東方光照譚―その手を差し伸べる―    作:たいお

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メリー「えっと、小説を読むときは部屋を明るくして、画面から目を離してみるようにしてね。……ねぇ満希くん、こういうのって蓮子のほうが向いてるんじゃない?」
満希「既出だから」




第1章―目覚める時―
第1話 邂逅と覚醒 


「……ぅ」

 

 気が付いた時には視界が真っ黒だった。

 いや、これ目を瞑ってるんだな。というかそれくらい自分で早く気付くだろ…。まぁそれはそれとして。

 

 俺は閉じていた瞼を重々しく感じながらも開いて視界を広げ始める。

 

「…あ~、まぶし」

 

 思わず独り言を呟いてしまうくらいの眩しさが俺の眼に入ってくる。

 

 まぁ太陽があるってことは転機は晴れてるって事だよな。雨じゃなくて良かった、身体濡れるの嫌だし。

 …あれ?晴れって事は、俺今外にいるんだよな?何で外で寝てたんだ?

 俺、寝る前に何してたんだっけ?

 確か蓮子とメリーを連れて3人で買い物に行って、帰りがけにコンビニに寄る事になって、それで…

 

 

 

 それで…………っ!!

 

「そうだっ!俺、トラックに跳ねられて…!」

 

 遅れながらも、思い出した。

 目が覚める前に俺の身に何が起こったのかを。

 

 俺はガバッ、と寝起きとは思えない程勢いよくその場から起き上がった。手とか服とかに草がちょっとついてるけどそんな事は今はどうでも……

 

「…え?」

 

 ……草?

 

 あれ?俺って確か道路で倒れてたよな?ハッキリ見ちゃいないけど、倒れてた時のあの感覚はコンクリートのものだったし。

 

「……え?」

 

 視界も段々とハッキリしてきた俺は、少量の草が付いた服や手を見やる。 

 

「………え?」

 

 そして視線を上げて周りの景色を見てみると…

 遠くに森や山が存在する、壮大な広さの草原がそこにはあった。

 

 

 

「……ここ、どこ?」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 見知らぬ草原。

 

 俺は当ても無く、その中を重い足取りで進んでいた。正直、こんな訳の分からん状況でも普段通りのペースで歩けるわけがない。こんな時でも軽やかな足取りが出来る奴がいのなら是非見てみたい。

 ……と思ったら、身内に一人いたな。あいつならやりかねん。

 

 それにしても、蓮子やメリーの姿が全然見えない。それどころか人の姿がまるで見当たらない。

 というか、本当に此処は何処なんだ?さっきまで俺は街の中にいたはずなのに…もしかしてこれって。

 

「…天国?」

 

 そう言えばオレ車にはねられたんだし、死んでもおかしくないだろ。

 そう思い、俺は自分の太ももを抓ってみた。八女とかよかったと思うくらい痛かった。完全に加減を間違えてしまったのは内緒だ。

 

 という事はこれは夢ってことか。

 

 ……あ、違う。痛いという頃は夢じゃないって事か。

 

「いや、もしかしたら痛覚のある夢かも……」

 

 キリがないわ。まぁ一人漫才も空しいのでその辺りにしとこうか。

 しかし本当に此処は夢じゃないのか…そういえば、俺の服って何で学校の制服なんだ?あのときは休日だったし、着てたのは私服のはずだったのに…

 

 やばい、非現実的な出来事が多すぎてどうすればいいのか全然分からん。

 せめて誰か人に出会えればな…ここまでの過程は分からないだろうけど、今いるこの場所くらいは分かるようになるはずだ。

 

「(誰でもいいから人に会えますよーに)」

 

 そんな淡い期待を胸に抱きつつ、俺は気持ちを切り替えて歩く速度をいつも通りにしていこうとした。

 

 

 

「おい、そこの人間」

 

 思考に集中していたせいで周囲の変化が分からなかったのだろう、いつの間にか誰かが自分の後ろ辺りにいる事を声のする方向から察すことが出来た。

 第一村人発見!と内心喜びながら俺は声を掛けてきた人物の方へと体を向ける。

 

