今日から衣替え。
リト達も制服を変えていた。
ララに次々と挨拶を交わす生徒達。
その時リトは視線を感じた。
悪意はない。興味本位の視線か……。
一応注意しつつ、教室に向かった。
そして学級会。
彩南高校学園祭の話になった。
実行委員は猿山だ。
ここで猿山は奇策アニマル喫茶を勧めてきた。
生徒達から反対の声が上がる。
その声を猿山が強硬に静める。
とにかくものは試しでと猿山が押し切った。
女子が実際に着替えたのを見て、男子は大好評。
女子もまんざらではないようだ。
リトは頭を抱えた。
精神年齢が違うせいか感性にズレが生じるのだ。
リトの精神年齢は……いや、今は言うまい。
とにかくみんな若いなと思うリトであった。
「さあ、いよいよ彩南祭まであとわずか!
各自与えられた準備をしっかりやってくれい!」
猿山が檄を飛ばす。
リトは西連寺と一緒に作業をすることになった。
「じゃあ作業始めましょうか」
「そうだな」
二人は作業を始めた。
「やだなあ」
「?」
「またあの衣装着るの…」
「あーあの猫の恰好?」
「あんなの…恥ずかしい」
「そうか? 充分可愛かったが?」
「えっ」
「まあ、仕事だと割り切ってやればいいさ」
「う、うん」
「いけないビニールテープがきれちゃったわ」
「俺が買ってくる。ちょっと待ってて」
リトはダッシュで走り始めた。
「ちょっとそこのアナタ! 二年B組天条院沙姫!
この私がアナタと付き合ってあげてもよろしくてよ!」
「ん? 誰か喋ったような……気のせいか?」
悲しいかなリトのスピードが速すぎて、
沙姫の声は聞こえない距離にまで離れていた。
「……」
シ…シカトですって? この私を…!
あ…あり得ないわそんな事!
相当シャイなのね。
いいわそれなら大人の色気で我慢できなくて差し上げるまでよ。
「買う物はこれでいいか」
リトはコンビニで買ったものを確認する。
よし、いくか。
またもリトは加速した。
沙姫の作戦はまたも破綻した。
そして沙姫はストレートに悩殺に出た。
沙姫は「た…助けて…」とリトのクラスに助けを求めた。
「あの人…二年の天条院先輩?」
「どうしたんですか?」
「何だか熱っぽくて苦しいの」
「病気か何かですか。そこでジッとしてくださいね。
宝具開帳「すべての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り人々の幸福を導かん!
巨大な看護師が現れ、剣を振り下ろす。
「よし。これで……」
「はあ…はあ…」
「馬鹿な!? 戦場を駆け、死と立ち向かったナイチンゲールの精神性が昇華され、
更には彼女自身の逸話から近代的にかけて成立した
「傷病者を助ける白衣の天使」という看護師の概念さえもが結び付いたものだぞ!?」
「結城君どうしよう……」
「くそ。ならば、真の蘇生薬とは比べるべくもない。 だが、お前達にはこの処方で十分だろう。
受け取れ、『
「はあ…はあ…」
「これでもダメか!」
リトは絶句した。ハッキリ言って打つ手がない。
「救急車だ!」
「それで治るの?」
「宝具が効かない以上それしかない! 未知の病原菌の可能性もある」
「ちょっと大袈裟で……」
「ロープで縛っておいて……舌咬まないように猿ぐつわをして…よし、これでいい」
こうして沙姫は病院に連れていかれた。