深海の龍帝は何を成す?   作:リア・ユグドラシル

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「前回のあらすじは私…おっと皆さんは初めましてですね。真名はまだ名乗ってはなりませんので…そうですね、“我が命の杖”と名乗っておきましょう」

「お姉ちゃん私達も自己紹介してもいい?」

「真名は出しちゃいけませんよ?」

「はーい!私達は“お母さんの娘”だよ!よろしくね!」

「前回はユリスさんの帰省に合わせて皆さんそれぞれ家族と会いましたね。といっても最終的に沙々宮家でお泊まり会になりましたが…」

「いーなー私達もお母さんと一緒に寝たいよ〜!」

「まぁまぁ…私達の出番も割と近いそうですし、もうしばらくの辛抱ですよ」

「ぶ〜…はーい…」

「我慢できたら我が命もきっと褒めて下さります。ですので本当にあと少しの辛抱ですよ」

「!いっぱいなでなでしてくれるかな!?」

「きっとしてくれるでしょう。ですので頑張って我慢しましょうね?」

「はーい!」

「ふふ…っとそろそろいい時間ですね。それじゃあ本編に行きましょう」

「そうだね!それじゃあ本編…」

「「ゆっくりしていってね!」」

「「吸血鬼の故郷」」


吸血姫の故郷

「よーし忘れ物は無いな?」⬅龍

 

「大丈夫」⬅オーフェリア

 

「大丈夫です!」⬅綺凛

 

「モーマンタイ」⬅紗夜

 

「もぐもぐ…大丈夫れふ」⬅妖精

 

「星螺…食うのが早くないか?私も忘れ物は無い」⬅ユリス

 

「我も問題ないぞ」⬅カレラ

 

「そんな事よりおうどん食べたい」⬅クローディア

 

「会長がボケキャラになってない?私も大丈夫よ」⬅オイゲン

 

「こっちも荷物確認したけど大丈夫だよ」⬅シルヴィア

 

「そうか、なら行くぞ。後会長は今日は国王陛下に会いに行かず観光して体と心を休めろまじで」

 

明らかにヤバい状態なのに仕事に行こうとするクローディアの首根っこを掴み予約していたホテルに向かう

 

チェックイン中…

 

「さて、俺とオーフェリアは孤児院に行くが…他はどうする?」

 

「私も行こう。久しぶりに顔を出さねばな」

 

「さっき相談して決めたんですが…私達はそれぞれ自由に見て回ることにしました」

 

龍・オーフェリア・ユリスの3人は孤児院に、綺凛達はそれぞれ自由に見て回ることになった(尚カレラはクローディアが仕事に向かわないように監視するためにクローディアとペア)

 

「それじゃあ昼にホテルの前に集合で」

 

「「「「「「「「「了解」」」」」」」」」

 

 

龍達は孤児院に向かう為に森に入っていた

 

「こっちが近道だ」

 

「こんな所あったんだね」

 

「子供の頃から使ってた道だからな」

 

森と言っても整備がされていて孤児院までの道があった

 

ガサガサッ!

 

「…ん?この音と獣臭は…」

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「「なんだ熊か」」

 

「いや普通熊って結構危ないはずなんだが…」

 

2mくらいの熊が現れるが全く気にした様子もない龍とオーフェリアに呆れるユリス…自分も対して脅威に思っていないことに気づいていない…

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「…」

 

「失せろ」

 

「!?」ビクッ!!

