東方光照譚―その手を差し伸べる―    作:たいお

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モンハン4G買いました。
さーてハンターライフでも満喫しようかな……と思った矢先に仕事で覚えさせられることが沢山出てきて…。
暫く狩りはできそうにないかな(´・ω・`)
執筆は合間を縫って継続する予定ですが。



第31話 人・間・対・鬼

 さて…ヤバい侵入者が出たという事で気になったもんで来てみれば…中々大変そうなことになってるな。

 周りには戦って負傷したであろう天狗たちが散り散りに倒れており、中には先ほど俺に暴力を振るって来た茂武たち一向の姿も確認できた。やられんの早すぎだろあいつら。

 

 

 

 そしてたった今、やられそうになっていた射命丸を助けた俺は、彼女を離れるよう促すと真正面から鬼と対峙する。

 

 鬼という存在については、旅の中でも聞いたことがある。

 正確な場所までは流石に知らないが、とある集落に纏まって暮らしている妖怪の一派で派手な物を好む性質らしい。また、妖怪随一の酒好きで、中には年がら年中飲みっぱなしの輩もいるのだとか。他にも嘘や炒り豆が嫌いなど、特徴をあげればどんどん出てくるような種族。

 

 そしてそんな中でも特に厄介なのが……無類の戦闘狂だという事だ。

 その強靭な肉体に宿る力を日々もてあまし、同族とやり合ってまで戦いを求め続ける程のフリークっぷり。現にこうして天狗の山に殴り込みに来ている辺り、その性は本物だという事だろう。

 

 そして運がいいのか悪いのか、俺は今まで鬼と戦った事が一度も無い。目の前に要るこの鬼の実力が、種族内でどれだけの位置に立つのかが気になるところなんだが…。これで上位に位置してたら勝てる気がしない。

 

 などと、色々考え事を頭に詰めている最中に鬼の方から声が掛かる。

 

「おうアンタ。見たところ天狗でもなきゃ妖力も感じない…やっぱり人間か」

「ああ、そうだが」

「ほぅ、人間が天狗の元で下っ端働きとはな…天狗も随分と乗り出してるみたいだな」

 

 代理だけどな。

 

「まぁ天狗の事情なんて別段興味も無いし良いんだけどな……それよりもだ。アンタは一体何者だ?」

「?」

「それなりに手を抜いていたとは言え俺の拳を横から見切って掴み、しかも止めたときたもんだ。そこらの妖怪ですら止めることは難しいって言うのに、人間が止めるなんて初耳だぜ」

 

 うーむ、言われてみれば確かに。今迄の天狗の話からみても、人間って妖怪からだいぶ格下に見られてるみたいだしなー…。そんな人間相手に拳を止められたとなると、そう言う反応をするのも当然か。

 とは言っても、精々俺の実力なんて中級妖怪を多少上回る程度の実力だし、そんな期待に満ちた目を向けられても困るんだが。ちなみにこの自己評価はこれまでの戦歴を統計した結果なので、自惚れとかそういうのではない、と思う、きっと、信じたい。

 

「まぁ人間にも俺みたいなのがいるんだよ。妖怪と普通に戦えるような奴がな」

 

 ホントにいるだろうか…。自分で言って不安になって来た。

 

「ほー、そいつは良い事聞いたな…帰ったら里の皆にも教えてやろうかな。……さて、お喋りの時間もそろそろ良いだろ」

 

 そう言うや否や、鬼はグッと腰を落として戦いの姿勢を構えだす。どうやらあちらさんはやる気十分のようだ。

 さて、それなら俺もいっちょ気合を入れ直し――。

 

「行くぜぇ!」

 

 鬼は先手必勝と言った勢いで俺に向かって突っ込んで来た。

 

 いや、気合くらい入れさせてくれよ!そんくらいの時間はくれよ!

