深海の龍帝は何を成す?   作:リア・ユグドラシル

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新たな目標。そして…

「…さて、どうなるか…」

 

「…大丈夫でしょう。彼女は数え切れない苦難を乗り切ってきました…今回のことも、乗り越えられるでしょう」

 

「いやそもそも乗り越えれた理由がオークレールの復興だからな…」

 

「…あぁ〜…まぁ…はい…」

 

事の真相を知る龍は下手したら心が折れるんじゃないかと心配していた

 

「…ま、まぁそこはロードの腕の見せどころということで…」

 

「おめぇも頑張るんだよバカ」

 

「デスヨネー」

 

ガックシと肩を落とすベルゼビュートに白い目を向けながら龍は扉を見る

 

(…頼むから折れてくれるなよ…)

 

 

 

数分後…

 

 

「…そろそろ話し終わったか?」

 

「時間的には話し終わってるはずですが…」

 

そう2人が話していると扉が開く

 

「「あっ…」」

 

「…」

 

扉から出てきたアンネだが前髪で表情が隠れて見えなくなっていた

 

「あ〜…えっと…」

 

(おいベルゼ何とかしろ)

 

「えっちょっえぇ!?」

 

(無茶言わんでください!?)

 

とんでもないキラーパスに大慌てのベルゼ…だがその前にアンネが龍の腕を掴む

 

「…早く外に帰る」

 

「…お、おう…」

 

「あ、じゃあ外に送りますね〜」

 

(後は頑張って☆)

 

(テメェ他人事だと…!)

 

「バイバーイ!」

 

「いやちょっと待て強制退去!?」

 

まさかの落とし穴方式で外に放り出される龍とアンネ…とりあえず龍は今度戻ってきたら一発殴ると心に決めたのだった

 

 

 

「…ん。戻ってきたか…」

 

「お、起きたかい?」

 

「…シリルか」

 

「ふむ…どうやら制御に成功したようだね。では、今日はもう休みなさい」

 

「そうさせてもらう…行くぞ、アンネ」

 

「…えぇ…」

 

移動中…

 

部屋にたどり着くと龍は未だに顔を俯かせているアンネに声をかける

 

「…で、その…だな…うん…大丈夫か?」

 

「…まぁそうね。目標だったオークレール家の再建は叶わない…でも」

 

「ん?」

 

俯いていた顔をアンネが上げる。その表情は絶望ではなく

 

「それなら私は新たなオークレールを始める。私が始まりの…ね」

 

新たな希望と覚悟を宿していた

 

「…なるほどな」

 

「お父様の冤罪は最早拭えない。けど私が新たなオークレールを始めることはできる。だから…」

 

アンネは龍に頭を下げる

 

「力を貸して」

 

「…正直折れてしまわないか心配だったが…この様子なら大丈夫そうだな。いいぞ。好きなだけ頼れ」

 

「…ありがとう」

 

そう言って微笑むアンネに龍は笑いかけると

 

「さて、そんじゃあ今夜は豪勢にするか。第二段階制御記念ってことで」

 

「ふふっ。それなら前に言ってたたんしちゅー?だったかしら。あれ、また食べたいわ」

 

「あいよ。ご注文通りに」

 

手元に冷凍された牛タンを出しながら龍は笑った

 

 

翌日…

 

「リュウガくん、アンネくん、トワくん、クーナ。話がある」

 

朝ごはんを食べ、いざ迷宮に向かおうとした4人をシリルが呼び止める

 

「ん?どうした?」

 

「君達…特にクーナに関することで…ね」

 

「…わかった」

 

シリルに連れられて外に出る4人。人気の無い場所まで行くと口を開こうとした…

 

「ん?」

 

「これは…」

 

「転移魔法?」

 

「「!?」」

 

シリルの左後方に展開された魔法陣にうろんげな目を向ける龍、シリル、トワと警戒心を露わにするクーナとアンネ

 

「エルシエの長、シリル・エルシエ殿。先日の返事を伺いに参りました」

 

現れたのは20人ほどの集団。全員がランク3以上、ランク4も数人いる、特徴的な白銀の鎧に薔薇の紋章があしらわれている

 

