深海の龍帝は何を成す?   作:リア・ユグドラシル

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「前回のあらすじは私!先輩のファーストサーヴァントと…」

「ん。あの子の母が担当する」

「前回は折角のパーティにテロリストが乱入しましたね…」

「ああいう楽しみを邪魔するのはいけないこと」

「ですね…まぁ先輩達の相手にはならなかったみたいですけど…」

「ん、流石は私の子」

「いや違…いはしないかもですけど先輩にはちゃんと実母さんがいらっしゃいますからね?」

「わかってる。私は義母」

「いやそういう問題ですか…?ってそうじゃなくて…その後ユリスさんの体調不良が発覚しましたね…そして聞こえる世界の言葉…」

「進化の予兆…でもまだ条件が満たしきれてない」

「今回で満たせる…かも?」

「それじゃあ本編!」

「「ゆっくりしていってね!」」

「「太陽の姫」」

作者「活動報告に色々募集してたりお知らせがあるので是非確認して下さると幸いです」


太陽の姫

テロがあった日の翌日。龍達は一旦王城にあるサロンに集まっていた

 

「今日辺りにあのジジイが仕掛けてくる可能性が高い。目的が重鎮或いはリーゼルタニアの王族であることを考えて俺達は万が一のために王城で待機する事になりそうだ」

 

「本来なら今日も観光を楽しんでもらいたかったが現状戦力をなるべく確保しておきたい…との事だそうだ」

 

カレラがヨルベルトからの伝言を伝えると他のメンバーも仕方ないと受け入れた

 

「こんな状況ですし仕方ないと言えば仕方ないですけど…やっぱりちょっと残念です…」

 

「まぁ兄上が後でお土産を用意してくれるそうだし、それで許してくれ…」

 

「それはわかったんだが…お前大丈夫か?オーフェリアから聞いた話だと体調が悪いそうだが?」

 

「正直歩くのも辛い…未だに視界が揺れているんだ…」

 

「オーフェリア今すぐこいつを布団に放り込んでこい」

 

「了解」

 

「ちょ!?もう少し優しく運んでくれ!!」

 

オーフェリアは俵を担ぐ要領でユリスを持ち上げるとサロンを出ていく

 

「全く…無理して出なくても良いと言ったろうに…」

 

「我が弟よ。お前も人のこと言えないからな?」

 

「うぐっ…」

 

「どういうこと?」

 

「我が弟は病気や疲労とは基本無縁だ。まぁそれは我らもそうだが…それがいい事に弟は全く休まなくてな…オーフェリアは時々鎌の柄でぶん殴って気絶させてるが…」

 

「なら私達も…」

 

「そうしましょう」

 

「休まないとダメだよ〜?」

 

「わかった…わかったから武器を取り出すな迫ってくるな…」

 

3人の迫力にたじろぐ龍…だがその緩んだ空気も次の瞬間引き締めざるを得なくなった

 

「み、皆さん!」

 

「ん?フローラか。どうした?」

 

「街の上空を多数のワイバーンが覆ってて…今は襲ってきてないんですがいつ襲ってくるか…」

 

走ってきたフローラの言葉を聞いて龍達は探知を発動させると確かに無数の生命反応が空を覆っていた

 

「また面倒なことを…」

 

「さっさと蹴散らすぞ我が弟」

 

「つっても街の上空だからな…あまりでかい技は撃たないようにしねぇと…」

 

そう言っていると綺凛が顔を僅かに顰める

 

「どうした?綺凛」

 

「…少し離れた山の方にいくつかの生命反応…大きさ的に子どもが複数と大人が1人…その近くに以上に大きな反応…恐らく大型の魔獣が1体と…なんて言うんでしょう?冷たい気配…まるで屍人のような…」

 

綺凛の言葉に龍の表情が険しいものに変わる

 

「…おいまさかその気配って東側の山にあるか?」

 

「はい…ってまさか!?」

 

「…恐らく綺凛が感じ取った気配は昨日行った孤児院のやつらだ!あの野郎孤児院を標的にしたのか!?」

 

「でもなんで孤児院が?」

 

「…恐らく目的はユリスちゃんじゃない?あの孤児院の子達と仲が良かったんだよね?」

 

シルヴィアの言葉に納得する龍…となるとユリスを向かわせる訳にはいかないと考えオーフェリアに電話をかける

 

