「えーと…春菜さんって呼んでいい?」
「あ、うん。よろしくね。蜜柑ちゃん」
(蜜柑が割と早めに戻ってきてくれたのが、
せめてもの救いだったな……)
リトはため息をつく。
(けど、ララとランジェリーショップにいたのは変わらないものな……。
西連寺……俺達のことをどう思っているんだろう)
四人は水族館を楽しんでいた。
特にララが眼をキラキラさせて、はしゃいでいる。
「ふふ。ララさん子供みたい」
「……」
謝っておくか。
「西連寺。悪いな。ララが無理矢理こんなところに誘って…」
「あっ…んーん。私もこういうところ好きだから」
「そうか……ならよかった」
「……私の方こそゴメンね」
「?」
「私…結城君達の邪魔しちゃったんじゃない?」
「あー、問題ない。俺はただ妹とララに付き合わされただけだ。
こういうところは大勢で来た方が楽しい」
「…ホントに」
「ああ」
「なら…よかった」
……西連寺ははた目から見ても可愛いよな。
いつもと違って私服なのも違うように見えるんだろうな。
俺が知ってる西連寺は制服姿だからな。
後は体操服姿か。
…………。
嫌なことを思い出した。
これからも戦闘を続けるのか……。
「…………」
「?。結城君どうしたの?」
「……何でもない」
リトは寂しい笑顔を浮かべて返事した。
「リト! 大変、しじみがいないよ」
「そんなものは水族館にいない!」
「そうなの? じゃあ、アジとかサンマは?」
「食べ物から離れろ」
「むー。ん。あっちも面白そう!」
「おいララ!?」
「仕方ないな~。私がララさんについていくよ。
リトと春菜さんは後からゆっくり来てね」
「あ、蜜柑まで!」
「全くあいつらは……」
「…………」
「とりあえず行くか」
その時西連寺がリトの服の裾をつかんだ。
「西連寺?」
「ゴメンなさい。私どうしても結城君に言いたいことがあって…」
「?」
「その…この前のこと」
「この前?」
「ララさんが教えてくれたの。私が貧血で倒れた時、
結城君が私を見つけて保健室へ運んでくれたんでしょ?」
「ふー、ララには口止めしたんだけどな」
「ずっとお礼言わなきゃって思ってたんだけど、
なかなか言い出すきっかけがなくて、だから、ありがとう結城君」
「礼ならいいよ。困った時はお互い様……!」
リトは飛んできた物体を避けた。
ペンギン?
ペンギンが空を集団で飛んでいる。
リトは頭を抱えた。こいつをやったのは……!
リトはララを見つけて問い質す。
「一体何をやったんだ?」
聞くとデビルーク戦士の薬を与えたらしい。
「蜜柑はどうした!」
「え? 蜜柑? 知らないよ?」
とにかく止めないと。
「『天の鎖』よ!」
天の鎖が発動し、ペンギン達を絡めとる。
「ふう。とりあえずこれでよしと」
息抜きの遊びが余計に疲れたリトであった。