「遠坂桜です」
「…」
「…あの…なんでじっと見てくるんですか?」
「いえ。貴方が住むことになっていた屋敷が蟲だらけだったと聞いて殺菌するべきか?と思いましたが…その必要はなさそうですね…」
(何故でしょう…本能的に命の危機を感じたのですが…!?)
「さて、そんな事は置いておいて…前回はトラブルが多発しましたね」
「トワさんによる入浴中の龍さんに突撃(事故)にアルトリアさん達による暴食、過労による龍さん達撃沈…そしてダ・ヴィンチさんの暴走による異世界転移…なんと言うか…事故だらけですね」
「とりあえずマスター達には転移した先でも健康と衛生には気を使って欲しいですね」
「まぁそこはお兄さん達ですし大丈夫だと思いますよ」
「…まぁそうですね。それでは本編…」
「「ゆっくりしていって下さい」」
「「ドラゴンと悪魔と妖精とAIと狐と…」」
「イッテテ…ったくダ・ヴィンチのやつ…」
「こ、ここは…?」
「一応みんないるみたいですね〜」
『爆発音に驚いて飛んできたらまさかこんな事になるとは…』
前回次元ホールに吸い込まれて別世界に飛ばされてしまった龍、トワ、妖精、BBの4人…今4人は…
「…いやここどこ?」
「見事なまでに草原だな」
「とりあえず歩きましょうか〜」
『じゃ、私はスマホの中に居ますので頑張って〜』
「「お前一回ド突いてやろうか?」」
自分だけ楽しようとするBBにイラッとする龍とトワ…だがここで言い合ってもしょうがないと歩き出した
「しっかしこの世界はなんの世界だ?」
「さぁ…?」
「ん〜…少なくとも機械系の文明が発展してる訳ではなさそうです〜」
そう言ってるとスマホが震えた
「ん?電話か?」
『あ、いえ気になる事があって…あの〜妖精さん?』
「はいはい〜なんでしょう〜?」
気の抜ける声で返事をしながらスマホを覗き込む妖精…だがBBの声は明らかに引き攣っていた
『このスマホの検索アプリが明らかにおかしいんですが…なんでこの星の始まりから今までの情報が出てくるんですか?』
「あ、それ私のネオディケイドライバーの仮面ライダーWのデータを流用して作った検索アプリだからですね〜」
どう考えても地球の本棚である
「まぁ本家と比べてキーワード入れてから情報絞り込むまで時間がかかるしBBさん入ってないと使えない…というかBBさんレベルのAIが入ってないと使えませんが…」
『…あれ?妖精さんならその辺どうにかできそうですが…』
「絞込みまでの時間は本家みたいに直接本人がアクセスしてる訳では無いのでどうしようもないですしAIに関してはBBさんが異常すぎるくらいハイスペックなので同じスペックのAIなんて用意できません」
『あれ?私って自分が思ってる以上に高性能だった…?』
「いやお前普段から高性能って自分で言ってるだろ」
『流石にここまでとは思ってなかったんですがあの…』
自称超高性能AI BB、マジで超高性能だった
『ま、まぁこれなら直ぐにこの世界の情報も得られますね…直ぐに調べます』
そう言ってアプリを起動して作業を行うBB
「と言うかあれってWじゃなくて変身者の能力じゃなかったか?」
「エクストリームのクリスタルサーバーのデータをちょっと流用したんですよ〜」
「…あ〜あの開いた部分ね」
(開いたってなに?それにエクストリームって?)