「オーフェリア!孤児i「龍我ヤバい!」どうした!?」

 

「キバット達が急に慌てだしたから話を聞いたらファンガイアのキング…いちばん強いヤツが現れたって!」

 

「ちっ!孤児院に現れた屍人みたいな気配ってのはそのキングか!」

 

「!?孤児院ってどういう事!?」

 

龍はオーフェリアに孤児院の近くに大型の魔獣とキングの気配がある事を話す

 

「嘘でしょ…急がないと!」

 

「俺もオーフェリアに着いてi「我が弟。どうやらトカゲ共が動き出したようだ」ウッソだろタイミング悪すぎだろ!!」

 

カレラの気配探知にはワイバーンが街の人間に向かって降下しようとしている様子が感じ取られていた

 

「龍我達は街の人たちを守って!孤児院には私だけでも大丈夫!」

 

「ちっ!わかった!気をつけろよ!こっちもなるべく速く片付ける」

 

「そっちもね!」

 

そう言って電話を切ると龍達は武器を取り出す

 

「フローラ。外まで案内してくれ。案内したらユリスの様子を見ていてくれ。アイツ今体調を崩してるからな」

 

「わ、わかりました!それじゃあ着いてきてください!!」

 

龍達はワイバーンを迎え撃つためにフローラの案内で外に向かった

 

 

 

オーフェリアside

 

「それじゃあ行ってくるけど…安静にしててね?」

 

オーフェリアはユリスにそう声をかけるとキバットとタツロットを伴い窓から飛び立つ

 

「…」

 

ユリスは空を飛びワイバーンを蹴散らしながら進むオーフェリア達を見送ることしかできなかった…

 

飛行中…

 

「…見つけた」

 

「うひ〜めちゃくちゃデケェ!」

 

「おっかないでやんすね…」

 

オーフェリア達が上空から確認すると巨大な三首の大蛇…ヒドラが湖から這い上がろうとしていた

 

「行かせない」

 

その言葉と共に黒い斬撃を放ちヒドラの首の1つを落とす…が

 

「…腐らせても再生するのね…」

 

「面倒くせぇな…」

 

斬撃に付与された腐食毒の効果も関係無いと言わんばかりに再生するヒドラ

 

「なら更に強い毒で「オーフェリア!あぶねぇ!」っ!?」

 

次の瞬間ヒドラから僅かに離れた場所から赤い波動が放出されオーフェリアはダメージは受けずとも地上に落とされてしまう

 

「っ…今のは…」

 

「今の攻撃には覚えがある…」

 

「ここで来るでやんすか…」

 

オーフェリアが体勢を整えザンバットソードを構えるとそれに答えるように赤い異形が姿を現す

 

「…」

 

「オーフェリア気をつけろ!」

 

「よりにもよってコイツでやんすか!?」

 

焦る2匹…オーフェリアはすぐに決断を下した

 

「厄介すぎる…!…なら…キバット、タツロット。エンペラーを使うよ」

 

「「!!」」

 

オーフェリアが下したのはエンペラーフォームを使用しキングを最速で撃破しヒドラの進行を止めるというもの。しかし…

 

「待て待てオーフェリア!確かにエンペラーフォームなら素早く倒せるかもしれないが負担がデカすぎる!」

 

「そうでやんす!前のキバの鎧のエンペラーフォームならオーフェリアさんでも負担もなく運用できたかもしれないでやんすが今のオーフェリアさんに合わせて進化したキバの鎧のエンペラーフォームはオーフェリアさんにとっても負担が…」

 

「そんなの上等。今使わないと孤児院が危ない」

 

断固として譲らない様子に頭を抱えるキバット…

 

「…あ〜もう!!しょうがない!やるぞ!タツロット!!」

 

「えぇ!?本当にやるんでやんすか!?」

 

「ここで四の五の言ってる場合でもないしオーフェリアが聞くわけもない…ならもうとっとと蹴りをつけるしかない!!」

 

「え〜!?どうなっても知らないでやんすよ!?」

 

そう言ってタツロットは飛び上がるとオーフェリアの両肩に付いた鎖を外す…すると黄金のコウモリの群れが出現しキバの鎧を黄金に染め上げていく

 

「ふぅぅ…はぁ!!」

 

コウモリの群れを振り払うかのように腕を振るうと真紅のマントが展開され仮面から覗く瞳も真紅に変わり、タツロットが左腕に装着される

 

