「君は大人に対して厳しい言動が見られるが意識しているのか?」
「意識的にしてますから」
「・・・」
「だって、頼りなさすぎるんですもん」
「お父様は立派な方だ。ところで、連絡先を交換していたようだが」
「幾月さんのレスポンスが割と遅いのでお忙しい中にはなると思いますがちょくちょく連絡させてもらおうと思ってます」
「・・・」
「・・・先輩も連絡します?」
「いや、お忙しいのは重々承知している。君の質問以外の事でお手を煩わせてはいけないだろう」
「家族でしょうに」
「・・・いや、レスポンス早いし、先輩のこと毎回聞いてくるなこの人。さては娘大好きだな?」
正解である。
7/21 火
屋久島旅行二日目。
風花からの提案もあって、女性陣は森林浴と称して縄文杉を見に行くこととなった。空気は激重である。
この人、よく提案したなぁ。
・・・このマイナスイオンでこの空気も浄化されないかな。無理?そっかー。
「空気、おいしい。こんな森林浴なんて、巌戸台じゃ絶対出来ないですよね」
「普段できないことするのって旅行の醍醐味ですよね」
私と風花しか話さない。
なんで、この二人は森林浴にくることを了承してくれたんだろうか。こんなことなら風花と二人で良かった・・・。
空気は美味しいが重い。ここらだけ重力間違えてません?ファンタジー変に仕事してない?
「そ、そうだ、昨日の順平君。なんだかやらしい話ばっかりで、困っちゃいましたよね」
「あー、こっちは女性陣だけで良かったですよね」
「ん?まあね」
・・・まあね、じゃねえよ!私、ほとんど寝てたからそんな話振られてないもん!セクハラのターゲットだったのはどう考えても貴女方でしょうが!
ほんと、ダメだなぁ、これは。絶対に彼なりの気遣いだったはず。それにも気が付かないとなるとなぁ。
なんとか打開策がないかと考えていると、桐条先輩の携帯が鳴った。
どうやらおっさんからのようで、みんなに聞こえるようにスピーカーモードにされた。
この人、昨日居なかったのはこの島にある研究所に行っていたらしい。・・ここにも研究所あったのね。案内してほしい。
「廃棄されて動かない筈だった機械が、勝手に出ていってしまったんだ・・・」
「勝手に出ていく?」
「機械?」
「ええと、どういった物なんですか?シャドウ以外だと、勝手が違うので」
「戦闘車両の一種でね、実は対シャドウ兵器なんだよ」
あー、なるほど・・・。
人間が覚醒しないし戦えないから機械ね!!ペルソナって心の力なのに機械って!!
車両ってことはかなり大型なのかな?
この時代からAIって発展してたっけ?最新技術かな。流石桐条グループ。
でも口ぶりからして多分壊れて動かない筈だった感じ。
「実は今、男子三名と別行動中でして。全員の招集には時間が掛かりそうです」
出来るだけ早く事に当たって欲しいという言葉に結構ヤバめなのかと顔を見合わせた。
この気まずいのも仕事してた方が和らぐ・・・この考え方社畜だわ。
「もし、目標が捕獲不能と判断される場合、破壊しても宜しいですか?」
「破壊はね、たぶん無理だね」
「無理って・・・そんなのホントに止められるんですか?」
「とにかく、やってもらうしかない。また後で連絡するよ」
「嘘でしょ」
思わず。岳羽先輩は切り替えが早く、もう連絡していた。
噓でしょ。
この人のここひと月の引きずりようからは考えられない姿。待って待って。切り替え出来てない私がおかしいの?
「学生に任せることではないですし、そもそも特徴も何も聞いてません!」
「「あ」」
「折り返しているが、繋がらないな・・・」
「とは言え放っておけませんし」
とりあえず女性陣は装備を取りに戻ってこの森の探索をすることになった。
噓でしょ。絶句。
風花のペルソナで探すにも完全に人海戦術なのにたった四人・・・。
しばらく森の中を探索していると、水着の湊の姿が見えた。なんで水着?