Wを知らないトワはひたすら混乱するだけだった
「…っとなんかいるな?」
龍が視線を向けるとそこには1匹の鹿…だが普通よりも大きく、二足歩行で手にはこん棒が握られていた
「…鹿…鹿かこれ?」
「鹿型の魔物…だろうけど…」
「凄く…大きいです…」
「「やめんかバカ」」
妖精のボケにツッコミを入れつつ鹿の魔物を見るとこちらを見て威嚇してきていた
「…よし、トワ行ってこい」
「え〜…まぁやりますけど…」
魔力で槍を生成すると鹿の魔物に突撃する
「グォォォォォ!」
「うるっさ」
咆哮を上げこん棒を振り下ろすがトワはサイドステップで躱すと眼に槍を突き立てる
「グォォォ!?」
「いくら暴れても無駄」
痛みで暴れる魔物だがトワは意に介さずより深く槍を突き刺すと炎を槍に纏わせ焼き尽くす
「ほいっコレでお終い!」
『あ、ちょっと待ってください』
あっさりと事切れた魔物から槍を引き抜くと龍達のところに戻ろうとするがBBが呼び止めた
「ん?どしたの?」
『この世界の情報を集めてましたがどうやら魔物から取れる魔石が重要そうなので取って置いて下さい』
『りょうかーい』
魔物の死体を解体すると中からそれなりの大きさの宝石が出てきた
『それが魔石です。あ、この世界の魔物は食べれないそうなので私がどうにかできる手段を開発するまで待ってください』
「わかった、とりあえず収納に仕舞っとくか」
解体した魔物肉を仕舞い再び歩き出す
『それでこの世界ですけど…なんでもエルナという物質が魔物を生み出しているらしくて…魔物から採れる魔石はこの世界の住民が取り込むと力を増すそうです』
「へぇ〜あんな石ころ取り込むってどうするんだろ?」
『額に当てて喰らうという意志を込めると吸収できるそうです。ですが魔石や魔物肉の様なエルナで生まれたものには瘴気が混ざっているらしくて食べたりすれば体調を崩しますし大量に取り込めば死に至るそうです』
「なるほどねぇ…」
『因みに魔石を取り込んで強くなるわけですがそれはランクという形で基準があるみたいです。さっきトワさんが倒したのは一ランク上位の魔物ですね』
「ランクはどうやって決まってるんだ?」
『測定を行う魔法があるみたいなのでそれで決まっているようです』
「ちゃんと基準があるのな」
『そうですね…ん??』
説明をしていたBBが何かに気付き一旦スマホの奥に引っ込む…暫くすると…
『なんかメールが届いてました…差出人は不明ですね』
「ウイルスの類は?」
『調べた感じ問題ありません。内容は…』
拝啓、異世界よりいらっしゃれたら方々。
突然で申し訳ないが貴方達に依頼をしたい。
依頼とはこの世界を破滅から救って欲しい。まず、私はこの世界の神…と言っても一般的には知られていないのだが…この世界の神は私だけでなくもう一人いるのだがその神がこの世界を破滅させようとしていてね…エルナもその過程で放たれたものだ。
私とそいつはこの世界の管理者権限を奪い合ってる状態でね…負けた方は二度とこの世界に干渉できなくなるのだが…ヤツが勝てば今この世界に存在する生命は死に絶えヤツが支配する新世界が創り出されるだろう。私の目的はこの世界の破滅の阻止とヤツの排除だが時間がかかればかかるほど相手の方が有利になっていく…エルナはヤツが存在する限り増え続けるからね。
だから最初は別世界でゲームという形でこの世界の破滅の未来を何十億人に経験してもらってその中で優秀な者を英雄になり得る才能を持たせたホムンクルスにその魂を宿すという方法を使おうと思ったのだがその前に貴方達がこの世界に来た。
胡散臭いのも承知で頼みたい。この世界を救って欲しい。もし受けてくれるのならこの世界の通貨や基本的な情報を直ぐに送ろう。
良い返事が聞けることを祈っている
『…との事だそうです』
「…信ぴょう性は?」
『エルナの始まりなどを重点的に調べた結果、メールの内容と一致しました。信ぴょう性は高いと思われます』
「…となると受けない理由がないな」
『では受けるという方針で?』
「だな。お前らもいいか?」
「問題ないよ」
「大丈夫ですよ〜」
『それじゃあ返信してきますね〜』
そう言ってBBは手紙を書くとBBと書かれた箱に入れてそれにプロペラを付けて飛ばした…