 

短い言葉と共に放たれた膨大な殺気に熊は震え上がり直ぐに踵を返して逃げ出した

 

「今度猟友会にでも依頼しておいたらどうだ?」

 

「そうしておこう…孤児院には小さな子供も居るからな…仮に熊と鉢合わせようものならひとたまりもない」

 

そう言ってユリスはスマホを取り出しどこかに電話をかける

 

「もしもし?兄上か?実は孤児院に行くまでの道に熊が出てな…うん、頼む…よし、依頼は兄上に頼んで置いたから早めに対応してくれるだろう。孤児院に向かうぞ」

 

電話を切ったユリスは案内を再開する

 

「と言うかあまり険しい道って訳では無いんだな」

 

「さっき言った通り子供も使うからな。元々整備がしっかりされていたし、ここは私が子供の頃から使ってた道だからけもの道みたいになっているんだ」

 

「よく怪我しなかったなおい」

 

「あんまり危ない事しないでよ?」

 

「お前が言うか…というか今更だろ」

 

普段から決闘とか当たり前な学園に通っているのだから本当に今更だった…そうこうしている間に…

 

「…おっ」

 

「ここがオーフェリアが居た孤児院か?」

 

「うん…あの時とあんまり変わってない…懐かしいなぁ…」

 

龍達の視界に入ったのは所々補修され今も工事中の場所がある孤児院だった

 

「確かオーフェリアは鳳凰星武祭優勝の得点でリーゼルタニアの孤児院の支援をより手厚くしてもらったんだっけな」

 

「うん。私が孤児院にいた頃からあまりお金がなかったみたいだから…」

 

「…世知辛いもんだ」

 

そう言い合いながら孤児院の入口に近づくと中から子どもが2人近づいてきた

 

「おにーさんたちだれ〜?」

 

「ひめさまはわかるけど…」

 

「お、孤児院の子どもか…」

 

「すまないが院長は居るか?少し話がしたいのだが…」

 

子ども達と話していると孤児院の中から初老の女性が現れる

 

「皆、お客さん?って姫様!お久しぶりです!」

 

「久しぶりだな先生」

 

「久しぶり〜」

 

「!?え?もしかして…オーフェリア?」

 

ユリスの後ろからひょっこりと顔を出したオーフェリアに口に手を当てて驚く院長

 

「うん、久しぶりだね?院長」

 

「あ、えと…その…」

 

明らかに気まずそうな院長だがオーフェリアは特に気にした様子も無く話しかける

 

「別に私は院長が下した判断に関して怒ってないよ?」

 

「へっ?」

 

「院長があの判断をしたから私は確かに辛い思いもしたよ?でもそれがあったから龍我達と会えたんだもん♪」

 

「オーフェリア…」

 

院長を抱きしめそう言うオーフェリアに涙を流す院長…その様子を後ろで見ていた龍とユリス

 

(ユリス、院長の判断ってのは?)

 

(実はこの孤児院は金が無くて一時期差し押さえられる寸前だったんだ…だから院長は苦渋の選択でオーフェリアを…)

 

(…なるほどな)

 

納得した様子で頷く龍…暫くして話し終わったのか院長とオーフェリアは離れると院長が龍に話しかける

 

「お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ございません…私がこの孤児院の院長です。オーフェリアを助けて下さりありがとうございます」

 

「深海龍我だ。気にすんなたまたま見かけたから助けただけだ」

 

「それでもです…それに普通裏の闇が関係している可能性が高いにも関わらず助けくれる人は中々いないと思いますし…」

 

(…そういや普通そうだな…いやこの世界の軍事力程度なら潰せるから特に危機感も無しにやってたな…)

 

自分の感覚が割とバグってることを自覚した龍…だが実際その通りだから今は改める必要も無いと判断した

 

「まぁそこまで言うなら礼は受け取っとく…」

 

「ね〜ね〜おにいちゃんあそぼ〜?」

 

「む…」

 

孤児院からまた子どもが出てきてそうせがむ

 

「こらこら…すいません…」

 

「気にするな。ユリス、時間に余裕はあるか?」

 

「2時間程度なら問題無い」

 

「了解、オーフェリアも構わないか?」

 

「大丈夫よ」

 

「よし、それじゃあ子どもの相手をするとしますか」

 

 

【2時間後】

 

「ふぅ…子どものパワフルさは凄まじいな」

 

