日曜日
リト達は街に繰り出していた。
「目立つ……か」
リトはララのドレスモードを見て呟く。
普通の人から見ればコスプレだ。
街を見て歩く恰好ではない。
リトはララを連れて一旦路地裏に入る。
「リトどうしたの?」
「その恰好どうにかならないか? やっぱり目立ち過ぎだ」
「えー、ドレスモードだめ?」
「何事もなく街を見て回りたいなら、もっと普通の服がいいね」
「そっかー」
「ペケはどんな服にも変身できるんだろ?
その辺歩いてる人のを適当にマネすりゃいいんだよ」
「それじゃこれなんかどう?」
「それ男物!」
「これは?」
「ダウト!」
「これは?」
「どこ歩いてたそんなの!?」
リトは頭が痛くなってきた。
「いい加減にしろ! 真面目にやる気がないなら帰るぞ!」
「じゃあこれ♪」
「い、いいんじゃないか」
「よーし、じゃ、出発!」
「こら! 引っ張るな!」
リト達は街へ繰り出した。
「そういえばリト」
「ん?」
「ギ・ブリーが触れずに曲がったけど、あれは何なの?」
「……歪曲の魔眼だよ」
「歪曲の魔眼?」
「魔眼と呼称される異能の中でも最上級のもの。
異能の中の異能、希少品の中の希少品。無機・有機問わず、
“物質として存在するもの”を一枚のプリント映像として捉え、
これをねじる事で対象の強度・規模を問わずに捻り、切断する代物だ」
「攻撃的ですね」
「ペケの言う通りだ。「凶(まが)れ」という言葉以外に予備動作を必要とせず、
発生までのタイムラグも殆ど無く、広範囲に作用でき、
さらに対象の強度にも左右されない」
「うわ~。凶悪極まりない代物ですね」
「そうだ。だからこそ運用には慎重なんだ。魔術師なら欲しがる能力だ」
「そういえばリトの他に魔術師って何人いるの?」
「……ほとんどいない。
今は魔術師同士で殺し合わないよう条約を結んでいるほどだ」
「そうなんだ……」
「詳しいことはその都度な。今は街を楽しもう」
リト達は街を楽しみ始めた。
「蜜柑なんだそれ?」
「ん。さっき服買ったらもらったんだ。
最近この辺に出来た水族館の割引券だって」
「水族館?」
「魚とか海の生物がたくさんいるところだ……ってララ!」
ララの服が消え始めたのだ。
「おいペケ! これは一体!?」
「どうやらエネルギー切れのようです。
先程の連続フォームチェンジが思ったより負担になったようで…。
「エネルギーが切れるとどうなる!?」
「コスチューム形態が維持出来なくなります。
恐らく後三分ほどで…」
まずいまずいまずい!
リトはララを連れて駆けだした。
「とにかく一旦どこかに隠れるぞ!」
リト達は走るが都合よく見つからない。
「もうひとまずその辺の店に入るしかないよ!」
「そうだな!」
リト達はとりあえず店に入る。
ってここランジェリーショップ!?
くそっ。やむを得ないか。
ララは下着を持って試着室へ。
蜜柑は服を揃えに行った。
……蜜柑がいて本当に良かった。
一時はどうなることかと……。
「……」
「……」
西連寺がなんでここにいるのかな?
いや、俺がいる方がおかしいのか。
そんなことを思っていると、ララが下着姿で現れた。
タイミング悪すぎだろ。
あまりのことにリトは頭を抱えた。