「リト! 早くしないと遅刻だよ!」
「わかってる!」
「…………」
「ん?」
「どうしたリト」
「いや。何か今朝から誰かに見られてるような気がしてさ…」
ヤミの奴か? あいつがまた影から俺を狙ってるのか?
まあいい。問題ない。それよりも次はサッカーだったか。
「リト! 頼むぜ!」
「任しとけ!」
「もう! 変な人のせいでリト君を見失っちゃった」
チャンス!
「そりゃ!」
「あれ?」
「どこ蹴ってんだ!」
「いた!」
不味い!
「おーい危ねえぞー!」
「!?」
ボスッ
バタ…。
う……う~ん………。
「! 気が付いたか!?」
「よかった。御門先生は今職員室なんだ。
軽い脳震盪だから心配ないそうだ」
「いやー。でもちゃんと目が覚めて安心したよ。
本当にゴメン。俺のミスのせいで…」
「………」
「ど…どうかした?」
「リト君!」
「うわ!?」
なっ!? いきなり抱きつかれた!?
「な…何だいきなり!」
「うれしい! やっと二人きりになれた!」
「へ?」
「私…ずっとリト君の事見てたの! 私の気持ち伝えたくて…。
でも、チャンスがなくて…」
「気持ちって…何のことだ?」
「…………」
「あなたのことが好き! 私と付き合ってください!」
告白…された!? 俺!?
こんな時どんな反応したらいい!?
「あー、その、なんだ……」
「わかってる…リト君が好きな人は他にいるって事…。
でも…でも私」
「いたいた! 猿山に聞いたらここだって…。
あれ? その子…ルンちゃん!?」
「ララ!?」
ルンちゃん? ララの知り合いか?
「へっくち!」
ボン!
「わ!」
「……………」
「うわああああああ!」
「レン!? お前何で…」
「なるほどねー。レン君はメモルゼ星の王族の子だったの…」
「御門先生…どういうことだ?」
「男女変換能力よ。メモルゼ星人の特有の能力でね。
あるきっかけで心も身体も完全に性別が入れ替わるの」
ほう。そう言う能力か。
「とは言っても本来くしゃみ程度で変換することはないはずよ。
母星と地球の環境や磁場の違いで能力が強まったのかもしれないわね」
「ああ…女子の制服まで用意して学校に入り込むなんて…。
ルンのやつ…少しは僕の気持ちも考えてくれ…」
なるほど…ララが子供の頃女装させて遊んでたのはこういう理由か。
男にこだわるわけだ。
「…く! 結城! ララちゃんだけでなくもう一人の僕であるルンの心まで奪うとは…許さん!」
「知るか馬鹿。お前の体質などしったことか」
「レンちゃーん。くしゃみするだけで変わるんでしょ! ルンちゃん出してよ。
はいこしょう!」
「うわああ。せっかく戻れたのに~!」
「やれやれだ」
リトはあきれるだけだった。