永琳「まぁ、作者が小説始めた後に調べ出したから変な部分が生じてしまってるのよ。ちなみにこの小説だとこんな流れになってるわ」
【遥か太古の時代】……イザナギとイザナミが日本周辺に大地を生み出す。ちなみに実際の設定だとイザナギの大地創造はもっと後。
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【生物誕生の6000万年後】……あらゆる生物が誕生し始める。この後は化石で有名な生物や恐竜が誕生し、人間は更に数億年後に登場。
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……~~ 省略 ~~……
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【現代より約1万年前】……満希、タイムスリップ(?)。この時点で人間の科学力は現代より遥かに上回っている。
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【約9970年前】……都の全市民の月移住。都の大爆発により、人間の科学文化は振りだしの0へと逆戻り。
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【約2400年前】……満希、土の中から復活。洩矢諏訪子と出会う。←今ここ
永琳「…と言った具合ね。今から2400年前は紀元前400年だから、現状の満希がいる時代は縄文時代後半といった辺りかしら。ちなみにこの辺りで世界で鉄が利用され始めてるから、洩矢神の武器の事を考慮してこれに合わせたそうよ。もっとも、日本への鉄の伝来は紀元前300年らしいけれどね」
満希「俺って7000年以上土の中にいたのか……化石じゃねーか」
永琳「化石にはもっと時間が要るわよ。…とまぁこんな曖昧な設定だけれど、あまり深く考えずに、展開の流れに身を任せて読んで貰えればそれでいいわ」
満希「つまり、こまけぇこたぁいいんだよ!って事で。読んで貰えてるってだけでもありがたいし」
【要約】
・満希の体感年齢:約7500歳
・時間軸:??? 魔王様「気にするな!」
※満希の目覚めの時期が600年ほど変更されました。
「さぁ、上がって上がって!すぐにお茶入れてくるから適当にくつろいでてよ」
妖怪に襲われていた村の女の子を助け、近くの村へ送った俺は、案内されるがままに村の近くにある小さな山の社へと案内された。社といっても随分と広めで、奥には居住の為のスペースがあったりと中々に豪華な印象を感じる。
俺を案内してくれた金髪の女の子…名前を洩矢諏訪子というらしい。
諏訪子は俺を社の奥にある居間らしき部屋へ連れてくると、そのまま一人で奥の部屋へと言ってしまった。
お茶を用意してくれるらしいんだが、別にそこまで気を遣わなくてもいいのに……と言おうとしたが、既に諏訪子の姿は見えなくなってしまった。やれやれ…慌ただしい子だな。
「ふ~ん……中は結構広いんだな。余計なものがあんまり無いって言うのもあるんだろうけど」
改めて、俺は部屋の中を観察するように見回してみる。
中は箪笥にちゃぶ台、布団に数個の置物と数える程度しか物が置かれていない。そしてその全ての家具が木製であり、都にいた頃の部屋と比べると都会と田舎並み…いやそれ以上の違いがある。
思わず今の時間が知りたいと思って時計を探してみるが、どこにもそれらしいものは無い。
「お待たせ~…あれ?どうかしたの満希?」
「ああ、いやなんでもない」
そうこうしている内に諏訪湖が両手に湯呑みを持って来たので、俺はジロジロと部屋を見る事を止める。
「はーい、どうぞ」
「ありがとな」
諏訪子からお茶を手渡されると、俺はそれを受け取ってゴクリと一服。うん、うまい。やっぱりお茶は飲むと落ち着くな。
「さて…それじゃあ満希、何個か質問したい事があるんだけどいいかな?」
「あ、待った。もう一杯だけ飲ませて」
「あれ?そんなに美味しかった?」
「ああ、久しぶりに飲んだからかな、良い味だった。というわけでもう一杯」
「うんうん、好評で何より!…だが断る」
「ウェ!?」
なぜ断られたし。
「そこは普通に『ああ、いいぞ』って言って話を進めるとこでしょ。それに今から進める話はお茶一杯で遮るような内容じゃないからね。という訳でちょっと我慢して」
「むぅ…まぁ、それなら仕方ないか」
美味かったのに、残念。
とまぁそれはさておき、諏訪子も俺が質問を受ける準備が整ったとみると、早速話を進め出す。
「じゃあまず一つ目の質問だよ。満希は一体どこからやってきたの?」
うーむ、いきなり答えにくい質問がやってきたな…。
別の時代もしくは未来からやってきました?…これだと頭の心配されそうだな。
じゃあ都から?…都なんて無かった。
それなら土の中から?……答えた瞬間、翌日の俺のあだ名が『虫』に認定されそうだ。
「う~ん……スマン、ちょっと答えるのが難しそうだ。ただ諏訪子にとって都合が悪いような場所から来たって言うことは無いから、そこは安心して欲しい」
