煙の魔法使い   作:四乃 兎卯助

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遅れて申し訳ございません


俺、職につきます

黒歌がペットとして、兵藤家に住んでから数日後。朱乃が家に遊びに来た。新しい家族として黒歌(キクラゲ)を紹介すると、俺の方に近寄ってきて、何やら俺の体周りを香いでいるかと思えば、「他の女の匂いがする」など言ってきたので、秒でキクラゲの正体がバレた。朱乃には、黒歌の正体は秘密にするよう頼んだ。後、朱乃と黒歌が二人で話してたのが聞こえたなぁ、なんか二人で怖い顔して、「ワタシノイッセークンヲトルナドロボウネコ」とか、「ソッチコソオサナナジミダカラッテチョウシニノルニャ」とか言ってたな、何の呪文だろ?

 

『いつか刺されても知らんぞ、相棒』

あ、ドライグさん、生きてたんすねー。

 

『あぁ、お前らが俺の存在を忘れている間、俺はドロのなかを必死で掻い潜っていたよ(怒)』

かなり、怒ってらっしゃるな~。だって、しょうがないじゃん、あの後、新しい師匠ができたりさ、黒歌の事情を聞いたりして、忙しかったんだよ。そういえば、新しく俺を鍛えてくれるというスカサハ師匠、あの人、マジ鬼だったわ。"獅子は子を千尋の谷に突き落とす"ってよく聞くけどさぁ、マジで谷から突き落とされたよ俺、あぁ今でも思い出すあの光景。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

『ギャ~、し~ぬ~。』

 

『死にはせん、半殺しくらいで済ませる。』

 

『どっちみちこんな谷から落ちたら、お陀仏だわ❗」

今、俺は底が見えないくらいの谷をクライミングしてる真っ最中だ。………師匠の槍を避けながら。

ふざけんなよ、なんだよあの槍、銃弾より速いんじゃねぇの?しかも一回避けてもまた戻ってくるから、一本につき何回も避けなきゃいけない、それを同時に三本くらい放ってくるから、避けきれない時もある、だから今腕に一本、脚に一本刺さっている状態だ。出血は止まらんし、腕はもう限界にに近い状態だ。だが、ゴールまであと10メートルちょい、ここを乗り切れば。

 

『よし、次はこれでいくとしよう。』

そう師匠が言うと、何処から現れたのか、空中から数えきれない程の槍が現れた。えーと、これは……

『英雄王の宝具を真似てみたのだが、やはり奴より多くは出せんか、まぁ射出力は出きる限り再現できたな。』

えー、なにあれー、凄い数の槍が俺の方を向いてるー、どうやってあんなもの出したんだろー、聞いてミヨー。

 

『あのー、お師匠。』

 

『なんだ?』

 

『これはー、一体どうゆう仕組みで出してるんですか?」

 

『ん?こんなものルーンでちょちょいだ。」

へー、そうなんだー。ルーンってすごいなー。って感心してる場合じゃねー。

 

『よし、ではゆくぞ❗』

 

『ちょ、ちょとタンマ…』

ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク

 

『あ~~~~~~~~~~~~~~~~~』

無数の槍が俺に刺さった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

うん、本当に死ぬかと思った。偶然崖に刺さっていた槍が、俺の衣服に引っ掛かって落下は免れたけど、出血多量で死ぬかと思った。サボテンみたいになってたもんなー、槍が俺に刺さりまくって。

 

(むしろあれで、出血多量だけで済ませる相棒のほうがヤバイと思うが、完全に頭にも刺さってるのに生きていたしな。)

ドライグはいつか、修行中に自分の主が死んでしまわないかと、不安が募る一方なのに対し、その主はそれを過ぎたことのように考えている。

 

「さてと、そろそろ修行場に行くか。」と、この場を離れようとした瞬間。

「イッセー君何処かいくの?なら、私もついてく。」

 

「私もにゃ 」

先程から、いがみ合ってた二人が、スゴイ速さで俺が外に出ようとしたことに反応した。さっきまで、いがみ合ってた癖に何で俺のことになると、そのいがみ合いが急に止まるんだよ。まぁ仕方ないので二人を修行場に連れてくことにした。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

急に場面が変わるが、俺は今、心さんとハンマーの打ち合いをしている真っ最中だ、ハンマーが来るとわかっていても、心さんの振りが速すぎて何回も肌にカスってしまう、さらにそこから、傷口に少量の煙を入れようとするから、煙を出すタイミングをいち速く察知しないと、一瞬でバラバラの肉片になってしまう。

お互い、打ち合いを繰り返し、心さんがネイルの部分を、俺の頭にめがけて振り下ろした。俺はいち速く防御姿勢をとるが、衝撃が来ることはなかった。恐る恐る心さんの手の方を見るとネイルの部分は、攻撃を防ぐために前に出した自分のハンマーの前で寸前に止まっていた。

 

(寸止め?)

