その日はどんよりとした曇り空だった。
リトはスカサハと相対していた。
両者とも必殺の一撃。
直撃すれば死ぬ。
話は30分前に遡る。
「リト! お昼一緒に食べよ!」
「そうだな」
その時、教室に一人の女性が入ってきた。
その女性は全身タイツを纏った妙齢の女性だった。
女性が入って来た時、リトの警戒度が上がった。
女性がリトに近づくとララに呼びかけた。
「いつまで座っている?」
「え?」
「そこは私の席だ」
ララは何を言っているのかわからなかったが、
身体が自然と動いた。
そして女性はリトの前に座る。
「何の用だスカサハ?」
「ふむ。単刀直入に言う。私と殺りあえ」
「正気を失ったか? 条約で禁止されているだろう」
「私は王だ。王を縛る法はない」
リトは頭を抱えた。スカサハと戦う? 正気じゃない。
「断る。魔術師である以上、条約を守る義務がある」
「ならば力づくで行こうか!」
スカサハはゲイ・ボルクを取り出し、突きを繰り出す。
それに対してリトは
神殺しの槍で弾く。
教室の中では不味いとリトは判断。
運動場へ飛び降りる。
スカサハもそれを追った。
スカサハの突きを受け流しつつ、攻撃に移るリト。
その攻撃を受け止めるスカサハ。
その凄まじいまでの攻防をララ達は見守っていた。
「せやっ!」
槍を左に薙ぐリト。それを槍で受け止めるスカサハ。
戦いは膠着状態に陥っていた。
(くそ。やはり強い。攻め手に欠ける)
「ふむ。準備運動はこの辺でいいだろう。ギアを上げるぞ」
スカサハはそう言うと先程よりも速い突きを繰り出す。
(ちっ……!)
ガキン!
スカサハの攻撃を受け止めるリト。
「『
リトの右眼からビームが発射される。
スカサハは避けるがビームは追尾してきた。
「くっ!?」
しかし、歴戦の勇士。これを躱す
「ふむ。ではこれはどうかな?」
スカサハは二つの槍を構える。
「刺し穿ち……突き穿つ! 『
刺し穿つ死棘の槍による槍が心臓に伸びてくる。
これをリトは回避しようとするも、完全には回避できず当たってしまう。
「ちっ……!」
そこに突き穿つ死翔の槍が飛んできた。
すでに傷を負っているが防御しなければ厄介だ。
「
7枚の光の盾が花弁のように展開する。
「綺麗……」
西連寺は場違いな感想をもらした。
バリン!
その間にもアイアスが1枚1枚割られてゆく。
(くっ! トロイア戦争において大英雄の投擲すら防いだアイアスがもたない)
「うおおおおおおおおおおお!」
リトの気合と共に爆発が発生した。
「ハア……ハア……」
何とか防げた。これで……。
「甘い」
ドス!
リトの腹部を槍が貫通した。
「リト!」
「いやああああああああああああ!」
ララ達の悲鳴が上がる。
リトは腹部に重傷を負わされた状態だ。
「さて、まだやれるか?」
「やられっぱなしは嫌だから奥の手を使う。
俺の最大級の敬意だ。受け取れ」
槍が変形する。
「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是、この一刺。インドラよ、刮目しろ。
焼き尽くせ、『
勝った……。リトはそう思ったが……。
「そこまでだよ二人共」
一人の男の声と共にスカサハは消え失せた。
「今更何しに来たマーリン!」
「無論、条約に基づいてさ。これ以上は不味いからね」
「…………ちっ」
そう言ってリトは戦闘態勢を解いた。
「それじゃ治療を開始するよ。スカサハにはきつく言っておくから安心してくれ」
「本当に頼むぞ」
スカサハとはこれだから厄介なんだとリトは思った。