深海の龍帝は何を成す?   作:リア・ユグドラシル

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戦争開始

「「ルールのある戦争?」」

 

「そうだ」

 

龍とトワがシリルの発言に首を捻る

 

「戦争のルールつったって宣戦布告がどうとかくらいしか思いつかないんだが…」

 

「まぁそういうのもあるが今回のは明確にルールが定められている」

 

指定されたルール

 

戦場はエルジェから南に5キロ行った巨大な平原(遮蔽物無し)

 

時間は夜になるまで

 

勝利条件は大将首を取るか降参させる

 

条件が達成されなければ互いの被害状況に応じて交渉

 

捕虜は戦争終了後に引き渡す

 

エルシエが勝利した場合

 

賠償金と今後一切エルシエとクーナに手を出さない

 

薔薇騎士団が勝利した場合

 

クーナを引渡し、シリルが騎士団に所属

 

上記の内容は誓約と言う魔術によって保証される(条件を破った場合対象者の心臓が握りつぶされる)

 

殺人に関しては特に制限無し(死んでも自己責任)

 

「…要は皆殺しにすればいいと」

 

「割と単純だね」

 

「まぁ君たちならそうなるよね…ただ1つお願いしたいことがあってね…」

 

「「ん?」」

 

「今回の件はエルシエがメインじゃないといけない。あくまでこれは神聖薔薇騎士団とエルシエの戦争だからね。君達には相手の切り札を破壊して欲しい」

 

ここで龍達が殲滅してしまえば騎士団とエルシエではなく騎士団と龍達の戦争になってしまうため戦争の条件からズレてしまうと言うシリル

 

「ふむ…了解した。切り札ってのは?」

 

「敵が私達に勝てるという自信の根源…【絶対守護領域】と【精霊喰らい】だ」

 

シリルは黒板に羽の生えた芋虫の様な生物と十字架を描く

 

「まずエルフ部隊が2キロ先から弓矢で先制攻撃、敵が守護領域を発動後僕と魔剣の尻尾が領域内に突入、その際にアンネロッタが結界をこじ開け、龍我は精霊喰らいを僕とクーナは騎士団員の殲滅、トワは結界の起点になっている十字架を破壊、それが済み次第火狐部隊が近接、遠距離からエルフの弓矢でとどめを刺す」

 

「速攻ってわけか」

 

「精霊喰らいの厄介さはシャレにならないからね。エルシエメインで戦争するならこれしかない訳だ」

 

「なるほどね。開戦日は?」

 

「1週間後だ。それまでしっかり英気を養ってくれ」

 

「「「「了解」」」」

 

 

1週間後…

 

「ひゃ〜こんだけ揃ってると迫力が凄いわ〜」

 

「だな」

 

「あっちは凄い数ですよ…」

 

「…あの芋虫みたいなのが精霊喰らい…」

 

エルシエ軍は200人程度に対し神聖薔薇騎士団は2万近い兵を出してきた

 

「…いや多すぎでは?」

 

「そんだけクーナを確保したいんだろ。この戦争に勝てりゃシリルを味方に引き入れられるってオマケ付きだ」

 

「…ですね」

 

「…はぁ」

 

暗い表情をするクーナの顔を見た龍はクーナの頭を乱暴に撫でる

 

「い、いきなりなんですか!?」

 

「ん?まぁ…な。シリル聞いた話だとクーナの心臓が使えりゃ、20年は延長できるらしいが…」

 

そこまで言った龍は騎士団を睨みつける

 

「たかだか20年ぽっちでクーナをくれてやるつもりなんてねぇがな」

 

「…そ、そうですか…」

 

「まぁ龍我の性格を考えると20年だろうが100年だろうが渡すとは思えないんだけど…」

 

「あ?当たり前だろドラゴンの強欲さ舐めんな」

 

「逸話から考えると納得しかないわ…いやドラゴンが主に強欲なのってお宝では?」

 

