転生者たちの集い   作:火野ミライ

16 / 17
前回の番外編に続き、今回も掲示板要素はありません。と言うか戦闘シーンのみと言っても過言ではない回です。


【5冊目】グレビッキーで仮面ライダーセイバー3ページ

ガァァアアア……………ッ!

 

空気を震わす雄叫びは生前からの縁を思わせる友への共感か、声も体も動かぬ操り人形になったかのような自分への恐怖か、それても失った血の繋がぬ血縁への届かないSOSか……

 

それを理解するにはいささか参照する為の記憶(データ)が私には不足している。それでもこの瞬間も抜け落ちた誰かとのメモリー(思い出)を消費して、荒れ狂い泣きわめく妹分達を受け止めるのを辞める理由にはならない!

 

「ハァァ!」

 

恐竜の様に異常に発達した下半身から放たれる蹴りがセイバーのベルトから伸びたハネホネハンドを弾くと下半身を元に戻し、その反動を使い私は地面を転がりながら未だに起き上がれない下手人達の元へ。

 

「これは没収!」

 

そのまま流れるかのように彼らが三度目の正直と言わんばかりに伸ばしていた怪人スタンプを回収する。諦めが悪いと言うべきか、身度ほどを弁えていないのか、これまでの経緯を知らない私からすれば判断は付かないがこれ以上の荒らし行為は勘弁してもう。

 

くっ~っと私の腹に住まう虫が何か寄こせと騒ぎ立てる声を無視し、虫の鳴き声に引き寄せられたボーンドラゴンが刃を鷲掴みにした聖剣片手に駆け寄って来る。真っ直ぐと一直線に仮面ライダーに対して私は立ち上がる時に装備した【オーインバスター50】の引き金を引く。

 

すると【50マズル】から明後日の方向へ光弾が放たれた。自身に当たらない事を本能で察していたのか牽制にもならなかったが気にせずに引き金を連射し絶え間なく発砲し続ける。リアルクソエイムの私だって数撃てば当たるが私が当ててもその瞬間に回復しているので実質0ダメージだ。

 

「こっちのDPSが向こうのリジェネに負けたんだけど!!」

 

思わず心の底からあふれ出た不満。それに応えてくれる■■■やユズにアリスはここにいないし、乗ってくれる■■の姿も無い。

 

ガァッ!

 

飛び掛かり刃の先端を突き刺そうとした一撃を武器で受け流しながら蹴りを入れるも、その足を踏み台に後方へと跳躍するセイバー。流石は強化フォーム、一筋縄ではいかないか……

 


 

霧が漂う森の中、ただ一人佇む。胸の中に渦巻く謎のモヤモヤから逃げる様に1歩前へ前進。

 

ズキリと胸が痛み、脳裏に前世の家族が浮かび上がった。会いたい……

 

痛みを振り払う様に反対の足を前へ。

 

キーンと頭に響く耳鳴りと共に浮かぶ記憶は響としての家族。会いたい____

 

足音で耳鳴りを上書きするも頬を掠った葉っぱで血を流す。

 

手の甲で拭ったソレを見た時に思い出したのは、好きな子を巡って海に反射する夕焼けを背に殴り合った前世の幼馴染。

 

その時の再現の様にふら付きながらも右足を前に踏み込む。

 

結ばれた幼馴染と思いを寄せていた子、その二人が楽し気に食事をしてるのを目にしてファミレスに入るのを辞めた中学の夏休み最後の日……

 

思い出したら涙がでた、そして俺は歩みを止める。

 

今と言う環境に、立花響という少女としての人生に戸惑い、この世界に馴染めない俺が冷ややかな視線を向けられる。ああ、その時偶然転がって来た鉛筆を拾い持ち主に渡そうとしたけど怪訝にされったけ……

 

生まれ変わっていた環境を思い出して膝から崩れ落ちる。

 

今の家族も住処も失い、避難所に行く気力もなく洸さん達だった灰の側でボーっと空を眺める。その時の心境は死に損なっただった。

 

もう立ち上がる気力も、前に進む意味も、とっくに無いのかもしれない。

 

