音速の追跡者   作:魔女っ子アルト姫

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第64話

「失礼します」

「おおっ~チェイス~!!!」

 

カノープスの部室へと顔を出したチェイス、そんな彼女を最早同じチームメイトとして迎え入れていくツインターボ。彼女に限った話ではないが、チームを率いる立場である南坂トレーナーもカノープスの一員に近い認識になっているのもあれな話である。

 

「島根から帰ってきましたのでご挨拶をと、此方天倉巻やその他のお土産です」

「や~や~これはどうもどうも、ネイチャさんも天倉巻気に入っちゃってさ自作してみたんだけどなんか違うんだよねぇ……今度作り方教えて貰ってもいい?」

「勿論です」

「ターボも!!ターボも手伝う!!」

「あ~はいはい有難うね、んでチェイスはお土産くれに来てくれたの?」

「いえ、本題は此方です」

 

そう言いながら取り出したのは小さな箱、その箱をテーブルの上に置きながらもそれをゆっくりと開けた。そこにあったのを見て目を煌かせるツインターボ、何故ならば其処にはチェイスが送って来た画像と全く同じ物がそこにあった。マッハドライバー蒼炎とシフトツインターボ、ツインターボ専用のドライバーとシフトカーである。

 

「これが以前チェイスさんから送られて来た画像の……」

「ターボの専用のドライバーだね!」

「チェイス、これ本当に、えっ本当にターボのだよね……!?」

「はい。クリム父さんがターボ先輩に合うように調整した専用仕様です」

 

蒼く塗装されたマッハドライバーにツインターボのオッドアイの瞳に合わせたようにカラーリングされたシフトカー、正しく専用仕様の変身セットにツインターボの喜びは天元突破しそうになっている。

 

「チェイスゥゥゥ本当に有難う~!!!」

「まだですよ、先ずは変身しないと」

「ハッ確かにそうだ!!じゃあすぐに、直ぐに変身する!!」

 

と今直ぐにとドライバーとシフトカーを手に取るのだが―――南坂トレーナーに流石に部室内では勘弁してくださいと言われたので外でやる事になった。

 

「おや、チェイスじゃないか。島根から帰って来たのか?」

「ルドルフ会長、はい戻ってきました。お土産は後程生徒会室までお持ち致します」

「それは有難いな」

 

部室から出ると直ぐに鉢合わせたのはまさかのシンボリルドルフであった。何をしているのかと聞いてみると今年も多くのウマ娘が入学し、各チームに多くの新人が入っているので必要によっては部室の改築や新設チームの為の新しい部室などを作らなければいけないのでその最終チェックと気分転換代わりの見回りをしていたとの事。

 

「そだ!!カイチョーもターボの変身見てってよ、これチェイスのお父さんがターボの為に作ってくれたんだぞ!!」

「ほう……噂に聞くマッハドライバー、という奴だな。興味深いな、私も見学させて貰ってもいいかな?」

「いいよねトレーナー!?」

「ええ、私はターボさんさえ良ければ」

 

実はシンボリルドルフもドライバーは良いなぁと思っていたらしく、許可さえ下りたら真っ先に申し込みをしようと思っているらしい。

 

「えっとまずはドライバーを腰に押し当てるっと……おおっ!?自動で巻き付いた、しかも全然苦しくない!!」

「随分とハイテクだな……うむ、ハイテクな技術が入ってくるな」

「今のはハイテクと入ってくるを掛けた大変面白いギャグです」

 

即座にその返しをするチェイスに一瞬、その場が凍りそうになるのだがツボに入ったのか笑いを押し殺しきれずに爆笑するナイスネイチャに生徒会長様は一瞬で調子が三段階ほど上昇したかのようなキラメキを纏って行くのだが、それは一旦放置して解説を進める。

 

「そして先輩の場合はサイドカーのような作りになってますのでバイク部分を折りたたむようにして嵌め込んでください」

「えっと……こうかな?」

「あっなんかいい感じじゃない?」

「それで次は」

「ドライバーの一部をスライドさせ、そこへシフトカーを入れてください」

 

 

シグナルバイクシフトカー!!

 

 

「おおっ!?なんか凄いカッコいいのが流れ始めた!!」

 

装填と同時に鳴り響き始める待機音声、これもデッドヒートの物でチェイスが頑張って再現した物。好評なようで良かったと胸を撫で下ろす。

 

「そしてそのまま完全にシフトカーをドライバーに収めてください、そして変身の言葉の音声を認識させればOKです」

「分かったぞチェイス!!それじゃあ行っくぞぉぉ……変身!!」

 

 

ツインッターボ!!

 

 

以前見たチェイスの変身を参考にしつつも勢いよく回転した後に右腕を思いっきり回してからの決めポーズと共に唱えられた言葉。直後にツインターボの周囲の三つの光の輪が取り囲む。頭と脚にあった光は胸の前にあった光へと徐々に近づいていき、一つになったと思ったら光は二つの光輪へと分裂すると二つのエンジンのように激しく回転しながらツインターボへと融合するかのようにぶつかる。直後に光は消えてそこには勝負服姿へと変わっているツインターボの姿があった。

 

「ッッッ……これ超カッコいい……!!超カッコいい、超カッコいいよチェイスこれ!!ねえねえねえもう一回やっていいっねえねえいいでしょ良いでしょ!!?」

「はいそれはもうターボ先輩の物ですので」

「やったぁぁぁ!!」

 

とテンションが超上がっているツインターボは解除の仕方を教わると早速変身解除、そしてまた変身する。その繰り返しをし始める。

 

「凄いターボ、凄いカッコいいよこれ!!」

「―――私も使ってみたいです」

「イクノ目が凄い光ってるよ、まあ私も使ってみたいのは同じだけどね」

「チェイス本当に有難うぉぉぉぉお!!!最高の後輩だよチェイスはぁぁぁぁ!!!」

 

抱き着きながらも大粒の涙を流して喜ぶツインターボにチェイスは少し困りつつも光栄だと言いながらも何とか泣き止ませようと努力する。そんな姿を見たシンボリルドルフはまるでトウカイテイオーのようなツインターボの姿を見て自分とチェイスは似ているなと思いながら微笑んだ。

 

「トレーナー、これテイオーに自慢して来ていい!!?いいよね絶対に良いよね、答えは聞いてない!!」

「構いませんので話は聞いて……ってターボさん!?」

「あ~大丈夫だトレーナー、私が連れて来るから」

 

と駆けていくツインターボを追いかけていくナイスネイチャ、だがチェイスもチェイスで此処まで喜ばれるとは思いもしなかった。何時の日か、ライダーシステムが勝負服の要になる日が来るかもしれない……。




ターボの変身。イメージ的にはタイプ:トライドロンへの変身が一番近い、変身の光がタイヤになって装着されるトライドロン。光が二つの光に分裂して勝負服になるツインターボ……みたいな。まあそんなイメージで。

尚、この後ターボが盛大に自慢してくれたおかげでテイオーからも使いたいという有難くも熱烈な要望が届いた。
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