 

「おらぁ!」

「…あぁもう!」

 

 若干自棄な気持ちを零しつつも、迫りくる拳を受け流す。

 すかさず次の拳が襲い掛かってくるが、それも真正面から受けるような真似はせず、受け流す形で俺の横を通り過ぎさせる。鬼の一撃を真正面から受けるとか勘弁願いたいし。

 

 防御を済ませ、俺は一時の攻勢を踏み込む。

 先ずは回し蹴りだ。相手の頭部に狙いを定め、回転を加えた蹴りを叩き込もうと足を振るう。

 

 しかし相手の防御も硬いようで、俺の蹴りを難なく腕で受け止めた。

 そして鬼は俺の蹴りを受けたまま、俺に倣って蹴り返してきた。乱暴に蹴飛ばすような動作による蹴り、通称ヤクザキックだ。

 

 俺は大げさにバックジャンプをすることで、鬼の強靭な蹴りから逃れることに成功する。

 

「ほほぅ、人間の割にはなかなかいい動きじゃんかよ」

「鬼に褒められるなんて嬉しいことで」

「はっはっは、随分と余裕そうだなアンタ。それでこそ楽しみがいがあるってもんだぜ!」

 

 余裕そうだって?馬鹿を言え。

 余裕ぶっこいてるのはそっちの方だろう、それも随分と加減をしてるみたいだしな。

 

「さぁ、もういっちょ行くぜ!」

 

 

 

 そんな様子で、俺たちは幾度か衝突を繰り返した。

 

 相手に攻撃を仕掛ければ防がれるか若しくは躱されるかされ、防いだところで反撃に移る。そして攻撃を仕掛けられても、決定打とは縁通り一撃にそれは終わってしまう。

 互いが互いの動きを見切り、絶え間なく広がる俺と鬼による一進一退の攻防戦。

 

 攻め、防がれ、攻められ、躱す。

 攻め、躱され、攻められ、防ぐ。

 まるでRPGのターン制のバトルのようなそれが、互角に行われている。

 

 よく見てみると、戦っている鬼の表情に愉悦が込み上がっていた。

 

「すげぇじゃねぇか人間!まさか鬼相手にここまでできるなんてよ!」

「それはどうも」

 

 拳と共に放たれた鬼の言葉を、俺はそう素っ気なく返しながら受け流す。喋るか戦うかどっちかにしてくれないものだろうか。

 まぁやっぱり、人間が妖怪相手にタメを張るっていうのは鬼にとってはやはり稀有という事だろうか、このリアクションを見る限りだと。そう言えば、昔は鬼と人間が宝物を賭けて戦ってたって話があったような気がするが、まぁ今はどうでもいいか。

 

 しかし……。

 

「とはいっても、まだ本気じゃないんだろ?」

 

 そう。

 この鬼はまだ本気を出していない。もし本気の鬼が人間である俺と戦おうというのならば、向こうが鬼の中で弱い部類でも無い限りこんな拮抗した戦いにはならない筈だ。

 人間と妖怪のスペックの差は大きい、ましてや戦闘最強の鬼とあればなおさらの話だ。

 そうすると、ここまで互角の戦いを繰り広げることが出来たのも向こうが相当手加減をしていたという事になるだろう。

 

 一応俺もまだ能力を使っていないので全力を出しているわけではないが……向こうはそれ以上に力を余している気がする。

 それほどの余裕を、奴から感じられるのだ。

 

「へぇ…やっぱりただの人間じゃないなアンタ。…なら――」

 

 そう言うと、鬼は不敵な笑みを浮かべて……っ!?

 

「っつ…!」

「こっからは…少し本気でいかせてもらうぜ」

 

 とんでもないスピードだった。

 鬼が言葉に間を置いた瞬間、互いの距離はあっという間に縮まり鬼の姿が眼前にあった。それと同時に、俺に向かって拳が振るわれていたことにも気が付くことが出来た。

 俺はすかさず腕を交差させると、敵の拳と衝突する。思わずたじろぐ程の衝撃が俺に降りかかってきた。

 

 防いだ部分がビリビリと痺れる感覚が伝わり、俺は思わず顔を顰めた。

 本当ならば今の一撃は躱しておきたかった…鬼の腕力がとんでもないって言うのは耳にしたことがあるから、こういう事になるのは是非とも避けて通りたかったのだ。

 