地面を只々眺める俺の側に一人の少年がやって気ってそっと俺の頭を抱きしめてくる。その温もりに恋の相談相手から奪略者へ変わった友人に対する様々な感情を抱擁で受け止めてくれた姉の声を思い出した。

 


 

「うりゃりゃりゃりゃーーー!!」

 

「ッフ!」

 

バイスがトリガーを引くたび【ガンデフォン50】の銃口から電磁弾【スタブレット】が絶え間なく放たれるも、イールはその全てを危なげもなく切り裂き接近。装甲が無い横腹へ付け矛先を突き立てる。けれどもバイスは大きく横に跳ぶことで回避、銃による攻撃が意味をなさいと悟った彼女は懐からハンマーを取り出し今度は自身から接近。

 

イトブルーとイエローのハンマー【オストデルハンマー50】が熱気を切り裂きイールへ振り下ろすが、腕の下をくぐり抜ける様にイールは回避。むしろ大降りに振り下ろしたバイスの小腹に剣先を突き刺す。

 

「あいたぁぁ~~!!」

 

「貴様とは年季が違うんだよ小娘悪魔ちゃん」

 

「あのイエローデビル、滅茶苦茶頭に来るんですけどぉ!さっさと怪人のスタンプを返しやがれ」

 

「お前の物でもないだろうが小娘」

 

「モモイの友人の物だからテメェのでもねぇよ、このキザ野郎」

 

互いに罵倒しあいながら体勢を立て直すと三度接近、そのまま互いの得物を振るう、刃と打面がぶつかり合い火花が散る中、イールの蹴りがバイスの腹部を襲う。内部にまで響き渡る衝撃に呻き声を上げながら吹き飛び、自販機に背中を強く押し付ける。

 

なんとか自販機を背にするとで倒れることを阻止するバイスであったがその頭部を狙いイールが跳躍の勢いと共にレイピアを突き刺さんと迫る。寸前で首を傾け寸前で回避に成功したバイスであったが、すぐさまイールは腕を引き自販機から矛先を抜き出すと再びバイスを突き刺さんと動く。

 

「っな!?」

 

「へへ、やられっぱなしなんてアタイらしくないから……なッ!」

 

けれどバイスは接近戦に移行しても手放さなかったガンデフォンの銃口をイールの腹部に押し付けて連射。命中していく度に火花を咲かせ、衝撃に身を押されて後退していくイール。

 

レッツイタダキ!

 

「へへ、今のウチに…♪」

 

表情が見えたらいたずらが成功した子供の様な表情を浮かべていたであろう事が伺える声色。それでも意識は次の手を思考し、実行に移す。オストデルハンマーの持ち手底面を膝に叩きつけ音声が鳴り響く。昔懐かしのゲームを想起させるメロディーを周囲に響き渡らせながら足元に転がるラムネを叩いた。

 

ドリンク!イタダキ!

 

「ラムネパワーを受けやがれ、この胸糞キザ悪魔!!」

 

スプラッシュレ印!

 

「なっ!?」

 

振るわれたオストデルハンマーの打面から滝の様に放たれる炭酸水。地面にレイピアを突き刺し津波のように押し寄せる炭酸水から耐えていたイールはその勢いにのまれ押し流される。

 

グルゥゥガァァァァッ!?

 

その勢いはイールだけだ無くバイスに背を向ける形でリバイと戦うセイバーの態勢を崩し、周囲に広がる戦火を鎮火して見せた。

 

「ラッキー♪」『カジキ!

 

産まれた確かな隙を使い腰のホルダーから取り出したバイスタンプを起動。ベルトのレックスのスタンプを引く抜き、【カジキバイスタンプ】をベルトの【オーインジェクター】に押印してからセット。

 

「くらえ!追い打ちハンマあぁぁぁあぁぁ~~」

 

リバイのベルト操作に合わせて肉体を得ていたバイスが精神体となりモモイの肉体へと戻った。

 

も~!アタイの活躍を阻止するなんてなんて、非道で悪魔的行為をしてくれるんだモ

モイ!!

