あおげば空の、嵐かな (あおかな×エアギア) 作:EXTRA2販促おじさん
あおかなEXTRA2出る記念に初投稿です。
よろしくお願いいたします。
[注意書き]
今話は次話以降とは直接つながっていないので読み飛ばしても大丈夫です。
あおかな世界ベースです。次話から原作の過去編がスタートします。
エアギア側の人物は1人+オリ主のみ。
――あたしたちは、この蒼穹を。
ずっと深く、どこまでも遠くへ。
飛んでいけると、信じていた。
「……いや、"信じていた"は違うか」
2030年8月11日。
夏の日差し。
蝉の声。
《――ゥゥゥウオ待たせ致しましたァ!
グラム・スケイル! トオォォオォナメンッッ!! エキシビジョン・マァッチ!!
いよいよッ、開ッ・幕ゥ! でございますッ!
準備いいか目薬さしたかトイレ行ったか野郎どもォ!!》
――――ワアァァァア!
白熱するフィールドへ向かう通路で、沸騰するような観衆の声を聴きながら。
あたしは、絡めていた手をもう一度ぎゅっと強く握る。
かさね合う手のひらに、かすかに湿った汗の感触。
あたしのそれだけじゃない。
この子も緊張なんてするんだなぁ、なんて、あたしは今更なことを考えた。
「みーくん……?」
「あはは、ごめんごめん。
何でもないよ――明日香」
《つい昨日まで本大会を沸かせに沸かせまくった! 超一流のォ!
ストームライダーズ、エェェン、スカイウォーカーズ!!
そんな憧れのアイツラが! 伝説のチームとぶつかり合うッ!
――――ワアァァァア!
「あは、"超一流"で"憧れ"だってさ」
「うぅぅ……あんまり煽らないでほしいです……きんちょうしてきました」
「はいはい、あたしも一緒なんだから緊張するない。ほら、ぎゅー」
「んぅー……」
相変わらず気弱なんだから、もう。
柔らかな身体を抱きしめる。
この細い手足が、決勝じゃあんな
そんな風に思いながら、明日香の耳元に口を近づけた。
「ストレッチした?」
「はいっ」
「作戦覚えた?」
「はいっ」
「
「はいっ」
「朝ごはんしっかり食べた?」
「はいっ」
「……え、マジ?」
「あっ、えっ、ま間違えましたっ!
ちゃんとゼリーだけですっ」
「えらい! よし!」
絶対タフなバトルになるからね。
エネルギー入れつつ、余計なウェイトはない方がいい。
女のコ的にアレだけど、ゲロ吐くかもしんないし。
抱きしめたまま背中をぽんぽん叩いて、最後にぎゅっと力を込めてから身を離す。
今日限りのチームメイトから送られてくる『なにイチャついてんのよこいつら』的な視線には
気付かないフリして、あたしは打ちっ放しのコンクリ壁に背を預けた。
「こんな時までなにイチャついてんのよ、鳶沢」
うわきた。
視線どころか言いにきちゃったよ。
「先輩を付けなさいよー。ほら、せ~んぱい♥って」
「うざ。アホかっての……」
ほんと可愛げないなもう。
あたしの
日頃接してる年下は放っといてもグイグイ来る真白だからにゃー。
可愛くない他校の後輩にひらひら手を振って会話を打ち切り、他のメンバーにも視線を配る。
うん、ザ・苦笑いって感じ。
あたしは無言でぺこりと頭を下げた。
お騒がせしてすみません。
おろおろしている明日香がやたらと可愛かった。
振り返って、通路の先を見る。
ライダーなら誰だって、それどころかスカイウォーカーでも、最高に燃えるような舞台。
あたしは少しだけ目を閉じて、自分の中の高鳴りに意識をゆだねた。
……そんな一瞬の静寂を突き破って。
やかましくも軽妙な実況の巻き舌ががなり立てる。
《入・場ーーーッ!!!
まずはこちらァ! 再結成もいよいよ今日が最後!
伝説の特A級
――――オオオォオォォォォ!
――そして、彼らはやって来た。
風化した廃工場を模したフィールド。
その頂上で、青を背にして立つ、5つの人影。
セロ先生。
葵さん。
シャーロット姉。
タマちゃん。
白瀬店長。
確かに彼らは、そこにいた。
「……みーくん、楽しそうです」
「へへ、まーね」
気付けば、傍らには再び明日香。
そう。
気付けばいつだって、この
だから、あたしは。
「これで燃えなきゃ――女じゃないっ」
――あたしたちは、この蒼穹を。
ずっと深く、どこまでも遠くへ。
飛んでいける。