「そうやって返信すんのか…」
『まぁそこはノリですよノリ』
暫くすると返信が帰ってきた
『読み上げますね』
良い返事をありがとう。直ぐに情報と通貨を送る。それと活動を始めるならその道に沿って進むと封印都市という街があるからそこに向かうといい。君達の旅路に幸あらんことを
『だそうです。それとデータと通貨が送られてきたので皆さんに渡しますね』
データの内容はこの世界の魔法の成り立ちとその知識、加護についての情報だった
「加護…身体の半分が消し飛ばない限りはどんな傷でも治すこの世界の人間が当たり前に持つ物…か」
「私達は超速再生持ちなのでそのあたりはエフェクトでも付ければ誤魔化せますね」
「一応加護にも魔力みたいに量が決まってるみたいだけどな」
「ランクに関してはどうする?」
『既に誤魔化す術式を作ってるので後で妖精さん魔道具の制作をお願いします』
「はーい」
「じゃあその間に魔法の解説受けとくか…」
妖精が魔道具を作ってる間、龍とトワはBBからこの世界の魔法についてレクチャーを受ける事にした
「「とりあえず大体やり方はわかった」」
『10分程度の授業で大体わかるあたりセンパイ達って普通に天才ですよね』
「「いやだってこの世界の魔法義姉ちゃん(ウル様)が教えてくれた魔法より簡単だし…」」
『あれはそもそもが規格外なんだよなぁ…』
スマホの中で遠い目をするBBを他所に2人は習得している魔法をこの世界の魔法として出力していく
「まぁ重力崩壊なんかは流石に使えねぇな」
「元々使い場所が限られそうな技だからねぇ…いけても熱収束砲くらいじゃね?」
「その辺が無難だな…後は元素魔法くらいだな」
「みなさーん出来ましたよ〜」
出力作業を進めていると妖精が腕輪を2つ持ってきた
「ん?なんで2つ?」
「私はいつもの3頭身で透明化するので問題ないですよ〜」
「なるほどな…じゃ、着けさせもらう」
「トワも」
2人が腕輪を装着すると妖精は3頭身モードになり龍の頭の上に収まる
「そんじゃあ行くか」
「「『レッツゴー!』」」
「…おっ。あれが封印都市か?」
『みたいですね』
「はぇ〜デッカイ壁〜」
「人がいっぱい並んでますね〜」
道なりに歩いていた4人の前に大きな壁が見えてきた
「流石に並ばないとな」
「だね…ん?」
並ぼうとする2人の視界にある物が写る…それは
「…見ない方がいいな」
「…だね」
それは奴隷商の馬車だった。中には死んだ目の女性が複数檻に入れられていた
「…まぁだいたい察してたけどな。時代的に」
「…そうだね」
2人は顔を顰めつつも神から教えられた基本情報に奴隷商売が認められていることを教えて貰っていたのでそれで済ませる
暫くして…
「やっと街に入れるな」
「結構長かった…」
並び始めてそれなりに時間が経ち目の前には入口の門が見えていた
「…ん?なんだあの狐っ娘」
「あ、ホントだ」
ちょうど目の前の女の子が門番と何やら問答していたので龍達も詳しく聞いてみる
「え!?じゅ、10万バルですか…」
「ああ。もしかして嬢ちゃん持ってないのか?」
「う、うう…家の事情で家出したので手持ちが…」
「…嬢ちゃんには申し訳ないが支払えないなら入れることができねぇんだわ…ごめんな?」
項垂れる金髪狐少女…因みにパン1つの値段が200バルなので日本円とあまり価値は変わらない。龍達には神から200万バル支給されている
「うぅ…どうしたら…」
「嬢ちゃん、連れの人は居ないのかい?って家出だからいる訳な「居るぞ」お?」
「へ?」
流石に見ておけなかった龍が声を上げる
「ったく先走りやがって…おいトワ、狐っ娘、口裏合わせろ」
「OK」
「は、はい!」
「つーわけで3人で30万バルな」
「ほいほい…よし、確認できたから入っていいぞ。嬢ちゃんも良かったな!」
「は、はい!」
戸惑った様子の少女を連れて都市に入る
「…ありがとうございます」
「気にすんな勝手にやっただけだ…つーかお前家出がどうとか言ってたが…まぁそこは聞かないでおく。これからどうするんだ?」
「ここには地下迷宮があるのでそこでお金を稼いで暮らそうかと…」
『あ、それに関してなんですが…』
