深海の龍帝は何を成す?   作:リア・ユグドラシル

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「…起動」

「前回のあらすじを始めます」

「前回、鳳凰星武祭。通称フェニックスに参加を決定」

「エントリーを終え、それぞれ鍛錬に入る」

「大会2日前に個体名:深海鶴神姫と個体名:フローラ・クレムが六花に到着」

「その夜に不審な影が現れるも生命反応消失」

「大会当日。それぞれ戦意を高め大会に臨む」

「本編まで後5秒」

「3」

「2」

「1」

「…GO!」

〈鳳凰星武祭第一回戦〉


鳳凰星武祭第一回戦

『これより鳳凰星武祭開幕です!』

 

その宣言と共にそれぞれ出場者が、観客が咆哮を上げる

 

『それぞれ選手は控え室にてコンディションを整え、放送で呼ばれしだい入場口に向かって下さい』

 

その言葉と共に選手が動き出す。もちろん我らが主人公勢もしかり

 

「さて、一体誰が相手になるかね?」

 

「誰が相手でもいい…私と貴方で最強だもん♪」

 

「クク…あぁ…」

 

「…頼むからやり過ぎないで下さいね?」

 

クローディアの切実な願いを華麗にスルーし2人は控え室に入った

 

『さぁさぁ間もなく第一回戦!最初の試合は〜…このペア!』

 

『まさかのいきなり!?星導館最強タッグVS界龍タッグ!』

 

「早速だな」

 

「うん。行こ」

 

2人は入場口を潜り観客の前に出る

 

『さぁさぁまさかの最初からクライマックス!優勝候補として名高い星導館序列第1位紅月と第2位魔蝕の吸血姫のタッグの試合です!』

 

『今年の星導館は豊作とのことであり、特にTOP勢は間違いなく過去最強との事!一体どのような試合を見せてくださるのか!?』

 

「まさか最初の相手が星導館最強とは…」

 

「相手にとって不足なし!」

 

「相手は界龍か…」(直ぐに終わりそう)

 

「強いらしいけど…」(ぶっちゃけワンパンできそう)

 

実況と相手側が暑くなっている中龍とオーフェリアはその動きを見て大体実力を測れてしまったので思考が冷めていた

 

『それでは…一回戦第1試合!開始!』

 

「いざじんじ「おせぇ!」ぽげろ!?」

 

「ゑゑゑ!?」

 

セリフ途中だろうとお構い無しの龍は地面を踏み割る勢いで飛び出し相手Aの頭を掴んで後ろにある壁に突撃した勢いを乗せて叩きつけた

 

「無駄なことくっちゃべってる暇があるならとっとと殴る!」

 

「せ、せめてセリフ位「お前も前見たらどうだ?」ゑ?」

 

そう言われて振り返ると…

 

(^ω^)

 

「あ"」

 

すんごいいい笑顔で拳を叩きつけようとするオーフェリアが…

 

「ふんっ」

 

「ぼるしちっ!?」

 

鉄拳(ガチ)が炸裂し相手Bは上半身が地面に埋まり戦闘不能となった

 

『…』

 

『…』

 

これには実況も解説も他の皆も呆然

 

「…おい審判、コール」

 

『…はっ!!し、試合終了!勝者深海龍我、オーフェリア・ランドルーフェン!』

 

『…ま、全く仕事させてもらえなかった…!』

 

『いやまさかのワンパンですか…ていうかお二人は純星煌式武装持ってたはずですが…使わずに終わりましたね』

 

「「え?あの程度の相手に使う必要性あった?」」

 

『…さ、さぁ次は第二試合です!』

 

((逃げたな))

 

内心そう思いながらもこのままだと邪魔になるので控え室に戻る2人だった…

 

side change

 

「あ、アイツらは…」

 

頭に手を当て空を見上げるユリス…初っ端から相手を瞬殺しその後の会話も完全に相手を下に見ている発言(純然たる事実だから尚のこと質が悪い)に頭痛が痛い状態になっていた…

 

「ひ、姫様…今何が起こったのかフローラにはわかりませんでした…」

 

フローラは驚いた表情のままユリスを見る…ユリスは空を見上げるのを止めてフローラにこう言った

 

「フローラ…基本的にアイツらが他の生徒とやり合うと大体ああなる…だから気にするな…」

 

悟った様子で言うユリスを見て苦労していることを理解したフローラ(10歳)は賢い子なので素直に頷いた

 

「グッフ」

 

何か倒れる音がしたがフローラはそちらを見ない…見たら不味い何かがあるとわかっているからだ(尚ユリスも無言で視線を逸らした)

 

「…さて、次はあの二人か…」

 