その際で、一瞬気が抜けてしまい、その隙を突くかのように、心さんはネイルの部分を俺のハンマーに引っ掻け、俺から武器を奪い取った。

 

(武器とりかよ!)

俺は即座に拳を叩き込もうとしたが、アッサリ避けられ、頭部にハンマーの一撃をもらっしまい俺は倒れた。

「イッセー(君)!」

二人が心配するように俺に駆け寄る

「た、大変、頭から血が出てる。黒歌ちゃん、包帯持ってきて……」

「ぐ、痛ってー。ネイルの部分で人の頭に穴あける奴があるか❗」

イッセーは何事もなかったかのように起き上がり始めた。

 

「い、イッセー君頭から血が、平気なの?」

朱乃はそういいながら一誠の頭を見るが、頭にできた筈の傷は、既に塞がっていた。

 

「大分傷の治りも速くなったな、その内、能井の奴も追いこそくらい煙の使い方が上手くなるかもしれないな」

心さんはヘラヘラとそう言うが、

 

「チョッと先輩、それはまだ速いっすよ、コイツなんてまだまだっすよ。」と能井が返す。

 

実際、まだまだなのは確かだ。あれは、心さんもまだ手加減して、俺の頭に穴を開けたが、それは脳には届いていなかった。能井さんなら、脳が貫通しても、一分も掛からずに修復し終えている。二人の実力にはまだ追い付けそうにないな、と思っていると、

 

「そう言えばよ一誠、お前、ドアは出したことがあるか?」

 

「ドア?、確かに出したことないですね。」

ドアとは、魔法使い達が、人間の世界に行くときに煙を出して出現させるものだ。

 

「この世界には冥界とか、天界みたいに此処とはちがう世界があるんだろ、ならドアで行けるんじゃないかなと思ってよ、せっかくだしよ実験がてら出してみねぇか。俺たちも引率として着いていくしよ。」

 

「それはモチロン構いませんけど、良いんですか?この世界の住人じゃない、師匠達が出歩いて。」

 

「そこら辺は心配要らねぇよ、神からも許可は取ったし、一週間位なら、俺たちみたいな存在がいても大丈夫なんだってよ。」俺の質問に能井さんが答えた。

 

「それに、ディハゥザーが「能井❗」っ、お、俺たちも冥界に行って上手いもの食べたいしな~」

なんか誤魔化したなこの人達、急に冥界に行きたいなんて言うから怪しいと思ったが、一体何を隠してるんだ?まぁ俺もドアは出してみたいと思ってたところだし、師匠達の考えに乗ってやるのも悪くないか。

 

「わかりました、やりましょう。」

 

「イッセー、冥界とかなら私が案内してあげても良いけどー?」

黒歌が俺の腕を絡めつつ同行するか聞いてくるが、

「良いわけないだろ、お前自分がお尋ね者だってこと忘れたのか。」

 

「でもイッセー、見知らぬ土地は怖いにゃよ、お姉さんがしっかりナビゲートしてあげるにゃん、二人っきりでね」

 

「それくらい自分で何とかする、お前は自分の安全だけ考えてろ。」

黒歌は、「チェー、せっかくデートができると思ったのに」と、そっぽを向いた。

 

「準備はできたか?」

心さんが俺に声をかけた。

 

「ハイ、バッチリです」

返事を返すと同時に、俺は指先から煙を出して、ドアを出現させた。

 

「よし行くぞお前ら、冥界に❗」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

「で、今に至るって訳かしら?」

 

「ハイそうです。」

現在、俺達は全身濡れたままの状態で話している。何故このような状況になったかというと、ドアを開くとそこには、見馴れない空、こちらとはちがう空気、そして下には激流という三点セットが待っていた。俺たち三人は激流にまっ逆さまかと思いきや、あの二人は俺を踏み台にして陸地に着地、俺は激流にドボン、俺は助けを求めるが、「お前なら大丈夫だ」とか意味不明なことを言い残して去っていった。あいつらマジで殺す‼️そして水に押し出され流されるまま流され、今目の前にいる女性に助けられ、溺れていた理由を説明していると言うわけだ。

 

「まぁ、貴方も大変ね、そんな師匠を持って。」

女性が、苦笑を浮かべながら自分に話しかけてきた。

 

