リトは庭の植物に水をやっていた。
(今日から新学期か……)
「リトー! ご飯出来たよ!」
「ああ! 今行く!」
リトは家の中に戻る。
「ペケ! まだ寝てるの?
あ! おはよ~リト!
今日から2年生だね! 何かワクワクしちゃう♪」
「……(思いっきり呆れている)」
リトはやれやれと首を振った。
ララが風呂場から全裸でうろついているからだ。
「ララ! 風呂の後に裸でうろつくのはやめろ!」
「え? だってペケがいないんだもん」
「例えそうでも少しは恥じらいというものを持ってだな…」
「恥じらい?」
ララは少し考えて答える。
「わかった! リトがそう言うならこれからは恥じらいを持って、
裸でウロウロする!」
「ダメだ。わかっていない……」
リトは諦めた。
その時ペケが起きてきた。
ペケはあっという間に制服に変わる。
リトはそれを見て朝食を食べに向かった。
「何やってんの二人共? 早く食べないと遅刻するよー」
「はーい美柑! 美柑も今日から6年生だね♪」
「……」
(婚約者問題が白紙に戻ったはいいけど、ララは結局うちで居候続ける事になったし…。
どーなるんだろこの関係…)
リトは朝食を食べながら考えていた。
ダダダダダ!
現在リトとララは全力疾走で走っていた。
「ちょっと待ってリト!」
ララの声にリトが止まる。
「どうした? 何かあったか?」
「ホラ、この場所……私が降りてきて結婚を申し込んだ場所………」
「ああ。そんなこともあったな」
「それより私ね! リトにはっきり言っておきたいことがあったんだ」
「言っておきたいこと?」
「うん! 何かこの場所で言うのが一番正しい気がするの」
「何だ改まって?」
「……私、リトのことが好き…。
宇宙で一番好きです…。だから…、
これからはリトに振り向いてもらえるように頑張ります!」
(…………! ララ…)
「さ。行こ! 遅刻しちゃうよ」
「あ…ああ」
リト達は全速力で駆けだした。
「…………」
(ララの奴…改めてあんなハッキリ言われるとなあ)
「よお。何しけた顔してんだよリト!
西連寺と同じクラスになれてうれしくねーのか?」
「猿山…そりゃうれしいかうれしくないかではうれしいけど…」
「……」
その時一人の少女がリトを見ていた。
(このクラスの顔ぶれは大体わかったわ…。
やっぱり一番風紀を乱しそうなのはあの二人…。
万能の天才結城リト。そしてララ・サタリン・デビルーク。
悪い芽は早めに摘んでしまわないと…。
この学校の秩序のためにも…)
「クラス替えしたから新しい友達もできそうだね!」
「そーだな」
「楽しみ~。仲良くなれるように頑張らなくちゃ」
「ちょっとあなた達! 話があるんだけど」
「?」
「あ! 同じクラスの人だよね初めまして~」
「古手川唯…。元1-Bのクラス委員よ。
1年の時はA組のクラス委員の西連寺さんが甘いせいで、
あなたたちも好き勝手やっていたようだけど、
私が同じクラスになった以上そうはいかないわ」
(好き勝手ね……宇宙人関連だからだっての)
「天上天下唯我独尊…聞く気はないな」
「なっ!」
「俺は誰も救わないなら俺が救う。邪魔する奴は俺が殺る」
「何を言ってるんです! 邪魔する奴は俺が殺るだなんて!」
「リトは聖人だからね。そういう価値基準だよ」
「聖人? 何を言ってるんですか! 大体何? その尻尾!
学校にそんな玩具持ってきていいと思ってるの?」
「え!? だってこれは…」
「本物だもんねー♪」
「ララちぃは宇宙人なんだもん♪」
「リサ、ミオ!」
「え!? 宇宙人?」
「そ! そして尻尾は弱点なのよねー」
「ああ! やっ…やめてえ~」
「なっ…何変な声出してるの!」
「結城!」
「!?」
(ああ、面倒な奴が来たな)
「何でぼくだけ違うクラスなんだ!」
リトは避けつつ足を出す。
レンは見事に引っかかり転んだ。
「何か裏工作したな! そうに決まってる!」
「知るか馬鹿」
組みついてくるレンをリトは引きはがそうとする。
「ちょっと、け…喧嘩はやめなさい!」
「ま、まずい。 ふぇふぇ…へっきし!」
「きゃ! な、何…?」
「……リト君! きゃはっ!」
「うわっ。ルン!?」
「……」
「ど…どーゆーこと?」
「レンレンが女の子になった…」
「あ、実はレンちゃんも宇宙人なんだ」
「え!?」
「くしゃみすると性別が変わって女の子のルンちゃんになるんだよ」
「マジ!?」
「すげー! いかにも宇宙人って感じね!」
(嘘…何なのこれ…。くしゃみで性別が変わる…?
何言ってるの!?)
「会いたかったリト君」
ルンはリトに抱きついてくる。
「天の鎖よ!」
リトはルンを引き離すため、天の鎖を使用した。
ルンはがんじがらめになった。
「ったくみんな落ち着け」
リトが全員を落ち着かせた。
「えー、今日は新学期の初日なのでえ、
このクラスのクラス委員を決めたいと思いまふ。
誰か立候補者はいまふか?」
「はい!」
古手川が手を挙げる。
(宇宙人だろうと何だろうとやっぱり放ってはおけない。
クラスの…いえ、学校の風紀を守る為にも私がやらなきゃ!)
「春菜、立候補しないの?」
「うーんどうしようかな…テニス部も忙しくなるし…」
「そっかー」
「はーい!」
「!」
「私、立候補しまーす!」
ララが手を挙げる。
「え!?」
「お、おいララ本気か!?」
「うん! 何かおもしろそーだし。
大丈夫だよ。わかんないことは春菜に教えてもらうから。
ね? 春菜」
「え? うん、いいけど…」
(ララさんが立候補…!? 冗談じゃないわ!
彼女に任せたらクラスがどんなことになるか…
これは…意地でも負けられない!)