「2時間とはいえよくぶっ続けで動けるな…」

 

「ユリスもっと鍛えないと…」

 

「こっちはお前たちみたいに人外じゃないんだぞ…!というか吸血鬼とドラゴンの体力にただの人間がついていけ…あれ?意外と着いていけてた気が…」

 

「まぁ鍛えると言っても人間の身体だと限界もあるか…どこぞの野菜人でもない限りは…いやアイツら宇宙人だった」

 

いつもスレで脳みそまで筋肉っぷりを発揮している無敵の野菜人を思い出す龍

 

「とりあえずどうする?」

 

「背負うしかないだろ…つーわけでオーフェリアこいつ俺の背中に乗せてくれ」

 

「ほーい」

 

「ちょ!?」

 

慌てた様子のユリスだが人外の腕力に勝てる訳もなく背中に乗せられた

 

「む、むぅ…///」

 

「そんじゃあお邪魔しました」

 

「はい、また機会があったらお立ち寄り下さい」

 

「院長ばいばーい」

 

龍達は孤児院を出て森を抜けホテルに向かう

 

「…そういえば龍我」

 

「ん?どしたオーフェリア?」

 

「なんか孤児院の子にお母さんみたいって言われた時にいつもと反応が違った気がするんだけど…」

 

「…あ〜うん…気にするな」

 

「?そう?」

 

何やら煮え切らない表情の龍に疑問を抱きつつも踏み込まれたくない話なんだろうと考え切り上げる

 

「…」

 

(…俺が指揮官をしていた世界からKAN-SEN達が来た…それなら…)

 

『ぎゅっ……て、して……ね?おかあさんのためなら、わたしたち何でもするよ?』

 

『我が夫、城はいつ建てましょう?準備はできていますので、良い日取り、良い時期に声をかけるよう。凄いのを建てます』

 

『戦闘で褒められるのも嬉しいけど、こうして一緒にいて、意見を交えて、理解していくほうが、私は嬉しいんだけどな……。あと竜なので、夜は体温が恋しいな』

 

『行きましょう、マスター。全ての命は終わるべきだと彼は言いました。わたしはそれを理解していますが、認めることはしたくない。わたしは……先輩のサーヴァントですから!』

 

『そう、つまりアンタ炎に焼かれたいのね?良いわ、良いわよ。そのうちそうしてあげるから。……ま、そのときになって後悔するわよ絶対。それでもしないなら、地獄の底まで付き合ってもらうから』

 

『私は、私のプライドのためにアルターエゴになって、あれこれやって来た○○○○○だが……今は、お前のためにここにいる○○○○○だ。そんなに私が大事だというのなら、満更でもない。私も、大切にしてやるぞ。とっくにされてた?うん、まあ、そうですね』

 

『○○を修復する者達……、言うは容易いですが、行うのは困難だったでしょう。私は、星に住む生命を守るもの。実のところ、○○○○○も○○○も○○○も、評価としては同じなのです。ですが……今は、個人的に貴方達の未来を案じています。依怙贔屓……ですね。でも、仕方がないでしょう?私の中身は、どうしようもなくお転婆であった、○○○○○なのですから』

 

龍の脳裏に過ぎる少女、女性の姿

 

(…お前達もこっちに来るのかね?)

 

そこまで龍は考え、今は考えても仕方ないと思考を切り替える

 

(今はそんな事より観光を楽しまないとな)

 

何か旗が立った気がするが龍は考えないことにした

 

(…まぁ仮に来たら確実にグランドろくでなしが関わってるだろうからケツにパイルバンカーねじ込めばいいか)

 

どこかの世界でろくでなし2人が尻を抑えて背筋を凍らせた…

 

「ん?龍、急に笑い出してどうかしたの?」

 

「んにゃ?何もねぇよ…っとそろそろ見えてきたな」

 

ホテルの前には既に綺凛達が待っていた

 