 

 

 しかし、俺の想像を遥か斜めに行く光景が、俺の眼前にあった。

 

 3mはあるであろう巨大な肉体。

 人間とは思えない、獣で例えるなら猪に似た頭部に鋭い牙と紅い眼。

 全身を覆う茶色の体毛。

 其処らの包丁よりもよっぽど切れ味が良さそうな、鋭利な爪

 

 

 

 

 

 ――人間じゃない。

 

 

 

 俺がその答えに辿り着くのに、殆ど時間が掛からなかった。

 そしてその答えを導いた瞬間、俺の身体から嫌な汗が噴き出すのを感じた。

 

「都から離れたこの地で何をしている」

「あ…な……」

 

 眼前の化け物は、俺の動揺などお構いも無しに問いかけてくる。

 胸の内に渦巻く色々な感情が邪魔をし、俺の口を上手く動かしてくれない。

 

「まあいい。人間は全て……食い尽くすまで!」

 

 そう言うと、猪の化け物は俺に向かって巨腕の先に付けられた鋭い爪を俺に向かって振り下ろしてきた。

 

「っ!?」

 

 命の危機を直感的に感じた俺は地面を蹴ってその場から離れる。

 俺の居た場所は、ゴウッ、と空を切る音と共に化け物の腕が通り過ぎて行った。もしあのまま佇んでたら、本気でヤバかった。

 

「な、なにすんだ!危ないだろうが!」

「貴様こそなにを言っている。都に引きこもっていればそれなりに安全を確保できただろうに…そうしないということは命知らずの馬鹿と同じだ!」

 

 避けた俺に対して、化け物はその巨体を肉薄させて更に拳を振るってくる。

 スピードこそ一般人の俺でもなんとか躱せる程度だが、その威力は奴の腕が俺の身体を通り過ぎるたびに肌で分かる。

 次々と拳撃を放ってくる化け物だが、そのスピードは衰えることなく俺に襲い掛かってくる。

 相当の体力の持ち主なのだろう、あまり長くなってもこっちの体力が先に無くなってしまうに違いない。

 

「くっそぉ!」

 

 防戦一方の現状に苛立ちを感じ、俺は奴の拳を交わした瞬間、化け物の腹に目がけて蹴りを放った。

 

 これで倒れてくれれば…!

 

 そう思っていた俺だったが、現実はそんなに甘くは無かった。

 

「ふん、人間の放つ攻撃など、蚊が刺すに等しいわ!」

 

 俺の蹴りを何事も無いように、妖怪は蹴りの際に出した俺の脚を片腕で掴むと、そのまま俺を地面へと叩き付けた。

 

「がっ…あ…!?」

 

 意識が消え散るような感覚と共に訪れる、背中に伝わる衝撃と痛み。

 下手したら意識を持って行かれた一撃に対してまだ気を失っていないのを理解すると、相当俺の運が良かったのだろう。これがもし今より硬い地面だったら、間違いなく死んでた。

 

 …なんて、冷静に分析してる場合じゃないだろ俺!メチャクチャいってぇ!

 

「ほう…妖怪の一撃を受けてまだ生きてるとはな。殺すつもりでやったのだがな」

「余計なお世話だっての…!」

 

 感心したそぶりをみせる化け物…妖怪って言ってたな。感心してる猪妖怪に俺はそう吐き捨てると、痛む体を無理やり動かして近くにあった森へ駆けこんだ。

 とりあえず、森の中に身を隠してやり過ごすしかない!俺じゃあの妖怪を倒すなんて絶対に、無理だ。

 

 

 

 身体を引き摺るように森を走る事5分、妖怪の姿が見えなくなったところで、俺は近くの木に寄りかかって腰を下ろす。

 

「はぁ……はぁ……ホント、どうすりゃいいんだよこれ」

 