「彼にとってのお宝=クーナ達なんだろうね」

 

「「…///」」

 

顔を真っ赤にするクーナとアンネ。それを見てニヤつくトワだが…

 

「ニヤついてるお前もだがな」

 

「…ふぁっ!?な、なに言ってんのですかねえ!?///」

 

「口調ブレッブレじゃねぇか」

 

2人と同じく顔を真っ赤にするトワをしり目に龍は外していた艤装を装備していく

 

「…ふむ」

 

「違和感はありませんか〜?」

 

「んにゃ。すこぶる快調だ…と言いたいんだが…」

 

「ん〜?」

 

龍は若干顔を曇らせる

 

「なんつーか…装備に問題があるってよりかは…俺自身…か?なんか足りねぇってか…」

 

「「「「「?」」」」」

 

龍の口元から光る雫が垂れる

 

「…なんだろう。アイツら見てからなんかヨダレが止まらん…何か知らんが…」

 

「「「「「…えっ?」」」」」

 

 

妖精検査中…

 

「…結論から言いますと別に食人欲求に目覚めたとかそういう訳では無いですね〜」

 

「じゃあ一体何が…?」

 

「…どうやら龍我の体は進化のためのエネルギーを求めているようです。それも、龍我に搭載されている無限エネルギー炉から発せられるエネルギーではなく…生物の魂のエネルギーを…」

 

「…それって大丈夫なの?…その、取り込まれた人間…」

 

「そうですね〜…それを説明するにはまず、魂の構造を教えないとです〜」

 

妖精はホログラムを展開し指さし棒を取り出す

 

「まず、魂は星幽体を核に物質体に重なるように精神体スピリチュアルボディが存在し、その周りをエネルギーが覆っています。この星幽体が生物の思考を行うための演算部分で精神体は記憶を保管するメモリー部分になります〜。そしてこれらを保護し、魂を肉体に繋ぎ止めるのが周りを覆うエネルギー…或いは精神になります〜」

 

「…もしかしてリュウガの進化に必要なのって…?」

 

「はい〜。このエネルギー部分になります〜」

 

「…それ要は死ぬってことでは?」

 

「いやまぁエネルギーが無くなっても転生しますし〜。そもそも今回の戦争は死んでも自己責任だし別に問題無いのでは〜?」

 

「…それもそっか」

 

「…ふむ。龍我の飢餓を抑えるにはどのくらい必要なのかな?」

 

「大体1万人分あれば…」

 

「…なるほど。龍我、ついでだからこの戦争で魂を回収してしまおう。今後においても確実に役に立つ」

 

「了解。まぁ相手2万も居るんだし半分くらい持ってっても大丈夫だろ」

 

「それ私の出番ある…?」

 

そう言って首を傾げるトワ

 

「それならやりすぎない程度に殲滅してくれ。こっちも犠牲が少ない方がいい」

 

「了解。後始末は任せて」

 

「サラッと言ってたけど最低でも1万人を200人で返り討ちにできるっておかしくない?」

 

シリルの発言にドン引きするアンネだった

 

 

 

 

「…間もなく開戦か」

 

艤装を展開し、ブースターを吹かせる龍。艤装にはいつものメンバーとシリルがしがみついていた

 

「作戦の確認だ。開戦の瞬間突っ込む。結界が近くなったらアンネを前方に投擲して結界に穴を開けてもらい、トワを起点の十字架に投擲後、残り3人で周辺の兵と精霊喰らいを殲滅、俺が1万人の魂を回収後。2人を回収して離脱。あとはトワとエルシエ軍に任せるってことでいいな?」

 

「「「「異議なし!」」」」

 

「うっし。そんじゃあ…」

 

開戦を知らせる魔法弾が上空で弾けると同時にブースターから爆炎が吹き出す

 

「開戦だオラァ!!!」

 

To Be Continued…




次回「魔の胎動」

キャラ解説…要る?

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