リトはララを河川敷に連れ出していた。
「どうしたのリト。早く帰ってゲームの続きやろうよ」
「間違いがあったらいけないから先に言っとく。
俺が一緒に住むのを許可したのは、監視の為だ。
断じて結婚するつもりはない」
「リトは私のことを好きじゃないってこと?」
「ああ、そうだ。そこんとこわかって……」
「私はいいよ。別にそれでも」
笑顔で言うララ。
「問題ありまくりだ! 狙いは分かってるんだぞ!」
いかん。コイツは存在自体が災厄だ。
何とか星に帰さないと。
「ララ様!」
その時一人の男が呼ぶ声が聞こえた。
「ザスティン!」
リトは頭を抱えた。また、変なのが現れた。
「私と共にデビルーク星に帰りましょうララ様!」
やはりララの狙いは……。
「私、帰らない理由が出来たんだから!」
「帰れない理由とは?」
「私! ここにいるリトのことが好きになったの!」
だろうな。俺を出汁にして帰らないつもりだ。
迷惑極まりない。第一信じるバカがいるものか。
「なるほどそういうことですか」
バカだ。バカがいた。
その間にもララとザスティンの言い合いが続く。
その時リトは殺気を感じた。
「ちっ!」
ザスティンの斬撃がリトを襲う。
「リトとやら実戦で貴様の実力を見せてもらう! いざ勝負!」
その時ザスティンに凄まじいまでのプレッシャーが襲った。
それはザスティンが生涯の中で最も濃密な殺気で凄まじいまでの圧力であった。
デビルーク王を下手すれば越えるほどの。
「ザスティンだったか? いい斬撃だ。殺すには惜しい程にな」
リトは黄金の鎧と神殺しの槍を纏う。
「俺は戦闘において加減は出来ん。悪く思え。頭上注意だ」
ザスティンが上を見ると、複数の槍が落ちてきた。
それを回避するザスティン。
顔を上げると、リトが消えていた。
ザスティンが背後にゾクリと感じ伏せる。そこを槍が通過した。
伏せたザスティンをリトは全力で蹴り飛ばす。
バウンドして転がるザスティン。
ザスティンはわずかの攻防でわかってしまった。
今日が自分の命日であると。
ザスティンは剣を構える。
「あがくか? 抵抗しなければ楽に死ねるぞ?」
「戦士に言葉は無用!」
「そうか……。ならばこちらも全力で答えよう」
リトは黄金の鎧を分離する。
槍が変形する。
「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是、この一刺。インドラよ、刮目しろ。
焼き尽くせ、『
……是非もなし」
それは文字通り全てを焼き尽くす不浄の炎。
それがザスティンに当たろうとした時、
「ダメえ!!」
ララが叫び、リトが宝具を中断する。
ザスティンの前にララが立ちふさがる。
「どけ。戦闘の邪魔だ」
「どかない! どいたらザスティンを殺すよね!」
「そうしないと普通の自由な生活が出来ないぞ? それでもか?」
ララはこくりと頷く。
リトは全武装を解除した。
そしてザスティンに視線を移す。
「ララを普通の生活に……自由にさせろ」
これでこの問題は解決するはずだ。
リトはそう思った。
ところがそうはいかなかった。
「リト……」
「ん?」
「私のこと好きじゃないっていいながら、本当は私の気持ち理解してくれてたんだ」
んん?
「私はリトの言う通り、普通の生活を自由に生きたい。そう思ってた」
「…………その為に俺と結婚するとか言い出したんだろ?」
「うん。でも、やっとわかった。私、リトなら結婚してもいいと思う。
ううん。結婚したい!」
なんでさ。
ザスティンに目を移すと何か納得してるし。
某赤い弓兵じゃないんだぞ。
頭を抱えるリトであった。