「さっさと終わらす!!」

 

エンペラーフォームへの変身を終えたオーフェリアは即座にキングに斬りかかった

 

 

龍side

 

「だぁぁぁ!数が多い!!」

 

龍達は上空から強襲しようとするワイバーンを片っ端から〆ていた

 

「本来なら重力崩壊を使う所だが…街の上での戦闘だから大規模な魔法が使えん!」

 

「シルヴィアさんがワイバーンを範囲攻撃で落としてくれてますからまだやりやすいですけど…一体どれだけ居るんでしょう…」

 

綺凛が下にある街を見下ろしながら言うと次の瞬間街に設置された複数の大型スピーカーから爆音と共に衝撃波が放たれワイバーンを粉微塵に粉砕し直撃しなかった個体も羽がちぎれたりして飛行不能になり落ちていく

 

「…それにしたって星螺のやつ…シルヴィアの純星煌式武装はやり過ぎだろ…」

 

「街全体を純星煌式武装の範囲に収め自分の有利なフィールドに変える…」

 

「メインはシルヴィアの近くにある複数の楽器と2つの大型スピーカーにDJコントローラー(イメージはエリたまのDJ Meyou)にマイク付きヘッドフォン…後は音量ゲージを模した刃を持った長剣…」

 

「効果は指定した範囲を丸ごとライブステージという名のフィールドに変化させその範囲にいる味方と自分にバフをかけたり敵にデバフをかける。更に範囲内に設置されたスピーカーから音の衝撃波を放って攻撃したり範囲内のあらゆる情報を把握しヘッドフォンを通して指示も出せる仕様です!!」

 

「どう考えてもやり過ぎなんだよなぁ…味方の強化と敵への妨害に攻撃、情報を瞬時に把握して指示出しも迅速、本人もめちゃくちゃ強いってこれなんて無理ゲーのラスボス?」

 

正史では世界一の歌姫。この世界ではヤベー奴の1人と化したシルヴィアさんであった

 

『そんなこと言ってないで手を動かしてね?さっきから反応が減るどころかどんどん増えてるから…』

 

「どんだけ居るんだよコイツら!!」

 

未だに際限なく湧いてくるワイバーンの群れに辟易とする龍…他のメンバーも疲労は無いようだがウンザリしている様子だった

 

「オーフェリアの方も心配だし…速いとこケリ付けねぇと…」

 

『そうだね…ん?フローラちゃんどうかし…えっ!?』

 

「ん?どした?」

 

『ユリスちゃんが部屋に居ないって!』

 

「「「「「「ダニィ!?」」」」」」

 

 

オーフェリアside

 

「うわわっ!」

 

「あぶねぇ!?」

 

オーフェリアはキングを相手に苦戦していた。というのも1度倒したことがあるキバット達から見ても明らかにキングがパワーアップしていてオーフェリアでも苦戦せざるを得なかった

 

「おいおいここまでキング強くなかったろ!?どうなってやがる!!」

 

「い、今はそれどころじゃないでやんす!ふぉぉ!?」

 

「強い…」

 

キングの放つ赤い衝撃波は勿論キング自身のパワーやスピードも桁違いでありオーフェリアですら反応するのが精一杯だった

 

「っ!?きゃあ!?」

 

「オーフェリア!?」

 

「不味いでやんす!!」

 

次の瞬間オーフェリアはキングのパンチでザンバットソード諸共吹き飛ばされてしまう…更にキングは衝撃波を放とうとしていてこのままだと直撃してしまう

 

「咲き誇れ!ラフレシア!!!」

 

「「「「!?」」」」

 

衝撃波が放たれる寸前、炎で形作られた巨大な花がキングを飲み込み爆発した

 

「今のは…」

 

オーフェリアが周囲を見回すと…樹に手を付き息も絶え絶えながらも煌式武装をキングに向けたユリスが居た

 

「ぜぇ…ぜぇ…な、何とか間に合った…嫌な予感がしたから…必死に…走ってきたから…た…体力が…ゲホッゲホッ…」

 

「あ〜もう病人なのに無理するから…!いや助かったけどさ…ってアッツ!?」

 

咳き込みながら喋るユリスに呆れながらも感謝せざるを得ないオーフェリア…ユリスの周囲は自然発火を起こし地面は硝子化していた

 

