・・・みなさん、こんにちは。ケガ人のブ男です。
クレフさんに拾われて目が覚めてから3日経ちました。・・・え?・・・何していたんだって?・・・ええ、寝ていましたよ。ケガ人ですもん。
1日目は少しお話をしてプレゼントをもらって、2日目はクレフさんの回復魔法で身体中の傷を治療してもらい、そして3日目の今は働かざる者食うべからずということで、ただいま薪割り中でございます。「少しは身体を鍛えないとな」と言われてしまい、伐採されてあった木々を使いやすいサイズに斧で割っているとこです。・・・ん?クレフさんは日頃どーやってんのかって?指パッチン1つで全部バラバラですよ。もっとも普段は使役している使い魔にお願いしているそうですが、見本見してって言ったら、指パッチンで終わりっす。・・・で自分もチャレンジしたんだけど出来ませんでしたよ。仕方なく人力で作業しております。たまに様子を見に来ているクレフさんにクスクス笑われていますがね。
「ぶひー---!ぶひー---!」
「精が出ているな?なまっている身体には堪えるだろう?」
「そうすねっ!なまってるっ!身体にはっ!こたえますよっ!」
「・・・魔法は使わんのか?」
「自分のっ!魔法はっ!薪割にっ!使えるっ!ほどっ!器用にっ!出来ませんっ!」
「身体を強化する魔法とかはあるだろう?」
「・・・それ使っちゃあ・・・ぶひー。・・・鍛えてる・・・ぶびゃー。・・・意味ないでしょう・・・ぶげー。」
「なかなか愚直な奴だな。・・・よし、おまえに魔法の使い方を少し教えてやろう。・・・と、その前に私がおまえに渡したモノを持ってきてもらうか。」
「へーい。」
「・・・よし、それでは始めるか。まずセフィーロ内での魔法というよりは、全ての事柄において重要なのは、己の心の強さが決めるといっても過言ではない。そしてあまり深く考えることもない。簡単に言えば、先程まで頼んでいた薪割に関しても心次第でもっと楽にすることもできる。例えば使っていた斧が軽いと心で思えばさほど重くも感じなくなるし、薪が割れやすいと心で思えば簡単に割ることもできる。そしてその2つを合わせて使えばさらに簡単に割ることが出来る。そして心の強さを具現化し放出・発生させることを『魔法』と呼ぶのだ。だからお前の『魔法』は正しいとも間違いとも言えんのだ。イメージをして解き放つのは合ってはいる。が威力はともわない。同じ火の魔法を使ったとしても、その『火』が何でも燃やす火なのか燃やせない火なのかは心の力次第なのだ。」
と言いつつ1つの小さな火を作り出し「触ってみろ。」と言ってきた。恐る恐る触ってみると本来在るであろう『火の熱』が全くなく、切れ布に置いても燃え出すこともなかった。そして新しく作り出した小さな火からは、在り得ないほどの熱量を発生していた。それを先程の切れ布に置けば一瞬にして燃え上がり消滅していった。
「ただ、この魔法にも限度があってな。余りにも現実離れした熱量とかは出ないのだ。一瞬で炭にするぐらいの炎は出せても、一瞬で焼失させる炎は作り出せんのだ。なぜなら、その炎がどれくらいの熱量が必要か術者が分からないからだ。イメージが出来ないからと言ってもいい。あと、長時間現存させることもできない。1・2時間くらいであれば現存させることは出来るがそれ以上は難しくなってくる。」
と言いまた1つの小さな氷の塊を取り出した。
「・・・これは、おまえに渡したモノを取りに行っている間に魔法で作り出した氷だ。おまえの持っている氷と比べて違っている箇所はあるか?」
⦅違いってあるわけ・・・、「・・・んげ。」
「わかったか。おまえに渡した氷はまだ融けていないようだな。モノは試しでやってみたが上手くいったな。それは魔法だけ作製したわけではないのだ。おまえの知識を使わせてもらった。全くすごい世界だよ、おまえの世界は。まぁ、おかげでこの年齢になっても魔法の威力が上がってしまったよ。」