「「…神聖薔薇騎士団」」

 

かつて龍達を襲った集団。神聖薔薇騎士団だった

 

「先日の返事とはなんの事かな?」

 

「火神の贄たる、クーナ・エルシエの引き渡し。及び、エルシエに対して要請した世界を救うための協力です。あなたほどのかたなら、それが必要であることは理解されているはず。共に世界を救いましょう」

 

シリルと神聖薔薇騎士団に繋がりがあったことに絶句するクーナとアンネだが龍斗とトワは既に知っていたため特に気にせず2人を守るために近くによる

 

「…やんわりと断ったつもりだったのだが。まぁいい、この場で明言しておこう。シリル・エルシエ個人も、エルシエも神聖薔薇騎士団に協力しない。彼女にも伝えておいてくれないか。【俺は諦めない。希望を見つけた】と」

 

シリルがそう言った瞬間、神聖薔薇騎士団の団員から殺気が膨れ上がる…が次の瞬間龍とトワが放つ殺気によりランク3の団員が全員気絶し、ランク4も膝を着いた

 

「せ、戦争になりますよ…あ、あなたが作り上げたエルシエが滅びてしまうでしょう…!」

 

「それはどうかな?」

 

「よ、4大種族であるエルフと火狐が主戦力のエルシエでは我々に出ないことは明白…」

 

「やってみればいいさ。そして後悔しろ。君達の自身の源はわかるけど、それを知っていながらなんの対策もしないとでも?俺たちエルシエは、こちらから侵略することは無いが、決して平和主義者という訳では無い。降りかかる火の粉は全力で払う」

 

「っ…」

 

シリルの放つ殺気にたじろぐ団員

 

「それともここで実力行使に訴えるかい?ここには俺だけでなく俺と互角以上に渡り合える彼や彼と共に戦えるだけの実力を誇る彼女も居る。その上でその程度の戦力で勝てると思っているのか?」

 

「そ、そのつもりはありません…ですがシリル・エルシエ殿…その判断、後悔することになりますぞ…このことは我が教主に伝えさせていただく…」

 

「後悔とはなんだ?戦争になってしまい、国が滅ぼされ、俺が殺されることか?娘を失ってしまう後悔と比べれば些細なことだ。幸か不幸か、俺はその後悔を知っている

 

その言葉を聞いた神聖薔薇騎士団は転移魔法を起動させ逃げるように去っていった

 

「…あまり見られたくないところを見られたかな?」

 

「お父様…あの人達と関わりが?」

 

「ああ、特に彼らのトップとは懇意にしていてね。そもそも地下迷宮自体、彼らの協力があってできたものだ」

 

「ほーん?まぁどうでもいいが…正直曖昧な答え方したことが意外だったな。わざとだろ?」

 

「そうだね。最悪の展開を考えるとその可能性を消したくなかった。だけど、帰ってきたクーナや君達を見て確信した。運命に抗う道を選ぶ。最悪の結末を避けるなんて弱気な事を言わずにね」

 

「…まぁそれはかまわんしクーナのためならいくらでも協力するが…アイツらが戦争になったらエルシエが滅びるってのは?」

 

そう龍が問うとシリルの顔が苦々しいものに変わる

 

「あぁそれか…あの言葉は正しい。戦力的な問題ではなく相性的な問題でね…」

 

「…火狐とエルフ対策を持ってるということか?」

 

「その通りだ。そしてその戦況を変えれるのは…君とアンネロッタ、トワくんが鍵となる。頼りにさせてとらう。この後の話はまた後日…とりあえず今日もお休みにしよう」

 

「了解。お前らも行くぞ……っても落ち着かないだろうし、少し訓練でもするか?」

 

「そうね。この後お願い」

 

「私もお願いします」

 

「あ、龍我。クーナにあれを渡さなくていいの?」

 

「ん?あ〜そうだ。忘れてたな…じゃ、移動したら渡す」

 

「分かりました」

 

「そんじゃ、明日ちゃんと説明してくれよ」

 

「わかっている。それじゃ」

 

そう言ってそれぞれ解散した

 

To Be Continued…




次回「双刀 空那」

キャラ解説…要る?

  • 書け!
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