「す、すまん…ほとんど制御できてないがおかげで障害物を無視して来れたからチャラってことで…」

 

「環境破壊も大概にしようか!?ってそれどころじゃなかっ…あれ?キングも動いてない?」

 

どうやらユリスの放つ熱波のせいでキングも近寄れず距離を取らざるをえないらしい…さっきのラフレシアを受けた影響で衝撃波も出せないらしく攻撃してこなかった

 

「何にせよチャンス…って訳でもなし!?」

 

「復帰が速すぎる!!」

 

すぐに回復したキングが赤い衝撃波を放ち始める…どうやらオーフェリアを標的にしているのかユリスには目もくれていなかった

 

「す、すまん…魔法を撃てるほど体力が回復してないからもう少し待って…」

 

ユリスも消耗しているため最低限距離を取った上で座り込んでいた

 

「いや病人なんだから無茶しないで…って言ってる場合ではないか…一応自分の身はできるだけ自分で守ってよ!」

 

そう言ってオーフェリアはザンバットソードに魔皇力を流し込んでファイナルザンバット斬を放つと同時にドッガハンマーを投擲して突っ込む

 

「ぜりゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「!」

 

ザンバット斬とドッガハンマーをパンチで弾いたキングの胴を切りつけ腕に魔皇力を流し殴り飛ばす

 

「せいっ!!」

 

「!」

 

「うわっ!?」

 

肘鉄を打ち込みふらつかせた所にハイキックで顎を狙う…がキングに受け止められそのままぶん投げられた

 

「な・め・る・なぁぁぁぁぁ!!」

 

「ガルルセイバー!!」

 

オーフェリアがキバットに青い装飾の着いたフエッスル…ガルルフエッスルをセットすると彫像形態のガルルが飛んできてオーフェリアの手元に収まるとガルルセイバーに変化し鎧の左腕が青い鎧に変化する

 

「はぁぁぁ!!」

 

「!」

 

ガルルセイバーの力で高速化したオーフェリアがキングを何度も斬りつけた

 

 

ユリスside

 

「ふぅ…ふぅ…よし、ここまで回復すれば…あのデカブツの足止めをしないと…」

 

キングとオーフェリアの戦いの場から離れた場所に移動していたユリスは体力を回復させヒドラの足止めに向かっていた

 

「…新技でいくか…いやこんな体調不良真っ只中で撃つものでもないが…やるしかあるまい」

 

そう言ってユリスは煌式武装を地面に突き立て目を閉じ集中する…するとヒドラの周辺に火の粉が舞い始める

 

「…咲き誇れ…焔華の庭園(フラワーガーデン)!!

 

次の瞬間ヒドラの周辺を無数の火の花が覆い炸裂するとヒドラを火柱が包み込み炎の檻を形成する

 

「ぜぇ…ぜぇ…これで多少時間を稼げるだろう…」

 

そして再び息も絶え絶えな状態になってしまうユリス…実際こんな大規模な技を体調不良の中撃つこと自体間違いである

 

「…」

 

ユリスは空を見上げる…その瞳には悔しさが滲んでいた

 

「…弱いなぁ…私…」

 

自分の故郷の危機に何も出来ないどころか自分は体調不良でマトモに戦うことすらままならない現状…辛うじて親友の危機を救うことは出来ても結局は足手まといの現状にユリスは歯痒く感じていた

 

「…」

 

自身の胸に手を当て、考える

 

(…この体調不良の原因が私の変質なら…)

 

だがそこまで考えたところで…

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

「!?」

 

炎の檻を突き破りヒドラがユリスを睨みつける

 

「ちぃ!?」

 

不調の体に鞭打って立ち上がるとヒドラに向かって構える

 

「…効いていない訳では無いが…やはり伝説と同じく再生能力が高いようだな…」

 

鱗の内側までしっかり焼けている部分は再生していないが表面が焼けた程度なら既に再生しているヒドラにため息をつく…

 

「…」

 

「GYURA!!」

 

「はぁ!」

 

ヒドラが首を伸ばし噛み付いていくるが体を捻って躱すとすれ違いざまに首を斬りつけるがすぐに再生してしまう

 

「やはりこの程度では意味が無いか…」(かと言って大技を放つ隙も無いしそもそも私にその体力も無い…)

 