「…似たような試合の流れになりそうです…」

 

side change

 

『さ、さぁ次は第二試合です!』

 

「…フフッ。先輩達らしいですね」

 

「ん、当然。私達の龍我があの程度の相手に負けるわけない」

 

「ですね。よし!私達も勝ちましょう!」

 

「ん、負けるつもりなんてない。負けるとしても義姉さんか龍我達以外に負けるつもりなんてない」

 

「ですね。紗夜ちゃんは武器を使います?」

 

「今回は相手側に魔女が居るから念の為に持ってきた煌式武装使おうと思う」

 

そう言って拳銃型の煌式武装を起動する

 

「ま、あの程度の相手ならこれで十分。綺凛はどうするの?」

 

「まだ幻獣や神獣の力は使いません。と言うより手加減間違えたら先輩達以外耐えれないので…」

 

「間違いなくお陀仏」

 

2人が思い出すのは試しにフェニックスの力を使用した時。あの時は念の為龍も着いて行ったが試しに火を放った結果山火事になりかけたのである(龍がドラゴン形態になって水属性ブレスで鎮火)。それ以降手加減を覚えるための訓練には龍かオイゲンと言った面々が必ず付き添うようになった

 

「…ん、そろそろ」

 

「それじゃあ行きましょう!」

 

『さぁ第二試合はまたしても星導館!第3位日月の剣姫と第5位の機械戦姫のタッグVS聖ガラードワース学園!』

 

『今回はちゃんと実況したいですね』

 

『不安になる事言わないで!?それじゃあ選手入場です!』

 

『まず入場したのは星導館コンビ!いや〜先程のオーフェリアさんはミステリアスで美しい女性でしたがこちらは可愛らしいですね〜。沙々宮選手は確か1年生でした「バキュン」ゑ?』

 

実況席のガラスに穴が開き実況の顔を掠って壁に銃弾が着弾する

 

『…あの…彼女は2年生です。刀藤選手が1年生です』

 

『えっあっ…す、すみませんでした!!』

 

「…ふんっ」

 

「あはは…まぁまぁ…落ち着いてください」

 

紗夜は実況に煌式武装を向けるのを止めたが不機嫌そうな表情を隠そうともせずその苛立ちを殺気にして相手に向ける

 

「…纏めて潰す」

 

「「理不尽!?」」

 

「できれば私の分も残して〜」

 

理不尽な殺気を向ける紗夜と少しズレたことを言う綺凛。実況と解説は少し不安になりつつも開始の宣言をする

 

『そ、それでは!一回戦第二試合!始め!』

 

「「はぁぁぁ!!」」

 

「隙だらけです!」

 

「蜂の巣」

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

『『えっ』』

 

一瞬で距離を詰めた綺凛の斬撃と紗夜の目にも止まらぬ早撃ちによって相手2人はあっさりズタボロにされ試合が終わった

 

「ま、こんなとこ」

 

「ですね♪」

 

そう言って2人は控え室に戻り、残ったのは無惨にもズタボロとなった相手2人だけだった

 

『『…頼むから仕事させてくれ…!』』

 

そんな切実な思いが届くのはもう少しあと…

 

「おっすお前ら。やっぱ瞬殺だったな」

 

「いや私達相手にマトモに戦えるの居ないでしょ…」

 

「他の選手に私達レベルの強さを求めるのは酷」

 

「私達に勝ちたいならまず人間辞めないといけませんから…」

 

今日の分の試合が終わったためそれぞれ控え室から出て観客席に座る面々(フードを被ってしっかり顔を隠しつつ)

 

「次の試合は?」

 

「確かお姉ちゃんとオイゲンだったはずだ」

 

「「相手詰んだね」」

 

「そりゃあな」

 

結論。相手勝ち目無し

 

『さ、さぁ第三試合…お願いだから実況させて…』

 

「「「「切実だなぁ…」」」」

 

「「お前らのせいなんだよなぁ…」」

 

いつの間にか近くに来ていたユリスとクローディアにそう突っ込まれるがスルーする

 

『…ま、まぁ今度は両者共に序列外ですし…』

 

『…事前情報に片や深海選手の義姉で片や昔から深海選手達と一緒に暮らしていたという情報があるんですが…』

 

『…』

 

その言葉を聞いて観客も実況席の2人も大体この後の試合展開を察した

 

「ふははは!やっと出番か…ん?なんか静かだな?」

 

「あれじゃない?龍我達の無双が酷すぎて関係のある私達の試合も大体流れが読めてるからじゃない?」

 

「なるほどな…つまり我が弟と我が弟子達の力に慄いていると!」

 

「まぁ…間違いでは無い…のかな?」

 