 逃げるためとはいえ、右も左も分からなくなるほどに木々がうっそうと生えている森の中。

 自分を殺す為に襲い掛かってくる、自分じゃ倒す事の出来ない妖怪。

 正直、これは詰んでる。

 

 …と言いたいが、あの猪妖怪は気になる事を言っていたのを俺はしっかり聞いていた。

 

「都…そこに行けば…」

 

 間違いなく人がいるうえ、自分の置かれてきた状況も何か掴めるかもしれない。

 あとは肝心の都の位置。これさえ分かれば今後の行動方針が固まって――

 

「そこか、人間!」

「なっ…!?」

 

 上空から聞こえてきた声に即座に反応した俺は、自分に向かってくる大量の何かにいち早く気付き、その場を転がって躱した。

 俺の居た場所には、真っ黒な羽が群れを成しているように現れ、次次と地面や木に刺さっていた。

 

「へー、アンタの言う通りじゃねえの。人間が一匹ここに逃げて来たって聞いて来てみたら、もうあと一歩じゃんかよ」

「まったく、俺一人で食えるかと思ったのだが…まぁいい。人間、これで終わりだ」

 

 先ほどまで俺を襲っていた、猪妖怪が俺に不敵な笑みを投げ掛けてくる。

 そしてそいつの横には、先ほどまでいなかった存在がいた。

 

 人間の形に近い肉体に昔ながらの和風な服装。

 顔はカラスそのものだが、嘴の辺りが少しだけ人間に近い面影を感じる。

 背中には真っ黒な羽を付けた翼が生えており、今も尚それをバサバサと羽ばたかせて浮遊している。

 

「2体目…!」

 

 かつてないほどの、絶望的な状況に俺の顔から血の気が引いていくのが分かる。

 最悪だ。

 ただでさえ猪妖怪一人にここまで追い詰められていたというのに、ここにきて増援なんてどう考えても終わりじゃないかよ。

 

 …折角、この先が見えてきたって言うのにっ!!理由は分からんけど、折角生きてたのに!!

 

「終わりだぜ」

「無力な人間」

 

 ……嫌だ。

 

 あの『約束』、ちゃんと果たしきれてないのに。

 

 こんな終わり方…絶対に嫌だっ!

 

 

 

「くそおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=================

 

 私は今、森の中を一人で歩いている。

 この森に来たのは4か月前ほど。以前新しく閃いた薬を作るための材料を収集する為に寄ったのだ。

 それ以降は、薬の生成の際に必要な材料が此処には無かったので来ることも無かった。長い間生きている身とは言え、ほんの少しだけ懐かしい感じがするわね。

 

 そう言えば、最近オオヤマツミ様のご息女に結婚の話が入り込んでいたわね。おめでたい事だし、何かプレゼントでも用意した方が良いかしらね。でも確か相手って面食いで有名だったような…それに当のご息女は嫌がってるって聞いた気が…

 

「そこか、人間!」

「なっ!?」

「…あら?」

 

 ふと物思いに耽っていると、寅の方角から声と音が聞こえてきた。音の距離を測ってみても、そう遠くはない地点ね。

 それと一緒に妖力も感知できた。しかも2つ…だけど大した大きさじゃない辺り、下級妖怪といったところか。

 

「…材料集めの邪魔をされるのも困るわね」

 

 それに何が起こっているのかも興味があるしね。

 

 

 

 興味本位で声のした方へ赴いてみた私。

 そこには猪と鴉の妖怪に、少年一人が襲われている光景があった。

 

 まずいわね…。

 どうしてこんなところに一般人がいるのか気になるところだけど、あのままではあの少年は確実に殺される。

 とりあえず、こちらも護身用の武器があるし早急に追い払って――。

 

「終わりだぜ」

「無力な人間」

 

 っ!しまった、思っていたよりも妖怪の行動が早い!

 おまけにこちらは弓も矢もまだ背中に携えてる状態、今構えても時間が掛かりすぎる。

 妖怪たちの爪牙が少年に襲い掛かっている。

 何とか躱してほしい、とは願ったが既に少年は疲れてしまって満足に回避も出来る様子ではなさそう。

 運よく攻撃が外れるしかない、という低すぎる可能性に賭けつつ、私は背中の弓に手を掛ける。

 

 

 

「くそおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

 

 ……っ!?あれは……!

