ホロライブスタッフは特撮好き   作:R.N.

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潤羽るしあと……またいつか

ヒーローは強い。

彼らはどんな逆境にも立ち向かい、それを乗り越えて、多くの人の笑顔を守った。そんな姿に憧れた自分がいた。

でも俺には彼らみたいに誰かを救えるような力はなかった。

手が届くところにいても、救えなかったものがあると思い知らされた。

 

「潤羽さん……」

 

潤羽さんの引退が決まった。

理由は潤羽さんの精神的苦痛によるもの。

俺も3期生のみんなと一緒に、できる限りサポートはしていた。でも事態はどうしようもないところまで来てしまっていた。潤羽さんの心は、もう限界だった。

 

「ちくしょう……」

 

正直どうしようもないくらいの虚無感が自分の中に広がっていくのがわかる。心にポッカリ穴が空いてしまった。

潤羽さんの為にできることはなかったのか…ここ最近はそんなことばかり考えてしまう。

その時、家のインターホンが鳴った。

今は誰かに会おうなんて気にはならなかったのだが……

 

 

「潤羽さん…!」

 

「こんるしなのです……章二さん」

 

目の前には彼女がいた。

 

「どうしてここに…?」

 

「もうここに来ることもないと思って…お別れを言いにきたのです」

 

やめてくれ……そんなこと言わないで……

 

「るしあは章二さんに会えてよかったのです。デビューしたばかりのるしあに優しくしてくれて……るしあが落ち込んでる時もそばにいてくれて……すごく嬉しかったのです……」

 

気がつけば俺は潤羽さんを抱きしめていた。

こんなことで彼女の傷を癒せるなんて思っていない。むしろ余計に傷つけてしまう。でもどうしようもなかったんだ。この瞬間、自分の感情を抑えることができなかった。

 

「しょう……じ……さん…?」

 

「笑ってください……」

 

「え…?」

 

「俺はずっと待ってます…!潤羽さんにまた会えるって信じてます……!潤羽さんがまた笑顔でいれるように……だから笑ってください……!」

 

「うぅ……章二さん……!!」

 

 

潤羽さんも俺を抱きしめていた。

その後どれほど時間が経ったかわからない。時間を忘れるほど泣いたのは多分これが初めてかもしれない。

するとるしあさんは俺の体から離れていく。体に僅かに残った温もりが恋しくて、俺は手を伸ばしてしまう。

 

「章二さん、ありがとう。これで心残りは無くなったのです」

 

「潤羽さん……」

 

「最後に、一つだけわがままを聞いてもいいですか?」

 

「はい……」

 

「るしあって…呼んでください」

 

「え…?」

 

「ずっと潤羽さんなんて他人行儀な呼ばれ方は嫌なのです。だから……お願い」

 

 

 

潤羽さん……

 

 

 

俺は声を出すことができなかった……名前を言ったら、彼女はきっといなくなってしまうとわかったから。

でも、これ以上彼女に辛い思いをさせたい為にも、俺は声を振り絞った

 

 

「……るしあ」

 

 

 

次の瞬間、潤羽さんの唇が俺の唇に触れた。

 

 

 

 

「章二さん……ありがとう、大好き!」

 

 

その言葉を最後に、るしあは蝶の姿となって飛び去っていった。

 

 

 

「大好きって……こんな時に言うかな……」

 

気がつけばまた涙が流れていた。でも不思議なことに、さっきまでの虚無感はもうなかった。

彼女は最後には笑ってくれた。あの笑顔を曇らせない為にも、俺も前に向かおう。

また共に歩む為に。

 

 

「またな……るしあ」

 

 

 

また会おう……いつか未来で、いつかの明日で




今回は3話目にしてこの話にしました。
本作では引き続き出そうかと考えましたが、ここで引きずるのも違うと考え、こういった形にさせていただきました。
今後は過去編としてるしあちゃんを登場させたいと考えております。

しかし正直本当に辛いです。吹っ切ろうとしてもふと込み上げてしまいます。
でもファンの端くれとして、彼女のこれからの幸せを願いたいと思います。
るしあちゃん、今までありがとう。
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