「ほわっ!?ど、どこからか声が!?」
BBの声が響き驚く少女…直ぐに龍がスマホを取り出すとBBが書類をめくっていた
『どうも、AIのBBと申します。まず狐少女さん』
「あ、私はクーナといいます」
「クーナか。俺は深海龍我、龍我とでも呼んでくれ」
「コンヤッピー!常闇トワだよ〜」
『それでクーナさん。一応確認ですが地下迷宮に入るには免許がいるのですが…』
「えっ!?」
免許という言葉に驚いたクーナ…どうやら彼女は知らなかったらしい
「その免許はどうやってとるんですか!」
『申し込みが殺到しすぎて順番待ちで1年は待つことになりますね』
「そんな…1年も待てないです…」
ガックリと肩を落とす…因みに耳と尻尾は帽子とスカートに隠れて見えない(なんでもクーナの種族、火狐はお金になるから隠さないといけないらしい)
『ただ他に手段がない訳ではありません』
「本当ですか!?」
BBの言葉に目を輝かせるクーナ
『3日後にこの街にあるヴェルグランデ騎士学校で入学試験があるそうです。最近になって一般枠が用意されているそうです。そこで合格して生徒になれば迷宮に入る権利が得られるそうです』
「それは凄いです!」
「へぇ〜地下迷宮に騎士学校ね?」
「面白そうだし受けてみる?」
「だな」
「あっ…でも学費を払えません…」
『そこはご安心!現在この街ではより強い探索者が必要とされているので一般枠の成績上位4名には特待生として入学費、三食付の寮費、授業料が全額無料、教材もタダで支給されるそうです!』
「なんですかその超VIP待遇!」
『後これは完全に余談ですが卒業までにランク3になれれば名誉貴族にもなれるそうです』
尚その難易度は5年に1人出るか出ないかくらいらしい
「凄いです!受けます!絶対受けます!」
『ですが座学は大丈夫ですか?一応センパイ達も勉強しないとですが…』
「ざ、座学ですか…」
『かなりマニアックな問題も出るそうです。クーナさんがどこ出身かにもよりますが専用の勉強をしないと不味いでしょうね』
「…おいそれ俺達大丈夫か?」
『あ、センパイ達は大丈夫ですよ?実は検索機能で調べたら過去問が出てきたのでこれ使えば対策できます。まぁ実は確実に合格できる手があるんですが…』
「ん?なんか言ったか?」
『気にしなくていいですよ〜』
「あ、あの〜私も受けていいですか?」
『構いませんよ。ですが1つ条件がございます』
BBの言葉にクーナは自分の体を抱きしめて後ずさる
「ま、まさか私の痴態を撮らせろとか…」
『んなわけないでしょ!自意識過剰も大概にしてください!あとBBちゃんはノーマルです!』
クーナのトンチキ発言にツッコミを入れるBB…普段振り回す側のはずのBBが振り回されるのを珍しいものを見る目で見つめる龍だった
『こほん…単純な話、入学後にセンパイ達とパーティを組んでください』
「え?それだけですか?」
『寧ろ何を要求されると思って…いやさっき言ってましたね』
ゲンナリした様子でため息をつく
『それで、どうですかね?』
「私は問題ありません!」
「同じく」
「だね〜」
『それでは交渉成立という事で』
BBがスマホにマップを写すととある場所にピンを立てる
『とりあえず宿取りましょう』
「「「賛成」」」
「今日は2人部屋が2部屋空いてますよ」
「ならトワとクーナの女子2人と俺で良いな」
「へ?リュウガさんって女性じゃ?」
「龍我は見た目こんなんだけど男だよ」
「…え」
「あ、やっぱ気づいてなかったか」
「ついでに言っとくと普通に女子よりも女子力高いよ」
「最近母さんに女性の化粧のやり方を教えられたんだが…」
「マジで女子力高かった!?」
To Be Continued…
次回の深海の龍帝は何を成す?は…
「え〜!?なんでここが違うんですか!?」
「…ここはこうじゃなくてこなるのか…?いやこれは…」
「う〜ん…」
勉強に励む3人
「!?」
「あら?●●●●の姫君じゃない」
新しく出会ったのは…
次回!「没落貴族の魔剣姫」
キャラ解説…要る?
-
書け!
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別に要らんじゃろ