 

こっちはピンチだったんだから仕方ないじゃん

と言うか、そんなに暴言言う程の事???

 

お言葉ですがね、前回きちんと活躍シーンが描かれたモモイと違ってアタイは最後の

方にチラッと登場して簡潔にまとまられたんだぞ!

アタイは本作独自のキャラな上に影が薄すぎて読者に認知されてるかも怪しいんだ。

貴重な登場シーンでどれだけ爪痕を残せるかが大事なんだぞ!!

 

ベニイが何言ってるのかさっぱり分かんないけど、そんな事よりリミックスで一気に

行くよ!!

 

そうやって分からない事を分からないままに放置するから、毎回テストの点数が酷

い事になるだぞ~~!

 

     

 

 

 

リバイの背後に浮かび上がったメッセージアプリの様な巨大な画面の中でモモイとベニイがやり取りを進める中、体勢を立て直し駆け出したセイバーの正面でバイスタンプの天面ボタンを押してから傾ける。

 

リミックス! バディアップ!

 

スタンプから流れる音声に合わせてセイバーの身体を巨大な影が吹き飛ばす。

 

必殺!正しき!金色!カジキ!

 

二人のライダーが組体操の様に身体を合わせる事でバイスタンプに秘められた力の全てを行使できる【リミックス形態】、セイバーの持つ火炎剣烈火に酷似した(ふん)を持つ巨大なカジキの姿【リバイスカジキ】が空を泳ぐ。

 

「「はぁぁぁぁぁーーーー!!」」

 

「っく、バケモンが!」

 

その矛先はイールへと向けられており、雄たけびを上げながら一直線に向かう。対するイールは異形の姿となったリバイとバイスに気押されながらも必殺の一撃を繰り出す。力と力がぶつかり、弾かれたエネルギーが稲妻となり大地に亀裂を刻む。

 

カジキ スタンピングフィニッシュ!

 

この特殊な鍔迫り合いを制したのは後から必殺のエネルギーを込めたリバイスカジキであった。吻の一撃をへその辺りに受けたイールはその勢いに押される形で空の彼方へと消えて行く。

 

「あぁ~~!私達の攻撃を使って逃げた!!」

 

「クゥ~~~ッ!あのキザ野郎、最後までむかつく奴だぜ!!」

 

ガァァアアア……………ッ!

 

「「…あっ」」

 

戦線離脱したイールに意識が持って行かれていた二人は背後から伸びる骨の手に捕まってしまう。二人を捕まえたセイバーを身体を捻り彼女達を地面に叩きつけた。あまりの力に地面がへこみ変身が解除された。

 

「しくじったぁ~~」

 

ガァァアアア……………ッ!

 

「__って、ちょっとストップ!待って、まってぇぇえええ!」

 

痛みで動けず要るモモイに向かって全速力で迫るセイバー。なんとか懐から取り出したスタンプを地面に叩き押印する事でオーインバスター50を出現させ身を守る盾とする。だがそんなものは無意味と言わんばかりにセイバーはモモイの頭部目掛けて刃を振り下ろすのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

アアアァァ……ァァ…」

 

「_____あれ?」

 

だがセイバーの刃は途中で動きを止め、地面へと転がり込む。足元に転がった聖剣に困惑しながらセイバーを注視していたモモイが見たのは、全ての体力を使い地面へと倒れ込む響の姿であった。




>リバイスカジキ
才羽モモイとベニイがカジキバイスタンプを使いリミックス変身した形態。
リバイスメガロドンから噛み砕く力を引いた代わりに火炎剣烈火に酷似した吻による斬撃を得た形態。遠目で見ればリバイスメガロドンに酷似してる。

>ベニイ
才羽モモイがリバイスの力を100%発揮できるように神様によって植え付けられた悪魔。
リバイの相方であるバイスに変身する為だけの悪魔。別にモモイと記憶に関する契約をしている訳では無い。

>スレ民達
響を心配するあまりにスレを消費しきり現状が分からなくなった。

>リバイス変身中、背景で会話をするときのアレ
自力でやろうとしたけど無理だったので先人の知恵を借りた。アイコン的なSDは流石に無理。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。