音速の追跡者   作:魔女っ子アルト姫

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第65話

「ハァァァァッッッ……」

「え、えっと大丈夫チェイスちゃん。なんだか疲れてるみたいだけど……ライスのハンバーグ一つ上げようか?」

「ああいえ大丈夫です、なんかすいません……」

 

昼食時、チェイスはお気に入りの鯖の味噌煮を頼んで食べようとしていたのだが……如何にも疲れているのか箸が進まずに隣に座っていたライスシャワーに心配されてしまった。別段身体に疲れがあるという訳ではないのだが……何方かと言えば精神的に少し疲れているというべきなのだろう。その疲労の原因は―――敬愛するツインターボ先輩であった。

 

「ライスさんも聞いてるかもしれませんが、ターボ先輩がマッハドライバーを本当に気に入ってしまったらしくて……」

「ああ、ライスも聞いたよ。ずっと付けてて休み時間もチェイスちゃんみたいにカッコよく変身する為に練習してるんでしょ?」

「らしいです……如何やらそれが他の先輩方の目にも止まったようで……」

「ああっ……」

 

 

「いざっ……MAXターボ変身―――トォッ!!」

 

ツインッターボ!!

 

『カッコいい~!!』

「良いでしょ~!?」

 

 

「そんな感じに宣伝してくれたのは良いんですが……ターボ先輩がご丁寧に私の手元にある予備のドライバーがあるという事まで話してしまって……是非譲ってほしいという話が来てしまって……」

「た、大変だね……」

「大変ですよ……」

 

確かに予備のドライバーは幾つか存在する、だがそれだけあっても変身出来ない。一応シフトカーやらもクリムから預かっている、というかこういった事態を想定して無理をして作ってくれた事には心からの感謝を捧げる。一応シフトカーにデータを入力して勝負服をスキャンさせれば使えるようにはなる―――が、如何せん数に限りがあるのである。

 

「一応父が無理して数は用意してくれたんですがそれでも多くは配れませんから……というか、ターボ先輩に渡したのだって言うなれば感想とか使って不具合とかないかを確かめるに近いんですよ」

「それならいっぱいの人に使って貰ったら……あっそっか取り合いになっちゃう」

「はい、誰に渡したらいいのか……」

 

それはまあ色んな方々がドライバーの希望を出してきている。身近な所ではスピカのトウカイテイオーにウオッカ、他にもウイニングチケットにビワハヤヒデ、他にはドライバーを基にして女子向けアニメのプリンセス☆ファイター通称プリファイの変身アイテムを作って欲しいという要望を出してきたカワカミプリンセス……もう素直に頭が痛くなってくる。

 

「す、凄い名前ばっかり上がるね……」

「まあマシなのはビワハヤヒデ先輩ですかね……」

 

『マッハチェイサー、済まないが私にも例のドライバーを見せて貰う事は可能だろうか』

『えっ見るだけ、ですか?』

『まあ欲しくないかと言われたら素直に首を縦に振るだろうが、純粋に興味深いのでな―――一つ聞きたい、この髪をそのドライバーで何とか出来たりするだろうか』

『……えっと……父さんに相談してみますね』

『有難い……!!』

 

ビワハヤヒデは何方かと言えば自分の髪の毛を何とか出来るのでは!?という期待の現れであった。兎も角、クリムとハーレー博士に相談する事は決まった。完全に何とかする事は出来ないが、自分の髪で窒息する事が無くなる位には髪を纏められる安眠キャップが後日ビワハヤヒデに送られて、涙を流して感謝されたチェイスが居た。

 

その先輩を除外したとしても希望者が多いというのが悩みなのだが……尚その中には確りとハリケーンも存在しており、サクラバクシンオーと共に変身して桜吹雪を驀進的な勢いで広めるとか何とかいってたような気がする。同室なので非常に煩い。

 

「もういっその事ライスさん使います?」

「ふえっ!?ラ、ライスが使うの!?え、えっと嬉しいけどライスは自分で勝負服着るの好きだから大丈夫だよ?ああでも違うよ!?使うのが嫌な訳じゃないよ!?」

「その位分かりますよライスさん」

 

最初こそ少し考えていたが断りを入れつつチェイスの気を悪くしてしまったのでは!?と思って大慌てて訂正する姿に思わず愛らしさを感じて思わずキュンと来る。なんだろう、こんな妹が欲しかった……と心から思うと同時に彼女は高等部で自分の先輩なんだよな……と思い直す。

 

「お隣失礼しますチェイスさん」

「ブルボンさん」

 

そんな話をしている最中にやって来たのは未だに一緒に居るとどっちがどっちだっけと言われてしまうミホノブルボンだった。特に新入生には姉妹やら分身の術やら言われたりしている。

 

「チェイスさん、あの変身を近くで見る事は可能でしょうか」

「えっともしかしてブルボンさんも……」

「はい、是非使用してみたいと思っております」

 

心なしか彼女の瞳は輝いているように見えた、意外にもそういう方面に理解があるのだろうか……まあ勝負服的にはミホノブルボンが一番ドライバーがあっているような気がしなくもないとチェイスも思ってはいた。

 

「えっと……ブルボンさんなら私の奴が何とか行けるのかな……分からないですけど、出来たとしても私の勝負服になっちゃいますが」

「大丈夫です、私は気にしません」

「着てみたいんだねブルボンさん……」

「はい、マスターもあれはロマンだと言っておられました」

 

如何やら彼女のトレーナーも其方には明るいらしい。

 

「えっと……取り敢えず、父さんにもう少し数送れないか相談してみます……」

「是非お願いします」

「え、えっと早くご飯食べちゃお?もう直ぐ鐘なっちゃうよ?」

「「そうですね、そうしましょう」」

 

即座に異口同音になるチェイスとミホノブルボンを見て、思わず微笑んでしまうライスシャワーであった。

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