いくら休憩を取ったとは言え不調の体で山道を全力疾走しキングとヒドラに大技を放ったため体力があまり残っていない…かと言ってここから逃げれば孤児院はヒドラによって蹂躙され多数の犠牲者が出るだろう

 

「引くにも引けず、かと言って倒す体力も無い…か」

 

あまりに詰んだ状況に思わず自嘲するユリス…だが戦意を失っていなかった

 

「…選択肢など最初から無い。やるだけやるしかない」

 

ヒドラの九つの眼光がその身を射抜く…だがその心に宿す焔を強く燃やし、ユリスは業火の華を咲かせた

 

 

オーフェリアside

 

「せいやぁぁぁぁ!!」

 

「!!」

 

真紅と黄金の影が大地を、樹木を足場に高速で飛び回り金属音が鳴り響き火花が散る

 

「キバット!!」

 

「ガルルバイト!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ…」

 

ガルルセイバーにキバットを噛ませ魔皇力を流し込むと切れ味が強化され周辺が夜の平原に変化するとオーフェリアは上空に飛び上がる

 

「せいやぁぁぁぁ!!!」

 

「!!!」

 

キングに向かってガルルセイバーを構え急降下し斬撃を放つとキングは赤いオーラを腕に纏い拳をガルルセイバーに叩きつける

 

「ちっ!」

 

「!」

 

ガキンッという音と共に互いに弾かれる…が直ぐにオーフェリアは緑色のフエッスル…バッシャーフエッスルをキバットに咥えさせる

 

「バッシャーマグナム!!」

 

「はぁ!!」

 

「!」

 

バッシャーが彫像形態で出現し変形しながらオーフェリアの手に収まると右腕が緑色の鎧に変化しオーフェリアはそのままバッシャーマグナムから水弾を乱射する

 

「!!」

 

キングは水弾を赤い衝撃波で迎撃すると接近してきたオーフェリアに拳を振り上げ…

 

「っ!?」ズルッ!!

 

「そこっ!!」

 

撒き散らされた水によってキングの足元がぬかるみ足を滑らせたところをザンバットソードで腹を突き刺す

 

「ぜりゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

ザンバットソードを横に振り抜くとそのまま自分の左腕の鎧を解除しザンバットソードで切りつけ血を吸わせるとキングの左腕に振り降ろし切り落とす

 

「!!」

 

「よっしゃ!!」

 

「左腕持っていけたでやんす!」

 

「やっと焦ってくれたわね!!」

 

キングに僅かながらも焦りが見えたことで少し余裕を取り戻すオーフェリア達

 

「キバット!」

 

「OK!出血大サービスだ!!ドッガハンマー!!

 

一旦ガルルセイバーを腰に着けた鞘(オリジナル設定)に仕舞い最初投擲したドッガハンマーが再度オーフェリアの手元に戻ると胴体部分の鎧が紫色に変化しキバ・ドガバキエンペラーフォームに変身した

 

「!!!」

 

対抗するようにキングもオーラを漲らせ目を光らせながら睨みつける

 

「…さっさと蹴りをつける!!」

 

次の瞬間キングとオーフェリアの拳が激突した

 

 

ユリスside

 

「ぐっ…」

 

ヒドラの尻尾による打撃で樹に叩きつけられるユリス…既に体力も尽き、動くことすらままならない状態でありながらユリスは再び立ち上がる

 

「ぜぇ…ぜぇ…装甲はそこまで硬くないが…再生能力が厄介すぎる…」

 

既に煌式武装に纏わせた炎は消える寸前、体力も星辰力も尽きかけ体もボロボロ…それでもと煌式武装を杖がわりに立ち上がる

 

「っ…」(さっきの一撃で肋骨が逝ったか…)

 

「GAA…」

 

ヒドラの体には無数の焼けた刀傷が付けられているがいずれも致命傷になっていなかった

 

(不味いな…いくらダメージを与えても完全に足を止めるに至っていない…それに…)

 

ユリスが振り返ると…既に見える距離に孤児院があった

 

(このままだとまずい…気配探知で調べた限りだと避難も終わっていないみたいだし…どうする?)