 

「うおおぉあっちぃ!?」

「な、何だこの炎は!?」

 

 弾かれるかのように、少年へと向かっていた妖怪たちが跳ね飛ばされる。

 

 少年の身体から発生した、赤く滾る火炎によって。

 

「炎……もしかしてあの子…!」

 

 少年の身体とそこから発生している火炎を見ながら、私はある一つの確信を抱いていた。

 

 

 

 間違いない、あの子は…能力者。

 

 

 

 

 

 

 

===================

 

 俺は今、自分の身に起こった状況に困惑している。

 

 …っていうかさっきから混乱してばっかりじゃんか俺、もっとサッパリと理解できるような状況が来てほしいんだけど!

 まぁいいや。とにかく何が起こったのかと言うと…。

 

 

 

「も、燃えてるぅ!?俺の身体から何か火が出てる!ナニコレ!?」

 

 俺の身体が炎に包まれている、そんな状況。

 

 いや、本気で意味が分からんぞこれ!こんなタイミングで人体発火とかか!?いや、でもこんなに炎塗れなのに熱くないしな…なんでだ?

 

「き、貴様…まさか能力持ちだったのか!?今まで隠していたという――」

「え、これ知ってんのお前!?取りあえず教えてくれよ!」

「っておい止めろ!こっちへ来るな熱いだろうが!!」

 

 俺が近づこうとしたん、妖怪は煙たがった表情を見せながらオレに背を向け避け始める。まるで磁石の反発を彷彿とさせる避けっぷりである。

 

 いや、教えてくれたっていいだろ!あ、でもさっきから俺の事狙ってたしあれか、これから死ぬ貴様に教える義理は無いってヤツか!心が狭いなコイツ、冥土の土産にって言葉もあるだろ!死ぬ気ないけど。

 

「あ、あちぃぃぃ!?俺っち焼き鳥にされちまうぅ!」

「我慢しろそのくらい!」

「意外と鬼畜だこの人間!?つかこれ以上近づくな!」

 

 誰が鬼畜だ失礼な。っていうかホント早く教えてくれよこの状況!

 

「誰かこの状況、助けてくれ!」

「「それはこっちの台詞だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

 

「……なにこれ?」

 

 あれ?何か聞こえたような……気のせいか?

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

「な、なんとか、収まった……」

 

 突然奇妙な発火現象から30分。

 

 それからあの妖怪2人は炎を出した俺から、熱い熱いと叫びながら逃げ出していった。さりげなく命の危機を脱してるあたり、ラッキーだったよな。

 しかしそこからが大変だった。自分から出ている炎は消さないといけないわ、炎が移った場所を鎮火しなければならないわで、走り回ったおかげで後始末の規模が大きくなったのだ。

 

 正直、パニックになっていた俺一人では自分の火も森に移った火も消せず、この辺り一帯をハゲにしてしまっていただろう。

 そんな俺を助けてくれたのが…

 

「まったく…自分の能力にここまで振り回されるなんて聞いたことないわよ…」

 

 呆れた視線を俺に向けてくる、目の前にいる女性だ。

 

 左右に赤と青の服装にその上から丈の長い白衣を着ており、銀色の綺麗な髪は後ろで大きな三つ編みに纏められていた。よく見たら服には、何かの星座らしき模様が描かれている。つくづく変わったコスチュームだ。

 

 そんな奇妙な恰好をした女性が、炎を出している俺の目の前に現れて……。

 

 

 

『落ち着いて、先ずは深呼吸をして気持ちを落ち着けなさい』

 

 との助言。

 

 

 

 言われた通りに俺は深く深呼吸をして頭を冷静にさせる。

 

