EVANGELION the DARKSIDE   作:cycle(サイクル)

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さあさあやってきましたよイカ野郎が。


episode Ⅳ/squid?

---[NERV/第一発令所]---

 

「謎の物体を工学で確認」

『こちら偵察機、目視で確認いたしました・・・巨大な化け物です。』

「パターン分析完了です!」

「パターンは青・・・・・・間違いなく使徒ね。」

 

そう言いながら隣に立つミサトを見るリツコ、その視線に気づいたのか視線を向けたミサトは頷くと共に指示を飛ばした。

 

「総員第一種戦闘配置!!、指揮権が周り次第兵装ビルを用いて目標を牽制!なるべく多くの情報を手に入れるわよ!!」

「総員第一種戦闘配置!、繰り返す・・・」

「第三新東京市戦闘形態へ以降!!対空設備稼働開始!!」

「各ブロックの収容開始!街に避難誘導出せ早く!!」

 

そのような指示が飛び交う中メインモニターには使徒に対して攻撃を行う国連軍の姿が映っていた。

 

「税金の無駄ね」

「世の中あーしなきゃ行けない連中が多いのよ。」

 

リツコのつぶやきにそう答えるミサトだったが、次の瞬間その表情を怒りに染めることになる。

 

「日本政府からエヴァンゲリオンの出動要請が来てます!!」

「チッ・・・・・・言われなくともそうしたいわよ、アイツらが諦めたらその瞬間一気に・・・・・・パイロットは?」

「レイちゃんなら既にプラグ内です、・・・・・・しかしまだ怪我が治りきっていないので・・・シンクロ率は20%前後が限界です。・・・・・・それにとても戦える容態じゃ」

 

そう暗い顔で報告するマヤの肩に手を置き同情するように頷くミサト、しかしそこであえて彼女は冷酷な判断を下した。

 

「私だって同じよマヤちゃん・・・・・・けど負けたら世界は終わるわ、残念だけどレイは出すしかないの。」

 

そう言ってから自分の場所に戻るミサト、その後ろの指令席でいつも通り突っ立つ電柱(冬月)はボソッと呟いた。

 

「こんな時にサードが居れば。」

 

そう呟いた瞬間、戦況の動きが変わった。

 

「国連から指揮権が譲渡されました!!」

「おっしゃきた!!、兵装ビル攻撃開始!!・・・初号機の発進も急いで!!」

 

そう指示を飛ばした瞬間発射されるミサイル・・・・・・しかしそれは届くこと無く両腕から伸びる光で粉々に破壊された。

 

「光の鞭・・・か、リツコ、あれエヴァの装甲耐えられる?」

「高熱を放ってるうえに音速で来るのよ?、保って数分かしら。」

 

そのような会話が行われる中、初号機は発進準備を終えカタパルトに運ばれた。

 

「初号機発進準備完了!!」

「よしっ・・・いいかしらレイ、目標は依然進行中、パレットライフルでコアを撃ち・・・・・・効果が無いなら危険だけどナイフで特攻、いいかしら?」

「構いません」

 

無表情でそう答えるレイ・・・その発言にミサトは一瞬悲しげな表情を浮かべるも直ぐに凛とし振り返った。

 

「副司令・・・構いませんね?」

「ああ」

「・・・・・・発進!!」

 

---[第三新東京市/神社の麓]---

 

「・・・・・・なんだありゃ、イカか?、不細工なのに変わりねぇけど。」

 

そう吐き捨てながら戦いを見物するローブを纏った少年、言わずもがなシンジである。

そんな彼がなぜここにいるのか、避難してきたが間に合わなかっただけである。

 

「・・・・・・出たか。」

 

そう言った瞬間、近くから声が聞こえてきた。

 

「おおおおおおお!!、あれがエヴァンゲリオンかああああ!!」

「おい待てや[ケンスケ]!!・・・・・・っ!?お前さんそこで何やっとんのや!?」

 

シンジは声の聞こえる方向に視線を送るとカメラを持ち戦いを撮る眼鏡の少年と、驚いた顔でこっちに近寄ってくるジャージの少年がそこにいた。

 

「・・・・・・逃げ遅れてね、どうしようも無くて立ち往生してたのさ。」

「それなら今すぐこっち来てくれ!!、シェルターに連れていくから!!」

 

素直に事情を言ったシンジにそう言いながらジャージの少年は彼の腕を掴みシェルター方面へ引っ張る、・・・・・・しかし突然立ち止まるとカメラを向ける眼鏡の少年へ顔を向け叫んだ。

 

「何やっとんのやケンスケ!!早う逃げんと死んでまうで!?」

「ここまで来ることは無いさ!・・・・・・おおおお!!なんて大きい銃!!」

「戦いなんてどうでもええから早う逃げるでバカ!!・・・・・・このままやとお前も[サクラ]と同じように病院行きや!!」

 

そう言ってケンスケと呼ぶ少年に近づこうとするジャージの少年、しかしそれをシンジが腕を掴み静止する。

 

「っ!?なんで止めんのや!?」

「あいつはこの戦いを撮るために死んでもいい・・・・・・そんな馬鹿な思いでここに来たのか?」

「せや!!それを止めるためにわしは追っかけてきたんや!!、頼む行かせてくれ!!、あいつは友達なんや、妹と同じようになって欲しくないんや!!」

 

そう騒ぎながらケンスケの方へ向かおうとするジャージの少年を止めるシンジ・・・・・・しかし次の瞬間。

 

「まぁライフルは効かないわな・・・んでもって掴まってしまって・・・まずい!こっちに来る!?」

 

そう言った瞬間使徒に捕まった初号機が思いっきり投げ飛ばされてきた。

 

ドゴオオオオオン!!