「…ん?なんだ?なんかあったか?」

 

「えっと…実は観光中にフローラちゃんとあったんですが…」

 

「国王陛下が城に招きたいって…」

 

「…まじか」

 

龍はどうした物かと考える

 

「ホテルのキャンセル料が掛かるのは…だが国王陛下に呼ばれている以上…」

 

「あ、ホテルに関しては国王陛下が代わりにキャンセル料を支払ってくれるそうです」

 

「む、そうか?なら応じるべきだな…だがその前に腹が減った!」

 

「確かに丁度いい時間ですね」

 

クローディアが腕時計を確認すると丁度昼時を指していた

 

「それならあそこで食べましょう!」

 

そう言って綺凛が指したのはパスタの専門店だった

 

「ふむ、パスタか…良いな」

 

「文句なし」

 

「同じく」

 

「美味そうですね〜早く行きましょう!」

 

「お、あの店は私も昔食べに行ったぞ」

 

「ほう?王女お墨付きなら期待できるな」

 

「そうね」

 

「楽しみだね〜?」

 

「頼むからあまりプレッシャーかけないでくれ…味は保証するが…」

 

そんな事言い合いながら龍達は店で昼食を取った

 

【30分後】

 

「ふぅ…食った食った…で、ユリス。城まで案内してもらえるか?後国王陛下にクローディアとの話し合いは明日まで待つよう言っといてくれ」

 

「わかった」

 

「ちょ!?私は働けま「観光中ふらつく事があったのによくそんなこと言えるな?」ギクッ」

 

「…ついでに寝室の用意も頼んでおこう」

 

「頼む」

 

もう完全に社畜になりつつあるクローディアに憐れみの視線を向けつつもユリスはスマホで連絡していた

 

「もしもし兄上?すまないが話し合いに来たエンフィールド嬢がお疲れのようだから話し合いは明日に回してくれ…あとエンフィールド嬢が休めるよう寝室の用意も頼む…ん?龍我と話がしたい?」

 

「おん?俺を指名か?別に大丈夫だが…」

 

「わかった…という訳で大丈夫だそうだ…ああ、すぐに向かう…さて、城まで案内しよう」

 

そう言ってユリスは歩いていく…もちろん龍達も着いて行った

 

 

【リーゼルタニア城】

 

「ふむ…凡そ城の中は想像通りだな」

 

そう言って周りを観察しつつ城の廊下を進む龍…既に綺凛達は別室に案内されていて龍はユリスの案内で謁見の間に向かっていた

 

「まぁ兄上は放蕩とはいえ一応国の象徴だからな。体裁は保っておかねばならないのだ」

 

「国としてのメンツってやつか…面倒なこった」

 

「その通りだな…」

 

うんざりした様子のユリスに今までうんざりするほど王族としてこうあるべきと教育されてきたんだなと若干同情する龍だった

 

「つーか国王陛下が放蕩って大丈夫なのかこの国…」

 

「まぁ実際は統合企業財体に支配されている様なものだからな…寧ろ放蕩で無能な方が統合企業財体としては扱いやすいのだろう」

 

「お飾りの王様ってか?人間ってのは汚ぇ部分の多い事だ…」

 

「ふふ…違いない」

 

自嘲…と言うより本心からそう言っている様子のユリスに龍は何らかの変質を感じ取った

 

(…こいつ…)

 

嘲笑う訳でもなく見下すわけでも無いがその言い方と感情は明らかに同族に向けるものでは無いし元のユリスがそう言う思考回路な訳でもない…それは即ち…

 

(…後で国王陛下と2人っきりで話さないとな…)

 

そう考える龍だが目の前に一際豪奢な扉が見えるとすぐに思考を切り替える

 

「兄上、入ります」

 

「失礼します」

 

そう言って部屋に入ると、部屋の中には階段が設置されていてその上にあるこれまた豪奢な装飾のされた椅子に王冠を被った男と女性が居た

 

