絶対“がっこうぐらし”の世界になんか負けたりしない! 作:フィットよりハイゼット
「突然ですが君には転生してもらいます」
「は?」
「お金と住所は気にしなくていいヨ。とりあえず
転生した世界では基本的に自由!お金も食べ物も娯楽品も君の自由にして生きるといい!
それじゃあ頑張ってネ!」
「ちょっとま──
おれは めのまえが まっくらに なった!
~
「はっ!?」
突如として広がる見知らぬ景色。
どうやら俺はいつの間にかやけに鮮明な白昼夢を見ていたらしい。そんで見知らぬ所へほいほい来ちゃった訳だな。いっけなーいドジっ子ドジっ子☆ってかここどこ?そんなの見りゃ分かるだろどう見てもどっかの民家?いや豪邸の中だろ。(情緒不安定)
そうと決まればさっさと帰ろう!この家の外に出ればきっと俺の知ってる町があるハズ!
うっ特に理由のある頭痛が俺を襲う──!
おや?なにやら不穏な記憶がフラッシュバックしてくるよ?かわいいね!
「いやそんな訳ねーだろ。」
お前さぁ…疲れてんだよ。
こういう日は仕事休んで風邪薬飲んで布団にくるまるのが定石……と言いたいがそんなことしてる場合じゃねえ。むしろそうできる状態だった方が良かったでござる。
いやこうしてる場合じゃねえよもしかするともう時間が無いかもしれないんだぞ!!(情緒不安定part2)
懐を探るとスマホがあった。しかもご丁寧に最新式のスマートフォンで読み込みスピードが俺の持っていた物より何倍も早いし画質もものすんごく綺麗だ。あと新品だから傷もついてない。
イヤミか貴様ッッッ!!
G○ogle起動してGPSで自分の位置情報を確認。
おっ出てきたな。えーっと何々?
『
「アアアァァァァァァ!!!(某納豆感)」
ふざけるな!ふざけるな!!馬鹿野郎ォォォ!!!
えーっと今何月だ!?3月…ヨシ!大丈夫だまだ準備するのは間に合う!
えぇっと電話番号は…よしよし!しっかり用意されてるじゃねーか!
取り敢えず家の設備の確認!
おっどうやらソーラーパネルが設置されてるらしいな。これなら停電してもバッテリーに充電されてるおかげで電化製品の心配はほぼ無いし、しかもデッケー庭に貯水槽と浄水設備があるという至れり尽くせり状態!
だったらそもそもこんな世界に飛ばすなボケが
唐突だが自己紹介しよう。
俺は趣味に生きる人間、
いつもアルバイトを頑張っていたせいか不幸にも黒塗りの地面に激突してしまいそのまま俺の意識は飛んでしまった。
そして気がついたら
今の目標はなんとか生き残ること、いつかアイツの顔をぶん殴ってやることです。
取り敢えずネット通販で今のうちに必要なものを出来る限り集めておこう。幸い金は使いきれないほどたんまりあるからな。
ちなみに転生先は…まぁもう知ってるだろうけど「がっこうぐらし!」だと思われる。
皆さんご存知世界にゾンビ溢れるハートフルボッコな漫画アニメのことだ。
クソが。俺は一度だけアニメを見ただけで知識はほとんど忘却の彼方だぞこのうんこ野郎。今調べてみたら巡々丘高校は存在してるしランダルコーポなんたらもあるしで間違いなくゾンビ☆パンデミックが発生する流れできちゃってるよこんちくしょう。まぁこの世界を知ってもどのみち原作知識使って無双出来ないから関係ないよなあ。いやでも知識あっても無双できるかこれ?自衛隊の駐屯地の武器庫抉じ開けて9mm拳銃か何かぶんどるぐらいしてようやく無双できるレベルだろこれ。
やはり
おっとまずはその前に非常食を沢山買い込んでおかなくては。缶詰めは勿論レトルト食品も出来る限り買い貯めしておかないと。それとガスボンベとカセットコンロも買ってあとサバイバルナイフとファイヤースターターと…そうだライトも買っておこう。売ってあるもの存在するものは俺の世界にあるものとほぼ遜色無いみたいだし前に防犯ガチ動画で見た“いいやつ”買っておこう。
サバイバル用品は一通り購入したし、次は防具とか買っておくか?
