今回は趣向を変えて聖地巡礼です。ではどうぞ!
聖地巡礼。
漫画・アニメなどの熱心なファン心理から、自身の好きな著作物などに縁のある土地を「聖地」と呼び実際に訪れること。フィルムツーリズムやコンテンツツーリズムの一種。
「着いたぞ……神田!」
ここは東京都千代田区北東部。
ここにきた目的はただ一つ。とある聖地に向かうためである。
「にしても遅いな…集合場所ここであってるよな?」
待ち人が現れずに若干不安になっていると、向こうから見覚えのある人影が見えた。
「こんなきり〜!余〜だ余!」
「章二さん!遅くなってごめんね!」
ホロライブゲーマーズ所属の大神ミオ、ホロライブ2期生所属の百鬼あやめである。
なぜこの2人が一緒なのかといえば、俺が神田に行くと知ったあやめが同行を希望したのがきっかけ。ミオはあやめの同伴としてついてきたのである。
「よっ、ミオ、あやめ。今日は悪いな、付き合ってもらって」
「そんなことない余!章二様と一緒にお出かけできるなんて滅多にないからな!余はこの日をずっと楽しみにしてたんだ!!」
かわ余すぎる……やっぱりお嬢と話してると心が安らかになる……
「にしても、フブキが来れないのは少し残念だったかもな」
3人は一緒にいることが多いから、てっきりフブキも来ると思ってたから意外だった。
「しょうがないよ。今日はフレアとわためとのコラボ配信なんだから」
「そうだな。帰りになんかお土産買っていくか」
案外置いていかれて拗ねてたりして……。流石にそんなことないか
一方その頃バカタレ共は
「うぇぇぇぇん!ミオとあやめちゃんずるいですよぉぉぉぉ!どうして白上を置いていっちゃうんですかぁぁぁぁ!白上も章二さんとお出かけ行きたいよぉぉぉぉ!!!!」
「フブちゃん落ち着いて!ちょ、わためそっち押さえつけて!」
「う、うん!フブちゃん今日だけは我慢しtぐへぇ!?」
「わためーっ!?」
駄々をこねて暴れ回るフブキを必死に押さえつけるフレアと、吹っ飛ばされるわための姿が配信されるのであった。
「あれ?章二様、両腰につけてるそれはなんだ余?」
あやめは俺の腰についているものを不思議そうに見ている。
「ん?あーこれはあれだ、いわゆるワンポイントオシャレ」
「それって確か響鬼のやつでしょ?」
そう、ミオの言う通り。これは仮面ライダー響鬼の変身アイテムである変身音叉音角と、ディスクアニマルのコンプリートセレクションである。これは今のCSMより前のシリーズで発売されたもの。
これ手に入れるのにほんと苦労した。だってAmazonで15万で売られてるとかバカだろ。
ていうかはやく響鬼のCSMこい。こちとらずっと待ってるんだよ。
俺がかつて某楽しい時を作る企業へ入社希望したのも、響鬼のCSMを作るためと言っても過言ではないのだから。
「なんで今日はそれを付けてるんだ余?」
「それはな、これから向かう場所に関係してるんだ」
「これから向かう場所?」
あそこに行くならこれをつけなければ始まらない。
「まあそれは到着してのお楽しみってことで」
「さて、着いたぞ……甘味処竹むら……ついに……この目で拝める日が来るとは……」
『甘味処竹むら』
東京都選定歴史的建造物に選定されている老舗である。
だがそれだけではない、この店はライダーファンだからこその価値があるのだ。
「章二様が感動のあまり泣いている!?ここそんなに凄いところなのか!?」
当たり前だろうが!小さい頃から何度行きたいと思ったことか!!