 

「え?わっ!!こっち来!?うわああああ!?」

「のあああああ?!」

「チィ!!」

 

---[NERV/第一発令所]---

 

三人が吹っ飛ばされた初号機の巻き上げる砂煙から身を守る中、発令所ではレイの叫びが響いていた。

 

«くぅぅっ!!あああああ?!»

「初号機投げ飛ばされました!損傷率20%!、アンビリカルケーブルもやられました!!」

「パイロットのバイタルに異常発生!!傷口が広がった模様!」

 

痛みを堪えながら操縦桿を握り立ち上がろうとするレイ、しかしその瞬間センサーがある反応を感知した。

 

「センサーに反応あり!!・・・これは?!」

「レイちゃんのクラスメイト!?」

「どういう事!?避難は既たはずでしょ!?」

「原因わかりました!!シェルターのドアが内側から開けられた模様です!!」

はああああああああああ!?!?、保安部はなにやってんのよ保安部は!?

 

発令所がそうてんやわんやする中、傷が開きろくに動けないレイが遂に倒れてしまった。

 

---[第三新東京市/神社の麓]---

 

「ぅぅぅ・・・・・・ゲホッ、ペッ!!、おい大丈夫か?」

「・・・何とか・・・ですけどね。」

 

纏う砂を払い落とし(シンジに至っては吐き捨て)ながら立ち上がった二人、その瞬間シンジはジャージの少年に一言だけ伝えた。

 

「あのメガネに言っといてくれ、今から一歩も動くなと。」

 

そう言ったシンジは高い身体能力で初号機を駆け上がり、ものの数分でコックピット付近まで登り切った。

 

「さ〜て緊急脱出装置はっと、これか?」

 

そう言いながら近くのレバーを両手で力いっぱい引く、すると初号機の首が下がり一部装甲が展開し脊髄付近からエントリープラグが出てきた。

 

「っしゃビンゴ!!」

 

そう言ったシンジはすぐさまハッチを開け、流れ出るLCLで砂を完全に落としてから内部に入っていった。

 

---[NERV/第一発令所]---

 

「プラグが外部から排出されました!?」

なんですって!?

«おいっこれ借りるぞ!、・・・ドケッ・・・ああっと一週間ぶりか?»

『『サードチルドレン!?』』

「シンジくん!?、どうして!?」

«巻き込まれたんだよ!、まぁとにかくこいつ駆除すりゃ良いんだよな!?»

 

そう会話しながらも着実に再戦準備を終えエヴァを立ち上がらせるシンジ、その過程の中ミサトは超高速で脳を使い・・・・・・顔を上げると。

 

「独房行き確定だけど構わないかしら!?」

«つまり数日我慢すりゃいいってこったろ?!»

「よろしい!!あなたのやりたいように殺りなさい!!」

 

---[エヴァ初号機/エントリープラグ内]---

 

「さてさっさと終わらすか、えっとナイフは・・・ラッキーまだある!」

 

そう言ったシンジはナイフを構え敵の接近を待った。

 

(肉を切らせて骨を断つ、これしか思いつかなかったが許可さえあればこっちのもんだ!!)

 

そう思いながら待ち、相手が射程に入り鞭を振るった瞬間。

 

(ここだ!|いけ!!」

 

ナイフを両手に勢い良く突っ込み、あえて脇腹に鞭を通させながら強引にナイフをコアに刺した。

 

くたばれイカ野郎!!

 

そう吐き捨てると同時に一歩前へ踏み出しさらにナイフを押し込むシンジ、その瞬間コアはパキンッと音を立て光を失い、使徒は初号機にもたれる形で絶命した。

 

「・・・・・・ふぅ、終わった。」

 

---<三日後>---[NERV/独房]---

「・・・・・・暇だな〜」

「仕方ないでしょう、独房なんだから」

 

そう呆れ顔で突っ込むミサトの対し「それもそっか」と応えながら壁にもたれるシンジ、かれこれ独房生活三日目となるとさすがに暇なようだ。

 

「しっかしあんたも飽きないねぇ、俺に構ってて良いのかい?仕事は?」

「あとは部下に任せても問題ないから来たのよ、後処理も関しても問題なく行われてるわ。」

「そうかい・・・・・・綾波とやらは?」

「現在病院で入院中、ちょっと前退院したのにまた入院よ。」

 

そう言いながら缶コーヒーを開け中身を飲むミサト、そんな彼女にシンジは「それ遠回しに俺が悪いって言いたいのか?」と言ってくるが、彼女はそれを無視しつつ別の話題を引っ張り出した。

 

「そういえば一緒にいたあの二人、彼らも無事だったわ。」

「そうかい・・・・・・今更だが葛城さんや、俺はNERV(ここ)に強制就職か?」

「・・・・・・多分」

 

シンジの質問に対してミサトは心底申し訳なさそうにそう言う、そんな彼女の答えにシンジは驚きながら言葉をかけた。

 

「へ〜・・・意外だな、もっとはっきりもちろんですとか言うと思ったが。」

「・・・・・・あのね〜、私としては子供を戦地に送るなんて愚行をしたくないのよ、けどエヴァはあなたたちの年齢じゃないと動かせないの。」

「とんだ欠陥兵器だな」

 

シンジがそう言った瞬間、鉄格子の隙間を通ってボールペンが回転しながら彼の額に激突した。

 

「あだっ」

「欠陥兵器で悪かったわね、・・・釈放よサードチルドレン、碇司令がお呼びだわ。」

 

そう言ってペンを投げつけた張本人・・・・・・もとい赤木リツコは解錠し鉄格子をミサトと開けシンジを外に出した。




今回はここまでです、前回よりは早くあげれたかも?

次回はNERV探索です。

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