「ほんとですよ、あいつら次あったら絶対に刺し違えてでも腕の一本はへし折ってやる。」

 

「やられる前提のわりには、復讐方が具体的ね。」

イヤあの人たちマジで強いもん、煙有の戦いなら、いつもより速くやられる自信がる。俺まだ2つ以上の煙同時使用が、出来ないからな。

「んで、君はその師匠の行方は分かるの?」

それがさっぱり分からんとですよ、なんか居場所が分かるものがあると良いんだけど。

「所で話は変わるが、お姉さんはなんでこんなところに?」

 

「私?私は、ちょっと黄昏に来たって感じかな。」

女性は少し疲れたような笑みでそう返事をした。

「そりゃまたなんで?」

 

「私、ここには出稼ぎに来たようなものなの、最近自分の主が無茶なことを要求してきてばかりで、疲れちゃってさ、ここの川は故郷にあった川とも似てるから、ここで少し過去に浸りながら疲れを癒そうかなって。」

 

なるほど、となるとこの人はどこかの貴族にでも仕えてんのか?そう思っていたとき。

 

プルルルルルルル

 

自分のズボンのポケットから携帯の着信音の様なものが鳴り響いた。自分は携帯電話を持っていなかったはず、と思いながらポケットを探ると、そこから一枚の紙が出てきた、しかし、ただの紙なわけがなくそこには文字が書いてあった。

 

「ルーン文字だ。」

そう呟くと紙から、聞き慣れた声が聴こえた。

 

『よー、無事か?』

 

「心さん❗」

紙から心さんの声が聞こえた。これは一体?

 

『そいつは、スカサハの姉ちゃんに作ってもらったルーンの通信札だ、こんな時のために備えて頼んどいた。』

そんなものいつの間に、てかそういうのは事前に言ってくれませんかね、そしたらこんなに必死になって心さん達探そうと思わずに済んだのに、というか、今どこにいるんですか?

 

『今、ディハゥザー所の領地に居るんだけどよ、事情を話したら、使いに迎えに行かせるって引き受けてくれたわ、数分もあれば迎えにいく。』

うん、いろいろつっこみたい所があるが、迎えが来るのはありがたい、このまま待機だな。

 

「誰か来てくれるの?よかったわね坊や。」

 

「坊やはやめてよ、少し恥ずかしい」

このお姉さん綺麗だから反応に困るんだよ。

 

「まぁ綺麗だなんて、誉めてくれてありがと❤️」

 

「えっ⁉️俺に口に出てた?」

 

「顔に出てたわよ、分かりやすいわね坊やって。」

マジかー、顔に出てたか。これからマスクでも被ろうかな。そう考えていると近くに魔方陣が現れて、その中からは一目見ただけで強いと思えるほどの、複数の男性が姿を現した。

 

「兵藤一誠様ですね、我が主の銘により、お迎えにあがりました。」

 

「じゃ、お姉さんともこれでお別れだな。」

 

「ええ、そうね。もう川で溺れないように気をつけるのよ 」

 

「分かってるよ、この恩はいつか必ず返す、だから貴女の名前を教えてほしい。危ない目に会ってたらすぐ助けに行くからさ 」

 

「あら、嬉しいこと。なら、その時まで期待しておくわ、私の名前は"バイザー"覚えておいてちょうだい。」

 

「死んでも忘れねぇよ。恩を返すまで死にきれ無いからな。俺の名前は兵藤一誠、覚えといてくれ。」

俺はそう言うと、男達に案内されるがままに魔方陣に乗り転移した。

「兵藤一誠か、なんか面白い男の子だったわね。機会があるならまた会いたいわ。」

そう呟きながら彼女はこの場を去った。

◆◆◆◆◆◆◆◆

転移した先では心さん達が待っていた。

 

「よーっす」

 

「よーっすじゃないですよ、通信機の類いがあるなら言ってくださいよ、その事聞いてれば少しは安心できたのにと言うわけで死ねぇぇぇ。」

すかさずハンマーを叩き着ける、しかし、あっさり躱され逆に一撃もらう。

 

「いきなり何すんだよ。」

 

「何すんだよじゃねーわ、なんで俺のこと助けなかったんだよ❗」

 

「いやぁ、その方がお前のためになりそうだからさぁ、よく言うだろ、獅子は子を激流に突き落とすって。」

 

「それ今考えただろ、ぜってー今考えたろ。」

 

「お取り込みのところ悪いが、間に入らせて貰うよ。」

俺と心さん達の言い合いを、割ってはいるように、若い一人の男性が入ってきた。

 

(相棒、こいつは……)

 

(あぁ、相当強いなこの人)

ドライグが反応するのも分かる、隠してはいるが、この人からは俺じゃ絶対勝てないくらい強いって感じが本能で分かる。一体誰なんだこの人?