「ふーん……ま、答え辛いならしょうがないか」
意外にもすんなりと納得してくれた諏訪子。俺を疑っている様子も無いようだし、こんな所で腹の探り合いをする意味も器量も無いので非常に助かる。
「それじゃあ次の質問にいくよ?どうして満希は神具を二つも持ってるの?」
「神具?」
「それだよ、腕輪と指輪。しかもどっちもかなり強力な神力で作られてるし…一体どこの神から貰ったのさ?」
諏訪子が指を指して示してきたのは、俺の左手首に付けられた銀と朱の腕輪もといブレスレットと右手の中指に填められた黒の指輪。
というかこれって神具って言うのか。コノハもカグツチも説明してくれなかったから今初めて知ったような気がする。
「こっちのブレ…腕輪の方はコノハ…じゃ伝わらないか、コノハナサクヤから貰ったんだ」
「コノハナサクヤって…あのコノハナサクヤ姫?なんでそんな偉い人から貰ってるのさ…」
「っ?もしかして…あいつと知り合いなのか?」
「知り合いって言うか、わたしが一方的に知ってるだけなんだけどね。何せあの人は高天原から最近富士の山に降り立ったことで有名な神様だからね~」
「高天原?」
「ありゃ?高天原を知らないの?私たちみたいにこの大地から生まれた神々の上位に立つ神々たちが住んでる場所で、中には地上の神の産みの親なんかもいるって話なんだけど…神具を持っておいて何で高天原を知らないの?」
「いや、俺に言われても……」
だって土の中にいたし、真逆の天の事なんて今初めて知らされたんだもの。
それにしても高天原、か……。もしかして月の事を指してるんだろうか?確かコノハの奴も月に行ってる筈だし、そこからこっちに来てると考えたら辻褄が合う。
というかアイツ、こっちに戻ってきてたのか…折角だし、身の回りが落ち着いたら顔見せでもしておくかな?
「まぁいっか。じゃあそっちの指輪は誰から貰ったの?」
「指輪の方か…これはカグツチからだな」
「カ、カグツチィ!?」
カグツチの名を聞いた途端、急にオーバーなくらいに驚いて見せた諏訪子。
あれ?何か帽子の目玉も若干目が見開いてるような…気のせいか?
「カグツチ…いやカグツチ様って言ったら、創造神のイザナギ様とイザナミ様の実子にして高天原の中でも最大級の地位に立ってるようなお方だよ!?何でそんなすんごい偉い人と知り合いなのさ!?」
「へぇ…あいつも立派になったもんだな…」
「しかも昔から知ってるようなそぶりだし!?満希って人間だよね!?」
「ああ、もちろん人間だぞ?ただ自分でも分からんが、寿命とかで死ぬことは無くなってるんだけどな」
「とりあえず満希、それは人間って言わないから」
「えっ」
いや、俺は人間のつもりなんだけども。やっぱり寿命の有り無しでそうなってしまうもんだろうか。
そういえば不老不死の人って仙人って言われてる事もあるんだっけか。今度からそっちを名乗るべきか。あ、でも俺って仙道みたいなことやってないし全然知りもしないし…むむむ。
「はぁ……なんだか質問するたびにわけわかんない存在になっていくよね、満希って」
「失礼な」
「だって出身不明、神具を二つ持ち、すごく偉い神様と知り合い、相当長生き、おまけに不老……ちょっと質問しただけでこれだよ?」
「…ゴメン、自分でもこれは訳分からんって思うわ」
なんか改めて自分の事を振り返って見ると、俺って相当人間やめてるんだな…。オレ的には普通に過ごしてただけなんだけど。
「それじゃあ次の質問ね?趣味とかってあるの?」
「大分質問の方向変わったな」
「だってこれ以上正体を掘り下げようとしても意味ないと思うし。なんだか満希って自分の事を完全に理解してない感じだし」
「む…それを言われると否定出来ない感じが…」
「でしょでしょ?はい、それじゃあ質問の回答をどうぞ!」
「はいはい」
といった具合に話が進み、俺は諏訪子の質問に次々と答え始めていく。
ちなみに趣味は家事炊事、後は昔の馴染みで釣りとかキャンプとかレジャー系の遊びが好きだな。
「もしかして能力持ちだったりする?」
「ああ、『火と熱を操る程度の能力』って言うんだ」
「へぇ~、あ、ちなみにわたしは『坤を創造する程度の能力』っていうのを持ってるんだよ。簡単に言うと、大地に関係する事なら大抵は生み出せるし、操れるって感じで」
「やだ…俺の能力、しょぼすぎ…?」
「どうして髪を曲げてるの?」
「くせ毛だからしゃーないの」
「凄い神様と知り合いって事は…もしかしてわたしより偉かったり強かったりするの?」
「それはないな」
「質問と回答の間に殆ど間が無かったよ!」
「…自分でも空しくなる即答っぷりだったよ」
「これから満希はどうするの?何かやらないといけない事ってある?」
「やるべきこと?うーん……いや、特に無いな」
「それじゃあこれから宜しくね!」
「おう」
…………………
「…えっ?」
いや、なんだか今スルーしてはいけないくらい重要な事を素通りさせていこうとしたよな。
え、これから宜しく?………え?