「おらおらぁ!!」

「休む間も無し、か…!」

 

 圧倒的武力の片鱗を見せてから、戦いのペースを掴んだかのように鬼の攻勢は苛烈さを増し始める。

 荒々しくあり、それでいて反撃の余地を与えない流れで繰り出される攻撃の数々はまさに驚異の一言。一撃ごとに威力が籠っているのだから、被弾覚悟で反撃…なんて真似をするのはかなり危険だ。

 

 俺は鬼のパンチ、キックの部類を避けながら勝利の道筋を探り出す。どうやってこの状況を切り抜け、奴を倒すのかを。

 

 …いや、本当はというと策はもう既に進めている。

 

 今、俺の右腕には能力による炎のエネルギーを内側に集めている。外側に集めていないのは、敵の意表を突くためにその時まで能力の詳細は隠しておきたいからだ。

 そして腕にエネルギーを集める理由は、咄嗟に強力な一撃を奴に叩き込めるようにするため。ほんのわずかな隙を見出し、能力により威力を込めた拳をお見舞いする。

 

 それが、俺が密かに進めている策だ。

 その一撃で倒せるかどうか、といわれると微妙な所だが…少なくともそれなりのダメージを負わせることは出来る筈だ。一応、似たような技を天狗に叩き込んだら全治一週間くらいになったからな。

 

 さて、そうなると一撃を入れられるような隙を見つけなければならないのだが…。

 

 ……仕方ない。

 危険だからあまりやりたくなかったんだが、カウンターを仕掛けてみるか。このまま避け続けていても体力面では人間であるこちらに不安が傾くし、何より奴を倒すことは決してできないからな。

 

「どうした人間っ!さっきから動きが消極的だぜ!」

「…誰のせいだと思ってんだよ」

 

 などと俺はぼやきつつも、その視線には鋭みを加える。来たるべき時に備え、奴に一手講じる為に。

 鬼の次の一撃は……腕を振りかぶって来たという事は、そのまま殴りにかかってくる。

 ならば、仕掛けるのはそこだ。

 

 迫る拳。

 

 俺は無駄なアクションを一切切り捨て、触れるかどうかギリギリのポイントで鬼の一撃を躱した。鬼の腕がチッ、と頬に掠めていったが直撃でないのなら気にする必要はない。寧ろ、気にするべき場所はここからだ。

 

 右腕を振りかぶり、そしてそこに溜めこんだ能力のエネルギーを、一気に放出。力を解き放ったその瞬間、俺の腕から紅蓮の炎が勢いよく吹き上がり、腕全体を覆い包んだ。

 その炎を目の当たりにした鬼も少々目を見開いて驚いている様子。やはり今まで能力の存在を隠して戦っていたぶん、良いリアクションをしてくれる。

 

 さぁ、喰らってもらうぞ。

 

 鬼の一撃を躱した俺の体は、鬼の懐へと潜り込んでいる。そして能力を駆使した右腕は既に準備完了とばかりに引いている。

 俺はグッ、と力強く拳を握ると腕を前に勢いよく突き出した。

 

「っらぁ!」

 

 焔を帯びた正拳突きは真っ直ぐに鬼の方へと向かい、その腹部を捉える。そして奴が腕で防いで来る前に、俺の拳は鬼の腹へと直撃した。

 ドォン!とパンチで出したとは思えない鈍い打撃音がその場に響き渡り、その威力を知らしめた。

 恐らく、今までで一番の威力を発揮したかもしれないな。

 

「…………」

 

 鬼の反応は無い。拳がぶつかった瞬間に僅かな呻き声が耳に届いた辺り、確かに手ごたえはあった。

 そうなると、気絶でもしてくれただろうか。

 

 俺はそう思い至り、身体に張っていた緊張感を解くと同時に鬼の腹から拳を引き抜いて――

 

 

 

 

 

「おいおい…もう終わりかよ?」

 

 

 

 …っ!?

 

 今のは鬼の声……馬鹿な!まさか今の一撃が効いてないとでもいうのかよ…!