 

「自己紹介しよう、私の名はディハゥザー・ベリアル、最上級悪魔の一人だ。」

ベリアル?何?ウルトラマン?

『ベリアルは72柱の悪魔だ。』

ドライグが俺の疑問に答えた。72柱ねぇ、なんか名前だけは聞き覚えあるわ。そんな風に考えていると

 

「君が彼等の弟子、そして、現代の赤龍帝か。この年でもうウェルッシュドラゴンの意識を覚醒させているとは、もしや禁手(バランスブレイク)にも…」

 

『いや、それはまだだ。まぁ、相棒なら切っ掛けさえあればすぐだろうだがな。』

ドライグがディハゥザーさんと何やら話している、禁手と言う単語が出てきたが、やはり神器使いの注目され所といえばそこか、禁手、それは神器使いがある程度の領域に至った時に使えるようになる、神器の真の力のようなものだ、ドライグによると、何か劇的な切っ掛けや想い、又は才能によって禁手に至れるらしい、他にもからだの一部を神器に捧げることで、限定的ではあるが至った例もあるらしい。禁手は通常の神器の時とは比べ物にならないほどの力を発揮するらしい、さっきかららしい、らしいばっかだな俺、他にも本来の禁手とはちがう形の至りかた、亜種もあると聞いた、俺的にはどちらにも至りたいんだけどね。おっとそろそろ話に戻ろう。ディハゥザーさんから話があるみたいだ。

 

「それで、心君から私に頼みがあると聞いてうちに招いたのだが、頼みとは一体どんな用件だい。」

ディハゥザーさんが心さんにそう訪ねるが、俺はこの二人の関係性が気になって仕方がない、何故異なる世界の住人同士が仲良さげに交流しているのか、それすらまだろくに聞けてないんだが、それすらお構いなしに話は進んでいく。

 

「用件ってのは、こいつに仕事を紹介してほしいんだよ。仕事の内容は主に、護衛とか、調査とか、はぐれ悪魔なんかの討伐なんかが良いんじゃねぇか。それか、暗殺とかな。」

ディハゥザーさんは此方を見た後、少し重い雰囲気を出しながら声を発した。

「彼はまだ年端もいかない子供だ、その子供に僕たちの"汚れ"を掃除させる気かい。」

ディハゥザーさんが、そう心さんに問いた。心さんが答えようと口を開くがその前に俺がこたえる。

 

「問題ないです、俺はもうとっくに人を殺したことがあります。もう人の死体を見たってなにも感じませんよ、あっでも、大事な奴が死んだらいやかもな、そこら辺が俺の甘いところなんすよね、まぁ、仕事は真剣にするので安心してください、依頼内容が女、子供の抹殺でもやりきりますよ、それに、仕事ってことはあくまでもビジネスパートナー、主従関係じゃないんでしょ、アンタらに服従するわけじゃない、だから俺はある程度好きに動けるし、アンタらも俺をいつでも切り捨てられる、それに、俺の成長にも掃除屋(クリーナー)の仕事は役に立つ、って言いたいんでしょ師匠がたは。」

この説明を聞いた師匠がたは、正解だとばかりにウンウン頷いていた。ディハゥザーさんは頭を手で押さえため息を吐いた後、真剣な顔で俺に尋ねた。

 

「君は一般人の子供だ。これから君の日常は一変するだろうし、大事な人が危険に合うかもしれない、それでも僕らに関わるかい。」

 

「大事な奴が危険になるからこそですよ、俺はこの仕事でコネなんかを作って、もっといろんなことを学び、力をつけたい、そして俺の大事なものを奪うなら、そいつから全てを奪ってやりますよ、俺を狙ってくら奴らもいるみたいですからね。」

おれがそう話すとディハゥザーさんは答えた。

 

「分かった、できるだけ協力しよう。報酬にも色をつけるし、君たちの恩返しになるなら私はそれに従おう、と言うわけであらためてようこそ、裏の世界へ、これからはクリーナーとして私達のために働いておくれ。」

 

「宜しくお願いいたします、ディハゥザー様。」

俺は小学生で職を得ることになった。

◆◆◆◆◆◆◆◆

「そういえば、師匠がたとディハゥザーさんはいつからお知り合いに。」

 

「それは次回作者が書いてくれるさ♪︎」

 

「メタいっすね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハイ、予告の通り次回は番外編を書きたいと思っています。
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