「なんで宜しく?」
「だってやることないんなら別に行くところも無いんでしょ?だったらわたしの所でゆっくりしていってよ♪」
「ああ、そう言う事……いや待て待て」
それでもちょっと流れがオカシイだろ。
俺と諏訪子は今日会ったばっかりなんだぞ。流石に会って間も無い奴を迎え入れるなんて無防備にもほどがあるんじゃないか?
いや、待てよ…?
(まさか諏訪子、俺を危険な奴として監視するつもりなんじゃないか…?)
その可能性は大いにあり得る。これまでの質問の結果を顧みる限り、俺がどんだけ怪しい人物かという事が本人でもそう思う位明らかになっている。そんな奴を野放しにするというのは、神として放っておくことは出来ないんじゃないか?
うーむ…そう考えると厄介だな。これからどう切り抜けていくか、なんて物騒な事考えなければいけないし…。
「いいのか?そんなアッサリと」
「うん、だって満希って面白そうだし色んな話も聴けるだろうから退屈し無さそうだもん!わたしの領地に住んでもいい代わりに、色々と話を聞かせてね♪」
といって、満面の笑みを俺に向けてきた諏訪子。
あれ?何だか全然警戒されてないような気がするだけども…
「それじゃあ、家とかも建てないとね~。やっぱり村の中に合った方が自然だし、満希も知り合いが出来やすくて安心するかな?」
「えっ、この近くとかじゃなくてか?」
「あれ?社の近くが良かったの?わたしは満希が望む場所に家を建ててあげるけど…」
「あ…じゃあ村の中で」
「は~い」
あ、これ監視とか全然関係ありませんわ。普通にご厚意で泊めてくれるつもりですわコレ。
うわぁ…監視がどうこう思ってた自分が憎い、捻くれた疑念を持っていた自分が憎すぎる。訴訟も辞さない。
「それじゃあ思い立ったが吉日、早速村の人に家づくりを手伝ってもらお~!」
「あ、おいちょっと諏訪子!そんな簡単に居住って許されるっけ!?」
「満希は村の子を助けてるからだいじょーぶだって!それに領地を管理するわたしが許してるんだからいいの!ほら、そんなことはいいからいくよー!」
そう言って諏訪子は元気いっぱいの様子で社を飛び出すと、村へ向かって一直線に飛んでいった。そう言えばまた演技するんだよな、あの子……大変そうだ。
というか諏訪子よ…こういうのはもうちょっと段階をしっかり踏んでから進めるようなものだと俺は思うんだがね。
「まぁ、受ける身としては助かるのは確かなんだけどな…」
はぁ、と小さく溜め息が零れる。
しかし折角の厚意を無碍に払う事は今さら出来ないし、諏訪子の言うとおり今の俺にはこれといった目的も無いからこういう自分の身を置くことが出来る申し出は正直に有難い。
――それなら、ここで見つけてみようかな。…俺のこれからを
俺はそんな決意を密かに胸に忍ばせつつ、先に村へ向かって飛んでいった諏訪子を追いかけるべく社を出て、彼女の後に続いた。
………走って。
「あれ?何で走ってるの?」
「なんで飛んでるんだよ!?」
というか最初に会った時も飛んでたよこの子。
俺、突っこむの遅っ!
――終
恒例のたった一話で居住オッケーイベントでしたとさ。まぁ警戒心とか信頼度を考慮して引き延ばしにしてもくどくなるかと思いますしね(´・ω・)
他の方の小説を見ても、その辺りをしっかり書いておられる作者様もいらっしゃるし…私ももっと精進せねばなりませんね。