 いや、今はそれよりも距離を離して――

 

「逃げすかよ…おらぁ!」

「がっぁ…!?」

 

 咄嗟に離れようと身を引く刹那、俺の腕が鬼によって捕まえられてしまい動かなくなる、逃げようにも逃げられなくなったのだ。

 そしてそのまま鬼はお返しとばかりに俺の腹に向かって拳を叩き込んできた。

 

 腹に力を入れることが遅れてしまったことにより、純粋なダメージが俺の元へとたどり着く。意識が暗転してしまうかと思う程の強烈な衝撃が俺に押しかかって来るが、気合で持ちこたえた。

 

 しかしそれも束の間、既に鬼は次の手を繰り出そうとしている真っ最中だった。

 全身を使った体当たり、いわゆるショルダータックルを鬼は放ってきたのだ。

 

 先ほどの攻撃で怯んだことにより隙を晒していた俺に、それが直撃するのは無理も無い事だった。

 俺の身体は俺の胸部を捉えた鬼の肉体に激突されると、全身に再度衝撃が掛かってくる。そして後方に向かって軽々と、人形のように派手に吹き飛ばされた。

 

 吹っ飛ばされた俺は草原をゴロゴロと無様に転がされ、暫くすると体がようやく止まる。

 

「…くっそ」

 

 痛む腹に力を込めて誤魔化しを入れ、体当たりがぶつかった胸部を手で押さえ、苦し紛れながらもその場でヨロヨロと立ち上がった。

 想像していた通り、一撃一撃が重いったらありゃしない。立ち上がれた自分を褒めてやりたいくらいだよ、ちくしょうめ。

 

 内心の愚痴とは裏腹に、鬼の方はというと楽しそうに顔をにやけさせている。

 

「やっぱアンタ、ただの人間じゃねぇな。普通の人間だったらもうとっくに死んでるか、良くても立ち上がれるなんて出来ない筈だぜ」

「く……」

「さっき俺に一撃かました事もスゲェと思うぜ、鬼以外で俺に今くらいの攻撃を当ててきた奴なんていないんだからよ。気合も入ってなかなか良い拳だった……だけど、あの程度じゃ俺は倒れねぇな」

 

 ちょっとは響いたけどな、と後付けで口を添える鬼。

 

 ああ、くそ。

 負けちまうのかよ、俺は……――。

 

 

 

 

 

『あなたはわたしには勝てない』

 

 

 

『それじゃあね、満希。またいつか会いましょう』

 

 

 

『駄目だよなぁ…このままじゃ』

 

 

 

 

 

 あぁ、そうだ。挫けてる場合じゃない。

 思い出せよ俺、あの時の事を。

 

 ルーミアと戦った後、俺は何を思ったのか。

 悔恨?確かに、それもある。

 だが、それ以上に願ったことがあるだろう。

 

 『強くなりたい』って。

 

 神々が戦っている間、俺はあいつの圧倒的な強さを目の当たりにして怯んで、何も出来ずにただ突っ立っていただけ。身体が動いた時には、既に神達は全滅した後だった。

 俺自身もあの時は遊ばれたうえに完敗したので、もし俺が神と一緒に戦っていたとしても結果は同じだったかもしれない。それほどまでに奴とは力の差があったのだ。

 けど、それでも誰か一人でも生き残らせることが出来た可能性だって多からずも存在していた筈だ。

 

 神様の死を嘆く女性の姿、何も出来なかった自分。

 それらを思い出すたびに、俺の思いが増長されていく。

 

 あいつはまたいつか、俺の前に現れる。そして今のまま戦っていても、目の前の鬼にやられている様では勝てる見込みは無いんだ。

 その時、もし近くに守らなければならない人がいたとなれば、また俺は……。

 

 そんな事は、もう嫌だ。

 強くなりたい。俺は…………。

 

 

 

「強く……なりたいっ…!」

 

 

 

 

 

 そんな時だった。

 

「……?」

 