 

ヒドラは火炎放射や毒霧を吐くなどの攻撃手段も持っていることは確認済みなのであと少しで孤児院が射程圏内に収まってしまう

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

「!?しまった!!」

 

孤児院を視界に収めたヒドラが一気に加速し孤児院に向かって突き進む

 

「ちぃ!!」

 

煌式武装から炎を放出して加速しヒドラを追いかける

 

「こ…のっ…!」

 

ヒドラの頭に飛び付くとそのまま熱波を放出し直接頭を焼く

 

「GYAAAAAA!!!?」

 

「っ…あ、ばれる…なっ!」

 

ヒドラの目の水分が蒸発しユリスが触れている部分が炎を吹き出しながら炭と化していく

 

「GURAAAAA!!!」

 

「!ぐっ!」

 

他の頭が毒霧を放ってきたので一旦離れると煌式武装に無理矢理捻り出した星辰力を流し流星闘技を発動する

 

「落ちろ!」

 

巨大な炎の大剣と化した煌式武装を途中まで組み付いていた首に振り下ろし首を落とす…切断面が焼けているため再生しなかった

 

「まず1つ…がっ!?」

 

だが他の頭のタックルを受けて孤児院の方まで吹き飛ばされてしまう

 

「がふっ…」

 

孤児院の壁に激突し倒れ伏す…が何とか立ち上がりヒドラを睨みつける…が

 

「姫様!?」

 

「せ…ん…せ…いか…?」

 

孤児院から飛び出してきたのは院長…どうやら孤児院の壁に激突した音を聞いて様子を見に来たらしい

 

「っ…速く…逃げ…て…」

 

「今1番逃げるべきは姫様です!」

 

何とかユリスを抱えて逃げようとする院長…だがヒドラはそれを許すつもりは無い

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

「!くっ…」

 

ヒドラが2人を囲う様に火炎放射を放ち逃走経路を塞ぐとそのまま孤児院の外壁を破壊しながら向かってくる

 

「一体どうしたら…!」

 

「…」

 

この時、ユリスの脳裏にはとある光景が過ぎっていた

 

『…兄上!オーフェリアはまだ見つからないのか…?』

 

『…すまないユリス…まだ彼女は…』

 

『…そうか…』

 

それはまだ幼かった頃…オーフェリアが行方不明になり必死になって探していた…

 

『オーフェリア…今…何処にいるんだ…?』

 

何も出来ず、兄の権力を頼りにするしかなかった無力な己の姿…

 

「…」

 

そして今も…親友は戦い、恩師である院長は足手まといとなった自分を守るために命をかけようとしている

 

「…嫌だ…」

 

目の前でまた大切な誰かが奪われてしまう光景を幻視してしまう

 

「…これ以上…奪われてなるものか…」

 

魂が燃える

 

「例え人で無くなろうと構わない…」

 

焼け付く様な熱が体に馴染んでいく

 

「だから…」

 

Are you ready?(覚悟は良いか?)

 

「私に守る力を寄越せ!!!」

 

『覚悟の条件を満たしました。これより進化を開始します』

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!?」

 

「!?姫様!?」

 

ヒドラが2人まとめて飲み込もうとした瞬間、光が弾けた

 

『肉体を再構築…更に平行世界より最上位精霊の情報取得…肉体及び魂を再構築完了。焔霊姫に進化完了しました』

 

吹き荒れる炎はヒドラを焼くが院長には傷ひとつ付けない…その炎はユリスの服を1度焼却し、改めて再構築する

 

『ユニークスキル豪炎者(モエサカルモノ)が究極能力太陽之王(ラー)に進化しました』

 

その左眼は真紅の太陽が描かれ、光の翼が背から現れた

 

「姫…様…?」

 

「…」

 

自身の手を見て、そしてヒドラを見据える

 

「…先生。離れていてくれ。巻き込んでしまう」

 

「…ご武運を」

 

院長は孤児院の方まで戻り、ユリスはそれを確認すると…

 

「…ふんっ!」

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!?」

 

五指を開き振るうとヒドラの体がバラバラになる

 

「…適当にやってみたが…意外と強いな」

 

ユリスの5本の指の先からは光の線…高熱のバーナーと同じ物が伸びていた(イメージはとある魔術の禁書目録のトール)

 

「GYURAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

「ほう?しぶといな…ならこれで…」

 

バラバラになっても尚動こうとするヒドラにユリスが手を突き出すと炎が収束していく

 

「焼け落ちろ」

 

メルトダウンブレイザー

 

紅蓮の炎が白い光に変化し光の砲撃がヒドラを飲み込み消滅させた

 