森の中を薄手で歩くだけでも問題なのに、海に入る格好って。ちょっと話し合った方がいいかもしれない。
金髪の女の子に抱きしめられてる。
ナンパでもしたかな?おお、我が兄ながらやるぅ。でも岳羽先輩が殺気づいてるので止めた方がいい。
あまり変わらない表情がちゃんと困惑を浮かべていたので湊もどうしてそうなったのか分かんないんだろう。
「その娘、誰?」
「さあ?」
「聞いてくれ。実は少し面倒な事が起きてる。休暇中に済まないが、すぐに戻って戦う準備をしてくれ」
「いや、準備はいいよ。探しものは見つかったからね」
「見つかったって、戦車が?どこに?」
金髪の彼女はアイギス。私たちが探していた戦車らしい。イッツザファンタジー!
久々だな。この感じのファンタジー。
別荘に戻って、彼女の紹介がされた。
「見ての通り、機械の乙女だ」
「初めまして、アイギスです。シャドウ掃討を目的に活動中です。今日付けで皆さんと共に行動するであります」
「うそ、まるで生きてるみたい」
「信じられん・・・」
「か、かわいい、けど、ロボなんだよな・・・」
10年前、シャドウが暴走した時の保険として、対シャドウ兵器というのが計画され、アイギスはその中でも最後に造られた唯一の生き残りなんだそうな。
事故で全機体破損したのか、アイギスだけが特殊だったのか、ここに来て考えることが一気に増えた!
機械でもペルソナは扱えるそうで、パラディオン―私以外だが、みんなギリシャ神話に登場するものがモチーフにされているようだ―という物理ステータスに割り振った仕様らしい。
他の機体に搭載されていたペルソナはどうなったんだろう?
彼女は10年前の実戦で大怪我を負って、ここの研究所で管理されていたそうだ。理事長が屋久島に来たのって、アイギスが目的じゃないですか、やだー。
冗談は置いといて、この戦いが終わる目途も立ったから壊れていたものも直して使おうって腹かな。
私たちへの負担も少しでも減らそうという努力だろう。ありがたい。
でも10年前の実践って、シャドウの暴走事故?そっちが気になる。
後なんで桐条先輩が知らないの。この活動10年やってる人がそういうロボが居たって普通知るだろう。教えなさいな。
「なぜ今朝になって急に再起動したのかいまいちハッキリしないんだけどね。まあ、これから仲良くしてやってくれ」
「精神が備わった、対シャドウ兵器・・・すごい、すごいですっ!」
「あの、ところでさ、ちょっと確認したいんだけど・・・」
岳羽先輩が湊とアイギスの関係を問うた。ちなみに湊は彼女を知らない。
「わたしにとって、彼らの傍に居ることはとても大切であります」
「え、彼ら?」
「湊さんと・・・」
「え?」
「奏?」
「奏さん、・・・はい!お二人が大切であります!」
どういうこと?え、私も彼女は知らないんだけど。
湊と私の視線がおっさんに答えを求める。
彼曰く、人物認識が完全じゃないのかもしれないそうだが、全然納得できない。後で考えるとか止めて、今考えよう?
レジャー設備とかいいから、別荘でテニスとか陽キャのパリピじゃあるまいし・・・カラオケなら大賛成です!
この後滅茶苦茶遊んだし、歌った。人前で歌ったから勇気が上がった、気がする。
7/22 水
カラオケが終わった後もアイギスがわたし達から離れなかったので久々に一緒に寝たが、いよいよ身長差が酷くなってない?と実感した夜でした。
最終日も海に行こうということでみんな水着に着替えた。アイギスは昨日のワンピースを着せた。うん、可愛い。
頭を撫でてあげようとして手を伸ばしたけど、届かないので断念。
何を勘違いしたのか彼女は私を抱き上げて海に向かった。
いや、歩けるが!?幼児じゃないです!
「海岸で何かの任務でしょうか?」
「ハハ、そんなんじゃねって。ただ遊びに来ただけだ。奏は何してんの?」
「アイギスに聴いて貰えます?放してもらえない」
「私の大切は湊さんと奏さんの傍に居ることであります!」
「それはもう聞いたわよ」
さっきからこの問答を女性陣ともしてきたので、岳羽先輩が呆れている。気に入られたわねー、じゃねぇです。
「そういえばアイギスは遊ぶって、分かる?」
「もちろん分かるであります。娯楽は心の栄養です」
「おーそうそう。へえ、結構フツーに話せんじゃん」
ここ三日間ちゃんと泳ぐことをしていなかったので、海で泳ごうという話だ。
アイギスは塩水大丈夫なん?彼女は私を抱き上げたまま海に突入した。・・・大丈夫らしい。
私から手を離す気はない?