いや、荷物が届いてからにしよう。確証はないけど原作開始直前であるパンデミックはまだ起きないハズだ。起きるとしたら4月か5月を過ぎたあたりのハズ。
と、あれこれしていたら腹が減った。気が付くと外は暗くなってるし時計を見ればその針は七時を指している。そろそろ夜食の時間だ。
冷蔵庫を開ける。中は空っぽだった。
ちくしょうそこはご都合じゃないのかよ……
外に出るとすぐ近くに
ガレージを開けると中はそこそこ広かった。
金属棚が横に付けられており中は様々な道具で埋まっている。そしてガレージの中央にはダークグリーン色のミニバンが止められており一目見ただけでコイツが新品なのが理解できた。
ボディはピカピカタイヤも綺麗だし窓もフロントガラスも汚れが一切付いてねぇ。中は砂粒が一つも見付からない上に座席のシートもシュリンク包装されてる、その上若干いい匂いがする。車種が古いためマニュアルトランスミッションだがむしろ好都合だな。唯一気になる点と言えば……うーん、車高が若干高いって事ぐらいしかないな。あとボディが日本車にしては異様に固いぐらい。
運転席に座るとなんとキーが刺さったままだったのでそのまま捻ってエンジンを点ける。
キュルキュルヴヴゥ゛ン゛!
うん、特に問題なし。
シフトレバーを動かして1足に入れガレージの外まで車を出す。エンジンの調子は問題ない、むしろオイル交換されたばかりのあの絶好調さを感じる。俺の場合長いこと変えてなかったのが問題だったので一般がどうかしらんがそんな感じだ。ブレーキも程よい効き目だしシフトチェンジの感覚が良く馴染むし、座席の位置も最初からちょうど良かった。まるで俺のためにチューニングされた車みたいだ。俺の感覚にこれ以上ない程ピッタリフィットしている。
ガレージの扉を閉めてから再び車に戻って近くのスーパーへと向かう。ちなみにラジオの上にスマホを固定できる台座があったのでそれにスマホを付けてスーパーまでの道のりをナビゲートしてもらっている。いやはや便利な時代になったねぇ
しかし今時ATではなくMT、しかもガソリン車……俺に合わせてくれているのもあるのだろうが本当に至れり尽くせりだな。
まぁそもそもこんな世界に(ry
ちなみに俺の服装だが地味な灰色のパーカーにジャージのズボンとなんともニートっぽい(偏見)格好をしている。うん、帰りに服を何着か買っていこうかな……
適当に旨そうだった冷凍食品とカップラーメン等々を買ってきた。店員さんに変な目で見られたけど必要な痛みなので我慢我慢。
その日は1人寂しくラーメンを貪った。久しぶりに実家以外の家で飯食って風呂入って寝床についている。姉も弟も妹も居ない静かさがなんとなく胸にぽっかりとした穴を作っていた。
かなしみ。
~
次の日起きたらすごい量の荷物が届いててもう玄関が荷物まみれや。早く開けたいぜ。
段ボールから荷物を出せばどっさりと大量の缶詰めレトルト食品その他諸々が出てきた。保存食はキッチンのすっからかんな床下収納に納められるだけ入れてあとは食器棚の中に入れておく。
それと高かったサバイバルナイフを鞘から抜いて色々見てみる。
刃は太く、いかにも頑丈ですと主張するような堅牢さを放っている。根本もしっかりしているので壊れることは滅多にないだろう。
それとライトだ。手のひらに収まるサイズのライトからヘッドライト、ランタンから軍用グロースティック等々様々な光源を買ってみた。試しに部屋を暗くして使ってみたがグロースティックは一本だけでもかなり明るくパンデミックの時は使えるかもしれない。
それとガスボンベは三本入りのやつを四つ、計十二本購入した。比較的燃費いいガスコンロを買ったから一本一本を節約して使えると思う。
そうそうガスボンベで思い出した。ついでに防毒マスクを買ってきていたのだ。フィルターを交換できる口を覆うタイプのマスクで視界が狭まる事はない。
そして最後にパンデミックを生き残るための武器の一つ──スコップだ。
それもただのスコップじゃない。折り畳み式だが頑丈で壊れにくい、かつ先端の部分が刃のように鋭く尖っているミリタリースコップだ。大きさは畳んだ状態なら鞄に入るし組み立てれば170cmある俺の足ほど大きくなる優れものだ。耐久性は劣るかもしれないがそこいらの安物よりよっぽど頑丈だろう。
段ボールはもしものための燃焼材か防寒具にするので捨てずに残しておく。
ちなみに昨日車で追加のガソリンを買ってきた。30リットルのガソリンタンクを3つも豪華に買ってきたので当面車の燃料で困る事は無いハズだ。車の燃料も満タンにしてきたし。
そして通販で追加注文だ。
本格的な防具を買う。戦闘服は勿論ミリタリーブーツやタクティカルグローブに軍用イヤーマフと高めのミリタリーヘルメット、そこそこ値の張る防弾チョッキとあとついでにポータブル電源だ。おっと昨日買い忘れていた大きめのミリタリーバッグも忘れないようにしなきゃなあ。
「……まるで戦争するみたいだな」
我ながら過激なまでに用心深いなと思う。でも俺は死にたくないし生きるためなら死ぬほど備えるべきだと思ってる。
今は3月……だがもうすぐ4月になる。原作開始は4月か5月の辺りのハズだ。それまでにどこまで備えられるか……
「ご近所さん、不気味に思ってるだろうなあ。」
そうだ、今のうちに娯楽品集めとくか。