うたわれるもの 二人の白皇 (願望)   作:rollymarcury

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賛否両論分かれると思いますのでお覚悟。


第三話 

「ふぅ、美味かったぁ。やっぱルルティエの作る料理が一番美味いな。」

「あ、ありがとうございます。」

頬を赤く染めて照れ笑いで返してくれる。

五年経ってるってのに性格の方は昔のまんまなんだな。ちょっと安心したぞ。シスみたいなお嬢様キャラになっていたら相当困っただろうからな。

少し背が伸びたくらいか?

「あの、どうかされましたか?」

「ん、あー悪い。じっと見られてちゃそりゃ戸惑うよな。」

「い、いえ。それは全然。ハクさまに見られて困ることなんて。」

可愛いこと言ってくれるじゃないか。

「じゃあ我慢比べでもするか。どちらかが目を逸らしたら負けってことで。」

「え?ハクさま?….」

じーっとルルティエを見つめる。

やはり愛らしい表情は変わってないよな。

ん?もじもじし出したぞ。

「これは勝負あり──っていだだだだ!」

「ハク?何二人でイチャイチャしてるのかな。」

「いや、これはだな。精神の修行であって決して邪な──があああああああ!」

「勉強になる。」

「クオン様、今邪魔されるのは無粋かと。」

「貴女達はどっちの味方なのかな!」

「言うまでもない。」

「もちろん私達は主様の味方であり性奴隷です。」

「ハクさま、私は信じてますから。」

毎回毎回こんな調子だなぁ。

「料理では負けかもしれないけど、薬なら。。」

「クオンの薬ってあの男料理みたいに作ってる苦いやつのことか?」

「むぅ、ちゃんと美味しいんだから。」

え〜、あれでか??

「おっほん、ハク様そろそろよろしいですか?」

あ、そういやルルティエの家族と食事をしていることをすっかり忘れて完全に身内のノリだった。

「お騒がせしてしまい申し訳ありませぬ。」

またやっちまった。オシュトルで接してた相手にはこうなっちゃうんだよな。

「それはいいんですわ。それよりルルティエを..」

あれ?ルルティエ?涙目だけどどうしたんだ?

「おい!ルルティエ!どうした!」

「ハクさま、もう本当に何処にも行かないって約束してくれますか?やっぱり私、この雰囲気が一番好きです。」

そういえば飯食って騒いでただけで自分のことを話していなかったな。

どこにも行かないって言葉だけじゃ不安だったのかもしれない。

「ああ、自分はもう何処にも行かない。役目は終わったんだ。その代わりに仮面もなくなっちまったから力も失くしたんだけどな。」

「いえ、ハクさまが戻ってきてくれたのなら、ハクさまでいてくれるのなら私はそれだけで…」

「おいおい、寂しいこと言うなよ。これからは一緒だ。自分もルルティエの事は大好きだしな!」

自分の言葉に呼応するかのように満面の笑みが溢れる。

「なぁ、今から一緒に菓子を作らないか?シューが食いたいな。ルルティエと菓子を作るってのも久しぶりだしそれに自分はあの時間が好きなんだ。」

「….」

「ルルティエ?」

「….です。」

「え?」

「好き…です。ハクさま。」

「あっ。」

「ようやく、言えました。私の気持ちを。」

「ルルティエ…」

「でもいいんです。私は本当にハクさまがいてくれるだけで…」

その場の空気が重くなる。

そして──

厨房で二人きりにされ──

き、気まずい!

どうすればいいんだ?

双子達が茶化してくれなかったら返答に窮して絶対ルルティエの方から諦めの言葉を掛けてくるところだった。

自分は拒絶できなかった。

自分はルルティエのことも愛おしく感じてしまう。

「それはダメだろ…」

「え?」

「あ!いや!なんでもない。本当になんでもないぞ!」

うーん、どうすればいい。何か、何か会話を!

ルルも作るか?いや!これ以上二人っきりにされたら空気で死ぬ!

「あの、本当に気にしないでください。私は気持ちに整理をつけたかっただけですから。何も言わないで…」

ダメだ。このままじゃ。

「ごめんな、ルルティエ。ルルティエにも辛い思いをさせたってのにこんな体たらくじゃダメだ。」

自分は、

「自分は、ルルティエの事が好きだ。だが、クオンも好きだし、ウルゥルとサラァナの事も好きなんだ。優柔不断って思われるのも仕方ない。いつから心境が変化してしまったのか。実は自分にもわかってないんだ。だから今は──」

こめかみにキスをする。

「これが自分の気持ちだ。まだ気持ちの整理がついていないから時間はかかるかもしれない。だがルルティエを傷付けるようなことは絶対にしないと誓う。」

「ふふっ…もう傷付けられちゃいましたよ。」

ルルティエは少し悲しそうな顔で言った。

「いや本当に悪いと思ってるんだ。」

「もう私は大丈夫ですから、ハクさま。

ただ側にいさせてください。」

「あ、ああ。」

少し戸惑いつつも女性は強いんだなと思ってしまう。それに対して自分は。

本当にどうしちまったんだ?ルルティエの事はとても好きだった。だが恋愛感情にまで行くことはなかった。

それがどうして──

「ハクさま、シューが出来ましたから皆さまを呼んで来てください。」

「あ、あぁわかった。」

 

 