 突然俺の視界の中に、明るい光が差し込んできた。

 しかし、それはただの光ではないと感じる。光の色が色彩の鮮やかな真紅の色という点でもただの光ではないと言えるがそれだけではない。

 その光を見て感じられたのが、どこか力強さというか若々しさというか、そんな感覚だったのだ。それでいてどこか暖かみがある。

 上手くは言えないが、普通ただの光を見ただけではそんな風に思う事はまずないだろう。

 

 不思議な光の根源を目で辿ってみると、その正体に俺は気付く。

 

「これは…」

 

 カグツチの指輪。

 

 いつの日だったか、赤ん坊の頃のカグツチにプレゼントされた黒い宝石を用いた指輪で、今までずっと身につけてきた。確か諏訪子は、これを神具の一種だって言ってたっけか。

 けど、こんな光り方は初めてだ。今迄は日に翳してみればキラリと光る程度のものだったのに、こんな風に宝石自体が自ら光を放ってるなんて…。

 

「…?おい、なんだそりゃあ。妙にヘンテコな光が出てるが」

 

 鬼からそう問われるものの、俺も何が起こっているのか理解できていないから答え様がない。

 

 けど、何故だろうか。俺は初めて見るこの輝きに惹かれている。

 そして、ここからどうすればいいのかを、感覚的に悟ることが出来る。

 

「…………」

 

 俺はゆっくりと、指輪が填まっている方の右腕を自分の前に翳す。

 更に、左手を右腕に着けられた指輪の傍にスッと近づける。

 

 そして……。

 

 

 

 

 

 指輪を指で、弾いた。

 

 

 

 

 

 爪とぶつかり合う事により、キィン、と響く宝石の音色。

 音が空気に溶け込んだその時--。

 

「っ…!」

 

 変化が起きた。

 

 宝石の放っていた光が、俺の身体を包み込み始める。一瞬驚きはしたものの、光に込められた暖かさがどこか安心感を生み出し、すぐに平静を取り戻す。

 

 ……っ、これは……。

 

「なんだありゃあ…?」

「光が…あいつを包んでる…………っ!?」

 

 周りが驚いている中、光はついに俺の身体から霧散するように離れていった。

 

 俺は先ほどまで身体に感じていた感触が異なることに気付いた。衣類が持ちうる柔らかな触感…今までの学校のブレザー服とは全く異なる着心地がある。

 俺は気付いた、自分の身体を覆っているものがいつもの服ではなく、刺々しい風貌の黒い鎧だという事に。

 

「…………」

 

 カチャリ、と金属音を鳴らしながら俺は己の両手をまじまじと見つめる。いつもの素手ではなく、黒い光沢を放つ厳ついガントレットが俺の瞳に映り込む。

 

 さっきから突然の出来事と変化に見舞われてはいるが、俺は落ち着いていられた。普通だったら自分の服がいきなり変化したりすれば気が動転するかと思うのだが、そうはならなかった。

 

 先ほどの光に包まれている間、懐かしい気配を感じることが出来たからだ。

 当然、今あの子は移住先の月にいるのだろうから、こんな所にいるわけがない。しかし先程感じた気配は、間違いなくあの子のものだった。

 もしかしなくても、あの指輪を通して俺に力を貸してくれてるのだろう。遠く離れていてもなお、こうして俺を助けてくれるのか。

 

 

 

「…ありがとな」

 

 

 

 モード・カグツチ。これが俺の、新しい姿。

 

 カグツチがくれたこの力。何に使っていくべきかなんて知れたこと。

 俺は視線を自身の手から鬼の方へと変更すると、小さく笑みを浮かべながらグッと拳を構える。

 

「さぁ…続きといこうか、鬼」

 

 

 

 今度こそ、俺は守って見せる。

 天狗の山を脅かすこの鬼から、皆を。

 

 

――終

 




満希(モード・カグツチ……即興で名称付けるとか中二っぽかったかも…)

 いつになっても主人公のパワーアップは燃えるものがあります。
 恰好も一新した方が強化した感があるかな?と思い、モード・カグツチ状態は黒の鎧を纏っている事になります。折角の強化なのに制服のままっていうのも味気が無いかなと感じたので。
 黒の鎧…クウガ…アルティメット……うっ、頭が。

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