「何のつもりだララ! いきなり転校してくるなんて!」
「?」
「おかげで学校中の噂の的だろうが!
俺の家に住んでることまでばらして!」
「えーだって…いつもリトの側にいたかったんだもん」
「…………」
リトは頭を抱えた。
退屈に飼い殺されるよりはましだが、ここまでの非日常は望んでいない。
頭痛を抱えつつ、リトは告げる。
「一応遠い親戚だと言い訳はしたが、どうやって転入手続きしたんだ?」
「あーそれは簡単だよ。この学校の校長にお願いしたら、可愛いのでOKって!」
リトの頭痛はさらに増した。あの校長は……。
「でも心配しないで! 宇宙人って事は秘密にしてあるから」
「当たり前だ! 宇宙人なんて知れたら大騒ぎに…」
「そんな単純な問題ではない! ララ様はデビルーク星のプリンセス!
それが公になれば命を狙われる可能性もあるのです!」
ペケが力説する。
「まあ、リト殿の戦闘能力なら問題ありませんが」
「大丈夫だよペケ! リトはいざという時頼りになるから!」
「……期待はするなよ」
リトは釘を刺した。
放課後、ララは西連寺に学校の案内をしてもらっていた。
リトは『圏境』、『気配遮断』スキルを使い、
ララが余計なことを言わないかスニーキングする。
どうやら野球勝負をするようだ。
野球部のエースとの一戦。
ララは見事にホームランしてみせた。
すると今度はララを賭けての勝負のようだ。
これ以上目立つのは不味いと、リトはスキルを解除する。
「代打、俺!」
リトの声が響く。
「げ! 結城リト!」
「万能の天才が代打!?」
「ララ、バット貸せ」
「う、うん」
リトは数回バットを素振る。
そしてバッターボックスに入った。
「来い。とっとと終わらせる」
「ねえ、春菜。リトのこと万能の天才ってみんな呼んでたけどどういうこと?」
「簡単に言うと結城君、身体的にも、知力的にもずば抜けているの」
「具体的には?」
「陸上競技ならオリンピック金メダル最有力。
科学ならとんでもないものを発明したり、
音楽、絵画もプロ。戦闘能力も高いとまるで隙のないの」
「うわあ……凄いね」
「うん。凄すぎて遠く感じる」
「さて、さっさと終わらせるか」
相手エースが振りかぶって投げた。
「遅い!」
リトはフルスイングした。
結果は場外のホームランだった。
「うわー凄い!」
「あれ? 結城君は?」
「ここだ」
「えっ!? どこ!?」
「『圏境』と『気配遮断』で姿を隠してる。
さっきみたいなことがないように見張ってたんだ」
「忍者!? 結城君は忍者だったの!?」
「忍術も使えるが見せる気はない。
西連寺はララの案内を頼む。俺は見張りに徹する。じゃあな」
そこでリトからの連絡が途絶えた。
二人は案内を再開した。