『はい、吸ってー吐いてー』

『すぅ~……はぁ~』

『はい、もう一回』

『すぅ~……はぁ~』

『次は私の呼吸に合わせてね、はい、ひっひっふー』

『ひっひっふー……って炎の勢いが増した!?』

『あらごめんなさいね』

 

 あれは確信犯だったと思う。密かにニヤリと笑ってたし。

 

 

 

 そして次に彼女は俺から出ている火を消すためのアドバイスを授けてくれた。

 

『イメージするのよ。自分の身体の中に炎を抑え込むような感覚でね』

『なるほど、よし………おお、出来た!』

『で、出すときは内側に溜めた炎を外に吐き出す様なイメージでね、それじゃあさん、はい』

『なるほど、よし……ってやりませんよ!』

『別にやれとは言ってないわよ』

 

 確かにそうだったけども。

 

 

 

 そして森の木に移った炎を鎮火させるアドバイスは…。

 

『掌を炎に向けてかざしてみて。能力の発動には言霊の力が必要だから、「消却!」って言うのも忘れずに』

『よし、消却!…おお、炎が消えた!……あれ?何ですそのビデオカメラは』

『能力発動に言霊は必要って言うのは冗談だったんだけど……恥ずかしげも無く素直にやってくれたから記念に撮影しておいたわ』

『え?もしかして今のって割と恥ずかしい事?』

『ええ、割と』

 

 酷い。

 

 

 

 ……とまぁ、このような事があり、俺は何とか森林破壊を食い止めることが出来たのである。

 終始からかわれた対応をされてたのは気のせいでもなんでもないはず。彼女にとっては俺の暴走など造作も無いという意思の表れと受け取るべきだろうか……なんにせよ、普通に収めて欲しかった。

 

 ともあれ、彼女は俺の身に生じた謎の現象を収めてくれた恩人だという事に変わりはない。感謝はしっかりと行わなければならないだろう。

 

「えっと、色々と教えてくれてありがとうございました。おかげで助かりました」

「気にしなくてもいいわよ。あのままだと森がお陀仏になりそうだったし、なによりあなたは能力者だったもの」

「能力者?」

 

 はて、能力という事はあれは自然現象とかじゃないって事なのか?

 

「能力者、もしくは能力持ちとも言うわね。人や妖怪の中には特殊な性質を持つ存在がいてね。それらは個々で様々な力を持っているのよ。そう言った存在を皆は能力者、と呼んでいるの。先ほどの炎を見る限り、どうやらあなたは炎に関係した能力を持っているようね」

 

 なるほど…ということはあの炎は俺が能力で出したものって事になるのか。

 ってあれ?でもそうなるとオカシイな。

 

「あの…今まで生きてて俺、こんな炎が出た事なんて一度も無いんですけど…」

「さっき特殊な性質をもつ者が能力者と言ったわよね?実はこれは色々なパターンがあるのよ」

「パターン?」

「そう。遺伝子の影響から生まれた時から能力を所有している、謂わば先天性の能力者。外部からの何らかの刺激によって突然性質を持つようになる後天性の能力者。先天性も能力の発覚が遅い事もあるし、後天性も様々な手段が存在するわ」

「能力が後から付くっていうのもあるのか……」

「ええ、あなたは後天性か若しくは遅行型の先天性かの2択になるわね」

 

 そうなると、俺は多分後天性って奴だろうな。今まで炎が出るなんて事、まるで無かったし…

 けどとにかく、これでさっきまでの俺の現象について理解できたぞ。ホントこの人には感謝しないと…あ、そう言えば名前聞いてなかった。

 

「あの、名前を聞かせてもらってもいいですか?」

「名前?ああ、八意よ。周りからは八意永琳って名で通っているわ。どうぞよろしくね」

 

 女性――八意さんはそう言って俺に向かって微笑を浮かべてきた。

 

 

――終

 




というわけで古代スタートで始まりました。やはり最初の東方キャラはえーりんですね。
ぐーや姫様にしようとも考えましたが、あれは地上を一切知らない完全な月育ちとして描写した方が書いてる方としてはやりやすいかな、と思ってやめました。
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