「…なるほど。これが人を辞めるという感覚か」

 

全身に纏っていた炎を収め、周辺の炎も消火すると煌式武装の鏡面になっている部分で自分の顔を見る

 

「…なんと言うか…この目はもう少しどうにかならなかったのか?」

 

「姫様!ご無事ですか!?」

 

「先生か。こっちは問題無い。ヒドラも倒した…いや一つだけ問題があったな…」

 

「!?もしかして何か怪我を!?」

 

「いや…そういう訳では無い…ただ…」

 

少し溜めてユリスは院長にこう言った

 

「眼帯ってどこで売ってるんだ?」

 

「あらぁ!?」ε=\__〇_ ズコー

 

あまりにしょーもないことに思わずズッコケる院長だった…

 

 

オーフェリアside

 

「っ!あっちは終わりそうね…じゃあこっちも!」

 

「OK!タツロット!!」

 

オーフェリアがタツロットのホーントリガーを引くとタツロットの背中に着いたインペリアルスロットが回転し…青いマークで停止する

 

「ガルルフィーバー!!」

 

タツロットを通じてガルルセイバーに大量の魔皇力が流されると刀身が青く輝く

 

「せいやぁぁぁぁ!!」

 

「!」

 

一気に距離を詰め懐に入り込むと虚をつかれ無防備な胴体を深く切り裂く

 

「まだ!」

 

「バッシャーフィーバー!!」

 

そのままガルルセイバーを手放すと再びホーントリガーを引きインペリアルスロットが回転、緑色のマークで止まる

 

「吹き飛べ!!」

 

「!?」

 

バッシャーマグナムに大量の魔皇力を流しガルルセイバーで付けた傷に押し当てるとそのまま引き金を引きキングを吹き飛ばす

 

「まだまだ!」

 

「ドッガフィーバー!!」

 

今度はドッガハンマーを手に取りインペリアルスロットを回転、紫色のマークで停止すると大量の魔皇力が流し込まれ1部の魔皇力は紫色のエネルギー球体を形成する

 

「いっ…けぇぇぇぇぇ!!」

 

ドッガハンマーでエネルギー球体を殴り飛ばしキングに直撃させ爆発する

 

「これで…最後っ!」

 

インペリアルスロットが回転…紅いコウモリのマークで止まる

 

「WAKE UP FEVER!!」

 

紅い霧が世界を包む…現れるのは紅い月

 

「はぁぁぁ…せいやぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

「!…っ…」

 

空中へ飛び上がり月を背に放たれたE(エクリプス)ドガバキエンペラーキックがキングに突き刺さり地面にキバの紋章を刻み込んだ

 

「…ふぅ…どうにかなった…いっつぁぁぁ!?」

 

変身を解除したオーフェリアだが全身に走る激痛に地面に倒れ込んでしまった

 

「あ〜やっぱエンペラーフォームにドガバキまで使ったから…」

 

「だ〜からダメだって言ったんでやんす…」

 

「うう…そんなこと言ってないで何とかして〜」(´;ω;`)

 

「…何してるんだオーフェリア…」

 

半泣きになりながらそう言うオーフェリアの元にユリスが空から降りてきた

 

「あ…ユリス…人間辞めた?」

 

「一言目がそれか…まぁ人間辞めたが…とりあえず歩けそうには無いな…ほれ…掴まれ」

 

「うん…あいたたた…」

 

「全く…私が言えたことでもないが無茶をし過ぎだ…なんで体調不良だった私より最終的にボロボロなんだ…」

 

「うう…何も言い返せない…ん?何これ…?」

 

「む?…これは…時計?」

 

オーフェリアが見つけたのは2つの時計型のデバイス

 

「…これは…闇のキバの鎧か?」

 

「こっちは…キングでやんすね」

 

ひとつは黒いキバ…ダークキバが描かれていてもうひとつはキング…バットファンガイアが描かれていた

 

「ん〜…私には両方使えないね」

 

「私も無理だな…深海辺りに聞けばわかるだろう」

 

「そうだね…とりあえず今はボロボロの体を治そう…」

 

「だな」

 

「俺たちも疲れたぜ…」

 

「龍我さんに美味しいご飯用意してもらって寝ましょう…」

 

2人と2匹は森を出る…その後ろ姿は何処か暖かかった…

 