ない・・・。そっかー。
でもこれ以上浸かると腰から下が完全に水浸しになる深さなんだが?
皆も巻き込んで水の掛け合いとビーチバレーをして最終日を過ごした。とても楽しかったのでまたこうやって旅行に来たいと思いました。
ただいまを言うまでが旅行です。つまり、船は死んだ。
湊曰く、人間観が希薄なので、もっと人らしくなったらアイギスともコミュニティスタート出来そうだって。・・・色々連れまわしてみるかなぁ。
7/24 金
「朝です!起きて頂きたいであります」
「・・・ん~?」
「無事に起床しましたね。任務完了であります」
「なんで居るの?」
「わたしの一番の大切は、貴方と奏さんの傍にいる事であります」
「だから奏を小脇に抱えてるの?」
「うん、ご飯作ってたら拉致られた。辛うじて火は止めて来れたよ」
「・・・お疲れ」
「もう面倒だからおにぎりと卵焼きとソーセージね」
「全男子高校生が喜ぶやつ。豚汁飲みたい」
「今日の夜ご飯にするわ」
アイギスが起きてきて挨拶をしたら小脇に抱えられた。
挨拶を返してくれたはいいが何をするのか目的も分からず急に動き出すもんだから、暴れて抜け出しキッチンの火だけ止めて再度抱えられた。
湊を起こすのに私はいらないんだよなぁ。
この後、アイギスがいないことに気が付いた岳羽先輩が訪ねてきてプチ修羅場を経験した。
なんで止めなかったのかと怒られたが、私に止められるわけないじゃん、はは。無茶言いなさる。
「夜は作戦室に居てって言ったでしょ!?」
「今後、わたしの待機場所は、ココか奏さんの部屋が良いかと思いますが、何か?」
「唐突に何言ってんの?」
「毎朝小脇に抱えられるのは嫌だから勘弁して」
「問題点があれば速やかに対処します」
今、この現状が問題点!!!ねっ、湊!!!
「どうでもいい」
「どうでもよくないっての!奏の部屋はともかくここはダメだから!」
「つまり奏さんの部屋ならいいと?」
「はいはい。後、勝手に寮の外へ出たりしないでよ?」
「命令であれば従うであります」
「え、流れるように私の部屋で暮らす事決まりました?」
「だって女子の階はもう部屋ないじゃない」
そうだけど・・・。せめて持ち回りにしない?しない。そっかー。
まあ、いっか。元々部屋の中に何を置いてるわけでもないし、完全に寝に帰る場所だからな。それに、10年前に破損しているならアイギスは確実にキーマンだろう。
仲良くして損はない、と思う。湊のコミュニティ始める為にも。
朝から疲れていた岳羽先輩には、ラップに包んだおむすびを渡した。
朝練お疲れ様です。
私もさっさと学校に行こう。アイギスには部屋で待機してもらうようにお願いして寮を出た。本日はお弁当も手抜きです。
試験結果も出るし、確認しに行くか。
昼に確認しに行ったのだが、・・・やってしまった。今回の試験、思い出しただけで数問ケアレスミスしてるもんな。色々あったとか言い訳にならない。
「ちょっと落ちちゃってたねー」
「まあ、色々あったし」
「急に走り出す奇行とかね」
「ほんと、忘れて」
「いやー、巷で噂の無気力症みたいなのかと思ったもん」
「元気いっぱい走り出してんだから元気有りすぎ病じゃない?」
「有里さん、面白い事言うね」
「キミには負ける。てか、トップおめでとう」
「へへ、ありがと!でも勝負は次だから」
クラスメイトとのやりとりも慣れてきたものだ。特にこの子とは仲良くなったなぁ。
後から寮に戻ってきた湊は試験結果もばっちりだったようだ。流石です我が兄よ・・・。
岳羽先輩とのコミュニティも出来たと少々浮足立ってたので、足元救われないようにとだけ言っておいた。煩悩はしばらく付きまとうぞ・・・。これ経験談。
うーん、これはどうだろうか。前回より落ちた訳だし私のご褒美はあまり期待せずにおこう。湊には何がいいかなぁ。湊に聞いたんだけど、風花も成績上位だったらしい。何がいいかなー。お金のかからない方向で色々出来そうなこと探そうか。