ハクさまが部屋を出て行くのを見届けながら、一人呟く。

「ハクさまは女心というものが未だにわかっていないのですね。」

相変わらずだなと少し笑ってしまう。

「私、嬉しかったんです。嬉しいと思ってしまったんです。」

ハクさまにはクオンさまがいることは痛いほど身に沁みていた。

でも今になってこんなことをするなんて。

おでこに口づけをされた時に気づいてしまった。

ハクさまは本当に私のことも愛してくれているのだと。

「本気になっちゃいますからね、ハクさま。」

いけないことだと分かってるつもりでも体はとても火照っていた。

 

 

 

ハクが扉の方に向かって近づいてきたのに気づいてバレないようにかつ迅速に部屋に戻る。

「本当は聞くつもりなんてなかったんだけどな。」

今二人っきりにさせちゃ悪いかと思って扉を開けようとした時、聞こえてしまった。

ハクが、ルルティエと…

「おい、クオン?シューが出来たぞ。」

「う、うん!わかった!今行くから!外で待ってて!」

「って、おい、ちょ、そんな押すなって。」

少し気持ちを落ち着かせよう。

私はルルティエの事も親友だと思ってる。

「嫉妬」

「それは嫉妬です。クオン様。」

「うわあ!貴女達いつからいたの!?」

「とても分かる。」

「その気持ちは私達の方が多く経験していると思います。」

「これが….嫉妬?」

私はルルティエに嫉妬していたんだ。

ルルティエは悪くない。彼女はただ気持ちを伝えただけ。

「これはハクにお仕置きが必要かな。」

今はお菓子を食べて頭を落ち着かせよう。

 

 

 

多い方がいいだろうと思ってヤシュマさんやシス、そしてオーゼンさん達大家族も呼びに行った。

「これがシューですのね。食感が不思議な食べ物ですわ。」

「確かに不思議だな。だが何個でも食べられる。」

「「クオン殿!フミルィル様はいらっしゃらないのですか!」」

「い、いやー今回は連れて来てないかな。」

アハハと笑いながら答えるクオン。

一気に場が賑やかとなった。

昔は研究所に篭もりきりで兄貴やホノカさん、チィちゃんぐらいとしか関わっていなかったから最初は疲れるだけだったが、今はこの喧騒が心地良い。

「ハク、食べてる?」

「あ、あぁ、食ってるぞ。」

「どうかしたのかな?」

少し不思議そうに尋ねてくる。

「いや、このわちゃわちゃ感が心地良くってな。

やっぱり人生賑やかなのが一番だ。」

「そっか。ねぇハク。」

クオンのやつ辺りをそわそわしながら見回してどうしたんだ?

「なん── んぅ!?」

唇を塞がれる。

「これで帳消しね。」

なんだ?帳消し?

帳消しでキス…っていうとまさか見られてたのか?

それならクオンの部屋に入った時のあの慌て様も納得できる。

「ク、クオン?」

「今はこれで十分だから。だから、整理がついたらちゃんと話してね?」

そして確信に至る。クオンはあの現場を見ていたのだと。

「ほら、食べよハク!すぐに無くなっちゃうから!」

今はじっくり考えよう。自分のことを。みんなのことを。

なんたって自分自身が一番困惑しているのだから──

 

 

 

夕食の時間の後、自分はクオンを呼び出した。

「なぁ、クオン話をしたいんだが。」

「整理はし終わったの?」

声のトーンで気づいたのだろういきなり核心を突いてきた。

「まぁ、大体はな。」

「じゃあ聞かせて?」

「自分は皆のことが好きみたいだ。おそらくこれはウィツァルネミテアの契約による代償なのだとウルゥルとサラァナが教えてくれた。」

「女の人全員を愛おしく思うことが代償ってこと?」

少し怪訝な顔で訊いてきた。

「いや、正確には自分が今までにとても好意を抱いていた女性限定らしい。例えば好意を抱いていたとしてもそれには友愛とかもあるだろ?」

「その友愛を全て恋愛に変えてしまったらしい。」

見る目がどんどん冷ややかになっていく。

ま、まずい!

「けど、今の自分は彼女らのことを愛おしいと感じている。そういった関係になれば全員のためにだって頑張れる。」

これまで日々を共にしてきた仲間たちの顔が浮かんでいく。

「生半可な覚悟は持っていない。それだけ今の自分は彼女たちを愛してるんだ。」

前に乗り出して何をする気だ!?

「その彼女たちに私もいるの?」

「え?あ、あぁ。もちろんだ。クオンのことも自分にとっては大切で一緒に生きていきたい恋人だ。だから皆に優劣をつけることはできない。それは彼女たちにも悪い。もちろんクオンにとってもだ。」

「….」

呆れられても仕方ないか。

言ってる本人だって納得できてないんだ。

これは理屈なんかじゃ到底説明できない。

恋愛感情だ。

「わかったかな。」

もうダメか。

「ただ一つだけ約束して?目の前にいる女の子と二人きりの時だけはその子を一番にしてあげて?」

「あ、あぁ。クオンがそれで良いと言ってくれるのなら自分は一生懸命に愛する。」

「じゃあ、ハク。ん」

クオンが目を瞑る。

「愛している、クオン。」

その瑞々しい唇に吸いつかれるようにキスをする。

「んっ…はぁ、ハク、私もね皆のことは大好きだし幸せにもなってもらいたい。悲しむ顔を見るのは嫌。だから皆を悲しませないでね?」

「あぁ、絶対に幸せにしてみせる。クオンもな。」

再びキスを交わす。

その日は誰も邪魔が入らなかった──

 




これが私の限界です。
皆さまごめんなさい!
終わるとかではないので引き続き読んでくれる方もいてくれると嬉しいです。
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