To Be Continued…

 

 

 

オマケ1

 

「で?何か申し開きは?」(╬▔꒳▔)

 

「マジですいませんでした」〇∫☡

 

城に戻ったユリスを待っていたのは怒りで背後に冒涜的な何かを召喚した龍によるお説教だった

 

「お前自分が体調不良なのに飛び出すとか何考えてんだ?今回は助かったから良かったけど何か1つ違えば死んでたんだからな?」

 

「はい…」

 

「…とりあえずお説教はここまで…そんでもって…」

 

龍はユリスを抱きしめると先程までの圧力を感じる声とは真逆のとても優しい声で…

 

「…無事で良かった」

 

「…ありがとう…心配かけてごめんなさい…//」

 

顔を赤くしながらもちゃんと謝るユリスだった

 

「すいませんこっちも助けてくれませんか痛い痛いごめんなさい!」

 

尚、オーフェリアはヒドラに十分対抗出来る戦力であるキャッスルドラン達の事をド忘れしていた事をキャッスルドランとシュードランに怒られていた(尻尾でぶっ叩かれていた)

 

 

 

オマケ2

 

湖を挟んで孤児院の反対側の岸から双眼鏡を使ってギュスターヴは戦況を見ていた

 

「ふ、ふふ…まさかヒドラとあの異形が敗れるとは…ですがまだチャンスは「もうありませんよ?」!?」

 

次の手を打とうとしていたギュスターヴだが後ろから聞こえた声に飛び上がり振り向く

 

「…おやおや…まさか刀藤家のご息女が1人で来られるとは…」

「あなた程度なら私ひとりで十分ですので」

 

ギュスターヴの元に現れたのは綺凛…綺凛はギュスターヴの性格を読み取り、気配察知を駆使してギュスターヴの位置を割り出したのだ

 

「ふふ…自信がおありのようですが…これならどうです?」

 

ギュスターヴは何かの生物の牙を取り出すと綺凛の周囲に投げる…すると牙を魔法陣が囲み人型のトカゲと呼ぶべき生物が出現した

 

「竜牙兵でございます。刀藤流は一対一ないし1対少数の剣術…この竜牙兵を突破できますかな?」

 

余裕そうな表情で言うギュスターヴ…だがギュスターヴは知らなかった

 

「…確かに刀藤流だけではこの数の相手は厳しいでしょう」

 

目の前の一見か弱そうな少女が…

 

「ですが…」

 

凄まじい力を持つ怪物であることを…

 

「…はっ?」

 

「私は既に刀藤流とも朧流とも違い、私にあった剣術を身に付けているんですよ」

 

塵魔剣閃・鳴風

 

チン、という音と共に腰の無月が納刀されると竜牙兵は纏めて塵となった

 

「な…に…が…?」

 

「塵になる程斬っただけですよ…まぁ貴方には見えなかったですが」

 

そう言って綺凛は一瞬でギュスターヴの後ろを取ると峰打ちで気絶させ引きずりながら城に戻るのだった…

 

 

 

オマケ3

 

「…皆には迷惑をかけたね」

 

「気にしなくていいぞ。乗りかかった船だったし」

 

龍達が居るのはリーゼルタニアの空港…あの事件の翌日、龍達の帰国日である

 

「本当ならもっと持て成したかったんだけどね…」

 

「既にお土産とかいい物貰ってんだ。これ以上は求めんさ」

 

既に他のメンバーは飛行機に乗り込み、龍は搭乗口近くでヨルベルトと話していた

 

「ふふ…今度は何も無い時にゆっくり観光しに来てくれ」

 

「そうさせてもらおう…さて、そろそろ時間だ」

 

そう言って龍は搭乗口を抜ける

 

「…龍我君」

 

「ん?」

 

「…ユリスを…頼むよ」

 

「…応」

 

ヨルベルトに見送られ龍達はアスタリスクに戻るのだった…




次回の深海の龍帝は何を成す?は…

「…とうとう卒業か」

遂に卒業の日…

「龍我の世界ってどんな世界なんだろ?」

「ちょっと楽しみ」

「割と殺伐としてるんだがなぁ…」

全員の引越し!

「さぁて…帰りますか!」

次回!「さらばアスタリスク!ただいま!重桜!」

キャラ解説…要る?

  • 書け!
  • 別に要らんじゃろ
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