寝る前にアイギスから学校と言う施設に行ったらどのような印象を受けるか、と聞かれたので、「楽しい」と答えた。事実、楽しいことも多いし。
学校はたのしいものだと定義したそうだが、湊が言っていたように人間らしさは希薄だなぁ。
―奏さんたちには味方の戦力を正確に把握して欲しいであります。そこで報告ですが、わたしは電撃に弱く貫通にはめっぽう強いであります。そう言えば、ゆかりさんも電撃に弱いそうですね。やや、おそろいであります。
―次に戦闘時、銃を使って応戦するであります。重武装というワケではありませんので、威力・精度共に平々凡々ですね。奏さんもご存知の通り、飛び道具のカテゴリーですので、攻撃に失敗してもスリップがありません。特に安定性の面でオススメであります。こちらもやや、おそろいであります。
―それからわたしには、特別な機能が搭載されているであります。オルギア・モードについてご説明するであります。これは、わたしのリミッターを一時的に強制解除するモードの事であります。オルギア・モード発動中は一時的に攻撃力が大幅に高まります。ただ、思考による制動も一部解除されるため、その間は完全自立行動となります。また、いったんオルギアを発動すると、オーバーヒートするまで止まれません。オーバーヒートからの回復には、相応の時間を要するであります。オルギア発動を維持できる時間はわずか。使いどころが肝心であります。これはおそろいになりません。
―説明は以上です・・・復唱が必要でしょうか?
「いらない」
「オルギアの発動は作戦から受け付けるであります!」
「ねぇ」
「なんでしょうか?」
「その説明、この寝る前の時間に必要だった?」
「もうすぐ影時間だったので。奏さんはタルタロス探索日程を決定していると聞きました」
「今日はいかない」
「承知したのであります」
「行くときはこの時間に寝る準備しないから」
「はい!」
はきはきとしたいい返事だった。おやすみ。私は寝る。
7/26 日
昨日はタルタロス。今日は風花の部屋にお邪魔している。付いて来ようと下アイギスは私の部屋で一時待機を命じた。相談だって言われたから居ない方がいいかなって思ったんだもん。
「やっぱりリーダーも桐条先輩もすごいよね」
「え?どうしたんです?」
「だってあんな大変な状況だったのに好成績を残せたんだから。奏ちゃんもちょっと落ちちゃったんでしょう?」
「あー、まあ」
「どんな屈強にも揺るがない実力、か。どうやったら身に付けられるだろう」
「人それぞれですけど」
風花は桐条先輩に憧れてる節がある。言葉の端々と態度から感じる。
うん、あれだけ超絶で対抗意識を持てる岳羽先輩が凄すぎるだけだな。彼女のあれは対抗意識とは違うのかもしれないけどさ。
話が逸れてしまったのもあって、彼女の部屋の中を見て、目に留まったものを手に取った。
「これって?」
「あ、違うの!それは」
「腹筋マシーン?」
「ダメだよ!それ、不良品だもの!」
「そうなんだ」
「そう!笑って腹筋を鍛えるし、全然取れないし、笑い過ぎてお腹だけじゃなくて顔も痛くなっちゃった」
「まあ、ダイエットなら今走ってますもんね」
使ったんだ。たぶん、屋久島旅行前だよね?段ボールを見るに噂の通販か。
湊もたまに使って何かしら購入してたけど、結構お買い得商品が転がってるのかな?あの耳に残るリズムは刻めるんだけど、ちゃんと内容見てなかったや。
「あ、話が脱線しちゃったね」
「えっと、料理の勉強でしたよね?私も基本は本を見て作るって感じでそこまでレパートリーないけどいいです?」
「うん。私基礎もないからちゃんと作れるようになりたくて」
この夏休みで特訓したい、と。本当に私でいいのか。
あー、
とりあえず、今日のお昼は一緒に作ってみましょうか。
お昼前だから先に通販番組を見させてもらった。
ブランド物の財布になぜかメディカルパウダーを5個付けて7,980円。安いのか高いのか判断はつかないし、そもそもブランド物を持つ習性がないから必要ない。
じゃあ、作りに行きましょうか。