「うん。おかえりユリス。そして初めましてだね?深海龍我君」

 

「まさか国王陛下と謁見することになるとはな…」

 

一応相手は国王陛下なので礼節を弁えようとする

 

「ははは!別にへりくだる必要は無いよ。ここに居るのは君以外だと身内だけだし人払いもさせている。ましてやお飾りの王様にそんな態度取らなくてもいいさ」

 

「兄上…」┐(´-д-`)┌

 

国王陛下の言葉に呆れた様子で首を横に振るユリス…どうやら昔からこんな感じらしい

 

「ただ自己紹介はして置かないとね…僕はヨルベルト・マリー・ヨハネス・ハインリヒ・フォン・リースフェルト。一応このリーゼルタニアの国王だ。こちらは僕の妻の…」

 

「マリアです」

 

「深海龍我だ。そっちがへりくだる必要は無いと言ったからには普段通りで行かせてもらう」

 

互いに自己紹介を終えると話が始まる…と言っても内容はアスタリスクでのユリスの様子やユリスの昔話が中心で終始ユリスは顔を真っ赤にしていた

 

「大分面白い話を聞かせてもらったな」

 

「こちらもいい話を聞かせてもらったよ♪」

 

「本当にね〜♪」

 

「…シテ…コロシテ…」

 

満足そうな3人と顔を真っ赤にして部屋の隅で蹲るユリス

 

「どうやらユリスは体調が宜しくないようだし、そろそろ部屋に戻ったらどうだ?」

 

龍がそう言うとユリスはキッと龍達を睨みつけると部屋から出ていった

 

「…さて、ここからちょっと真面目な話をする」

 

「…わかった」

 

ユリスが居なくなったことを確認した龍は表情を真面目なものに変えるとヨルベルトも真剣な表情に変わる

 

「…回りくどい言い方はしない。だから覚悟してくれ」

 

「…うん。覚悟はできたよ」

 

「私も」

 

「…ユリスが人ならざるものになりつつある」

 

「「!」」

 

龍の言い放った言葉はあまりに衝撃的なものだった

 

「…それは、どういうことだい?」

 

「文字通りだ。ユリスの様子や身体能力の異常上昇…明らかに星脈世代としても異常としか言えない…明らかにオーフェリアや綺凛、シルヴィアの様な変質が起こり始めている」

 

「…一応確認だけど止める方法はあるかい?」

 

「寧ろ中途半端に止める方が危険だ。これはオーフェリアもそうだったが変質が中途半端だと生物として不安定な状態になるから下手したら寿命が縮むし場合によっては魔力や星辰力が制御できずに暴走して周辺を巻き込んだ大爆発を起こしかねない…特にユリスは火属性の魔法を得意としている以上その被害は凄まじいものになる可能性が高い」

 

龍は保護したばかりの頃のオーフェリアを例に出して言う。オーフェリアもあの時妖精が適切な処置をして完全な星脈世代に変えたから能力が安定化し、過剰な星辰力の生成も止まって寿命を削ることが無くなったが今回のユリスもそれに近しい状態だった

 

「はっきり言ってもう戻せる段階を過ぎているから完全に変質させるしかない…そうなって来ると(この世界の)人の世では生活がしづらくなってしまうがな…」

 

移動中に龍はユリスの魂を確認したが変質が既に魂にまで及んでいるためここまでくると時間操作で戻す手段も使うのは危険だった(魂は変に時間を弄ると場合によっては壊れてしまうため)

 

「…この事をユリスは?」

 

「まだ知らない。先にアンタらに話したのは人外になってもアンタらがユリスを家族と思ってやるのか調べるため…だがその必要は無かったな」

 

そう言う龍の視線の先には揺るがない意志を宿した目をしたヨルベルトとマリアの姿があった

 

「当然だろう?高々人外になった程度で嫌うほど僕は愚かじゃないよ」

 