微妙にズレた発言をするカレラとあながち間違ってないから否定しずらいオイゲン…尚対戦相手は完全に腰が引けていた

 

「とりあえず試合を始めろぉ!」

 

『はっ!そ、そうですね…それでは第三試合開始!』

 

「クソッタレ先手必勝!」

 

「壊れぬ盾」

 

速攻で攻撃を仕掛けに来た相手をオイゲンが自身のスキルで防ぐ

 

「ちょ!?何この障壁硬っ!」

 

「全然破れない!?」

 

「うんまぁそうでしょうね…!?」

 

でなかったら自信無くすと小さく呟き…オイゲンは後ろからプレッシャーを感じ取って振り向く

 

「フフフフフフフフフフ…」

 

「…あ、これヤバいやつ」

 

「「ちょっと待って後ろの人のそれは何!?」」

 

カレラの周囲が凍てつき始めていた…明らかに氷結地獄(コキュートス)の発動準備が整いつつあった

 

「…私は逃げさせてもらうわ〜」ヽ(・∀・)バイバーイ

 

「「ちょっと待って見捨てないで!?」」

 

「お別れの時間だぁ☆」

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

オイゲンが空中に逃亡し障壁を解除すると放たれた冷気がステージを丸ごと氷漬けにし相手も戦闘不能になった

 

『す、凄まじい冷気です!実況席にいる我々ですらその冷たさを感じ取れるほど!』

 

『さ、寒い…私寒いの苦手なんですよ!』

 

「む、流石にやり過ぎたか…とりあえず全部溶かさないとな…」

 

「おーい大丈夫〜?」

 

火魔法で後処理に取り掛かるカレラ…その間にオイゲンは氷漬けになった相手チームの救助を行っていた

 

『ちょ、今連絡が来たんですがスタジアムの観客席を守る機能が先程の冷気でイカれたそうです!しばらくお待ちください!』

 

「「あっ」」

 

『どうやら最初の試合で割れた地面から冷気が入り込んで機器が故障したそうで…』

 

「「「「あっ」」」」

 

その言葉に気まずそうに目をそらす姉弟…因みにスタジアムの地下では…

 

「ぬおおお!まさかこんな速くイカれるとは!?」

 

「いやこれは完全に想定外ですって現場監督!」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないですって!早くしないと次の試合に支障が…」

 

「私が修理します!」

 

「!?君は…学生?」

 

「生徒会長から万が一のためにと…」

 

「おいおいエンフィールド嬢のお墨付きかい!?なら頼もしい!」

 

「星螺!全力で!行きます!!」

 

救世主(妖精)が現場でその腕を振るっていた

 

『…あ、今連絡がありました!どうやら助っ人が入ってくれたので1時間で治るそうです!』

 

((((((あ、妖精だな))))))

 

妖精を知るメンバーは直ぐに察し、相変わらずの技術力の高さに舌を巻くのであった…

 

to be continued…

 

オマケ1

 

この後の試合結果

 

アルルカントタッグ(勝利)VSレヴォルフタッグ

 

界龍タッグ2VSガラードワースタッグ2(勝利)

 

レヴォルフタッグ2(勝利)Vアルルカントタッグ2

 

オマケ2

 

例の誘拐未遂事件の後

 

「ひぃぃぃ!?」

 

「お、お前は一体なんなんだ!?」

 

「うるさいなぁ…明後日の試合を楽しみにしてたのに無用なトラブルを引き起こそうとしたお前らに答えるつもりは無いよ」

 

「ひぃ!?」(あれ?コイツどこかで…)

 

「か、頭!ど、どうするんですか!?」

 

「おやおや?まさか逃げられると思っているんですか?」

 

「…っ!お前まさか第i「それは言わせない。静寂」…!?」

 

「か、頭!?」

 

「まぁこれ以上は時間の無駄だし…さようなら」

 

飛び散る肉片と血液…残されるのはやはり血に染った鏡が1枚…

 

「さて、ちょっと気分悪いまま寝るのはアレだし…マ〇カーでもやりますか♪」

 

この後少女は配管工のレースゲームで高レート帯のプレイヤーの心をへし折りまくった




次回の深海の龍帝は何を成す?は…

「おいおい…いくら大会中だからってはっちゃけ過ぎだ」

「あ、ありがとうございます」

コイツやっぱトラブルホイホイだろ

「おい星導館1位」

「ん?なんだ?」

気の強そうな鎌使い登場!

「…なんで俺ここで飯食ってんだ?」

「まぁまぁ…お礼も出来なかったですし…」

お前はよぉ…

次回!「祭りの最中でも節度は持て」

キャラ解説…要る?

  • 書け!
  • 別に要らんじゃろ

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