「じゃ、行ってくる」
「どこ行くの? リト」
「親父の仕事の手伝いだ」
「ピンチになるとたまに呼び出されるんだ。
俺自身も忙しい時があるのに」
「ふーん。リトのパパの仕事って?」
「親父は漫画家だ」
「ふーん。私もついて行く!」
「見ても楽しいもんでもないぞ?」
「見てみたい!」
「はあ。仕事の邪魔はするなよ」
こうして二人はリトの父親の仕事場に向かった。
「おう! よく来たなリト。時間がねえとっとと上がりやがれ!」
「初めまして。リトパパ!」
ララが元気よく挨拶する。
「へ~これがリトパパか~。あんまりリトと似てないね~」
「リト…どういうことだ?」
「…いや、ついて来るなとは言ったんだが……」
「バッキャロウ! 女の子連れて来るなら先に言えってんだ!
初めまして。リトパパで~す!」
対応が違うなおい!
「ガハハハ! そーか君がララちゃんか~。
蜜柑から色々と話は聞いてるぜ。
いや~宇宙人が居候とは国際的な世の中になったもんだ!」
何でうちの家族って宇宙人に対してこうフランクなんだ?
「まあ、汚ねえ仕事場だが好きなだけ見物してってくれい」
「わあ。本当に汚ーい」
「うーむ…カワイイ娘じゃねーか。うらやましーぜリトよ」
「何の話だ」
「とぼけんなよ~。蜜柑から聞いてんだぜ?
おめーらが毎晩一緒に寝てること」
「それか……」
リトは苦々しく呟く。
「ララには寝るところを別に用意してる。
なのに朝になると俺のベッドに忍び込んでるんだ。
やれやれ。人除けの魔術を張るべきか」
「だが…男として責任は取れよ?」
「殴るぞコラ!」
「さ! 仕事するぞう~。
リト。このページのベタ頼む」
「了解」
まずいな……このペースだと間に合わないんじゃないのか?
親父と俺のスピードならともかく、アシスタントは無理だろう。
「うわ~っ。もうダメだあ!」
「やっぱりこうなったか……」
「リトどうしたの?」
「ララ。進行が不味いんだ」
「4時間のロスか……きついな」
「今回は他の仕事も結構ありましたもんね」
「くそ。せめて俺等が先生やリトさん並みのスピードで描ければ」
「よくわからないけどとにかく手が早く動けばいいの?」
ララは万能工具を取り出し、皆の椅子を改造した。
「ララのメカが珍しくうまくいっている」
みんなのコーヒーでも淹れて来るか。
リトは台所へ向かった。
「さて、コーヒーを淹れる前に、消えろ雑種。凶れ」
虫型のメカが一瞬で捻じ曲がる。
メカの残骸を見ながら呟く。
「わざと一人になったのに気付かなかったのか?
ララに見せたくなかったからだ雑種」
リトは冷たく言うとコーヒーを淹れ始めた。