「可愛い義妹ですもの。嫌いになんてなりません」

 

「それなら安心ってもんだ…この話はこれで終わりだが…1つ質問させてくれ」

 

「なんだい?」

 

「…あんたは何を考えて無能の振りをしている?」

 

龍がそう言うとヨルベルトの表情が驚いた表情に変わる

 

「…いつから気づいてたんだい?」

 

「割と最初から…確信を持ったのはさっきの話をしている最中だがね」

 

「全く…君の観察能力の高さには驚くよ…それで、僕が無能を演じている理由だっけ?単純な事さ、ユリスのためだよ」

 

「ほう?」

 

ヨルベルトは天井を見上げると言葉を続ける

 

「ユリスは優秀だ。仮にアスタリスクで活躍すれば統合企業財体が女王として即位させるだろう。そうなれば望まない結婚をさせられる可能性が高い…だから僕は統合企業財体に都合のいいように無能を演じているんだ。政治に興味が無く、ユリスが女王になるよりも統合企業財体にとって利益のある存在として…ね」

 

そう言うヨルベルトの表情は最初の頃の飄々としたものではなく国王の、そして何より家族を思う者の顔だった

 

「…なるほどな。あんたなりにユリスのことを思ってるって訳か」

 

「そういう事さ…ところで僕からも質問させてくれ」

 

「…まぁこっちが聞いてばかりだったし構わんぞ」

 

そう言って紅茶を口に含む龍…

 

「ユリスと結婚する気は無いかい」

 

「ごぱっ!?ゲホッゲホ!!?」

 

とんでもない爆弾発言に思わず飲んでいた紅茶を吹き出しむせてしまう

 

「い、いきなり何を聞いてるんだテメェは!?」

 

「いやね?先の話の通り望まぬ結婚をさせない為って言うのがあるんだ。どうやらユリスも君のことを多少なりとはいえ意識してるみたいだし、あと単純に人外化しつつあるユリスの結婚相手も寿命的な問題がある可能性が高い以上同じく人外を結婚相手にするしかないだろうと思ってね」

 

思ったよりもまともな理由に龍は渋い顔をする

 

「確かにその通りだが…だからと言っていきなりそう言われてもな…」

 

「ふむ…確かに君の周りには君を好いている子が多い…まぁ最悪全員娶ればモーマンタイ!!」

 

「なんつーこと言ってんだこの国王!?」

 

まさかのハーレム作れという言葉に絶叫する龍…もう完全にシリアスな空気が無くなっていた

 

「この国王相手してると疲れる…」

 

「いや〜」(ノ≧ڡ≦)☆

 

「褒めてねぇよ!」

 

そのあとやたらとユリスのことを進められてはツッコミをする龍の声が謁見の間から響いていた…

 

To Be Continued…

 

オマケ

 

ユリス

既に人間を辞め始めているし本人もその事に気付いている。実は謁見の間からある程度離れ魔法で盗聴していた。ヨルベルトとマリアの言葉に嬉し涙を流すがその後の結婚話に再び顔を真っ赤にした。一応龍に脈アリ

 

我らが主人公

実は指揮官だけでなく人の歴史を守る人類最後のあれも兼任してた。実は既に自称嫁や恋人、後輩に母に娘にツンデレに杖やらがアップを始めていることを知らない…多分アスタリスク世界から帰ったら速攻で凸って来る可能性大。尚そうなったら確定でグランドろくでなし2人の尻がお亡くなりになる模様。




次回の深海の龍帝は何を成す?は…

「パーティ?」

「所謂歓迎会と言うやつだそうだ」

龍達パーティへのご招待!

「申し訳ございませんが皆さんにはここで死んでもらいます」

「「「「「「「実力差を弁えろ雑魚」」」」」」」

テロリスト襲来!?

次回!「化け物のパーティ」

キャラ解説…要る?

  • 書け!
  • 別に要らんじゃろ
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