「あやめ、ここなんか見覚えあると思わない?」
「んー?……あっ!ここ響鬼で見たことある!たちばなだ!」
そう、ここ竹むらはかつて仮面ライダー響鬼にて、関東の鬼たちの活動拠点である『甘味処たちばな』のロケ地として使用されていたのである。
他にはラブライブで主人公、高坂穂乃果の実家の和菓子屋『穂むら』のモデルになった場所として有名な店。響鬼ファンだけでなく、ラブライバーにとってもまさに聖地なのである。
それたち3人は店に入り席に着き、早速メニューを見る。
残念ながら、響鬼ではたちばなの名物として登場していたきびだんごはなかった。あれ美味そうだったのに。
とりあえず俺は揚げまんじゅう。あやめはぜんざい、ミオはクリームあんみつを注文した。
「おぉ〜!本当にたちばなだな!」
流石に16年も経っているので内装は少し変わっているが、それでも店全体から感じる雰囲気はまさに響鬼の世界観そのものだった。腰に音角とディスクアニマルつけているから、よりそれっぽくなってる。
「ここに昔、ヒビキさんや明日夢がいたって考えると、あの頃の記憶が蘇ってくる…」
「章二さんはほんと響鬼が好きだよねぇ」
「おう。なにせ初めて見た仮面ライダーだからな」
「そうなのか?知らなかった余」
当時6歳、毎朝早起きして響鬼を見たのを今でも覚えている。あの頃は本当によかった。純粋な気持ちで特撮を楽しんでいた。この歳になると、脚本の粗を探すようになってしまう。令和ライダーになって以降それが顕著だ。歳はとりたくないな…。
そうこうしてるうちに注文の品がやってきた。
この店の名物である揚げまんじゅうだが、これは絶品だ。
サクサクとした衣と饅頭の生地、そして餡子の甘味がこれでもかと言うくらいにベストマッチしている。美味い。これはいくらでもいけそう。
「あやめ、口についてる。ほら、拭いてあげるから」
「んっ、ありがとうミオちゃん」
……親子かな?いや何と微笑ましいことか。ミオあやてぇてぇと誰かが言ったが、全くもってその通りだ。全国のファンの皆さんごめんなさいね、このてぇてぇ空間独占しちゃって。
「ふふっ」
「章二さん何?」
「いや、なんか本当に親子みたいだなぁって」
「えっ!?」
「どした?」
「い、いやなんでも!!」
(親子みたいって……それじゃあウチと章二さんが……ふ、夫婦!?)
なんか顔赤くなってる…何か勘違いしているようだが、めんどくさいのでこれ以上触れるのはやめた。揚げまんじゅう美味い。
「しょ、章二さん…!」
「なに?」
揚げまんじゅうを味わってたら、ミオに声をかけられた。顔を上げると、なぜかミオはスプーンですくった白玉あんみつを俺の前に持ってきていた。
「……ミオしゃ……何してんの?」
「あ、あーん…!」
急にどうしたミオしゃ!?あーんって!いや確かにあーんは男の夢あるけども!
(注意:本作では話の都合上、感染症のあれこれについてはあやふやにしております。リアルではなるべくあーんは控えましょう)
見た感じ引き下がる気はない様子。ここは受け入れるしかない…!
気合一閃に、スプーンの白玉に食らいついた。
「ど、どう…?」
「うん…美味い…」
「よ、よかった…」
き、気まずいぃぃぃ……頭パニックで味なんかわかんねぇよ…
「むぅ…」
「ん?なんだよあやめ?」
「章二様!余のぜんざいも美味しいから食べてくれ!」
「あやめまで!?ほんとなに!?」
何故かあやめにまであーんされる羽目になった。恥ずかしいから勘弁してください!!!
ちょっとしたハプニングはあったが、俺たち3人は竹むらを後にした。
「どうだった、聖地巡りは?」
「楽しかったぞ!また行きたい余!」
「ウチも、今度はミルクディッパーに行ってみたいなぁ」
ミルクディッパー…電王か。なかなか目の付け所がいい。次はそこに行ってみようか。
にしても、そろそろあの作品の放送も近いな…
「帰ったらドンブラザーズの玩具買い揃えないとなぁ」
「余もドンブラザーズも楽しみ!オニシスターの活躍が一番気になってる余!」
「ウチはイヌブラザーかなぁ。なんか色的にも親近感湧くし」
同じ黒い犬だからな。でもあのCG全開の三頭身体型で製作陣の気力は持つのか、それが見ものだ。
46番目のスーパー戦隊『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』…一体どんな物語になるのか、楽しみだ。
「しょぉぉぉぉじさぁぁぁぁん!!!!」
「よ、幼児退行してる……章二さん早く帰ってきて!」
「これ、わためたちは悪くないよねぇ…?」
一方、ファンに醜態を晒すフブキであった。