそれぞれが見つめる相手に向けて駆ける二人。それに対しセイバーは咆哮を上げ獣様に日の中を走り、怪物は屋根から飛び降りサーベルをバイスへ突き刺すように振るう。
こうして襲撃者達を他所に物語は次の章へと移るのだった。
>立花響
いままでの相手と違い自分で考え行動できる襲撃者相手にこれまでの経験が通用せずに苦戦するも、新たな力や師であるれいの技を見よう見まねで盗む事で切り抜ける。しかし彼らの動機を、その言葉に込められた殺意と執念を前に心が折れた。
>プリミティブドラゴン
周囲への被害も、敵の攻撃も意にせずに大暴れ。あともう少しで襲撃者に止めを刺せたのに乱入されてイラついているようだ。
>マンティスロード プロフェタ・クルエントゥス/ヒートドーパント
それぞれ響へ個人的な恨みで彼女に襲い掛かって来た。互いに中も意識も無ければ、協力しようと言う意思も無い。
両者共に黄色の怪物から渡されたスタンプで怪人へと変身していたようだ。
>黄色の怪物
かなりの実力の持ち主であり、プリミティブドラゴンを相手に互角以上に戦える力量の持ち主。上記にあるように襲撃者の男女に怪人になる為のスタンプを与えたが、その目的は不明。
>才羽モモイ
響が意志も無く最後の一線を越えようとしたその時、何処からともなく現れた少女。
仮面ライダーリバイへ変身する彼女と黄色の怪物には何かしらの因縁があるようだ。その詳細は次回の番外編で。