・・・・・、私じゃ無理だから諦めて。無理無理無理。なんで卵焼きが真っ黒でぶよぶよ動くの無理無理無理。
どうやったの?おかしい過程なんてなかったはずなのに。真っ黒に焦げるのは分かる。
でもそうしたら硬くなるでしょ。なんでぶよぶよなん?めっちゃ勇気上がったよ。これゼッタイ。
「ごめんね、こんなの食べたら、戦えなくなっちゃうよね」
「・・・そこまで言いませんが、天田が口にしないように私たちで処理しますよ」
「ううん、私が。・・・奏ちゃんの負担になってるし、戦っている時以外にもみんなの役に立てたらと思ったんだけど」
「十分では?屋久島旅行の二日目、風花の発案で縄文杉見に行ったじゃないですか。あんな風な気遣い出来るのってすごいし」
私は無理。気まずかったけど、風花のおかげで雰囲気を明るくするきっかけは作れた。十分だろう。個人的には湊の誕生日プレゼント作成も手伝ってもらったし。
私の言葉に感謝はされたが、料理の練習は続けるらしい。・・・うん。頑張ろうか。私の胃は持つかな?
明日、あの本屋に行って料理本でも新しく買って来よう。家族料理のテキスト、今月号まだ買ってなかったし。
そう言えば、あの時にあったぎゃはぎゃはしたギャルともまだ仲いいらしいし、優しすぎない?
夜、ようやっとネットゲームを中断した湊から明日からもお弁当が必要なことを聞いた。
運動部の特訓らしい。了解。大会は見に行くから頑張ってね。
7/29 水
「桐条グループがシャドウを集めた挙句引き起こした実験事故・・・これってつまり、この事故より以前・・・タルタロスや影時間が出現する前からシャドウやペルソナは存在したって事だよね。シャドウって、一体いつ頃から存在してたのかな?」
私はその疑問に答える術を持たない。知りたいくらいだもん。
この影時間で久々に街中に通常のシャドウが出たと風花から連絡が入りアイギスに叩き起こされた。
自分で起きれるから、起きれるってば!
抵抗虚しくパジャマのまま作戦室に連行されて皆に同情される。小学生の頃から変わってないパジャマを・・・。
着替えてきていいです?許可が出たのでアイギスに離れてもらい、制服へ。
戻る頃には真田先輩からの通信があったようで、既に戦闘は終えているらしい。皆も分かっていないようでとにかく全員で出撃することとなった。
出撃先で怪我をしている犬―コロマル。この前寮の前にいた犬だ―を発見。
真田先輩が言うには、彼がシャドウを倒したらしい。
このファンタジーはどんなこともフラグになるらしい。この前湊はカレを寮の前で見ていた。
夏休みが終わるころには天田が仲間になるんだろうと思っていたが、彼も仲間か。たぶんそう。
後6体で仲間フラグを一気に回収するのって、何かあるもしくは誰かが敵に回るフラグか?
後回収してないのって、真田先輩が入院していた時にお見舞いに来ていたっていう不良のたまり場で助けてくれたコートの男性。
他は、湊が言っていた桐条先輩のファンの同級生か。でもうちの寮、女性の階に空きがないんよな。
「守った・・・と言っています。ここは安息の場所だそうです」
「あの花束・・・もしかして、神主さんが亡くなった事故の・・・」
「ホントに守ってたんだ・・・」
「つかアイギス、お前。犬語ホンヤク機能付き?」
アイギスが言うには、犬に言語はないらしい。ニュアンスでの翻訳ということだ。
「とんだ変わり種も居たもんだ」
「まったくですね」
「えっ」
「オマエもだっつの!」
良かった。伊織先輩が突っ込んでくれた。桐条先輩が獣医を手配して下さるそうなので、彼は怪我が治るまで待ちってところのようだ。
コートの男性に会いたいが、夜の駅裏には行きたくない。昼間は学校には来てないようだし、接触の機会ないよな~。
早いタイミングで仲間になってくれればいいんだけど。
とりあえず、次の満月はアイギスを含めたメンバーで作戦を考えよう。
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